- 後味の悪い話 その157 [転載禁止]©2ch.net
685 ：本当にあった怖い名無し＠転載は禁止[sage]：2015/07/13(月) 22:31:26.34 ID:0NHq8GPQ0 - 大学時代の友人から聞いた話、というか、友人の話。まとまらなくて超長いので注意。
友人は通信制高校から母校に入って、学部優秀者表彰（学部ごとに学年トップ５が表彰される）
を２度も受けるほど真面目で優秀だったんだが、就活にそれはもう苦戦し、
卒業年の２月に滑り込みでようやく志望業種の零細企業から内定を受けた。
が、友人は入社一年足らずで体調をガッタガタに崩し退職した。
精神科医から告げられた病名は「うつ病」。
友人は驚かなかった。何故なら友人は幼小中と受け続けたいじめが原因でうつ病になり、
体調を崩したことで通信制高校に行くことを余儀なくされたからだった。
大学生活で一度は回復したものの、社会の荒波に呑まれてうつ病が再発、そして悪化…
ついには精神科病院に入退院を繰り返すようになった。入院期間は計９か月。
退院後は障害者手帳を取り、精神科デイケア→就労移行支援施設→某企業にオープン
（精神障害者であることを公にして）で週４日５時間の事務補助の仕事を得て社会復帰した。
根が真面目な友人は雑用にも真剣に取り組んでいたので、職場での評判は悪くなかったらしい。
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686 ：本当にあった怖い名無し＠転載は禁止[sage]：2015/07/13(月) 22:32:56.28 ID:0NHq8GPQ0 - そんな友人が社会復帰して半年程経ったある日、職場の先輩男性から
「入社してすぐのころから好きだった。もし良ければ付き合ってほしい」と告白された。
その男性は常に明るい職場のムードメーカーで、同僚の誰にでも同じように優しい
気配りの鬼のような人で、当然友人にも良くしてくれるので、友人の『憧れの君』だったらしい。
まさかの事態に驚いた友人はまず「何かの罰ゲームか」「同僚と賭けでもしているのか」
「自分をからかっているのか」を確認。…この反応で友人の半生が偲ばれる…
すべてを否定され、改めて「君のことが純粋に恋愛感情で好きなんだ」と言われ、
友人は「自分がうつ病なのは知っての通り。『彼氏が出来る』という環境の変化で体調が悪化し、
結果として別れを切り出すことになる可能性が高い。性交渉に関しては、配偶者でなければ応えられない。
それでも良ければ交際してほしい」と返答。
ほぼお断りの文句としか思えないラインナップだったが、男性は
「交際は君（友人）の体調を第一に考えてする。望むなら性的な行為は一切求めない。
それで良ければ交際してほしい」とまさかの回答。
そして始まる現代の一般人感覚では到底考えられない『清く正しい男女交際』。
デートの際、男性は車で友人を迎えに行き、帰りは絶対に夜１１時を回らないうちに
自宅のドアの前まで送っていくという紳士っぷりだったという。
そんなキスまでの交際が１年ほど続き、話はそれとなく結婚の方向へ。
腹をくくった友人はある意味自分のうつ病以上の地雷、「自閉症の弟の存在」を男性に暴露。
すると男性、負けじと自分の地雷をぶちまけた。それが「天涯孤独」「無精子症」「バツイチ」。
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687 ：本当にあった怖い名無し＠転載は禁止[sage]：2015/07/13(月) 22:34:02.83 ID:0NHq8GPQ0 - 男性は早くに両親を亡くした一人っ子同士の親の間に生まれ、男性が中２の時父親が事故死、
母親が２２歳の時に病死し、親戚縁者が誰もいない天涯孤独の身に。
その後、年上の職場の同僚女性と結婚するも、入籍後１年経っても妊娠しないため夫婦で不妊外来へ。そして発覚する男性の無精子症。「どうしても子供が欲しいならＡＩＤ（非配偶者間人工授精）を考えた方がいい」という言葉に医師の言葉を受け入れることも
難しかったその日から、なんとわずか１週間後に妻から離婚を求められたという。
妻曰く「子供は絶対に２人は欲しい。誰の子か分からない子を産むより『自分の夫の子』が欲しい」。
当然の如く娘を擁護する義両親に対し、男性は一人の味方もないままなし崩し的に離婚が成立。
元妻はぴったり半年後に職場の別の同僚と再婚、その３ヶ月後には妊娠したそうだ。
男性はあまりにいたたまれず転職、友人が後に雇われる某企業へ。
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689 ：本当にあった怖い名無し＠転載は禁止[sage]：2015/07/13(月) 22:36:36.06 ID:0NHq8GPQ0 - 「君に子孫を残させることが出来ない自分に結婚の資格はないかもしれないが、
それでも一生君の傍で君を守りたい」
という男性の言葉に友人は「貴方と出会うずっと前から、
こんな時代に、こんな私の遺伝子を半分も受け継いで、私に育てられるなんて
虐待以外のなにものでもないから、子どもは持たないと決めていた」と応え、結婚を決めた。
友人の両親に改めて挨拶に行った時にも「天涯孤独」「無精子症」「バツイチ」に両親はたじろいだそうだが、
男性の好青年ぶりと娘が「精神障害者」であることと「自閉症の弟の存在」で相殺されると判断したのか、
おおむね良好な関係を築けたらしい。
そんな二人の結婚式&食事会。出席者は新郎：大学時代の恩師１人と高校・大学時代の友人７名、
新婦：父・母・弟、大学時代の友人３名（この中の一人が私）、大学のスクールカウンセラー、
精神科デイケアの元担当スタッフ、という地味婚。
この日の為にフルオーダーしたという『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリスを
イメージしたレースのハイネック・長袖のウェディングドレス姿の友人は、
大学時代の夏のサークル合宿の時くらい楽しげで幸せそうだった。
一方、新郎側はというと、友人のうち数人がなにやら戸惑った雰囲気。
それが気になったものの、新郎新婦合わせて１６人の食事会の席で話題に出せる筈もなく、
式は無事お開きに。
その後、帰り際に新郎の友人数名に呑みに誘われた私達新婦側友人。
私は新郎側友人達の雰囲気が気になっていたので、真相を知りたくて飲みに行くことに。
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690 ：本当にあった怖い名無し＠転載は禁止[sage]：2015/07/13(月) 22:38:05.34 ID:0NHq8GPQ0 - そしてこじゃれた居酒屋にて明らかにされる真実。
なんと友人、男性の元妻にそっくりらしい。外見的特徴だけでも
・小柄で華奢（元妻：150cm前半by新郎友人談、友人：145cm・37kg（大学時代））
・童顔の丸顔（元妻：「俺らより年上には見えなかった」by新郎友人談、
友人：25歳の時居酒屋で未成年と間違われる）
・黒ストレートのボブカット（友人：上記の通りクラリスを意識）
・眼鏡（友人は重度の近視だが、コンタクトがつけられなかった。前撮りでは外していたらしい）、
・巨乳（元妻：「初めて会った時「胸でかっ」と思った」by新郎友人談、友人：F65（大学時代））…
式で初めて友人を見た新郎側友人達は、皆揃って一瞬「あれ、元妻さん？」と思ったそうな。
新郎側友人達は最終的に「タイプが『黒髪おかっぱロリ顔巨乳眼鏡っ子』とかアイツもマニアックだよな」
という話に落ちつけていたが、私には友人が元妻の身代わりにされているようにしか思えなかった。
勿論友人はそんな事は知らないだろうし、知りたくもないだろうから知らせる気はない。
ただ、お互いのデメリットを噛み合わせたようなどこか歪な結婚生活、いつヒビが入って
友人が精神病院に逆戻りするかと思うと、しょせん他人事ながら哀しくてならない。
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