- 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?374
660 :本当にあった怖い名無し[]:2023/07/09(日) 20:37:38.97 ID:Y8yfpXIe0 - 男子トイレに入ってしまった!という焦りとその直後急に人に話しかけられた驚きで、私は振り向き、「あっ、すみ、すみま、すみませんっ」とかなりどもりながら声の主に謝りました。謝罪するよりありがとうと感謝の言葉を述べるべき場面だったと思いますが、何しろ気が動転しており、口をついたのが「すみません」でした。しかし、声の主はそこにはいませんでした。
あれ?と思いトイレを出て階段の踊り場まで戻ったのですが、女性らしき姿はなく。なんなら来たとき同様、人っ子一人見当たりませんでした。おかしいなと思いつつも折角外に出たので再度トイレの看板を確認し、やっぱり女性トイレだったよかった、と安心して再びトイレに入りました。 そして個室で用を足しているさなか、今しがたの出来事はかなり奇妙なものだったのでは?と思い始めました。まず「合っていますよぉ」と私に教えてくれた女性ですが、そもそもなぜ私が「男子トイレに入ったと勘違いしてパニックになっていた」と知っていたのか。そしてなぜ私に声をかけた直後に忽然と姿を消したのか。そして、ここからは「今のはちょっとおかしな体験だったのでは」と考えた私の脳が無理やりそういう方向に記憶を解釈しただけかもしれませんが…よくよく思えば、女性の声は背後からでなく、右から聞こえてきたような…もっと詳しく言えば、右耳にさしていたイヤホンから流れるKANA-B○○Nの「ないも○ねだり」に紛れ、音楽とともに聞こえてきたような… 当たり前ですが「な○ものねだり」の中に「合っていますよぉ」なんておかしな合いの手は存在しないし、じゃああの声はいったいどこから、どうやって聞こえてきたものなのか。そう考えると私は恐ろしくなり、未だ「ないものね○り」が流れ続けるイヤホンを耳から外してポッケに突っ込み、用を足し終え次第すぐにトイレを後にしました。 その後は、当初の予定通り近場の店を見てまわり、帰宅しました。ただし、その間はイヤホンをせずに。 この話はこれでおしまいで、この体験をしてから今に至るまで、似たような出来事は起こりませんでした。あの商業施設のトイレはあの一度きりしか使っていないし、イヤホンは買い換えるのももったいなくて同じものを使い続けているし、「○いものねだり」も未だ愛聴しています。
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