- DDRプレイヤースレ 65
222 :爆音で名前が聞こえません[]:2024/10/04(金) 12:41:19.49 ID:SO9Jv+FW0 - 太祖が亡くなった。
彼は「北の老人」と呼ばれていた。 彼の家が村の北端にあったからだ。 門は比較的長く、両側から竹藪が覆っている。 竹藪は伐採されすぎて荒れているが、それでも庭に影を落としている。 おとっつぁん」は「おじさん」でも「お父さん」でもない。 尊敬と軽蔑の両方の意味を持つ言葉である。 もうずいぶん前からそうだ。 60歳を過ぎても、30代から40代、特に20代としか接点がなかった。 年上の男性には興味がなかった。 彼は村で唯一の同世代の男だった。 子供の頃、彼はひどい水疱瘡にかかった。 疱瘡が彼の体を覆ったとき、鼻の穴さえも塞がった。 呼吸は荒くなり、苦しくなった。 それを見た母親は、鼻の穴がふさがった彼の呼吸を助けるために、けんぼなしの実をつまんで鼻の穴に押し込んだ。 霜が葉を蹴散らしていた冬のことだった。 枳殻の木は竹藪の中にあった。 真っ青な空から黄色っぽい葉が竹の梢をひらひらと舞い落ちる。 竹が音を立てて揺れた。 落ち葉は必然的に竹の葉を滑り落ち、こぼれ落ちる。
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