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本当にあった怖い名無し
蜘蛛に眼を取られかけた話

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蜘蛛に眼を取られかけた話
15 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 12:19:53.90 ID:SM1pY40/0
すまない。1です。
ちょっと急な用事が出来て、意図せずスレ立ててそのまま半日以上放置する事になってしまった。申し訳ない。

もし聞いてくれるなら、今日の夜からになるが書き込んでいこうと思う。大体19時位になると思う。
大丈夫だろうか?
蜘蛛に眼を取られかけた話
16 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 12:22:35.61 ID:SM1pY40/0
因みに書き込みはPCからではなく、スマホを使ってる。ネット環境がそれしか無いから。
大丈夫だろうか?
良さそうなら19時頃また来る。よろしく頼む。
蜘蛛に眼を取られかけた話
28 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 18:36:15.83 ID:SM1pY40/0
1です。
ごめん、待たせた。
今から書いていこうと思う。

因みに>>18-19は俺じゃない。よろしく。
蜘蛛に眼を取られかけた話
29 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 18:57:21.36 ID:SM1pY40/0
体験した当人である俺自身としてはとても怖かった出来事なんだけど、もしかしたらここのスレ民にはそんなに怖くないかも知れない。拍子抜けだったらすまない。

では、書いていく。

俺が小学生のガキの頃の話。
夏休みで、2つ程離れた県に住んでる祖父母宅に遊びに行った時の事だ。

いつもは両親と行っていたんだが、その年は両親は仕事とかで忙しくてね、今年は行けないと。
俺としては年1回の楽しみみたいなもんだったから、喚いて喚いてわがままを言ったら、一人で行く許可をくれた。
一人旅とか子供ながらワクワクしたよ。ウキウキでおもちゃや菓子などをリュックに詰めて、初めて電車で一人で行ったんだ。
蜘蛛に眼を取られかけた話
30 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 19:07:38.21 ID:SM1pY40/0
当時は携帯電話なんて高価なもん、子供は持ってなかったからな。親がポケベル使ってた頃だし。
親に描いて貰った行先地図とか、路線看板とかを見ても当時の俺の頭じゃ理解できなくて、駅員に聞きまくって電車に乗って向かったよ。

それでも何とか無事に祖父母宅の最寄りに辿り着くと、改札口前で祖母が笑顔で待っててくれた。多分俺が一人で行くから、と親が、迎えに来といてくれ、とでも先に連絡しといてくれたんだと思う。
その日は楽しく祖父母と夕飯食べて一緒に寝た。
蜘蛛に眼を取られかけた話
31 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 19:17:46.44 ID:SM1pY40/0
翌日とその次の日は豪雨で外に出られず、テレビ見たり、祖母と家で遊んでた。今時みたいなSwitchとか携帯ゲームとかの時代じゃなかったからね。
双六とかあやとりとかを一緒にやって貰ってたんだ。祖母と遊ぶのは、楽しくはあったがまぁ、俺男だし?
雨で外に出られないってのがちょっと不満だった。

次の日、祖父母宅に行って4日目。
この日がスレタイの事が起きた件の日だ。
蜘蛛に眼を取られかけた話
32 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 19:30:41.98 ID:SM1pY40/0
前日、前々日とは打って変わってカンカン照りの快晴の日だった。
俺は朝ごはんも疎かに、家から持ってきていたプラスチック製のおもちゃの忍者刀を背に結わえて、お茶の入った水筒を持って外に遊びに出たんだ。

まず向かったのは最寄りの公園。
ブランコとか滑り台とか鉄棒とかで一通り遊んでた。
全力で遊んだからか、汗びっしょりでね。その後、日陰を求めて、公園の近くに小さな寂れた神社があってそこに行ったんだ。
鳥居をくぐって、敷地内の端っこの大きい木の幹で座って水筒のお茶を飲みながら少し休憩してたんだ。

そのまま、座ったまま上の方を見ると、昨日までの雨の残り露だろうか、葉っぱが湿っているのがよく見えた。
蜘蛛に眼を取られかけた話
33 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 19:41:10.02 ID:SM1pY40/0
休憩を終えて立ち上がり、次は何をしようかと敷地内を歩き回った所、二つの樹の枝を使った大きな蜘蛛の『巣』を見つけたんだよ。
記憶ではA3用紙位だったと思う。
蜘蛛自体はその時、巣の近くには居なかった。

綺麗なレース状だったよ。大きめの虫も数匹引っかかっていたと記憶してる。
蜘蛛に眼を取られかけた話
34 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 19:59:49.92 ID:SM1pY40/0
で、だ。
子供心ってやつなんだろうかな。もしかしたら破壊衝動ってやつだったのかな。
背中に結わえていたおもちゃの忍者刀で、ズバッ!とやった訳よ。
おもちゃの忍者刀を振り回してその大きな巣をぐしゃぐしゃに壊したんだわ。

今の俺は、当時のこの行動を本当に後悔してる。本当に馬鹿だった。
蜘蛛に眼を取られかけた話
35 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 20:20:33.14 ID:SM1pY40/0
蜘蛛の巣を壊してひとしきり暴れ回ったあと、チャイムが聞こえたんだ。近くに学校があったから、昼時のチャイムのやつ。

あぁ、もうそんな時間か、と腹の具合も昼飯時を察知して、祖父母宅に戻ったんだよ。

祖父母宅に戻り、玄関を開けるとご飯らしき匂いがしたのでそのまま台所へ。祖母が料理をしていた。俺の気配に気づいたのか、
『おや、帰ってきたかい。流しで手を洗っといで。ご飯に……』と振り向いた瞬間、顔が訝しがられた。そして、

『あんた、外で何してきた!』
と剣幕の声を掛けられた。

それまで俺は祖母に怒られた事が無かった。というが祖母の怒った顔を見たのがその時初めてだった。
蜘蛛に眼を取られかけた話
37 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 20:43:17.29 ID:SM1pY40/0
俺は突然の事に全く意味がわからずびっくりして微動だに出来なかったんだが、祖母に、
『こっちに来な!』と手を引かれ、昼飯の用意もそのままに居間に連れてかれた。
そして祖母に手鏡を向けられ、自分の顔を見た。
蜘蛛に眼を取られかけた話
38 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 20:58:29.85 ID:SM1pY40/0
その時の鏡に映っていた俺の顔は、左目が大きく青腫れしていた。
お化けのお岩さんみたいなのを想像してくれたらいい。まさにあんな腫れ方をしていた。

祖母は、
『外で何処に行って何をしてきた!正直に言いな!』と両肩を掴み俺に詰め寄り問いただしたよ。祖母の顔は剣幕そのものだった。
ただ、今思えばもしかしたら祖母なりに俺を気遣って焦っていたのかも知れない。
しかし子供の俺は『祖母に叱られている』というだけの認識だったんだよな。
状況の理解が追いつかずが、俺は遂に泣き出したんだ。
蜘蛛に眼を取られかけた話
39 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 21:13:43.64 ID:SM1pY40/0
祖母は泣いた俺を見た所為か、先に冷静になったんだろう。
『ああ、ああ、怒鳴って悪かった。婆ちゃんが悪かった。落ち着いとくれ。』といつもの顔になった。

10分位経っただろうか。
俺も泣き止んで、祖母と会話できる精神状態が戻った頃、祖母が改めて、
『さて、○○(俺の名前)ちゃんや、婆ちゃんに教えとくれ。外で何をしてきた?朝はそんな左目をしとらんかったろう?』と聞いてきた。

俺はポツポツと外での行動をひとつずつ祖母に話していった。
蜘蛛に眼を取られかけた話
41 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 21:29:15.67 ID:SM1pY40/0
そして、『蜘蛛の巣を壊した事』を話したあとに、祖母は渋い顔をしたんだ。そして、
『○○ちゃん、今、「左目」は痛いかい?あと他に身体に変な場所はないかい?』と。

その時の左目は痛くはなかったんだ。
ただ、祖母に鏡を向けられて腫れている事に気付いた後から、徐々に左目の視界だけぼやけ始めてきてたんだ。

そう説明すると、祖母は何処かに電話をし出した。
5分くらい通話して、そして祖母が、
『○○ちゃん、今から○○ちゃんが壊した蜘蛛の巣があった所に婆ちゃんを案内しとくれ。』と、神社に行くことに。
蜘蛛に眼を取られかけた話
42 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 21:51:43.18 ID:SM1pY40/0
祖母と神社に向かい、鳥居をくぐったあと、祖母が小さく、ぽつりと、
『孫を赦してやってくれんかのぅ……』と呟いたのが聞こえた記憶がある。


祖母の手を引いて蜘蛛の巣があった付近に行くと、
『○○ちゃん、此処で両手を胸の前で合わせて目を閉じな。今から婆ちゃんが良いって言うまで目を開けるんじゃないよ。』と言われてそれに従った。
その後、隣で祖母がお経を唱える声が聞こえた。(白衣観音経っぽい覚えがあるが、ちょっとよく分からない。)
蜘蛛に眼を取られかけた話
43 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 22:09:50.34 ID:SM1pY40/0
30分位そうしていただろうか。
祖母から目を開けて良いよと声がかかり、祖母を見ると、残念そうな顔をしていた。
『婆ちゃんだけで何とかなれば、と思ったんだがねぇ、こりゃ婆ちゃんには無理そうだ。先に「サクさん」に電話して正解だったかもねぇ。』と。
蜘蛛に眼を取られかけた話
44 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 22:17:28.90 ID:SM1pY40/0
どういう事か聞こうとしたその時、神社の入口、鳥居のほうから男の人の声がした。見ると痩躯の男の人がこちらに来ていた。
『●●(祖母の名前)さん、来たよ。ここかい?』と。

祖母の返答を待たず、男の人は俺を見て左目を確認し、蜘蛛の巣があった辺りを見て、軽く顔をしかめて『あちゃぁ……やらかしたねぇ。ちょっとまずいね。』と首をすくめてた。
祖母が、
『一応謝りに来たんだけど、相当怒ってるのかしら、私には微かにしか分からないんだけども……サクさんはどうかしら?』
と尋ねた。サクさんと呼ばれた男性は、
『うん、だいぶ怒ってる。カンカンだわ。……まあでも何とかするよ。多分大丈夫……だと思う。』と蜘蛛の巣があった辺りをもう一度見た。
蜘蛛に眼を取られかけた話
45 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 22:23:25.72 ID:SM1pY40/0
そしてしゃがみこんで俺に目線を合わせ、
『えーっと、○○(俺の名前)君、今からさっきお婆ちゃんとやってたように、胸の前で手を合わせて目を閉じて。そして心の中で「ごめんなさい、許してください」って念じ続けてて。強くね。良いかい?』

俺はそれに従い、強く謝り続けた。
その時サクさんが何をしていたかは知らない。真剣に目をつぶっていたし、特に変な音や声が聞こえた訳でもなかったからね。
蜘蛛に眼を取られかけた話
46 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 22:34:03.26 ID:SM1pY40/0
体感的には10分くらいだったと思う。
『もういいよ、おつかれさん。』と、サクさんの声が聞こえた。

目を開けると、左目の視界が若干ぐらついた。思わず倒れそうになったが、サクさんが肩を掴んでくれていた。
そして、
『○○君、その背中のおもちゃの刀は大事なものかい?僕にくれって言ったら怒るかな?』と聞かれた。
ちょっと返答に困ったが、サクさんは俺の心境が解ったのか、続けて、
『じゃあ質問を変えよう。「キミの左の目玉」と「背中の刀」、どっちがいいかな?』と。
蜘蛛に眼を取られかけた話
48 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 22:49:02.48 ID:SM1pY40/0
この時の俺は質問の「本当の意味」が分からなかった。だが、「左目の腫れ」が原因でこんな事になっているのは理解出来てはいたので、紐の結わえを解いてサクさんに刀を渡した。

サクさんは刀を受け取ると、
『ゴメンな。遠慮無くお兄さんを恨んでくれていいぞ。』と言って、

次の瞬間、その刀を両手で持ち、思い切りへし折った。そして、

『どうだ。もういいだろ。赦してやってくれ。』

誰に向けてかは分からないがそう言った。
蜘蛛に眼を取られかけた話
49 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 22:50:30.21 ID:SM1pY40/0
>>47
ふむ。そっか。気分を悪くさせたみたいだね。
書き込むのやめた方がいいかな?
蜘蛛に眼を取られかけた話
53 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 23:17:11.74 ID:SM1pY40/0
>>50
>>51
分かった。ありがとう。
では続けるよ。


サクさんは祖母に『多分これで大丈夫。明日また夜に行くよ。説明もその時出来ると思う。』と言って先に行ってしまった。因みに刀の残骸はサクさんが持って行ってしまった。

訳が分からずポカンとしてしまっていたが、祖母の、
『さて、婆ちゃんたちも帰ろうか。お腹空いたろう?ご飯そのままにしてきてしまったなぁ。』という声で俺も祖父母宅に帰る事に。
蜘蛛に眼を取られかけた話
54 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 23:24:56.04 ID:SM1pY40/0
>>52
ありがとう。
続き書くよ。


俺は祖父母宅に戻るとすぐ鏡を見た。

腫れは嘘のように消えていた。
ただ、視界は少しおかしいままだった。
一応見えはするのでそこまで不自由ではなかったが、やはり気にはなったので祖母に左目が見えにくい事を報告した。すると、
『明日サクさんがまた来て、全部話すと言っていたね。その時に眼の事も聞いてみようか。』と。
そういえば神社でそんなこと言ってたな、と。


因みに夕飯の時に祖父にも触り程度に報告したんだけど、何か全く分かってなかった。
近所のガキと喧嘩でもしたか?と。
まぁ、下手に大きく心配されるよりもいいのかな、と。


そして、翌日の夜。
サクさんがやってきた。
蜘蛛に眼を取られかけた話
55 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 23:36:20.50 ID:SM1pY40/0
玄関で迎えた俺を見るなり『あちゃ、「眼」は駄目だったか。まぁ、しゃーないか。生きてるだけマシだわな。』と物騒な事を言われた。

サクさんを居間に通して祖母と3人で話をした。

『取り敢えず何から話そうか……聞きたい事はいっぱいあると思うけど。まぁ、面倒だし初めから全部行こうか。』と。
蜘蛛に眼を取られかけた話
56 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/20(金) 23:49:35.49 ID:SM1pY40/0
ここからサクさんの話。


まぁ、大体想像どおりだと思うけど、事の発端は蜘蛛の巣をぶち壊した事が原因。
蜘蛛の巣の主が怒ったんだよ。
悪いのは○○君、99%でキミだ。これは理解してね。
で、「何が起きたか」を説明するよ。

少し前に2日続けて雨が降ったよね?しかも朝から晩まで大雨豪雨だった。
そして昨日、漸く晴れた。ここまでは良いかい?

蜘蛛はね、習性で雨の日は普通は巣を作らないんだよ。作っても雨や風で壊れちゃうからね。せっかく苦労して作っても意味が無くなっちゃう。
だから雨の降っていた2日間は蜘蛛にとっては大変だったんだ。
そして昨日、漸く雨足が去って陽が差した。
待望の晴れだ。


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