- 海・山にまつわる怖い話・不思議な話 3
85 :本当にあった怖い名無し[sage]:2019/11/07(木) 13:42:53.95 ID:jK609H7L0 - 石じじいの話です。
以前、鍾乳洞にはいったら、人間のかたちの鍾乳石?を見つけた:という話を書いたことがあります。 じじいのホームグラウンドにはカルスト台地があって、そこには鍾乳洞が発達していました。 じじいの部落の近くの山にもありました。 洞窟の中には昔の動物の骨の化石が残っていることがあります。 そのような骨は売っても安い値しかつかなかったのですが、鍾乳石は高価で取引されていたことがあり、その時は採集されていたそうです。 じじいも、新しい鍾乳洞がないかさがして山を歩いたことがありました。 ある山で、谷から急斜面を登ったところで、それらしきものを見つけたそうです。 洞窟探索の準備をしていたので、それを装着してもぐりました。 入り口は狭く、痩せたジジイがやっと通れるくらいでした。 そこを抜けると、広い通路が続き、数十メートルの距離を上り下りしながら行くと広間にでたそうです。 天井までの高さが2メートルほどで4畳半くらい。 壁面を懐中電灯で照らしていると、突然、複数の人間の顔が照らし出されました。 (つづく)
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86 :本当にあった怖い名無し[sage]:2019/11/07(木) 13:43:23.77 ID:jK609H7L0 - >>85
(つづき) じじいは腰をぬかさんばかりに驚きました。 ハンマーを抱えて見直すと、それは乾いた壁面に描かれた岩絵だったのです。 黒い顔料で描かれた墨絵のようで写実的なものでした。 4つほどあり、全員女性と思われたそうです。 他にも絵は描かれていたようですが、何の絵かはわかりませんでした。 文字のようなものもあったそうですが、かすれて汚れていて読めなかったと。 それほど古いものではないような気がしたそうです。 広間の床面をよく見てみると、人工物がちらばっていました。 円摩された河原の石、陶器皿、ひどく錆びた金属の棒、など。 それらは皆、砂で覆われていました。 また、骨の破片が多くあったそうです。 破片だったのでどんな動物のものなのかは同定できなかったのです。 これらのものが、その岩絵を描いた人が持ち込んだものかどうかはわかりません。 めぼしいものがないので、じじいはそのまま立ち去りました。 洞窟の入り口にも、広間まで続く横穴にもかなりの土砂が堆積していたので、長い間、人が入ったことはなかったようです。 「なかなか、じょうずな絵やったで。みんなこっちむいて笑うろうとったわい」 洞窟の岩絵としてはラスコー洞窟やアルタミラ洞窟のものが有名です。 それらは石器時代の人類が残したものです。
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87 :本当にあった怖い名無し[sage]:2019/11/07(木) 13:46:43.50 ID:jK609H7L0 - 石じじいの話です。
山の中で「聖歌隊」の歌が聞こえることがあったそうです。 じじいのいた朝鮮では、キリスト教が比較的盛んだったので、その歌には聞き覚えがありました。 風が岩にかすれて出す音だと思ったのですが、非常にはっきりとした音程にのった「歌」だったということです。 山伏たちに会った時に尋ねたところ、 自分たちも聞いたことがある、 あれは、なにか魔物であろう、 ということでした。 ただ、じじいは山伏を信用していなかったので、まゆつばものだと言っていました。
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