- 後味の悪い話 その174
174 :本当にあった怖い名無し[sage]:2018/02/14(水) 17:17:26.92 ID:7Lbwoihz0 - ドイツSF、宇宙英雄ペリー・ローダンシリーズのヒロインであるトーラとその息子トマスについて
ペリー・ローダンシリーズのあらすじ 1971年に人類初の有人月面着陸を成功させたペリー・ローダン率いるアメリカの宇宙探検隊は、月面において 銀河を支配するアルコン人の遭難隊を発見。 彼らは宇宙船の不備のために故郷の星系に帰還することができなくなり、しかも一行を率いるクレストという老人が不治の病のため、ペリーに助力を依頼。 当時地球はアメリカ、ソ連、中国の三大勢力によりいつ核戦争が起きるかわからない状態であり、 ペリーは高度なアルコン人の科学力をいずれかの勢力が独占してしまうと軍事バランスが崩れ、地球が崩壊してしまうとの危機感から ゴビ砂漠に着陸し、アルコン人のバリア能力を用いて宇宙船をあらゆる攻撃から保護し、「テラニア」という第三勢力の設立を宣言。 そのかたわら名医を探し出し、クレストの病気(白血病)を完治させたことからクレストの信頼を得、 「現在アルコン人は技術に甘えて無気力・退廃化している。あなたのような積極的な種族こそアルコンの後継者にふさわしい」として アルコン人の技術のすべてを睡眠教育により伝授される。
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175 :本当にあった怖い名無し[sage]:2018/02/14(水) 17:19:05.57 ID:7Lbwoihz0 - しかしアルコン人の隊員の一人、トーラ(赤い瞳、アルビノで金髪の美女、クレストと同様アルコン人貴族)は、
地球人を劣った種族とみなし、アルコン技術継承には反対していた。 圧倒的な科学技術をもつテラニアに対して危機感をおぼえたアメリカ、ソ連、中国は互いに協同してテラニア破壊を 画策するが、テラニア基地はすべての攻撃を無力化。 後背を断つ目的からアルコンの月面宇宙船に核融合爆弾を使用したところ、せいぜい中性子核分裂反応程度の攻撃に 対してしか準備していなかったアルコンの月面宇宙船は破壊され、アルコン人遭難隊の生存者はクレストとトーラのみになった。 その後、三大勢力は行き違いから互いに核ミサイルを発射したが、ペリーの力によりミサイルは不発。 こうして核戦争は回避され、ペリーはその功績から三大勢力を一つの連邦にまとめあげ、その首席となった。
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176 :本当にあった怖い名無し[sage]:2018/02/14(水) 17:21:06.08 ID:7Lbwoihz0 - アルコン人には「不死能力をもつ種族の伝承」があり、その伝承の舞台は地球付近の星系であった。
クレストたちが地球に来た目的はその不死の種族から、アルコン人の中ではまだ無気力に陥っていない クレストを不死にさせ、アルコン帝国を再興させるためであった。 そこでペリーたちはその不死種族の発見のため近隣の宇宙を駆け巡り、数々の謎を解き、ついに不死種族の惑星を発見。 ところがその不死種族は「地球人には将来性があるがアルコン人にはもう将来性がみえない」として、 ペリーと、ペリーが見込んだ地球人にのみ不老効果のある細胞活性化を行った。 アルコン人であることを誇りとしていたトーラは自暴自棄になって太陽系脱出を試みたが遭難。 ペリー・ローダン一行に救助され、だんだんペリーに心を開くようになる。 太陽系統一もなり、アルコン帝国とも堂々と渡り合えるようになったと考えたペリーは、クレスト、トーラや部下達とアルコンに向かうが、 すでにアルコンはロボット摂政によって統治される合理的な国家となっており、クレストやトーラといった貴族の価値はなくなっていた。 (アルコン人は無気力なまますべてロボット任せ) ペリーはロボット摂政から卓越した判断能力、実務能力を認められ、一時的に帝国の保安部隊として活動し、アルコン帝国最大級の戦艦を入手。 その後、地球から離れた惑星を地球に見立て、ペリーたちと敵対するようになった種族にわざと偽地球を破壊させ、 ペリーおよび地球が完全に消滅したとみせかけた。
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177 :本当にあった怖い名無し[sage]:2018/02/14(水) 17:23:13.17 ID:7Lbwoihz0 - それから60余年、ペリーは太陽系連邦の首席として君臨し、アルコンのロボット摂政に知られぬうちに連邦を銀河系でも有数の種族に育成。
また、いつのまにやらペリーとトーラは結婚し、息子トマスをもうけていたが、ペリーがいつまでも若々しいのに対し、トーラは段々と老化が進んだ。 ペリーは恩人のクレストおよび妻のトーラのため部下を使って医療技術の進んだ惑星から若返りの血清を入手。 しかしその血清によりトーラは不治の血液疾患に罹患し、老化も進んだ。 この最中、ペリーと地球の存在をアルコンのロボット摂政は探知し、アルコンおよびその同盟種族は当時、次元を越えた侵入者により危機に 陥っていたためペリーの助力を依頼。 ペリーは死ぬ前にトーラに故郷アルコンに赴いてもらおうと、アルコン摂政と宇宙船購入についての交渉をトーラに指示。 ところがアルコン摂政には、アルコンに敵対可能な能力を有する地球座標を知ることにより、現在の対等な同盟関係を アルコンに地球を従属させる関係にもっていこうという狙いがあったため、トーラと激しい交渉の末、砲火を交えることとなった。 ちょうどこの時トーラに対する若返り作用が発揮され、血液疾患も完治。 若返ったトーラによる優秀な判断能力・指示能力によりトーラ一行の宇宙船は危機を脱する。 しかし危機を脱し気を抜いた瞬間、捕虜に取っていたアルコン同盟者が武器を奪取し「アルコンの裏切り者」としてトーラを殺害。 こうしてシリーズの主要登場人物トーラは物語序盤の39巻(ドイツ版では78巻)で132歳という、はやすぎる最期(訳者)を迎えたのだった。
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178 :これで最後[sage]:2018/02/14(水) 17:25:20.81 ID:7Lbwoihz0 - なお、ペリーとトーラの間の息子トマスに対して、ペリーはコンピュータ頭脳による
「父親が太陽系連邦首席と知って育つと、アルコン人の自尊心の強さから驕りたかぶり太陽系を危機に陥れる可能性が高い」 という判断から、両親が誰かを知らせず。アルコン人の遺児として育てた。 しかしトマスが艦隊士官となった時、生前のトーラは母親としての愛情から、自分とトマスとの関係を明かさずに トマスの所属基地を視察しようとしたところ誘拐される。 トーラは救助に来たトマスの容貌を見てうっかり「ペリー」と呼んでしまい、トマスは自分の父母の正体を悟った。 トマスはペリーが自分の両親を知らせなかったことについて、ペリーはトマスを地位を脅かすものであると判断し、母から無理やり自分を引き離した、と邪推。 トーラが死んだときは、トーラに危険な任務を与えたとしてペリーを憎み、トーラの霊廟の前でペリーが差し伸ばした手を振り払い、親子の断絶を示した。 その後トマスはペリーが生死不明になるたびに自ら後継者と名乗りいで、徒党を組み、太陽系連邦を危うくさせたが、結局自滅し死亡するのだった。
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