- 【都心の】IIDXランカースレpart95【ﾃﾞﾓﾝｽﾞｳｫｰﾙ】
675 ：爆音で名前が聞こえません[sage]：2012/07/14(土) 11:43:13.40 ID:RJiU+m8w0 - 海岸、カシオペア、地底より来たりし鍵徒 vol4(前編)
身体が軋む痛みで不意に目が覚めた。
どこか遠くで大勢の人が騒いでいるような音がする。
驚いてまわりを見回すと、そこはコンクリートが打ちっぱなしの部屋だった
かなり薄暗いので良く分からなかったが、部屋は灰色で何も無く、かつてドアだったと思われる場所がそのままぽっかり空いているだけだった。
（お、俺は一体どこに来たんだ！？）
慌てて記憶をたぐり寄せる。
（確か俺はサーバーをハッキングして、で寝る前に誰かが部屋に来て、）
（それから気づくと変なところでビーマニをやらされて、）
（やらされて・・・ その後どうなったんだ・・・？）
『ようこそ、暗黒殿へ。』
「お、お、おい！誰か居るのか！？」
聞き覚えのある声に慌てて入り口の方を見るが・・・誰も居る気配はない。
『私のビーラを使って直接君の脳内に話しかけています、騒いでもどこにも私は居ませんよ。』
「ビ、ビーラぁ！？お、お前が俺を誘拐した犯人だな！？そうだろう！音専で俺の部屋に入ってきた！！」
『そう、その通り。私の名前は蔵伊勢 傀（カイ）です。これからはカイと呼んでください』
「お前の名前なんかどうでもいいんだよ！早く俺を解放しろ！なんなんだここは！」
『何度も説明させないで欲しい、そこは暗黒殿。
ハーデス様の前での失態ゆえに処分されてもおかしくなかった君を私がなんとか救ってあげたのです。感謝してください。』
「うるせえ！暗黒殿ってなんなんだよ！早く俺をここから出せ！」
『ビートマニアのプレイ結果に応じて暗黒殿で使用できるお金、デラーを貰うことが出来ます。
ただ君の実力では恐らく１デラーも貰えずにそのまま餓死してしまうでしょうがね・・・
ちなみに100万デラー溜まったら暗黒殿から出られますよ。健闘を祈ります、死ぬ前に上達してください。それでは。』
「あ、あ！？ 100万デラー！？おい、ふざけんな！おい！聞いてんのか！俺をここから出せって言ってんだよ！！！」
何も返事は無かった
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676 ：爆音で名前が聞こえません[sage]：2012/07/14(土) 11:44:21.48 ID:RJiU+m8w0 - 海岸、カシオペア、地底より来たりし鍵徒 vol4(後編)
俺はしばらく放心していた。
全てがあまりに急展開すぎたということもあったが、
脳みそが全部酒で詰まってるんじゃないかと思うほど俺の頭がボーッとしていたからでもある。
どれほどの時間が経っただろうか、頭のもやもやが突然晴れ、大きなショックが俺を襲った
（お、落ち着いてここから出る方法を考えよう、そうしよう）
（一旦状況を整理する、あの男、カイと名乗っていた）
（確かに音専で一回カイとしゃべったことがあるだろう、声が同じだった）
（そして気づいたらへんな場所に居て・・・ 偉そうな奴が居て・・・）
（そう、ハーデス！ハーデスとかいう名前だったな！）
（ゲーセンでもなんでもない場所でいきなりビーマニをやらされたんだ、なんで筐体があった・・・？）
（それにこのがらんとした建物・・・遠くから音が反響してここまで響いているということはかなりの広さのはず）
（俺を誘拐したのは何かの組織・・・？）
（はっ・・・！？ 俺はビーマニのカルト教団に捕まったんじゃないか・・・？）
（そうだ、そう考えれば全ての辻褄が合うんだ！）
（俺を誘拐した妙な連中、ハーデスとかいう訳のわからん名前、この妙な建物！）
（俺が本当に穴冥3901点を出したMTKだと思って誘拐した・・・）
（だからあの場で俺にいきなりビーマニをプレイさせたんだ・・・）
（いや、だとしたらカイとかいう奴は俺が本当は3901点なんて出してないことを知っているはずでは・・・？）
そしてカイが最後に言っていた言葉。
100万デラーを溜める・・・ その前に餓死する・・・ なんのことだ・・・？
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677 ：爆音で名前が聞こえません[sage]：2012/07/14(土) 11:45:53.44 ID:RJiU+m8w0 - 海岸、カシオペア、地底より来たりし鍵徒 vol5(前編)
とりあえず音のする方へ行ってみよう。俺は部屋を出た。
元々はホテルか何かだったのだろうか？
部屋を出ると廊下になっていて、自分が入っていたのと同じ形のコンクリートだけの部屋がいくつも並んでいた。
部屋にはどれもドアは無かった。暗がりの中に人が居るようだったので少し覗いてみたが、
部屋の隅っこで意味不明な独り言をぶつぶつ呟きながら空虚を見つめていた。
明らかに精神に変調をきたしていると思った。俺は存在に気づかれないようそっと部屋を出て早足で逃げた。
それからは部屋を覗くのはやめた。
しばらく歩くと騒がしい音のする方へ出た。
（大きなホール・・・？）
広いホール状の場所の一箇所に多くの人が群がっていて、大声で野次を飛ばしているような、いや歓声を上げているような、異様な熱気（グルーヴ）を感じた。
（こいつらは何に群がっている？）
人ごみへ駆け足で向かうと、その目線の先にあったのは金網、
いや、金網に入ったビートマニアとプレイヤーだった
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678 ：爆音で名前が聞こえません[sage]：2012/07/14(土) 11:48:39.13 ID:RJiU+m8w0 - 海岸、カシオペア、地底より来たりし鍵徒 vol5(後編)
（さっきカイが言っていた言葉、『ビートマニアのプレイに応じてデラーが貰える』 何のことだか意味がわからなかったがそういうことか・・・！）
どんな奴がプレイしているのか、気になって金網の近くへ駆け寄った
いきなり目に入ったのはMENDES(A)のフルコンエフェクト！
（う、上手い！）
それを見ている人たちも大きな歓声を上げていた。
（リザルト画面で聞こえる歓声なんかとは全然違う、これが本当の「リザルト」・・・！）
ちょうどプレーが終わったのだろう、先ほどMENDESをフルコンした、少しだけガタイの良い男が金網から出てきた。
どうやら少し離れた場所にあるATMのような機械でデラーを受け取っているようだった。
（今のプレーでいくら貰ったんだ・・・？）
覗くのは少しだけ憚られたが、ATM状の機械の上にある電光掲示板にはデカデカと獲得デラーの額が表示されていた
その額は
（こ、このプレーで2000デラー・・・！？）
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