- 【小説】ZOMBIE ゾンビ その31【創作】
867 :にゃも ◆APVtpwD1bY [sage]:2011/09/21(水) 07:05:45.45 ID:we1gah/mO - 屋根から飛び降りスクーターを探す。
すぐに見つかった。 春菜から聞いていた通り悪趣味なドピンク色のスクーターだ。 クマだかウサギだかよくわからないキャラクターがでかでかと描かれている。 オレは震える手でキーを差し込んだ。 よし! スクーターに跨がりエンジンをかけたまさにその瞬間、衝撃が襲った。 背中からすごい力で引っ張られスクーターから落ちる。 主を失ったスクーターが派手な音とともに倒れた。 『ごああぁ!』 ひいぃ!? ヤバい…! 狂人に捕まった!!
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- 【小説】ZOMBIE ゾンビ その31【創作】
868 :にゃも ◆APVtpwD1bY [sage]:2011/09/21(水) 07:07:13.68 ID:we1gah/mO - 背後から掴まれてる。
だが掴まれているのはザックだ。 オレは身をよじりザックから肩を抜いた。 傷ついた肩が激しく痛んだが構ってられない。 そしてオレは振り向きざま狂人が手に持ったままのザックから木刀を引っ掴んだ。 今度はあっさり引き抜けた。 狂人の側頭部に木刀をフルスイングで叩きこむ。 だがそれでもなお狂人はよろめきつつ掴みかかってきやがった。 オレはさらに渾身の一撃を脳天に打ち込んでやった。 そしてようやく狂人は地面に崩れ落ち痙攣し始めた。 やった、倒した! だが喜びは永くは続かない。 背後から多数の足音と咆哮が近づいてくるのを感じた。
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- 【小説】ZOMBIE ゾンビ その31【創作】
869 :にゃも ◆APVtpwD1bY [sage]:2011/09/21(水) 07:09:13.55 ID:we1gah/mO - まるで地鳴りのようだ。
それでもオレには後ろを振り返る余裕はない。 なぜなら別の狂人が正面から迫っているからだ。 さらにその後ろに2…いや3体。 その向こうからも4、5体が走ってくるのが見えた。 マズイ! マズすぎる! 囲まれちまう! 目の前に迫る狂人の頭に木刀を思い切り打ち込む。 だがよろめきはするが倒れない。 さらに襲いかかってくる。 くそっ、オレの攻撃じゃ一発で仕留められねぇ!? 木刀を握る手が汗でジットリ濡れるのを感じた。 オレはさらに強く木刀を振るった。 ようやく倒した時には既に次の狂人が目前に迫り醜い顔と紫色の腕をオレに向けていた。 その数3体。 こいつらを蹴散らし、倒れたスクーターを起こして脱出。 しかも正面からの残りの4、5体が来る前に、後ろから迫る集団が来る前に、だ。 はっきり言って絶望的だ…。
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870 :にゃも ◆APVtpwD1bY [sage]:2011/09/21(水) 07:11:36.45 ID:we1gah/mO - だが、諦めてまたるか!
死ぬのは怖えぇ! …死にたくない! オレは死ぬ時はかわいいねぇちゃんの腹上死って決めてんだ!! オレは力いっぱい木刀を振るった。 一体がよろめくが残り2体はお構いなしに突っ込んでくる。 しまった! 木刀が!! 狂人の一体に木刀を掴まれてしまった。 凄まじい力で引かれ、オレの手から木刀がすっぽ抜ける。 武器を失ったオレに3体の狂人が迫り来る。 背後からの狂人どもの唸り声と足音の地鳴りはさらに大きくより近くなっていた。 まるで死神の乗った電車がオレの元に迎えにやってくるかのような音に感じた。 絶望がオレを包み込む。 もう…終わりだ… そして、狂人の歯がオレの腕に突き立てられた…
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871 :にゃも ◆APVtpwD1bY [sage]:2011/09/21(水) 09:04:02.61 ID:we1gah/mO - そう思った瞬間、狂人の顔がバネ仕掛けのおもちゃか何かのように異様な方向にひん曲がった。
『伏せて!』 声に思わずしゃがむ。 すると黒い影が2つ、3つと吹き飛び、勢いよく駐輪場の自転車や壁にぶち当たる。 吹き飛んでいく黒い影の正体が狂人どもだと気づいた時、オレの前に木刀を手にした春菜の姿があった。 春菜の木刀が一閃するたびに狂人が薙ぎ払われていく。 春菜は近くにいた狂人どもをまさに文字通り瞬殺した。 『急いで! 早く!』 春菜の声に我に返った。 慌てて倒れたスクーターを起こす。 『乗れ!』 『うん!』
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872 :にゃも ◆APVtpwD1bY [sage]:2011/09/21(水) 10:20:56.45 ID:we1gah/mO - 春菜が乗るとスクーターの後輪が嫌な音で軋んだがそんな事を気にしている暇はない。
背後からの群れをオレは見てしまったのだ。 わずか数m後方に迫る狂人は物凄い数だった。 10体、20体ではきかない。 数え切れないほどだ。 何十体という群れ。 一瞬で冷たい汗が吹き出す。 オレは正面にきびすを返し、スクーターを走らせた。 ハンドルを握る手が震える。 だが、ビビってたら死ぬ。 正面からはまた新手の群れが迫りつつあった。 『突っ切るぞ!』 出来るだけ奴らの合間を狙って突っ走る。 おそらく、いや、間違いなくオレ一人のスクーターなら引きずり倒されていただろう。 それ程、狂人は大量にいた。 だが掴みかかる腕を、襲い来る爪を、春菜の木刀が巧みに捌いてくれる。 その時、オレと春菜とスクーターは三位一体と化していた。
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873 :にゃも ◆APVtpwD1bY [sage]:2011/09/21(水) 10:23:26.84 ID:we1gah/mO - 前方の群れを突き抜けたオレは河を目指してスクーターを飛ばした。
見えた! 河だ! 川面には船影があった。 二つある。 だが、オレはスクーターのスピードを緩めることなく船着き場の前をそのまま突っ切った。 なぜなら止まる意味がなかったからだ。 川面に浮かぶ船影はひとつは転覆し、もうひとつは火事でも起きたのか大破していた。 船が駄目だった場合のプラン通り、オレは大型ショッピングセンターに向けてスクーターを走らせた。 後ろの春菜は何を思っているんだろう? さっきオレが春菜を置いてひとりで逃げようとしたことに気づいてないのか? わからない… ただ、ひとつだけわかっていることがある。 背中に当たる春菜のおっぱいの感触だ。 さすがの巨乳の感触。 顔が見えないせいでオレは春菜なんかに勃起してしまっていた。
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- 【小説】ZOMBIE ゾンビ その31【創作】
874 :にゃも ◆APVtpwD1bY [sage]:2011/09/21(水) 10:26:26.15 ID:we1gah/mO - ふと、恐ろしい考えが頭に浮かんだ。
…意外と春菜も悪くないんじゃないのか? 。。。 いやいやいや、我ながらなんて恐ろしい発想だ。 すぐにオレはゾッとして恐怖を打ち消すことにした。 恐怖を打ち消すにはより強い恐怖だ。 ご丁寧に目指すショッピングセンターの前にさっきのマンション以上の狂人の群れがいるのが見えた。 どうやら恐怖には事欠きそうにない。 『イクぜ!』 『うん!』 そしてまた新しい攻防が始まる。 死ぬまで続く攻防が。 『ダメ男・オレ』完
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- 【小説】ZOMBIE ゾンビ その31【創作】
875 :にゃも ◆APVtpwD1bY [sage]:2011/09/21(水) 10:29:52.47 ID:we1gah/mO - というわけで、とりあえず『オレ編』はひとまず完です。
お読みいただきありがとうございましたm(__)m ケータイなのであまり難しい漢字は変換できないし正直長文書くのはかなりしんどいです。 そのため短文連発で読みにくいものになってしまった事をお詫びします。 ちなみに自分の正体はかなり昔にROMってた単なる読者です。 数年ぶりに見に来たらスレがずいぶん荒廃していたので枯れ木も山の賑わいって事で投下してみた次第です。 みなさんのおっしゃっていた誰でもありません。
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- 民主政権と、自然災害多発の因果関係
13 :本当にあった怖い名無し[]:2011/09/21(水) 22:05:15.20 ID:we1gah/mO - 民主党=売国奴がのさばってるせいで神仏の光が現世に届きにくくなって悪霊が跋扈。
結果的に天変地異が多発。 そういうことです。
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- 塩まじない 19 コテ厳禁
999 :本当にあった怖い名無し[]:2011/09/21(水) 22:07:11.55 ID:we1gah/mO - みんな幸せになれ〜
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