- 神社で起こった怖い話
187 :本当にあった怖い名無し[sage]:2023/01/16(月) 20:06:05.77 ID:2WseNesj0 - そうそう、左義長とか松焚とかどんど焼き等等いろいろ言い方があるね
さて、んじゃリクエストのあった「霊臭」の話しを少し書きますわ この話しは幾つかあるんだけど、特にインパクトのあるものは二つ 今日はそのうちの一つを書いて、残りは後程別の話の中で紹介しますねー
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188 :本当にあった怖い名無し[sage]:2023/01/16(月) 20:28:06.67 ID:2WseNesj0 - 霊臭については以前霊感のあるKさんから「霊が見える前に来るもの」として教わりました
実はこれ、れっきとした霊感の一つで霊を視覚ではなく嗅覚で感知するものらしいです 敬語長くなるのでちょっとやめます Kさんは神社を閉めた後で夜警をしていると、毎度同じ所でお線香の香りを嗅ぐと言っていた そこは宿泊者の部屋が並ぶフロアで、宿泊者がいなければ非常口と屋内消火栓の灯りしかなく、懐中電灯で一人点検して回るのだ 来客のあった部屋を中心に異常がないかみて回ると、いつも2階の廊下にお線香の臭いが充満しているそうだ 煙はない。ましてウチは神社なのだからお線香自体無い 他の階は大丈夫なのに、2階は凄いらしい 「霊が現れたら大祓詞でぶっ飛ばしてやる!」と息巻くKさんだが、未だ姿は見てないそうだ どうして霊臭を霊が見える予兆と思ったが謎だが、この話しをされた時に俺にも心当たりが一つあった
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189 :本当にあった怖い名無し[sage]:2023/01/16(月) 20:37:23.82 ID:2WseNesj0 - ウチの神社は山の奥に奥之院がある
ヒラ神主は寒さの厳しい時期にここの掃除に行かなければならない 道と言えるようなものは無く、尾根の上の少し削れたような部分が道に見えなくもない 足場は悪く、木も低木しかない 尾根伝いに下に向かうと3箇所ほど松林の中を通るところがある 俺はいつもこの真ん中の松林でお香の匂いを嗅ぐ 松脂のにおいでもない、人工的に作られたお香の匂いだ Kさんと一緒にそこを通った時も俺しか気付かなかった 「仏像でも埋まってるのかな?」Kさんも興味があるようだった 今でも俺だけにこの匂いは感じ取れる 其処を掘る勇気はないが、ウチの神社は神仏分離令の折に何処かに仏像や経典、仏具を埋めたらしい もしかしたら、もしかする
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190 :本当にあった怖い名無し[sage]:2023/01/16(月) 21:01:39.52 ID:2WseNesj0 - さて、霊臭の中でも俺にとって最も重大な出来事が起きた
俺が権禰宜になって間もない頃 厨房の頃から慕い、通いつづけた場所がある 上杉謙信の遺骸が眠る、上杉家廟所だ 親父に頼み込んで連れて行ってもらっていたが、もはや車を数時間ぶっ飛ばして行けるようになった 休みが纏めて取れそうな時は、特に用が無くても会いに行っていた 我が社の大祭の直前に休みが取れたので、姉貴とともに廟所に行った 姉貴はあまり武将とか興味なかったが「龍上海の辛味噌ラーメン」が食べたかったようだ 廟所に行く際は一つの決まり事がある それは姉貴の会社で作ってる絶品大福と酒を持参する事 別に廟所がそうしろと言ってる訳ではないが、これらを用意すると確実に晴れるのだ 例えどんなに土砂降りでも廟所に着く寸前には上がってしまうのだから、持って行かない手はない しかし迂闊にも、俺は大福にばかり気を取られて酒を忘れて来てしまったのである 慌てて近くのコンビニに入り酒コーナーをみるが、全国どこでも見かける大衆酒しかなく、他より多少良いかなと樽酒のワンカップ?を選んだ 廟所の事務所の方々に挨拶をして真っ直ぐ謙信公の所に進む 謙信公の墓所を中心に、左右に歴代上杉家当主の墓が並ぶ 大福と酒を備えて墓前の御焼香を済ませて手を合わせる その後笛の上達ぶりを聞いてもらう為に神楽笛で数曲演奏してから大福と酒を片付ける 大福は事務所に持って行って食べてもらう 帰り際に振り向いて「そういえば謙信さんて若い頃家出した事あったよなぁ。高野山じゃなくてウチに来れば逃げ切れたのに」などと考えていた 「あ、今度ウチで大祭を執り行います。お神輿も出るので良かったら是非来て下さい」と思いついたままに心の内で語りかけ、姉貴と共に龍上海(本店)へと向かった
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