- 祖父祖母の暮らす村が実在しない
35 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/10(火) 00:16:26.64 ID:U/ZnuSXh0 - 俺とAを引っ張り、汗だくになりながら必死に走りつづけるおじさん。そのおじさんの顔はすごい形相で、俺らは一言も話す事が出来なかった。
やがてある程度舗装された道に出て、「乗れ!」とおじさんに軽トラの荷台に乗せられた俺とA。 軽トラはすごいスピードで走り出す。 Aはどこかうかない顔をして静かに座っている。 俺は「きっと親に怒られるんだろうな」と考えつつ、あの「読んだね?」という声が耳に張り付いていてとても気持ちが悪かった。 やがて俺らを乗せた軽トラは村唯一の商店に着く。おじさんは俺らにあのたまに見かける細長い缶のどこメーカーかわからないサイダーを買ってくれた。 そして3人で商店の横にある、物干し竿+すだれが屋根になっていてベンチが置かれている、普段のお婆たちの溜まり場で腰掛ける。 おじさん「‥なんか見たか?聞いたか?」 俺もAもなにも言わず。 おじさん「あそこは行ったらいけない所ってのは知ってたよな」 その言葉を聞いてAは泣き出した。 おじさんさんは深いため息を吐いた後に「お父さんお母さんたちを呼んで爺さんの話しに行こう」そう言った。 それから、おじさんの言われるがままAの家に行き、おじさんから事情を説明。親父さんもちょうど仕事から帰宅していて2人とも顔が青ざめていた。 次に俺の祖父祖母の家へ。同じようにおじさんから事情を聞かされ祖父祖母は今にも泣きそうな顔。両親は「こいつやってくれたな」みたいな顔。 ちなみにここは母方の祖父祖母の村なので俺の母は青ざめてたが、父は「おいおい、おんまえなーにやらかしたんだよ」みたいな、ちょっと軽い感じだった。そりゃそうだ。親父は村の事なにもしらないからな そしてふた家族はおじさんが言ってた「爺さんのとこ」つまり村長の家へ行くことになった。 車内では涼しい顔して運転する父、黙り込んでる母、「○○ちゃん、大丈夫だからねぇ」と必死に俺に声をかける祖父と祖母。 どうなるんだろう‥まだ小学生だった俺には到底その先の事は想像はできなかった。
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40 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/10(火) 00:32:12.58 ID:U/ZnuSXh0 - >>36
コメントいただけると励みになりますのでどんなものでも大歓迎です笑
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41 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/10(火) 00:33:28.16 ID:U/ZnuSXh0 - >>37
一つ一つの意味はわかりませんがそんな感じの文字が書かれていました。そして4文字よりもう少し文字数はありました
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46 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/10(火) 01:09:42.99 ID:U/ZnuSXh0 - やがてふた家族は村長の家につく。昔ながらだが至って普通の古民家。
村長と村長の奥さんは笑顔で「よく来てくれたね」と出迎えてくれた。 囲炉裏を囲んでみんな座り、葬式のような静けさが部屋を包む。村長の奥さんは「はい。今日も暑かったねぇ」と大人には麦茶、子どもの俺とAには紫蘇と何かが混ぜられてたジュースが渡された。 とても不味かった。 俺は一口飲んですぐグラスを床に置いた。 静まり返る中村長が口を開く。「ならAちゃん。今日あった事を話してくれるかな?」 笑顔でAに言う。 Aは下を向いたままポツリポツリと正直に話し始める。 村長はウンウンと頷きながら話を聞き、A家族は上の空。 Aは今日あった事や日頃1人でもあの場所に行ってたこと、神様と普段お話をしている事をゆっくりとはなした。 Aが話し終えて次は俺の番。俺も今日あった出来事をAが話そびれた部分だけ話し、あの耳元で聞こえた声の事も話した。 声について話した時に村長の表情が一瞬真顔になったのが怖かった。 俺らが話し合えると村長は「怖かったね。ありがとう話してくれて」と優しく言葉をかける。 そして「では詳しく説明しましょう」と。 村長の奥さんは俺とAの子どもは席を外した方が‥と村長に言っていたが、もう関わってしまったんだからこの子らもちゃんと聞く必要があると小声で話していた。
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48 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 01:26:11.93 ID:U/ZnuSXh0 - >>42
トリップ‥すいません、5ちゃん書き込み初めてなもので‥
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49 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 01:35:40.50 ID:U/ZnuSXh0 - 村長はゆっくりと話しはじめた
「この村は昔から作物と家畜で生計を立ててた、一年に一度、豊作を願って収穫された作物を捧げていた。しかし、ある年から不作が続いた。村では会議がなされ捧げ物に家畜を追加するようになった。 それでも改善せず次は等々村人から贄を出し、捧げ物とし始めた。そのための祭壇まで作ってしまった。それからは不作も改善され村に徐々に活気が戻ってきた。 とある年、例年通りに贄を捧げる日。贄となる村人1人で森の中への祭壇へ進む。祭壇が見えてきたが何かがいる。 そこには、地面に着くほど長い髪で耳まで伸びる口で贄の村人と共に捧げられるため準備されていた家畜を檻を破壊して生きたまま貪り食う不気味な女がいた。女は村人に気づくと「今年はお前か」と不気味に笑い近づいてきた。
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51 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 01:43:18.77 ID:U/ZnuSXh0 - 村人は禁忌であるとわかってはいたものの恐怖のあまりその場から必死に逃げ、村へ戻る。当然村中から非難を浴びるが、贄となる予定だった村人は必死に「あれは絶対神などではない」と訴える。それを聞いていた村長は確かにこれまで祭壇には贄となる村人1人で行っていたので誰も神を見ることはできない。一度贄になれば村へ戻る事は禁忌としていたが、第三者が祭壇へ赴く事は禁忌とはしていない。最も、その第三者自身が贄として捧げ物になるかもしれないが‥。確かめる必要はあると。大勢の村人からは、そんな事をすればもっと村に災いが起きかねると反対されたが村長は最終的に祭壇に行くことを決意し、村の男達を引き連れて森の中へ入っていく
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53 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 01:53:29.62 ID:U/ZnuSXh0 - 村長達が目にした物は全ての捧げ物を食らい尽くした不気味な女の姿。その風貌故すぐに神とは程遠い存在と理解し結局村の男達に女は殺される。女の亡骸はその祭壇の下へ埋め、亡霊となって姿を現さないよう厳重に封印したとのこと。
あの中央の石碑は祭壇の一部であり、書かれている文字は「この地で最も忌み嫌われる者が2度と姿を現さないように(ここかなりあやふやです)」という意味。そこに何かしらで関わってしまった俺とAがそいつの封印を半ば解いてしまった」こう語った。
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54 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 01:57:35.60 ID:U/ZnuSXh0 - ちょっと休憩
村長の話、かなり具体的に書いてありますがもっと難しい言葉を使ってましたしもっと内容は深かったと思います。今回は残ってる記憶を材料に大人になった自分が精一杯文として表しただけなので全くこの通りの内容というわけではないです。
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56 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 02:17:46.62 ID:U/ZnuSXh0 - しかし疑問に思った。行ったは行ったが別に何もしてないぞと。なので俺は村長に「僕もAも何もしてません」と。
すると村長は「そういった穢れ(?)を払う方法は1つ、人々から忘れ去られること。関わってしまう事自体がいけなんだよ。あの縄の中に入ったか?石の文字を読んだか?」 俺もAも入ってはいないと答え、ただ俺は読もうとしたけど難しくて読めなかったと言った。 村長「それだよ。例え声に出さなくてもその文字を読もうとするのは、そこに眠っている者に自然に関心を向けてしまっているということになる。だからあそこには行くことすらダメなんだ。大人達はみんな行くなって言うんだ。」と。 つまり、何度もあの場所に通ったA、訪れて眠っているものが記された石の文字を読もうと注目した俺に奴が寄ってきた。これまで関心を向けられず孤立した状態で人々から忘れられようとしている所に水をさしてしまったということ。
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57 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 02:23:56.59 ID:U/ZnuSXh0 - 話はややこしいが大変な事をしてしまったんだと感じた。
それからは今後俺とAはどうするかという話になったが、村長は「払う方法は忘れる事」もう金輪際あそこへは近づいてはいけない。奴の声が聞こえても耳をかさず無視をしなさい。大丈夫。と優しく俺らに話した。 そうして解散となり、俺は疲れ果てていたため祖父祖母の家に帰ってすぐ寝た。
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59 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 02:33:15.55 ID:U/ZnuSXh0 - 朝になり目が覚めた。昨日の事は夢だったんじゃないかと思えた。それも当然、本当に祟りだの怨霊だのそんなんが現実にあるなんて受け入れ難い。でも身をもって体験してしまった。
今日の夕方に帰るがとてもAと会う気にはなれない。弟は宿題を終えて遊びに誘ってくるが気分がのらない。 俺は家の前で1人、セミの死骸をせっせと運ぶ蟻の行列を無心で乱して時間を潰した。 結局自宅に帰る時間になったがAとは会わず。 それから連休やお盆、正月など村へ行く機会はたくさんあったが家族で俺1人、行く事はなかった。
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61 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 02:41:19.94 ID:U/ZnuSXh0 - 中学にあがり、高校へあがった。
もう何年前になるんだろうと思いつつ日々部活に明け暮れていた。それでも村の事、あの日の事は忘れはしない。 正月になって短いが、部活も正月休みになった。友達と神社にでもいくかな、神社くらいしか行くとこないしなぁこのくそ田舎。と考えてたら親から「じいちゃん、ばあちゃんのところに行くぞ」と声をかけられた。久々のお誘い。どうせ行かないだろう。部活だろうとしばらく声もかからなかったが。突然親は言ってきた。「たまには元気にしてるってじいちゃんばあちゃんに顔見せない」なんか説教くらってる気がしてちょっと腹が立ったが、今はもうあの出来事に対する恐怖心もなくなっており、行ってもいいかなっと思えた。 「わかった」 久しぶりに親の運転する車で向かうこととなる。 車内では爆睡しており気づいたら到着していた。
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62 :本当にあった怖い名無し[]:2022/05/10(火) 02:42:31.56 ID:U/ZnuSXh0 - >>60
まだ続きます これからスレタイの核心に入りつつありますです
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63 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 02:51:20.86 ID:U/ZnuSXh0 - 「俺ちゃん、大きくなったねぇ」
祖父祖母が歓迎してくれる。何年ぶりだろう、ちゃんとこうやって会うの。 そう思いつつ家の中へ。こたつに入り色々と世間話。誰もあの一件については話さない。あぁ、話しちゃいけないのか、忘れないといけないのか。そう1人で考えていた。 そんな俺に祖母が「あ、俺ちゃん。Aちゃんも帰ってきてるってよ!」と言う。 Aちゃんて誰だ?と思ったがすぐに思い出した。なんせ最初から名前を覚えていなかったから。一瞬わからなかった。 しかし思春期真っ盛りの俺「へぇそうなんだ」 親はまたこの子は‥みたいな感じで「久しぶりに会ってきたら?小学5年生以来でしょ」と 寒いからいいとクールに決める思春期俺を強引に家から追い出す親。 時間潰すにも相変わらず何もない村なわけで、小っ恥ずかしいがAに会いにAの自宅へ向かう
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69 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 03:06:15.25 ID:U/ZnuSXh0 - Aの家に到着。ごめんくださいと言うと中から「はーい」と返事。
我ながらとても緊張していた。このままやっぱ帰ろうかなとか思った。 扉が開くとA母。だいぶ老けたなぁって失礼ながら思った。 「あらー!もしかして俺ちゃん!?久しぶり!上がって上がって!」 と勢いのままいきなりリビングに通される。 「いや‥ちょっとご挨拶に来ただけで‥」という俺の言葉は無視。 リビングの方へA母から突き飛ばされダイナミック入室。思いっきり地面へ転がってしまった。 顔をあげるとA父と綺麗な子。Aだった。 A父「おー!久しぶりだなぁ、元気にしてたかぁ!」 ちなみにA父と俺そこまで関わった事ありません。 だいぶ酒飲んでたらしく、テンションがすごいA父は俺の肩をガッチリ掴んで離さない 「あー?イケメンになったなー。あんな男か女かわからない見た目だった奴がー」 とてもウザ絡みをしてくる。そんな光景をAは何も言わず見ている。 A母から父は叩かれ俺解放。 「どーぞ、俺ちゃん」とこたつに誘導される。 A父から酒を注がれたが「いや、俺未成年ですよ」と断ると「あー、そっか!お前Aと同級生だったもんなぁ」と え?知らなかった。そこで知る新たな事実。 それからは御馳走食べながらなんだかんだ話をした。Aは無言だった
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70 :ペン ◆I.hHf3nPw6 []:2022/05/10(火) 03:14:06.33 ID:U/ZnuSXh0 - 結構時間が経った頃にA母が「2人で久しぶり外に行ってきたら?」といらぬ気を遣い始める。
いや、風邪ひくとアレですし‥と断るが強引に2人ともつまみ出される。何で田舎の人間てお節介で強引なとこあるんだろう、俺も十分田舎者だけど。そう思いつつ、何か話さないとと思いAに久しぶりだねと声をかけると「うん」と一言。 とりあえずA母の言う通り2人で散歩へ行く。 しかし、ずっと無言。とても気まずい。久しぶりに会うってのとあの事件以来って事で何を話していいかわからない。その状況がすごく苦痛で何とか別の事考えて気を紛らわそうと思ったらAが小さい声で 「来るの、わかってたよ」
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