- 昔のしょうもない体験談書く
1 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 04:05:00.37 ID:C7WGdjOQ0 - 幽霊がどうとか死体がどうとかそういうスペクタクルなのは期待しない方がいい
霊感も無ければ宗教もなくとても普通に生きてる。興味はあるけどこの普通の暮らしに大満足。 よくよく考えると全くもって無いわけでもなかったから一つずつゆっくり書き残したいと思う
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2 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 04:12:05.51 ID:C7WGdjOQ0 - これは何故か自分だけ覚えてること。
見る皆に一緒に覚えててほしいから書く。 私の両親は同年代の子たちの親御さんに比べると少し年上だった。それに、4つ下の弟もいるんだ。 当時私たちは10歳もなってなかったので、とても留守番をさせる訳にはいかなかった。だから家族全員で父の同窓会などに行ったりすることが昔は結構あった。 これはとある山の、別荘での出来事だった。 まあ夏休みだったよ。8月頭くらいの。
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3 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 04:18:39.36 ID:C7WGdjOQ0 - 白い山小屋を緑が包んでいる、とても綺麗な景色だった。未だ覚えてる。綺麗だったけど、大人たちのお集りなんだ。子供が遊べるものなんて文字通り何もなかった。
幸い私たちは田舎の子で、あの山ん中よく走り回ってたものだ。とても……転げ回った。 そんなこんなで日が暮れると弟を連れて小屋に戻る。そしたら母とおばさんたちが洗面道具を持って小屋から出てきて、鉢合わせた。
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4 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 04:25:46.19 ID:C7WGdjOQ0 - (°▽°)「お母ちゃんどこ行くの?もう暗いよ」
J( 'ー`)し「ちょっと下の川の方にね、水浴びよ。あんたらも一緒に来る?」 そう。ちょっと書き忘れたけど小屋の近くには小さな川があって、その上に石橋があったんだ。 でも夜の山は怖い。わかってるだろ? (°▽°)「えぇ〜やだよ暗いし怖い。早く行ってきてよ」 J( 'ー`)し「何がそんなに怖いんだか。はいはい」 つって私たちは小屋に入った。
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5 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 04:31:03.49 ID:C7WGdjOQ0 - 何分経ってもお母さんたちは帰って来なかった。時計も無かったし、携帯も無い時代だったから正確にどれくらい過ぎたかわからないけどとにかく長かったんだ。外は既に真っ暗になっていた。
私は寝転がってて気付かなかったけど、幼い弟がぐずぐずし始めてから「そういえば!」ってなった。 生憎私はお利口さんじゃなかったけど、弟にはまあまあ良い兄弟だった。お母さんたち探しに行こっか!となったんだ。 今思うと小屋にはお父さんやおじさんたちもいたはずなのに、なんで二人きりって感じだったんだろうね。
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6 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 04:37:02.19 ID:C7WGdjOQ0 - 私は涙目の弟の手をきゅっと握ってお母さんを探す旅に出た。時既に夜、空と地面の見分けすらつかない。だから夜の山は危ないんだ。
つっても私にできることなんて、でっかい声でお母さんを呼びながら足の赴くまま歩き回ることくらいだった。 ある程度歩くと、例の石橋に辿り着いた。方向もわかりゃしなかったのに。弟を元気づけようと気丈に振舞ったことを覚えている。 (°▽°)「お母ちゃんこの下にいるはずだよ、ほら!水の音するでしょ?」 でも人の声はしなかった。流石に橋を渡るのは怖くて、まあその辺で二人でお母さんを呼び続けた。
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7 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 04:43:16.07 ID:C7WGdjOQ0 - ( ꒪⌓꒪)「おねえちゃん」
(°▽°)「なに?」 ( ꒪⌓꒪)「あっちひといる」 弟が指差した橋の向こうにはマジで人影がいた。お互い「お母ちゃんかな?」「わかんない」「行ってみる?」「うーん……」とまあ立ち止まったまま話した。 私は生まれつき目が悪くて薄らとしか見えなかった。 そしてどういった経緯かは忘れたけど、何故かその人に声をかけてみようって方向になったんだ。それでゆっくり慎重に橋を渡った。人影の方に近づいて行った。
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8 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 04:49:27.99 ID:C7WGdjOQ0 - 見える距離まで近づいて、知らない人だったら謝ろう!くらいの軽い感覚だったろう。長く見えた橋の向こうは子供の足でもすぐに渡れて、私たちはその人影の前に立ち止まった。
そこまできて声をかけるのが怖かった。なんせ何も見えなかったから。と思った時ふとその人影が振り向いてこっちを見た。それは、黒ずんだ肌に、土と泥で薄汚れて、醜いほど痩せ痩けている、多分元は白かったであろう古臭く黄ばんだ服を着た老人だった。 今思うとアレは白装束で間違いない。だってはっきり覚えてるもの。
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9 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 04:55:20.77 ID:C7WGdjOQ0 - どうしてこんなに覚えてるのかはわからない。懐中電灯でも持ってない限り見えないはずなのにな。
とても人とは思えない姿にビビり散らかした私たちは喚きながら全速力で逃げた。弟の手は最後まで離さなかった。 随分歩いてやっと石橋に着いたと思ったのに、石橋から小屋まではそんなにかからなかった。戻ると、お父さんとおじさんたちは煙草をぷんぷん吸ってて、私たちの足音を聞いたお母さんが小屋の中から飛び出てきた。 オトナたちにとても心配をかけたとわかった。 J( 'ー`)し「どこ行ってたの二人して!」 お母さんは涙目で怒った。 (°▽°)「遅いのよ!わたしたち探し回ってたのに!」 話は噛み合わなかった。
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10 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 04:59:19.12 ID:C7WGdjOQ0 - お母さんが言うには、水浴びは30分もかからずすぐ上がってたと。とにかく私たちはしこたま怒られた。しょうがないけど。理不尽に思った。
結構大騒ぎだったはずなのに、このことをお父さんも弟も覚えていなかった。弟は小さかったし……とも思ったけど別荘に行ったことは覚えてたんだ。あの老人の記憶だけが抜け落ちてる。
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11 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 05:01:47.39 ID:C7WGdjOQ0 - (これを書き込む)数ヶ月前、お母さんにこのことを覚えてるのか聞いてみたら、水浴びしに橋の下まで下りてったのは覚えてるとの答えだった。
しかし私たちが夜遅くに小屋に戻ったこと、心配そうに怒ったこととかは初耳って反応だった。 逆に「そんな細かいこと今までずっと覚えてたの」とか言われた。ちっとも細かくねえわ。 この話はこれで終わり。
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12 :本当にあった怖い名無し[]:2021/08/22(日) 05:03:15.70 ID:C7WGdjOQ0 - ちょっと落ちる。
読んでくれてる人がもし居るならだけど、 次の話まで少し待ってほしい。
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