- ほんのりと怖い話スレ 144
296 :本当にあった怖い名無し[]:2021/07/19(月) 18:45:27.96 ID:zOb1TgF30 - 怖いというかSFっぽい話。
小学1年生のころ、父親から小学校入学記念でスーパーファミコンとドンキーコング3を買ってもらった。 俺には一つ上の兄がいて、「ゲームは一日30分」というルールの下、兄と代わりばんこでゲームをしてた。 それぞれたった30分しかゲームができなかった俺ら兄弟はゲームに飢えており、 自分のゲーム時間はもちろん、相手のゲーム時間もかじりつくようにゲームを見てたし、 お互いのゲームが終われば飽きることなくずっとゲームの説明書を読んでいた。 ある日のことゲームをプレイする順番で兄と俺は喧嘩になった。 体格で劣る俺は、いつものように兄にボコボコに負かされた。
|
- ほんのりと怖い話スレ 144
297 :本当にあった怖い名無し[]:2021/07/19(月) 18:51:32.77 ID:zOb1TgF30 - >>296 続き
泣いている俺をよそに、飄々とゲームをセットしてプレイし始める兄に無性に腹が立った俺は、 兄が(そして俺が)大切にしていたドンキーコング3の説明書とソフトのパッケージを、 兄の前でボロボロに引き裂いた。 (スーパーファミコンのソフトの外箱は紙製だった。) それを見た兄は怒り始め兄弟の喧嘩の第二ラウンド開始。 喧嘩は俺が泣いても終わらず、母親が止めに入るまで俺は兄に殴られ続けた。 その夜、この喧嘩についての家族会議がありゲームが諸悪の根源だということで、 ゲーム禁止令が出てゲーム機は父の車で保管されることが決められた。
|
- ほんのりと怖い話スレ 144
299 :本当にあった怖い名無し[]:2021/07/19(月) 19:21:14.87 ID:zOb1TgF30 - >>297 続き
不思議なのはこれから。 その次の日、学校が終わり家に帰るとスーファミはいつもどおりテレビの上に置いてあった。 父が持って行き忘れたのだと思い、しめた、と俺ら兄弟は母が買い物か何かで 外出した隙を見てゲームのセッティングを始めた。 けど、ヘンなのだ。ゲームの箱の中には確かに昨夜俺がバラバラに引き裂いたはずの、 スーパードンキーコング3の箱と説明書が綺麗な状態で入っていた。 気味が悪くなり、俺と兄はゲームどころではなくなり母の帰りを待った。 兄も「おかしい。おかしい」と何度も言う。 帰宅した母、それに父にこの話を聞いても、昨夜俺が説明書等を破いたことはおろか、 ゲーム禁止令を出した家族会議を開いたことすら覚えていないらしい。 「そんなに禁止にしてほしいのなら持って行くぞw」 と父は笑って俺らの話を真に受けてくれなかった。 仮に父と母が本当にそのことを忘れただけだとしても、 破ったはずのソフトのパッケージや説明書が元通りになっているのは説明がつかない。 俺と兄は二人で同じ夢でも見ていたのだろうか。
|
- ほんのりと怖い話スレ 144
300 :本当にあった怖い名無し[]:2021/07/19(月) 19:24:54.27 ID:zOb1TgF30 - >>299 続き
それから俺と兄はことあるごとにこの話を思い出し「あれは何だったんだろうね」と話し合った。 この話は兄の怪談話の十八番で、兄が友人たちに披露しているのを聞いたこともある。 また変なのがここからで、先日いつものように兄に「この話ってほんと何だったんだろうね」 と聞いたが、兄は「?」という感じでまったく身に覚えがないようだった。 何度説明しても「そんなことあったっけ?」の繰り返し。 俺自身この話を外部に話すのは親に「こんなことあったよね!」と聞くときか 兄に「あれなんだったんだろうね」と聞くときぐらいしかなかったため、 親や兄に『破ったゲームのパッケージが翌日には元通りになっていたことがあった』という 事件はもとより『それを不思議な話として話してきたこと』すら否定されてしまうと、 俺は別の世界線から来てしまったのか、というくらい意味がわからなくなって混乱する。 その昔は「世界のバグを見つけた」と兄とはしゃいで話していたものだが、 その兄もすでに向こう側に取り込まれ、「バグは俺の方じゃないか」という思いが日に日に強くなってきている。 他に証人がいるとするならば、兄の怪談を聞いていた当時の友人たちだ、 ということに書きながら気づいたけど、今じゃ疎遠だしわざわざ連絡して聞く内容のものでもない。 この話を思い出す度恐ろしく感じる。 国語力が足らなくてスマン。 書き込むことで、せめて「こういう話を俺が経験した」という記録を残したくて、 この場をお借りしました。
|