- モノラル隔離病棟
306 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2013/02/11(月) 00:40:52.05 ID:TM+DvYNH - 前にも少し書いたと思いますが、大事なことなのでwもっと詳しく長文ですまん。
感涙すべきレコードといまいちな復刻盤の話。 今年が生誕200年のワーグナーですが、あるワーグナーに関連した永遠に失われた 「音」があります。ワーグナーは彼の作品のパルジファルをバイロイトで初演するに あたり、聖杯守護のモンサルヴァート城の鐘の音を出すために特別な鐘(というか 巨大な金属質のドラム)を作成しました。当初は銅鑼を使おうと思ったがやめたそ うです。これはその後もパルジファルの上演で使用されたそうですが、第二次世界 大戦で失われ現在に残っておりません。このワーグナーのオリジナルの鐘は、 音のみがカール・ムック指揮のパルジファルの録音に残されております。 ムックは1927年と1928年にこのバルジファルを部分的にですが録音しています。 27年はバイロイトで、28年はベルリンですが、28年のは録音もすばらしく分量も 多く、失われた初演以来の鐘の音がきわめてクリアーに録音されています。 もちろん鐘の音だけでなく演奏も見事です。どこかにあった話ではこの録音のために 鐘をバイロイトからベルリンまで特別列車で運んだということです。 その音色は、極めて荘厳で重々しくかつメタリックでガキンとしたな響きをもった、 筆舌に尽くせない圧倒的なもので、通常考えるような教会の鐘のようなものではなく 壮絶な響きです。 わざわざワーグナー自身の指示で作らせたことからも、やはりどうしてもパルジファルの ためにはこの「音」が必要だったのでしょう。 写真は残っていてこんなものですが、およそ鐘ではないですね。 http://www.monsalvat.no/drums.jpg
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