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本当にあった怖い名無し
後味の悪い話 その182

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後味の悪い話 その182
819 :本当にあった怖い名無し[sage]:2020/10/18(日) 15:48:12.40 ID:kFf/qyLH0
犬木加奈子「かなえられた願い」の中の一話。

(その1)
主人公は、大人しくて引っ込み思案の女子学生。
母親やクラスメイトとも打ち解けられず、飼い犬をはじめ動物達と触れ合うことが一番の楽しみだ。
ある時、たまたま読んだ本で「何でも願いを叶えてくれる悪魔を呼び出す方法」を知った主人公は、
半信半疑ながら試してみる。
本の通りに儀式を行うと、なんと本物の悪魔を捕まえることができた。
主人公の願いは「動物と話ができるようになること」。
悪魔はその願いを叶え、去り際、「昔、ドリトルって奴が同じことを願ったな。でも、お前さんは人間。
それを忘れるじゃないぞ」と呟く。

翌日、目を覚ました主人公は、身の回りの動物達と言葉で意思疎通できることに気付き、感激する。
動物は素直で損得勘定がなく、人間のように主人公を追い詰めたりしない。
主人公は彼らとお喋りして過ごすことに夢中になり、次第に親と話すことも登校することもなくなる。
一体どうしたんだと、ヒステリックに叫ぶ母親の声も耳に入らない。
そんな彼女を見て、飼い犬は思う。
「僕達は君と一緒にいられて嬉しいよ。でも・・・でも・・・」
後味の悪い話 その182
820 :本当にあった怖い名無し[sage]:2020/10/18(日) 15:49:03.88 ID:kFf/qyLH0
(その2)
ある日、見たこともない大人達がやって来て、泣きわめく主人公を動物達から引き離し、どこかの部屋に
閉じ込めてしまった。
ガラス戸越しに主人公を見ながら会話する、医者らしき人物と憔悴した母親。
ここで、実は主人公が話しているのは人の言葉ではなく、「ワンワン」「キューンキューン」といった動物の
言葉であったことが読者に分かる。
医者「これは今までにあまり前例のないケースです。言葉だけが完全に動物のそれになるなんて。
もっと詳しい検査が必要かもしれない」
母親「私が悪いんでしょうか。いつまで経っても引っ込み思案の甘えん坊で、ちょっとはしっかりして
ほしくて厳しく接しもしましたが」
医者「まあまあ、そう思い詰めないでください。こういうことは時間がかかるものですから」

たった一人、室内(たぶん、閉鎖病棟か何か)に閉じ込められた主人公。
ここには小鳥一羽飛んでくる窓さえないが、考える時間だけはたっぷりある。
それでも、人間の言葉だけはどうしても思い出せなかった。

犬木加奈子の漫画には、目を覆いたくなるほど残酷ないじめや虐待が登場する。
でも、この話の場合、母親はちょっと言い方キツめではあるけれど、主人公を虐待などしていない。
クラスメイト達も主人公をいじめたりせず、「今まであんまり話したことないよね。良かったら、
一緒に遊園地行かない?」と誘ったりもしている。
主人公があまりに引っ込み思案すぎて嫌がっていると勘違いされたが、それでも陰口を叩くでもなく、
「あんまり遊園地に興味ないか」「じゃあ、仕方ないね」と至って穏やかな態度。
また、悪魔も、いきなり主人公を動物語しか話せないようにしたのではなく、「人語と動物語の
両方を話せるようにしたが、主人公が動物と過ごす楽しさにのめり込むあまり、人語を忘れた」
ということが暗示されている。
強欲なあまり破滅する主人公が多いシリーズ中、何かが違えば平和に生きられたかもしれない主人公の末路が哀れだった。


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