- IIDXランカースレ Part56 [無断転載禁止]©2ch.net
450 :爆音で名前が聞こえません[]:2017/08/13(日) 16:36:40.03 ID:UWVcWMIO0 - 最終話 世界の中心でアイを叫んだけもの1
〜逃げ出したKAC〜 テロップ:時に2017年 テロップ:ドルチェの失われたモノ テロップ:すなわち、歴代の補完は続いていた テロップ:だが、その全てを記すにはあまりにも時間が足りない テロップ:よって今は、ドルチェ大樹という名の少年 テロップ:彼の心の補完について語ることにする テロップ:CASE 3 テロップ:ドルチェ大樹の場合 テロップ:恐怖 アスカ:自分がいなくなること。 ダイキ:でも、こんな自分なら、いなくてもいいと思う。 レイ:どうして? アスカ:だって、私はいらない人間だもの。 ダイキ:やっぱり僕は、いらない子供なんだ!僕のことなんか、どうでもいいんだ! ミサト:どうでもいいと思うことで、逃げてるでしょ? ミサト:失敗するのがこわいんでしょ? ミサト:人から嫌われるのが恐いんでしょ? ミサト:弱い自分を見るのが恐いんでしょう? ダイキ:そんなの、ミサトさんも同じじゃないか! ミサト:そうよ。私たちはみんな同じなのよ。 リツコ:心がどこか欠けているの。 アスカ:それが恐いの。 レイ:不安なの。 ミサト:だから、今、一つになろうとしている。 アスカ:ユータカに埋めて貰おうとしている。 レイ:それが、歴代補完計画。 冬月:人は、群れていなければ生きられない。 ゲンドウ:人は一人で生きていけない。 リツコ:自分は一人しかいないのに。 ケンタン:だから辛いんだな。 アスカ:だからさみしいのよ。 ミサト:だから、心を、体を重ねたいの。 レイ:一つになりたいのね。 冬月:人は、脆く、弱いものでできている。 リツコ:心も体も、脆くて弱いものでできている。 ゲンドウ:だから、ユータカに補完して貰わねばならない。 ゲンドウ:そうしなければ生きていけないからだ。 テロップ:「本当に?」
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452 :爆音で名前が聞こえません[]:2017/08/13(日) 16:37:02.49 ID:UWVcWMIO0 - レイ:なぜ、生きてるの?
テロップ:わからない アスカ:それを知りたくて、生きてるのかな? レイ:誰のために生きてるの? アスカ:もちろん、私のためよ。 ダイキ:多分、自分のために。 テロップ:「本当に?」 レイ:生きていて嬉しい? ダイキ:分からない。 レイ:生きていて嬉しい? アスカ:嬉しいに決まってるわよ。 レイ:生きていて嬉しい? ミサト:楽しいことしか、したくないの。 ケンタン:さみしいのは、嫌いかい? ダイキ:好きじゃないです。 ケンタン:辛いのは、嫌いかい? ミサト:好きじゃないわ。 ケンタン:だから逃げるのか? ミサト:そうよ。嫌なことから逃げ出して、何が悪いって言うのよ!
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453 :爆音で名前が聞こえません[]:2017/08/13(日) 16:37:29.98 ID:UWVcWMIO0 - ダイキ:逃げちゃだめだ。
レイ:どうして逃げてはいけないの? ダイキ:逃げたら辛いんだ! レイ:辛いことから逃げ出したのに? ダイキ:辛かったんだよ! アスカ:辛いことが分かってるんなら、それでいいじゃん。 ミサト:そう。辛かったら逃げてもいいのよ。 レイ:本当に嫌だったら、逃げ出してもいいの。 ダイキ:でも嫌だ!逃げるのはもう嫌なんだよ! ダイキ:そう、逃げちゃだめなんだ! ミサト:それは、ただ逃げるほうがもっと辛いと感じているからよ。 アスカ:逃げ出した辛さを知ったから。 レイ:だから逃げるのが嫌なのね。 ダイキ:だって、逃げ出したら誰も相手にしてくれないんだ! ダイキ:僕を捨てないで。お願いだから、僕を捨てないで! リツコ:人の言うことにはおとなしく素直に従う。それがあの子の処世術じゃなの? ダイキ:そうだよ、そうしないとまた捨てられちゃうんだ。 アスカ:自分が傷つくのが恐いんでしょう。 ミサト:そう思い込んでいるだけでしょ? ホリノコシ:傷ついているのは、シンジ一人だけじゃないよ。 たかし:難儀なんは、おまえ一人やないでぇ。 なつこ:そう考えると楽だから、そう思っているだけね。 ダイキ:うるさい!そんなの関係ないよ!僕のことなんか、どうでもいいんだ! ミサト:そうやって、すぐに自分の価値を放り出す。 レイ:私には、何もないもの。 アスカ:まぁた、価値がないんだ、と思い込む! ミサト:そう思って何もしなければ、傷つくこともないもの。 アスカ:人に誉められることで、自分を維持しているのよ。 ダイキ:誰も僕を受け入れてくれないんだ。 ミサト:そう思い込んでいるだけでしょ? ダイキ:だから僕は、筐体に乗らなきゃいけない。 ミサト:自分には、最初から価値がないと思い込んでいるだけなんでしょ? ダイキ:そうしなきゃいけないんだ! ホリノコシ:そんな事ないさ。 たかし:そう思い込んでるだけやで。きっと。 ダイキ:違う。僕に価値はない。誇れるものがない。 アスカ:だから筐体に乗ってる。 ダイキ:筐体に乗ることで、僕は僕でいられる。 アスカ:筐体に乗ることで、私は私でいられる。 ダイキ:筐体に乗る前の僕には、何もなかった。
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454 :爆音で名前が聞こえません[]:2017/08/13(日) 16:37:54.82 ID:UWVcWMIO0 - ダイキ:僕は筐体に乗っているからここにいられる。
アスカ:他には何もないの。 レイ:他には何もないもの。 シンジ:僕には何もない。何もないんだ。 テロップ:「生きる価値が」 シンジ:僕にはない。 テロップ:「…だから」 シンジ:僕は、僕が嫌いなんだ。 アスカ:あんたなんか、嫌い、嫌い!大っ嫌い! トウジ:おまえなんか、大っ嫌いや! ケンスケ:僕は嫌いだな、君のことが。 ヒカリ:ごめんなさい、あなたのこと嫌いなの。 リツコ:嫌いね。 マコト:嫌いですね。 シゲル:嫌いだよ。 マヤ:嫌いです。あなたのこと。 加持:嫌いだな、君のことが。 ミサト:大っ嫌い! シンジ:ほら、みんなそう思ってる。 シンジ:きっとそう思ってるんだ! レイ:そう思い込んでいるだけでしょ。 シンジ:違う!だって、僕は僕が嫌いだもの! レイ:だから、みんなもそうだと思い込んでる。 アスカ:嫌い、嫌い!大っ嫌い! シンジ:でも、誉めてくれるんだ。 シンジ:EVAに乗ると、誉めてくれるんだ! シンジ:人に誉められたんだ。 テロップ:「だから うれしい」 シンジ:人に誉められたんだ! テロップ:「でもうれしくない」 レイ:どちらがほんとの気持ちなの? シンジ:分からない。いや、どっちもほんとの気持ちだ。 ミサト:だからEVAに乗るのね。 シンジ:今の僕には、EVAしかないから。 レイ:そうしないと自分が保てないのね。 ミサト:確かにEVA初号機は、あなたの心の一部だわ。 リツコ:けどEVAにすがっていると、EVAそのものがあなた自身になってしまう。 加持:EVAそのものが君のすべてになってしまう。 ミサト:本当のあなた自身は、どこにもいなくなってしまうのよ。 シンジ:いいんだ!もともと僕には何にもなかったんだ。習っていたチェロだって、何にもならなかったんだ。 アスカ:自分から何もしなかっただけじゃないの。 シンジ:でも、今はEVAに乗れるんだ! アスカ:で、そのうちEVAがなければ何もできなくなるのよ。私みたいに。 テロップ:「何故、エヴァに乗るのか?」 シンジ:それが僕のすべてだから。
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