- 【PSU】新ジャンル「パシリ」二十三体目
435 :名無しオンライン[sage]:2011/07/22(金) 20:52:23.49 ID:qqolfx2P - 支援支援
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438 : 忍法帖【Lv=1,xxxP】 [sage]:2011/07/22(金) 20:56:52.48 ID:qqolfx2P - 417です。PC変わったのでID変わってますがw
ビス男氏の投下が終わったら自分のも続けて投下しますね。
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441 :417[sage]:2011/07/22(金) 21:11:51.40 ID:qqolfx2P - >>440
楽しく読ませていただきました レス440で終わるとか誰が上手いこt(ry >>427からの続きです。 「ラズリィ、預かって欲しいものがあるからナノトランサー開いて頂戴。」 ご主人様の求めに応じ、ナノトランサーの投入口を開き、適度な大きさに広げる。 彼女は、あれと、これと・・・と呟きながら、ポイ、ポイ、ポイと幾つものアイテムを 私のナノトランサーへと投げ込んで行く。ここ最近では見慣れた風景だ。 私とご主人様が出会ってから、早1ヶ月が過ぎようとしていた。 と、その時、ピピピッ、ピピピッとヴィジホンからメールの着信を知らせる着信音が流れた。 彼女はアイテムの整理を終えると、ヴィジホンへと向き直る。 「・・・めずらしい、ヒューガさんからね・・・・・・って、なんですってー!」 何とも騒々しい。 何があったのかと視線をそちらに向けると、ヴィジホンのディスプレイに表示されたメールが 見え、その内容を読んだ私は心の中で納得をした。
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442 :417[sage]:2011/07/22(金) 21:14:47.34 ID:qqolfx2P - 「ラピスさん、ヒューガ・ライトです。
ひとつ手違いがありまして、貴女のヴィジホンに配布されるはずの、PMの取扱説明書が 送信されていませんでした。すみません。こちらのメールに添付してありますので、 確認されてみて下さい。 ps.お詫びにと言ってはなんですが、今度お食事でもどうですか?」 「もー、何で今まで気付かなかったのよっ!」 彼女が騒ぐのも無理はない。私の初期設定が終わってからというものの、なんだかんだと 1週間は説明書が見当たらないと探し回っていたのだ。 最後には途方にくれた、と言った状態はあの様子の事を指すのでしょうか、そういった様子で 諦めていましたが・・・。 「ふぅ・・・これでやっと、あなたの育て方が分かるわね。楽しみ楽しみ♪」 彼女はそうつぶやくと、メールに添付された説明書を読みはじめた。 暫くの間、ヴィジホンとにらめっこしながらメモ用紙にペンを走らせていた彼女が一息をつく。 「ちょっと買い物に行って来るわね。」 そう言い残すと、彼女は自分のナノトランサーを手に取り部屋から出て行った。
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444 :417[sage]:2011/07/22(金) 21:17:10.81 ID:qqolfx2P - 暫くすると、両手に荷物を一杯持った彼女が戻ってきた。
ナノトランサーを持って出たはずなのに?と、不思議に思っていると、彼女はよいしょっと言い ながら荷物を私のそばに置き、もうちょっと容量の大きいナノトランサーが欲しいなぁ・・・と つぶやいたのである。 「ゴシュジンサマ、ソンナニタイリョウノアイテム、ドウサレタノデスカ?」 「すぐに分かるわ。・・・えっと、ラズリィ、食物摂取機能あるわよね?」 「ハイ、マダイチドモツカッタコトハアリマセンガ・・・」 「じゃあ早速その機能をフル活用してもらうわよ。・・・はい、これ食べて」 荷物の山から次々取り出される食べ物・・・もとい、アイテムの数々。 それを次々手渡されながら、どんどん食べて行く。 「モギュモギュ・・・ゲンキノデルアジデス。」 「おなか一杯になったら教えてね〜。」 「ハイ・・・モギュモギュ・・・ゴクン・・・パクッ・・・モギュモギュ・・・オナカイッパイデス」 「それじゃあ、残りは次にしましょう。」 彼女はそう言いながら、余ったアイテムを私のナノトランサーへ投入していく。 「一緒にお出かけ出来る日は近いわよ。楽しみねぇ。えっと・・・次は12時間後と。」 彼女はタイマーをセットし、時間がくれば新しいアイテムを私に食べさせた。
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445 :417[sage]:2011/07/22(金) 21:19:52.41 ID:qqolfx2P - >>443
支援どうもです! ピカッ・・・ 私の体が光り輝くと同時に、OS画面に進化プログラムの実行が表示される。 彼女も3度目ともなると、その光景には慣れてきたようでわくわくした様子で私を見つめていた。 「ご主人様のおかげで、ここまで進化する事が出来ました。ありがとうございます。」 進化プログラムの実行が終了し、光が収束していく。 そこには赤い服に身を包んだ、人型の小柄な少女が立っていた。 GH−450型。いわゆる法撃を主体とした戦闘も可能な、PMの最終進化形態の一つである。 「・・・!!・・・か、かわいい〜!!」 その瞬間、私に飛びつくご主人様。 むぎゅう、と音がしそうなくらい抱きしめられ、進化したばかりの関節がミシミシと音を立てる。 「ちょっ・・・あのっ・・・ご主人様っ・・・・そのっ・・・痛いです・・・」 「あっ・・・ごめんなさい!」 彼女は私に謝ると、名残惜しそうに、本当に名残惜しそうに体を離した。 「いえ、その、スキンシップは嫌では無いのですが、力加減をして頂けると助かります。」
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447 :417[sage]:2011/07/22(金) 21:22:29.03 ID:qqolfx2P - ファイマスターと言われる、近接戦に特化したクラスの彼女の力は、見た目に反して半端無かった。
この細い、人にしては小柄で華奢な体に、どれだけの力を秘めているのか・・・。 関節が軋んだ事が物語っているように、私は本当に痛かったのだ・・・。 それでも私は、抱きしめられた事が嫌だったわけでは無く、むしろ嬉しかったのですが、気恥かしさも 相まってぶっきらぼうに答える。 ・・・何だか顔が熱い。進化した時の熱でオーバーヒートでもしてしまったのでしょうか? ん・・・?嬉しい・・・?気恥かしい・・・?どうやら私には、進化に伴って色々な機能が追加されたようだ。 今までの私には「感情」と言うものが無く、何とも不思議な感覚に身を包まれた。 私が初めての「感情」に戸惑っていると、その様子を不思議に思ったのか、彼女が私を覗き込む。 「ラズリィ、大丈夫?そんなに痛かった?ごめんね。」 捨てられた子犬のような・・・もっとも、私はその捨てられた子犬と言うものを見た事はないのですが、 今にも泣きそうな目で私を見つめる。
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448 :417[sage]:2011/07/22(金) 21:24:31.88 ID:qqolfx2P - 「あっ・・・えっと・・・その・・・もう大丈夫です。大丈夫ですからそんな目をしないでください。」
なぜか分からないが、さっきよりも体が熱い。このままでは本当にオーバーヒートしてしまう。 私は何とか平静を装い、そっぽを向きつつも彼女をなだめながら、私はこの人と上手くやって行ける のだろうか?といった、不安と期待を抱きながらその日の夜は更けていった。
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450 :417[sage]:2011/07/22(金) 22:29:23.11 ID:qqolfx2P - そろそろ行けるかな?
あれから数日・・・ 無事GH−450へと進化した私は、PMの仮配属から正規配属への変更手続きをしにパルムへと訪れていた。 「データとしては知っていましたが、やはり現実の星に降り立つと何だかわくわくしますね・・・」 一人そうつぶやくと、背後から声を掛けられた。 「ガーディアンズ配属機体ナンバーPMG21352-4X ラズリィさんですね?」 後ろを振り返ると、私と同じくらいの身長の、胸にGRMのロゴがついたPMが立っていた。 「貴方のマスターのラピス様より、GRM社までの道案内のご依頼をお受けしています。 どうぞ、ついて来られてください。」 最初はご主人様も来ると言っていたのですが、何かとお忙しいご主人様に迷惑を掛けないようにと言うのも 理由の一つではありますが、以前から気になっていたご主人様の変わった経歴についても調べてみようと思い、 今日は一人で行動している。 そんな私を心配してか、ご主人様が道案内を手配して下さっていたようだ。 「ありがとうございます。宜しくお願いしますね。」
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452 :417[sage]:2011/07/22(金) 22:34:00.83 ID:qqolfx2P - 私はそう言うと、歩き出した道案内のPMの後ろを付いていく。
暫く歩くと、GRM社のマークが入った大きなガラスの扉が見えてきた。 「あちらです。私は次の業務がありますので、ここで失礼します。 受付に行けば手続きのご案内があるはずです。」 私は案内をしてくれたPMに頭を下げると、GRMの建物に入り受付へと向かった。 「正規配属の手続きですね。少々お待ち下さい・・・機体ナンバーを確認致しました。 では、こちらの書類に必要事項を記載してください。」 手渡された書類にペンを走らせる。 黙々と書類を書いていると、ふと、背後から声をかけられた。 「ラズリィさんですね。もう手続きは終わりましたか?」 「あっ・・・今書類を書いているところです。もう少し掛かると思うのですが・・・」
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453 :417[sage]:2011/07/22(金) 22:37:42.81 ID:qqolfx2P - 声の主はヒューガ・ライト。現GRMのCEOであり、我が主の戦友だと言う。
私はご主人様の経歴について教えてほしい事があると、密かにアポイントを取っていたのだ。 本来であれば、一介のPMである私がGRMのCEOにアポイントなど取れる筈もないのですが、 私がラピス様のPMだと言う事で、今回特別に時間を取って頂けたのだ。 「なら、終わりましたら受付に案内させるので、僕の部屋にきてください。」 「すみません、お忙しいのに、ありがとうございます。」 お礼を言い、書類に向き直る。 本当にお忙しい方だから、少しでもご迷惑をお掛けしないように急いで手続きを終わらせないと。 ・・・よし、できました。 出来あがった書類を受付に提出する。 それから5分程だろうか、手続きが問題なく終わったことを告げられ、すぐさまヒューガさんの 部屋に案内された。 「やぁ、いらっしゃい。手続きは無事終わったようですね。」 「ええ、おかげさまで。ありがとうございます。」
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454 :417[sage]:2011/07/22(金) 22:46:22.85 ID:qqolfx2P - 社交辞令のような挨拶を交わし、早速私は本題を切り出した。
「私のご主人様・・・ラピス様の経歴についてなんですが・・・その・・・どうしてもご主人様本人には 聞き辛くって・・・ 本来、私たちPMは、ご主人様がガーディアンズに配属された段階で、同時に配属されるはず だと思いますが、私が配属された時には既に機動警護部隊長とか、ガーディアンズの監理室 から入ってきた情報ですと・・・その・・・・・・グラールを救った英雄の称号をお持ちだとか・・・ それに、もう一つ、何故そのような方に配属されたPMが私だったのか・・・」 私がそこまで話すと、ヒューガさんは何だそんな事かと言った風に肩を竦めた。 「ガーディアンズの機密に関する事もありますから、僕からはあまり多くはお話し出来ませんが、 そうですね・・・ ガーディアンズに関する事は僕の方から総裁に話しておきますから、本部を訪ねてみて下さい。 それと・・・君がラピスさんの所に配属された理由ですが、全くの偶然ですよ。 元々は既に進化を終えたPMが配属される予定だったのですが、ラピスさんの強い希望で新規の PMを配属する事になりましてね。たまたまその時に、初期化を終えて出荷待ちだった君が配属 されたと言う事です。特に意味はありませんよ?」
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456 :417[sage]:2011/07/22(金) 22:52:13.20 ID:qqolfx2P - 支援さるよけあざっす!
そこまで言うとヒューガさんは私を安心させるかのように微笑み、ヴィジホンに手を伸ばす。 ピッ、ピッ、ピピッ、ピッ・・・ どうやら何処かへ通信をしようとしているようだ。 「はい、こちらガーディアンズ本部監理室です。」 「ヒューガです。ルウさんお久しぶりです。」 「ヒューガさん。お久しぶりです。今日はどうされましたか?」 「ライア総裁に繋いでもらえるかな?」 「はい、少々お待ち下さい。」 ピピッ・・・ 「ヒューガ、久しぶりじゃないか!」 「そう言うライアさんもお元気そうでなによりです。」 「で、どうしたんだ?」 「大した事ではないんですが、貴方の教え子のラピスさんのPMの事で少し・・・」 「どうした?何か欠陥でもあったのか?」 「いえ、そう言う事では無くてですね、配属されたPMのラズリィさんが僕の所へ来て、ラピスさんの 事をもっと知りたいと言うから、お話してたんですよ。 それで、ガーディアンズの機密に関する事は僕がお話しするわけにはいきませんから、そちらで お話しを聞いてあげてもらえないかと言うお願いです。」 「何だ、そんな事か。びっくりさせるんじゃないよ。で、その子は何時来るんだい?」
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457 :417[sage]:2011/07/22(金) 22:54:28.10 ID:qqolfx2P - チラリとヒューガさんが私に視線を向ける。
「この後、シャトルに乗ってすぐに向かいます!」 私は思わず叫んでしまった。ああ、恥ずかしい・・・・ 「ヒューガ、こっちにも聞こえたから準備しておくよ。PMのお嬢ちゃんには受付のミーナを訪ねるように 言っておいてくれ。」 「わかりました。それでは、お互い忙しい身ですが、また落ち着いたらお話しでもしましょう。」 「わかった。ヒューガも頑張ってな。」 「・・・と言う事で、ラズリィさん。ガーディアンズ本部の受付のミーナさんを訪ねてください。 あっ、ミーナさんにヒューガがよろしくとも伝えておいて下さい。」 「すみません、色々とありがとうございます。お忙しいのに本当にありがとうございました。」 私はお礼を述べ、深々と頭を下げると部屋を退出し、PPTスペースポートへと向かった。
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459 :417[sage]:2011/07/22(金) 22:58:30.93 ID:qqolfx2P - ・・・ピッ・・・プシュー
初めてガーディアンズ本部に足を踏み入れた私。何だか緊張します。 そのまままっすぐと受付に向かい、目的の女性と思われる人に声を掛けた。 「グラールの未来を守るガーディアンズへようこそ!」 私はナノトランサーから身分証を取り出し、手渡す。 ピッ・・・ 「ガーディアンズ配属PMライセンスを認証しました。こんにちは、ラズリィさん」 差し出された身分証を受け取り、ナノトランサーへ仕舞う。 「本日は正規配属の手続きですか?」 しまった、私とした事がご主人様の事ばかりに気を取られてしまって、GRMでの手続きの後に、 ガーディアンズ本部でも手続きが必要な事を忘れてしまっていた。 先に終わらせておこう。
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461 :417[sage]:2011/07/22(金) 23:01:17.96 ID:qqolfx2P - 「はい、その手続きと、その後にミーナさんを訪ねるように言われてきました。」
「はい、私がミーナです。聞いていますよ。じゃあ、手続きをぱぱっと済ませてしまいましょう。 GRM社で受け取った正規配属証はありますか?」 ナノトランサーからGRMで貰った配属証を渡すと、書類を渡されたので黙々と記入する。 書き終わった書類をミーナさんに手渡し、手続きしてもらう。 ピピッ・・・ 「手続き完了です。ラズリィさん、これで今日から名実共に、ラピスさんの正規PMですよ。 おめでとうございます。えーと・・・それでは、第二会議室でお待ち下さい。」 「はい、ありがとうございました。」 私はお礼を言い、軽く一礼すると第二会議室へと向かう。 そこで暫く待っていると、一人の女性型キャストが入ってきた。
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462 :417[sage]:2011/07/22(金) 23:04:50.68 ID:qqolfx2P - 「こんにちは、ラズリィさん。私はガーディアンズ本部監理室長のルウと申します。」
「お忙しいところすみません。」 「機動警護部隊長のラピスさんについて聞きたい事があるとお聞きしていますが。」 「はい、本来、私たちPMは、ご主人様がガーディアンズに配属された段階で、同時に配属される はずだと思いますが、私が配属された時には既に機動警護部隊長とか、ガーディアンズの監理室 から入ってきた情報ですと・・・その・・・・・・グラールを救った英雄の称号をお持ちだとか・・・」 私は促されるまま、ヒューガさんの所で聞いた事と同じ事を口にした。 ルウさんは私の話を淡々と聞き、表情を一つも崩す事も無く説明を始めた。
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464 :417[sage]:2011/07/22(金) 23:07:50.59 ID:qqolfx2P - 「一部、機密事項もありますので、ここでのお話は他言しないようにお願いします。もっとも・・・・
PM自体が機密保持について尊守するようにプログラミングされていますので、その心配は ほぼ0%だとおもわれますが。」 「はい、もちろんこんな事、他では話せません。」 「では、まずガーディアンズの契約形態についてお話しする必要があります。 ガーディアンズに所属する職員の契約については、正規契約職員と臨時契約職員の2通りの契約 があります。本来機密保持等の観点から、全て正規契約であるべきなのですが、対SEEDとの 戦いにおいて人員が不足する事態が慢性化した為、常勤ではなく、大規模作戦時などの臨時的な 場面において出動する、臨時契約と言う雇用形態も取らざるを得なかったのです。 元々、ラピスさんは臨時契約でしたので、ガーディアンズ新人研修終了後はミッション毎の契約を されていました。」 なるほど・・・と心の中で呟く。 何故正規配属になった時に出世していたかもおおよそ察しがついたのだが、静かに相槌を打ちながら ルウさんの言葉に耳を傾ける。
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466 :417[sage]:2011/07/22(金) 23:10:21.34 ID:qqolfx2P - 「また、正規契約にはパトロンと呼ばれるガーディアンズ組織に出資をしている方々との契約も必要で、
正規職員にあてがわれる宿舎、PM、その他備品、本部内の特殊施設の利用などと言った経費を、 そのパトロンと呼ばれる方々が負担して下さっています。 ガーディアンズの各施設は、そういったパトロンの方々に支えられていると言っても過言はありません。 勿論、ヒューガさん・・・GRM社からの出資もガーディアンズを支える為の大きな柱です。」 私は今、どう考えても相当重要な機密事項を聞いている気がしてならなかった。 ガーディアンズ本部から送られてきた、ガーディアンズ関連の基本知識の中にはこのような話は一切 なかったからだ。パトロンと言う言葉も、そう言う出資者が居ると言う事も全てが初耳である。 果たしてこんな話を一介のPMの私が聞いてしまっても良いのだろうか、と言った不安が頭をよぎる。 しかし、監理室長の肩書を持つこの方が話してくれているのだから、きっと大丈夫なのだろうと思い直した。 「そして、ラピスさんですが、先のコロニー墜落によるガーディアンズ職員の相当数の殉職に伴って、 隊長職員が大幅に不足してしまった事があります。その時に実力を認められ、臨時職員でありながらも、 臨時職員を集めた部隊を率いる部隊長に、異例の抜擢をされたのです。」
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467 :417[sage]:2011/07/22(金) 23:14:19.17 ID:qqolfx2P - 私には少し思い当たる節があった。
先程本部の扉をくぐった時、数名のガーディアンズの機動警護職員と思わしき方とすれ違ったのだが、確かに ガーディアンズ関係者である事を表示する胸章が2種類あった。あれは正規と臨時の区別だったのか。 「ラズリィさんの記憶回路には、ガーディアンズ本部から転送された基本情報として、先のSEEDの封印 ミッションの事も記録されていると思いますが、ラピスさんはそのミッションにおいて、臨時職員で構成された 機動部隊を指揮し、リュクロスと呼ばれる第4の惑星での封印装置の起動任務を見事に遂行されました。 もっとも、そのリュクロスは封印装置の起動後消滅してしまったので、既に存在しませんが。」 我が主は相当の偉業を成し遂げたらしい。 今度は、そんな凄い人がご主人様とか、こんな私がその方のPMで大丈夫なのかと不安で一杯になる。
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468 :417[sage]:2011/07/22(金) 23:17:41.42 ID:qqolfx2P - 「その時、リュクロスでのミッションに参加したメンバーに贈られた称号が、グラールを救った英雄なのです。
当時、もし第4の惑星の封印装置が起動しなければ、ミッションは失敗に終わり全てがSEEDに侵食されて いたでしょう。そうなれば、グラール太陽系が全滅していた可能性は実に99.8%になりますから。 ・・・お話しできるのはここまでです。これ以上については個人情報の保護の観点から、私からお話しする 事は適切ではありません。」 「そうですか、お忙しいのにお時間を取らせてしまってすみません。何だか色々一度に聞いてしまって、 少し混乱してしまっていますので、他にも聞きたい事は一杯あるのですが、今日は帰って頭を整理する 事にします。本当にありがとうございました。」 本当であれば、何故臨時契約から正規契約に変えたのか、先の話で出たパトロンと呼ばれる人物の事 だとか聞きたい事は一杯あったのですが、これ以上長居は出来ないと思いお礼を言って部屋を後にした。
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470 :417[sage]:2011/07/22(金) 23:20:53.24 ID:qqolfx2P - ふと、時間が気になり時計に目をやる。
夕飯の時間はとっくに過ぎている。きっとご主人様はミッションを終えて、部屋でご飯を用意して待っている事だろう。 ご主人様に留守番をさせて待たせるなんてダメPMも甚だしい。 自己嫌悪に陥るが、これ以上ご主人様を待たせるわけにはいかないので、早足で転送キューブへと向かう。 ピッ・・・プシュー・・・ 「すみません、ご主人様、遅くなってしまいました・・・」 扉を開けた瞬間、体にズンッと重い衝撃が走る。 「もー!何処行ってたのよ!心配したじゃない!」 関節が立てるミシミシと言う音を感じながら、今の衝撃はご主人様が飛びついて来たのだと認識する。
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471 :417[sage]:2011/07/22(金) 23:26:33.81 ID:qqolfx2P - 「本当にすみません、色々と手続きに時間が掛かってしまって・・・
それはそうとご主人様・・・・痛いです・・・・」 私が痛みを訴えると幾分力は和らいだものの、離れはしないご主人様を見て申し訳ない気持ちで一杯になって しまった。 「次から遅くなるなら、ちゃんと連絡しなさいね。」 「はい、すみません・・・」 私を抱きしめるご主人様のぬくもりを感じながら、発熱してオーバーヒート気味の頭で、 私はご主人様に愛されてるのだなぁとひしひしと感じていた。 書き溜め分投下終了です。支援ありがとうございました! また続きが書けたら投下していきます!
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