- ◆◇広島大学附属福山中学校・高等学校Part24◇◆
252 :4A EJBくんの作品 堂々完結[sage]:2011/12/16(金) 17:48:20.05 ID:pqGF8ErX0 - 私、水百合美佳子は恋する高1女子である。相手は春風翔太、彼とは去年の夏に出会った。最初はただの友達だった…だけどしばらくすると彼に惚れていた。あの日、私は彼を夏祭り誘おうって思って彼に会いに行ったんだ。そしたら……
花「まずいな、それはひどすぎる」 とりあえず俺たちはねーちゃんの所に帰った。 花「まさか鉢合わせになるとはな、というかもう少しまともに買い物はできないのか?」 翔太「いや、まさかこんなことになるとは思わなくて…」 美智子「まさかお姉ちゃんが来るなんて…」 花「はぁ、どうしたものか…」 翔太「なんとかならないかねーちゃん」 花「本当の事を伝えた方がいいと思うが、今はまだ逆効果だろう。ここは賭けにでてみるか…」 翔太「賭け?」 花「美智子、お前の姉は夏祭りに行くか?」 美智子「うーん…行くと思う。お姉ちゃん毎年花火を見に行ってるから」 花「例の場所でか?」 美智子「そうだよ」 花「そうか、なら翔太」 翔太「な、何だ?」 花「お前当日までにその場所を見つけて夏祭りに直接会いに行け」翔太「はぁ!?」 美智子「は、花さん!?それって凄い難しくありませんか?」 花「ああ、かなり大変だろうな。だが今会うよりはマシだ。できるか、翔太?」 翔太「…分かった、やってみる」美智子「応援してるよ、翔太」 花「頑張れよ翔太。私たちも少しは探してみるが自分の力で見つけ出してみせろ」 翔太「ああ、まかせとけ」
|
- ◆◇広島大学附属福山中学校・高等学校Part24◇◆
253 :匿名希望2[sage]:2011/12/16(金) 17:50:04.70 ID:pqGF8ErX0 - 翔太「とは言ったものの…時間切れか……」
今日は夏祭り当日、三人で探してみたが結局当てはまるような場所は見つからなかった。 翔太「はぁ…」 今俺は高台にいる。ここからだと花火がよく見える上見晴らしもいい。 翔太「ここからだといろんな場所が見えるな。あの辺りは人が多い…」 まてよ。たしか美智子は人目のつかない、静かで、暗い場所って言っていたはずだ。祭の当日となれば灯りもいろんな所にあるし、夜店もある。それから離れていて尚且つ人目につかない場所? 翔太「!」 俺は身を乗り出して景色をよくみる。 花火の打ち上げ場所の川には人が多い、ならその辺りにはいない。灯りは街中にある、なら街から少し離れた場所。それで夜店がないのは…… 翔太「そこか!」 俺は走り出す。花火の打ち上げまであと15分、間に合うか? 美佳子「はぁ…」 私は今自分のお気に入りの場所にいた。だれも知らない、私だけの場所。本当は翔太と来たかった、だけど… 美佳子「まさか美智子と付き合っていたとはね…」 はっきり言ってショックだった。美佳子「もっと早くアプローチをかけておくべきだったな」 あと5分で花火が打ち上げられる。 美佳子「翔太も今美智子と見ているのかな…」
|
- ◆◇広島大学附属福山中学校・高等学校Part24◇◆
254 :匿名希望3[sage]:2011/12/16(金) 17:51:09.21 ID:pqGF8ErX0 - 翔太「いや、ここにいるぞ」
美佳子「えっ…」 間に合った。 俺は美佳子を見つけることができた。この場所に賭けていた。このときだけは運命という名の神に祈った。 翔太「やっぱりここだったか」 美佳子「えっ?なんでここに翔太が?ていうか美智子は…」 翔太「なんでそこで美智子の名前が出るんだ?」 美佳子「えっ?だってあなた達付き合って…」 翔太「俺と美智子は付き合ってねーよ。この前は買い物を手伝ってもらっただけだ」 美佳子「じ、じゃあ、私の早とちり?」 翔太「だな」 美佳子「でもなんでここが分かったの?美智子にも話してないのに」 翔太「まぁ…探しただけだ」 美佳子「よく見つけられたわね」翔太「自分でも奇跡だと思うよ」『ピュー…ドーン』 美佳子「あっ…」 翔太「花火、始まったな…」 美佳子「うん…」 そのまま花火の音だけが続く。 翔太「そうだ、お前に渡しときたい物があるんだよ」 俺は買ったペンダントを渡す。 翔太「着てみてくれるか?」 美佳子「うん…」 うん、よく似合ってる。やっぱりこれで正解だったようだ。 翔太「なぁ…」 美佳子「何?」 翔太「俺たち、会えてよかったな…」 美佳子「うん、そうね…」 翔太「また、ここに『二人』で来ような」 美佳子「うん、必ず」 花火の煌めきが二人の顔を照らす。今二人の間に言葉は必要なかった。
|
- ◆◇広島大学附属福山中学校・高等学校Part24◇◆
255 :匿名希望4[sage]:2011/12/16(金) 17:52:12.83 ID:pqGF8ErX0 - 花「まったく、花火の時こそ告白のチャンスだというのに」
美智子「花さん落ち着いて」 少し離れた所で花と美智子は二人を観察していた。 花「いやー最近のGPSは性能がいいな」 美智子「ははは…」 花「それにしてもあの二人うまくやっていけるのやら」 美智子「それは大丈夫だと思いますよ」 花「どうしてそう言えるのだ?」美智子「翔太が言ってましたよ。『想いは伝えるものじゃない。届けるものだ』って」 花「それで?」 美智子「あの二人ならもう届いてるんじゃないですか?」 花「ふっ…そうだな」 二人はその場を静かに去る。 花「想いは届けるもの、か…だが翔太、その想い、決してなくしてはならないぞ」 美智子「大丈夫です。あの二人なら何年たってもあの気持ちは変わりませんよ」 その日、新たに一組のカップルができた。これはどこにでも、そして誰にでもある物語。 肝心なのはその相手をどこまで想い、それを届けることができるかである。 君たちは自分の愛するものをどれだけ想うことができるか?そして、その想いをどこまで届かせることができるか? ‐END‐
|