- 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?366
123 :本当にあった怖い名無し[]:2022/01/13(木) 03:25:22.48 ID:i2W9mnJy0 - こんな夜遅くだけど起きてるゴミニートおるんかな?
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- 友達の家が怖いので帰省したくない
26 :本当にあった怖い名無し[]:2022/01/13(木) 22:56:42.07 ID:i2W9mnJy0 - 戻って来ました。
>>23 >>24 ありがとうございます。 続きを書きます。
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27 :本当にあった怖い名無し[]:2022/01/13(木) 23:01:52.39 ID:i2W9mnJy0 - そんな鏡についての事件をあったことを思い出した私は、思わず奥さんに
「あの蔵は健在ですか」 と、そう尋ねていました。 いよいよNの死と鏡のことが無関係には思えなくなってしまったのです。 「…ええ。あの場所は変わらず」 奥さんは怪訝そうに答えました。多分、妊婦にとって過去を蒸し返されることは害悪なストレスだったと思います。 それでも、かつて足りなかったものを培ったであろう高校時代の私は、もう一度「鏡の謎」に挑んでみようと思いました。
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28 :資質[]:2022/01/13(木) 23:03:33.45 ID:i2W9mnJy0 - ID変わってしまいました。
見てくれてる方が紛らわしくないようにコテハン付けます。
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29 :資質[]:2022/01/13(木) 23:05:49.13 ID:i2W9mnJy0 - 奥さんに蔵を漁ることの許可を貰うと、後日、小学生の頃によく遊んでいた件の神社へと赴きました。
小高い山を登り、初めて来る方には気付けないような獣道に逸れると、その神社はあります。 境内の周囲を見渡すとヒイラギの木に外周を囲まれています。 昔はあの葉っぱでよく怪我をしたなあ、などと感傷に浸ったりしました。 しかし私は、以前と何も変わっていないはずのこの神社に妙な不安感を感じました。 他の神社と比較すると、少しずつズレている場所があったのです。 まずこの神社の出入り口となる神明鳥居が1つあるのですが、それが空間的に仕切られた狭義で言うところの敷地内・境内と繋がっている……つまり鳥居を一歩潜れば、直接的に本殿のある空間へと出てしまうことになります。 参道が無いのです。
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30 :資質[]:2022/01/13(木) 23:12:02.86 ID:i2W9mnJy0 - 神明鳥居というのは、本来であれば天照大神系統の神様が鎮まる神社に建てられるのですが、その鳥居もよく見るとおかしいのです。
鳥居には、寂れかけの神社に似合わない立派な注連縄が巻かれていました。 注連縄には通常、紙垂と呼ばれる、「糸」という漢字を象形的に表した特徴的な形の魔除けの紙を取り付けて垂らすのですが、この紙垂は神社の外側に向けて取り付ける必要があります。 しかしそれが逆向きだったのです。 つまり、境内に向かって紙垂が取り付けられていた。 この時点で私はかなりビビっていました。 もしかすると、あまり知ってはいけないことがこの神社にはあるのではないか。 鏡の件と同じように、普通であれば気付かないような些細な事柄が、実はとても恐ろしいモノなのではないか。 そういった、禁忌的なものを感じ取っていたことは確かです。
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31 :資質[]:2022/01/13(木) 23:17:06.88 ID:i2W9mnJy0 - よくよく考えてみれば、この神社の正式名称すら知らなかったことを思い出し、自分から恐怖に拍車をかけたりしてしまいました。
漠然と「この神社、もしかするとおかしい…?」と思い始めていたのですが、自ら吐いたツバは飲み込めません。 しばらくして奥さんに蔵に案内され、そこで昔見つけた「甲斐国史要書」という古書を探してみました。 見つけるのに時間はかかりませんでした。数分で古ぼけた棚からそれを探し出すと、ボロボロの紙質に配慮しながら丁寧に開きました。 以前私たちが読んだ時は、ページをめくる方向を間違えていたらしく、逆向きから読んでいたことに、ここで初めて気付きました。 記憶を頼りに読み進めていくと、とうとうあの詞のようなものが書かれている部分にたどり着きました。 やはりその内容は、記憶の中のそれと一字一句違いませんでした。
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32 :資質[]:2022/01/13(木) 23:33:31.96 ID:i2W9mnJy0 - 「誰があやしげなる様泣き響もう かかる話が在りますが 臓腑水腫りただならず 胞衣纏ふ民枯草もほんびたくす」
今回は漢字も、イントネーションも、言葉の区切りも明確でした。 そしてこれを読んだとき、本能的に「あ、ヤバい」と感じました。 頭の中に警報装置があるとしたら、それが唸りを上げ始めたのが分かりました。 夏の暑さのせいではない汗が噴き出てきたりもしました。 それでも何とか呼吸を落ち着かせると、そんな警報装置に聞こえないフリをするように、昔は読み解けなかった箇所にも目をやってみようと、更にページをめくっていきました。 そして私は、やはりすぐに、自分の動物的な本能を信じなかったことを後悔することになります。 古書の最終節の題は「逆サ神社創建提要」 黄ばんだ古紙に、赤茶けたようなな字で大きくそう書かれていました。 どうやらこの神社の正式名称は「逆さ神社」(さかさじんじゃ?)というようです。 立派な鳥居にも、境内にあるペットの散歩禁止の看板にも、この神社の名前は書かれていませんでしたし、私自身これまで、神社の名前など全く気にしていませんでした。 地元の人たちはその神社のことを「トコヒトさま」と呼んでいたので、それに合わせて私もそう呼んでおり、それが正式名称と思い込んでいました。 さて、そんな逆さ神社の創建提要ということは、建立に至るまでの経緯が書かれているのでしょう。 そう確信し、私は震える手で恐る恐る内容を確認しました。
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33 :資質[]:2022/01/13(木) 23:44:55.11 ID:i2W9mnJy0 - その序文にはまたしても詞のようなものが挿入されていました。
「孕リ水子縁切リ咒」…おそらく「みごもりみずこえんぎりまじない」と読むのでしょう。まえがきにしては相当な長さでした。 その中でも、特に強烈に私の印象に残った、要所であると思われる部分を、記憶している限りで書き写してみます。 「疫癘胎中イジヤシボコニ 寄セヤ蒐メヤ 逆サ鏡ノ逆サ事」 「四方堅牢ニシテ此レ極メテ穢多 左ギツチヨノオンナシヲ慈シミ育テヨ 三ツヨリ鏡見セル事勿レ」 「腹削ゲヤ 腹削ゲ 山中他界往クコト能ワズ 魂呼ビ要ラズ 縁切リ縁断チ」 誤字などあるかもしれません。 覚えている中の一部なので、おそらくは読み上げたりしても問題はないと思いますが、あまり音読したい内容ではありません。 実際、これを読んだ私は、頭の中で何度か反芻させてその意味を噛み砕こうとしたのですが、その最中、いよいよ背筋が凍る思いがして、次の瞬間には「バンッ」と思い切り書物を閉じてしまいました。 直感的に「事細かに理解してはいけないものだ」と察したのです。
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34 :資質[]:2022/01/13(木) 23:55:41.21 ID:i2W9mnJy0 - 私は蔵から逃げるように飛び出して、神社の構造を改めて見渡しました。
存在しない参道と、前後逆向きの紙垂と、辺りをびっしりと覆うヒイラギが、とても怖かったのを覚えています。 「あら、もういいの」 ちょうど様子を見に来ようとしていた奥さんが、赤子でも抱くかのように、腕に小さな地蔵を抱えながら、私にそう尋ねました。 その地蔵には覚えがあります。 おそらくはNが本殿へ入った時に目にし、神主さんから「御神体」と説明されていたものでしょう。 今なら分かります。 あんな風に「地蔵の顔面に人の名前を彫り付ける」なんて、普通の信仰じゃない。 そもそも神社は「神道」です。 地蔵を扱うのは「仏教」の領域のはず。 そんな混沌が許されるとしたら、そんなのは絶対にまともじゃない。 次の瞬間、その地蔵の顔面が一瞬見えました。 そこに彫られていたのは、私の名前の一文字目のような気がしました。 私は極力冷静に、裏返りそうな声を必死で抑えながら言いました。 「思い違いでした。僕の勘違いで、不快な思いをさせてしまったようで……すみません」 「そう?まあ誰にだって勘違いはあるものね。でもまた帰ってきたら、いつでも遊びに来てもいいわよ」 私は手早く挨拶を済ませると、逃げるようにその神社を去りました。二度とあの周辺に近寄りたくありません。 このような事があり、私は帰省するのが本気で嫌になりました。
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35 :資質[]:2022/01/13(木) 23:59:34.01 ID:i2W9mnJy0 - というのが5年前の話。
私が今どうしてこの話を書き込もうと思ったのかというと、私はとにかくあの神社が嫌で、大学も県外に出て、地元と距離を置いていました。 しかしながら大学卒業が近い。 私は家の長男ということで、卒業したら実家で家族の面倒を見る必要があります。つまり帰省しなきゃならんのです。 というか昨日引っ越しは既にほぼ終わっていて、今実家にいます。
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