- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
139 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:07:33.05 ID:hPkmSRgw0 - Yenn ◆3qDMUSp0ng様
病院 数年前、ある内科の大部屋に入院していました。 そこは4人部屋で、アタシは窓際のベッド。 隣の廊下側のベッドには、少し年上の女性が途中で入ってきました。 ある日の夜中、ベットからカーテン越しにうめき声みたいな、 小さな苦しそうな声が聞こえて、「大丈夫ですか?」と声をかけたんですが、 微妙な声しか返ってきません。 ナースコールをするか考えていると、看護婦さんが部屋に入ってきて、 すぐに隣のカーテンを開けました。 小さな話し声がしだして、これで大丈夫だろうと、その日は何事もなく、 アタシはそのまま眠りに着きました。 翌日朝、隣の女性にあいさつすると「昨日はごめんね」と。 「大丈夫でしたか?」と尋ねると、彼女がしたのはこんな体験だったそうです。 ヘッドホンを外して深夜番組を消そうと思った時、足元のカーテンが揺れた気がして、 顔だけ向けて見てみると、小さな男の子が立っていた。 少し霊感があったらしいその女性はすぐに、「生きてない」と思ったそうです。 でも、体が動かない。ナースコールに手も触れない。 なんとか気づいて助けてもらおうと、力いっぱい叫ぼうとしていた。 それが、アタシの聞いた彼女のうめき声でした。 アタシが声をかけたのは聞こえたそうですが、返事はやっぱりうめき声にしかならなかった。 看護婦さんは深夜の見回りで、たまたま声を聞いて、あわててカーテンを開けて 様子を見てくれたそうです。 看護婦さんがカーテンを開けると同時に、その男の子は消えたそうですが、 がっちり起きてた真横でそんな事が起こってるのに、全然何とも思わなかったアタシは、やっぱり霊感がないんだと思いました 【完】
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
284 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:13:14.03 ID:hPkmSRgw0 - >>278
お待たせしてしまって大変申し訳ありません。 しっかりしなければー。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
149 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:19:57.70 ID:hPkmSRgw0 - 冷夏30℃ ◆dy8RdA2.M6様
1/2 高校生の時分、同じクラスにオカルト好きな友人がいた。 そいつは俗に言う見える奴で、何者かに階段から突き落とされるなど、日常的に霊的な被害を受けることが多かったらしく どこかの神社の宮司さんから頂いたらしいお守りをいつも腕や首からぶら下げていたのが印象的だった。 オカルト大好きな癖に髪の先から爪先まで全く0感だった俺は、霊感のある人間の近くにいると霊感の無い人間も感化され霊感を持つようになるという話を信じ、 二年間ほぼ毎日放課後までオカルトから好きなクラスメイトに渡り話に花を咲かせていた。 結果として俺は今現在未だに0感のままこの体質に甘んじている訳だが、 そんな俺でも一度だけ彼と一緒に不可解な体験をしたことを思い出したので回顧録の意味合いも込めここに書きこませて頂きます、前置きが長くなり申し訳ない。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
150 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:21:14.83 ID:hPkmSRgw0 - 2/3
高一の秋、十月頃だったと思う。放課後の人気の消え去った教室で俺と彼との二人でいつものように長々とくだらない雑談に耽っていたら、 突然に彼がコックリさんをやろうと言いだした。 正直オカルト的なことに関しては彼から積極的に僕に話を切り出してくることは殆ど無かったから ほとほと驚いた。 この時から少し嫌な予感はしていたが、でも、 以前から何度も興じてきたものだったし、彼が珍しく俺に働きかけてきたことが気になってすぐにOKした (ついでに夕日が教室に差し始めたことで雰囲気もなかなか良かった)。 例によって50音字や数字を書き並べた用紙の上に硬貨を置き、 お互いの指を硬貨に重ねる。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
151 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:21:55.54 ID:hPkmSRgw0 - 3/3
慣れた台詞を彼が唱え、通常通りならこのまま始められるコックリさんではあるが、何があったのか不意に「目を閉じて!」と彼に怒鳴られた。 彼は霊感持ちと共に、かなりの不思議ちゃんでもあったから、時々よく分からない挙動を取ったり冗談を言うことがよくあり、てっきり今回もその一環だと思ってキョトンとしていたら、「早く」と今度は消え入るような声で言われた。見れば彼も目を閉じていた。 何の気も無く目を閉じた後に気がついたが、彼が真剣に話す時はいつも小さい声でつぶやくようにボソボソと喋るのを思い出して、ひょっとして遂に心霊体験できるのかか!?と少しわくわくしていた。 その瞬間耳元で硬い金属の捻じれるような「ギギギギギギギィィィィィ〜〜〜」という音が響いた。耳元で聴こえているのに、何故か何十mも遠くまで抜けていくかのような音。 あまりに突然のことにすっかりビビり俺は椅子から転げ落ちそうになったが、何とか踏ん張り目を閉じて耐え続けた。 数十秒(実際は数秒かもしれない)程経って音が落ち付きホッとした頃、今度は貧血で倒れこむ時のように意識が途絶えるかのような感覚に突然襲われた。何かが起こっているのは確実で耐え難い恐怖に襲われる。 本当に意識を失いそうだったし限界だった俺は思わず目を開けた、目の前の彼も同じくして目を開けたようだった。 「何か今一瞬意識飛んだり鉄みたいな音しなかった?」と聞かれ、互いに話込んでいくとどうも全く同じ体験をしたと分かった。結局、音の正体も意識のことについて聞いても彼は何故か教えてくれなかった。0感の僕にとってこれが唯一の怪異。 でも、もっと怖かったのは直後に彼が僕の人差し指をカッターで切らせ六芒星のような印が書かれた紙に指を付かせたことだが、高三のクラス替えと同時に袂を分かった現在彼が僕に何をさせたかったのは未だに分からないままでいる。 【了】
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
153 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:22:58.60 ID:hPkmSRgw0 - キツネ ◆8yYI5eodys様
体育館の絵」 【体育館の絵】1/5 あれはまだ小学生だった頃。 当時子供たちの間では学校の怪談がブームで、片田舎の学校の私らも友達とコックリさんを試したり、学校の怖い噂で盛り上がったものでした。 そんな私たちの学校にもお馴染みのトイレの花子さんや目が光るベートーベンの肖像画に混じって、とある怖い噂がありました。 ―――体育館の絵。 それは体育館の壁に掛けられた高さ2mほどの大きさで、 真ん中に赤ん坊を抱いた母親、その両脇に男の子と女の子がそれぞれ木の椅子に座っている構図の西洋画でした。 話によると郷土出身の画家が学校に寄贈した物とか。 それで肝心の噂と言いますのが、 やれ絵の中の母親の首が少しずつ長くなっているだの、 絵の中の少年が膝元で組んだ手にバレーボールが当たって以来、手の組み方がバレーのアンダーの形になっただの、 夜中、体育館からボールの跳ねる音や走り回る音が聞こえてくるだの…… どうです?いかにも小学生が考えたような怪談話でしょう? そんな私たちのクラスには好奇心旺盛というか、物好きというか。 その体育館の絵について調べた子がいたんですよね。 きっと、噂の真相を確かめて目立ってやろう、とでも考えたのでしょう。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
154 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:23:40.89 ID:hPkmSRgw0 - 【体育館の絵】2/5
あれは梅雨に入った頃だったと記憶しています。 雨で昼休みに外で遊べなかった私たちは、何人かで定規飛ばしをして遊んでいました。 知ってます?ペンで机の上の定規を飛ばして、相手の定規を弾き飛ばして机から落とすと勝ちって遊び。 当時最強の30cm定規使いだったAくんを倒そうと奮闘していた時、教室の一角にクラスメイトが何人か集まって騒いでいました。 そこは例の絵について調べていた子……Bくんの席。 回転した30cm定規に巻き込まれて負けた私がその輪の中に首を突っ込んでみると、Bくんの机には開いたアルバムが置かれています。 白黒の子供たちが写った、いかにも古ぼけた卒業アルバムの写真。 どうしたの?と尋ねると、Bくんはちょっと強張った顔で1枚の集合写真を指差しました。 いまいち要領を得ない私が首を傾げていると、絵だの、首だの、手だの、周囲のクラスメイトが口々に騒いでいます。 ああ、なるほど! その集合写真の背景は見覚えのある体育館で、Bくんが指差した先には噂の体育館の絵がバッチリ写っていたんです。 ですが、何かおかしい。 この気持ち悪い感じはなんだろう? 私はハッとしました。 白黒写真の中の体育館の絵。 母親の首は私が知っているものより明らかに短く、 少年の手は両手の指を交互に組んだ形で……バレーのアンダーじゃなかったんですよね。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
155 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:24:22.38 ID:hPkmSRgw0 - 【体育館の絵】3/5
小さな学校の噂って、駆け回るのが速い速い。 次の日には休み時間に学年を問わず別のクラスの子供が押し掛けるわ、アルバムを体育館に持って行って見比べると明らかに違うわで大騒動。 挙句、数日後に体育館の絵は先生たちによって職員室に移される事態にまでなりました。 絵が職員室へ移された翌日のことです。 クラスの美化委員だった私は朝早く学校に来て、クラスの花壇に水をやっていました。 ふと、遠くから響く救急車のサイレンの音。 それが段々と近付いてきて、花壇の近くの裏門から学校に入って来たではありませんか。 慌ててジョウロを捨てて追いかけるとそこは先生方の下足場の近くで、他のクラスの美化委員もちらほら集まっています。 運ばれてきたのは担架に乗せられて目を閉じたままの、他のクラスの先生でした。 そのすぐ後に出て来て、このことは他の生徒に言わないように、と強く私たちに注意した教頭先生の焦った顔が印象的だったことを覚えています。 後で断片的に噂で聞いたのは、 その先生は例の絵が置かれた職員室で遅くまで仕事をしていたこと。 朝早く学校に来た教頭先生が職員室で倒れている先生を発見したこと。 そして……例の絵が急遽、職員室から郷土資料館に移されたこと。 その絵が資料館で保管されたまま、公開されなかったこと。 あの夜、絵が移された職員室で、一体何があったのでしょうか?
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
156 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:25:03.36 ID:hPkmSRgw0 - 【体育館の絵】4/5
それから十数年後。 大学を卒業し地元に一時帰省した私は、小学校時代の友人たちと久々に会う機会がありました。 友人たちに連絡を取ってくれたのはあの30cm定規使い、Aくん。 立派な町役場の職員に成長したAくんは郷土資料館に勤務しており、資料館内の喫茶室に集まろうってことになりました。 少しは資料館に金を落とせ、と電話で本音がボソッと漏れたのには笑いましたね。 その日、資料館の前にぞろぞろと懐かしい顔が集まり、入館料を払って入ったところで……私は唖然としました。 そこにあったのは、あの絵。 よう、と手を挙げて館内現れたAくんが私たちの様子を見て、一言。 「ああ、これやっぱり短くなってるよな……首」 そう、母親の首は記憶にある絵より短く、ついでに少年の手がバレーのアンダーじゃなくなっていたんです。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
157 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:25:44.92 ID:hPkmSRgw0 - 【体育館の絵】5/5
その後喫茶室で今どんな仕事してる、誰だれが結婚した、なんて一頻り地元トークで盛り上がった後、Aくんは「あの絵を描いた人に聞いたんだけどさ」と唐突に切り出し始めました。 Aくんの話を要約すると、 あの絵を描いた画家は戦時中に出征し、その間にご家族を亡くされたのだそうです。 その後、戦地を引き上げた彼が亡くなったご家族の写真をモデルに描き上げたのがあの絵で、せめて満足に勉強したり遊べなかった子供たちのために、と小学校に寄贈されたとのことでした。 また、その画家の方は2年前に亡くなられたのだそうです。 帰り際、ふと私はAくんになんであの絵が資料館で公開されなかったのか尋ねてみました。 するとAくんは、ぽつりと。 「同僚が言うには、何度修理してもすぐボロボロになるんだよね……」 そう言って資料保管室と書かれた不自然に真新しい木製のドアを指差しました。 そして、ドアの異常は2年ほど前にパタリと起こらなくなり、気がついた時には絵が元の姿……かつてBくんが見つけた白黒写真の中の絵のような格好に戻っていたのだそうです。 まるで画家が亡くなった2年前に合わせて、とでも言うように。 今になって思います。 ひょっとするとあの絵の子供たちは体育館で無邪気に遊んでいたんじゃないかと。 母親はご主人と会えるのをずっと待っていたんじゃないか、と。 そう―――文字通り首を長くして。 【完】
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
161 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:27:18.07 ID:hPkmSRgw0 - 冷たい
冬の出来事。 私は仕事を終え、お風呂に入ってベッドに潜り寝て居ました。 寝返りを打とうと足を右側に伸ばしたら、足にあたって その足がすぐに引っ込みました。 起こしちゃったと思って「あ、ごめん」って言おうとした時、気づいたんですよ。 私、一人暮らししてるんです。当然一人で寝てたんです。 何か、壁に当たったのを勘違いしているんじゃないかと思ってもう一度、怖いけどもう一度 さっきの場所に足をやってみたんです。 もちろん、布団以外にあたるものなんてありませんでした。 私のベッドはセミダブルベッドです。だけど私はもう、かなり前からの癖で左側ぎりぎり、 落ちるか落ちないかという場所で寝るという癖がついています。 あたった足はとても冷たかった。とっさに布団とっちゃってたのかな、あっためてあげようかな… とまで思ってしまいましたが、無くなってくれていて、良かったです。 それから起き上がるまでに時間がかかりました。 だって、もしバラバラの手足なんかが布団のどこかから出てきたら、嫌ですから。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
162 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:27:58.88 ID:hPkmSRgw0 - 【完】
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
167 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:30:37.07 ID:hPkmSRgw0 - りほ ◆aZ4fR7hJwM様
1/3 ・一方的な雪合戦 長野でのお話。 夏の時期に申し訳ないのだが、雪庇というものをご存知だろうか? 屋根や木の枝に積もった雪が自重に耐え切らなくなったか、 もしくは何かの弾みでドサッと落ちてくるという物である。 雪と聞けばたわいもないように思えるかもしれないが、 昼の日差しで溶け、夜の寒さで固まるといった循環を繰り返したそれは もはや雪と言うより氷塊といったものである。 それが音もなく頭上から落ちてくる。 場合によっては木の枝ごと落ちてくるのだから、なかなか恐ろしいものである。 そんな真冬の出来事を一つ。 あれは大学3年の冬。時期で言えば2009年の12月と記憶している。 春夏冬と毎回休暇になると祖父母宅に行っては釣りをしたり、 山小屋の整理、畑(土地)の手入れをしたりして過ごしているのだが、 春や夏に比べると冬は雪のせいでやれることが少なくなるし、釣りも禁猟である。 周りにはスキーや温泉だと楽しみを持つ者もいるのだが、 それらに興味の無い自分には少々退屈な時期だ。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
168 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:31:18.19 ID:hPkmSRgw0 - 2/3
しかし、冬でしか出来ないこともある。それは釣り場の探索だ。 夏には崖下や藪が生い茂り、釣行するのに難儀な場所でも冬の間なら 雪の上を進むことでより行動範囲を広めることも出来る。 雪上を進むのはそれなりにしんどいのだが、 普段は行かない場所で思いもしない良ポイントが発見できれば、 春からの釣りがまた一段と楽しいものになる。 そういう理由から冬の間は新たなポイントを探すべく、沢や森中を探索していた。 そんなある晴れた日、山小屋へ向かう途中にある小さな沢が目についた。 普段通り過ぎる場所であるのだが、もしかしたら奥に行けば良ポイントがあるかもしれない、 道から簡単に入れるので、もし良ければ今後のポイントの一つになるだろうという思いから探索を始めた。 車を降り森の中を歩く。耳の端に僅かに聞こえる水音を頼りに、先ず沢を目指す。 雪上を歩くにあたっては雪庇だけではなく、跳ね返りや天然の落とし穴にも注意しなければならない。 跳ね返りというのは枝に積もった雪の重さで曲がり、しなったまま雪に埋もれている木である。 重しとなって乗っている雪が無くなれば、勢い良く飛び出してくる場合があり、 あたるとちょっと痛い。 また、雪は地面ではなく藪の上に積もっている為、 気をつけなければズボッとはまる事もある。 それらに気をつけつつ、 30分ほど進み沢へ出、そこから沢沿いに上流へ10分ほど歩いた時、 ひらけた場所を見つけることができた。 さて、ここはどうだろうかと吟味している中、何かが頭に当たった。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
169 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:31:59.25 ID:hPkmSRgw0 - 3/3
大きさはゴルフボールくらいだろうか、感触からすると雪。 まぁー、天気も良いし、日差しで解けた雪庇だろうと思ったところにまたポンと頭に当たる。 やれやれと、雪庇が当たったであろう後頭部についた雪を払ってる内にふとおかしなことに気がついた。 雪庇というのは上から落ちてくるはずである。 何故後頭部に当たるんだ?そう考えてる間に今度は右耳付近の側頭部に当たった。 思わず飛んできた方角に目をやる。 …いや、雪庇だと思ったが、 もしかしたら跳ね返りで飛んできた雪かもしれん。 しかしそれならば他にも雪上に飛んできた跡があるはず、 なにより飛ばしたであろう木が直ぐ見つかるはずだ。 だが、周りを見渡してもその様な跡も木も無く、目に付くのは自分の足跡だけである。 必死に理由を考えている間にまた当たる。 流石にムカッときたので、足元の雪を硬く握り、 飛んできた方角へ思いっきし雪球をブン投げてやった。 その瞬間、後頭部にポンではなくゴツッという鈍い衝撃が走る。 氷だろうか、先程よりも一回り大きく、そして硬いやつが当たった。 …もう考えるのは止めだ、帰ろう。 森の中を抜ける途中にもいくつか頭に当たった。 流石に氷ではなく、最初のような雪だまであったが、反応はせずに車に戻り帰宅した。 あんな一方的では勝負にならん。あの沢にはそれ以来行ってないが、 今度はロケット花火でも持っていってやろうかと思う。 【完】
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
302 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:43:20.46 ID:hPkmSRgw0 - たったかた〜様より1話、 BIGGOD様より1話代理投稿にてお話を預かっております。
エントリーお願い致します。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
303 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:44:14.05 ID:hPkmSRgw0 - >>290
まだいけそうです。やばくなったらお願いしますです。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
179 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:45:40.03 ID:hPkmSRgw0 - みそ ◆bJiVr4F5Ag様
第45話 山の寺にて 数年前のことです。 私はその昔、小学校で遠足に行った、山の中にある七不思議のあるお寺へ行くことになりました。 20数年ぶりに見るお寺は、前より寂れているようにも感じました。 しかし、思い出しながら七つ見て、懐かしいねと楽しみました。 一通り見ましたが帰るには時間も早いので、戻って買いものでもしようと言うことになりました。 と、友人が靴ひもが解けたので先に行ってと言いました。先に行くのも何なので、少し進んだ所で待つことにしたのですが。 「おい、おい」 肩の後ろではっきりと、低い男の声が聞こえました。 私(ん?呼んだ??) 友人の声ではなかったので私の事とは思えず、疑問に思いながらも無視しました。 丁度七不思議のひとつ、開かずのトイレの前でのこと。そこからつい目をそらしました。 間もなく友人もきて、男の人が居たか聞いてみたのですが、いないよとの事。 そして突然鳴きだす多くの鴉の声。 私はうすら寒くなって、友人の手を引っ張り、急いで車に乗り出ました。 帰宅後、祖父にその話をした所。 「返事しないでよかったなぁ。答えたら天狗か何かにでも連れてかれたんじゃねえかな。 知らねえ奴に呼ばれたら変事すんなって、教えといてよかったなぁ。」 霊感の無い私が体験した、唯一の不思議な体験です。(完)
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
304 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 00:46:38.57 ID:hPkmSRgw0 - れらら様より代理投稿にて1話お話を預かっております。
エントリーお願いします。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
317 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:04:14.84 ID:hPkmSRgw0 - >>307
はい。たったかた〜様は合計3話です。 56話目代理投稿ですね、了解です。 コッソリ様からの連絡は来ておりませんですー。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
192 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:07:17.72 ID:hPkmSRgw0 - 狐火 ◆QYJXQHmfdQDC様
「赤いクレヨン」 ある夫婦が今まで暮らしていたアパートが手狭になってきたことと、貯金が溜まったので念願だったマイホームを購入することを決めた。 新築するだけの資金はないので中古物件で妥協することにして、不動産屋に相談した。 「出物だ」という価格の割には綺麗で適当な広さの中古住宅を購入することになった。 引越しを終えて新生活を始めた二人は、あることに気がつく。掃除した後でも廊下に赤いクレヨンが落ちていることがあるのだ。 夫婦は不動産屋に「この家で何かあったのか」と聞くが、不動産屋は「そういった事件は起きていない」と答えた。 しかし、何か思うところあったのか不動産屋は夫婦の元を訪れて家を再検証することにした。何も変わったことはないように見えたが、 不動産屋は家の間取りから「存在しなければならない部屋」があることに気づく。不動産屋は夫婦に了解を取って、夫と一緒に壁を壊し、隠されていた部屋を発見する。 部屋の壁には赤いクレヨンで「オカアサンダシテ オカアサンダシテ オカアサンダシテ オカアサンダシテ……」とびっしり書かれていた。 貴方も住宅を購入した際、間取りが変わっていたら注意してください。 賃貸だとリフォームされた間取りが以前に何かあったかもしれませんよ。。。? 完
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
320 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:09:50.12 ID:hPkmSRgw0 - ほんとすみません。メールを見てるとお話に追いつかないけどなんとか頑張ります。
申し訳ないです。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
324 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:14:19.46 ID:hPkmSRgw0 - >>321
申し訳御座いません。 こちらの確認ミスでりほ ◆aZ4fR7hJwM様のお話を2話とカウントしてましたが 1話の間違いでした。調整お願い致します。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
327 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:15:53.64 ID:hPkmSRgw0 - >>325
あ、すみません。行けますか?お願いします。申し訳ないです。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
337 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:21:51.95 ID:hPkmSRgw0 - >>333
有り難う御座居ます!助かりますー!
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
338 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:22:32.32 ID:hPkmSRgw0 - コッソリ様よりメール頂きました。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
343 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:25:35.28 ID:hPkmSRgw0 - >>340
3話いけると思います。やってみます。 やばかったらすぐにお知らせ致します。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
347 :BIGGOD ◆FXm8E9Lrd9Ak [sage]:2011/08/20(土) 01:30:03.10 ID:hPkmSRgw0 - トリテストさせて頂きます。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
210 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:36:51.38 ID:hPkmSRgw0 - 半兵衛 ◆B/.3uvv0Gk 1様
1/2 【題目】猫のお迎え ある時、我が家の庭にきれいな三毛猫が迷いこんできました。 どうやら、おなかが大きいようでした。 当初、祖母は飼うことに反対しました。 しかし、特に猫好きであった祖父が自分の部屋で飼い始めてしまいました。 猫は赤ちゃんを数匹生みました。 親猫と、貰われての見付からなかったメスの一匹を飼うことにしました。 いざ飼い始めれば、家族皆で猫達を可愛がりましたし、猫達も良くなつきました。 親猫はあまり鳴きませんでしたが、娘の猫は事あるごとに良く鳴いたことを覚えています。 十数年が経ち、親猫が死に、それから数年後に娘の猫も死にました。 親子猫とも十分に寿命であった思います。 それからしばらく経って、祖父が亡くなりました。 祖父の遺体は、お寺での通夜までの間、家の仏壇間に安置されました。 夜、私は仏壇間の隣の部屋で蝋燭の番をしていました。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
211 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:38:08.15 ID:hPkmSRgw0 - 2/2
うとうとしていましたが、小さい影のようなものが仏壇間に入ったように感じられました。 こっそり覗いてみると、一匹の猫が祖父の枕元で座っていました。 すぐに消えてしまいましたが、体の模様が三毛であったように思います。 その後、あまり間を置かず、祖母が急病で他界しました。 祖父と同じように、遺体はしばらく家の仏壇間に安置され、夜になって私は蝋燭の番をしていました。 すると、また小さい影のようなものが仏壇間に入ったように感じられました。 そのときに、祖父の時にも同じことがあったことを思いだしました。 そっと、様子を見てみると、一匹の猫が祖母の枕元で座りました。。 体の模様は薄ぼんやりしていて良く見えませんでしたが、一言鳴いて消えてしまいした。 祖母は当初、猫を飼うことに反対していましたが、後年、ペットは死なれると悲しいからと言うのを思い出しました。 自分達を飼い始めたてくれた祖父と、実質的には面倒を見ていた祖母に対して、 親猫と娘の猫がそれぞれに迎えに来てくれたのだと思っています。(終わり)
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
213 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:42:23.74 ID:hPkmSRgw0 - 啓 ◆N5NMa8pQLuy1様
【後部座席】 RV車に乗っていた時の事です。 当時付き合っていた彼を助手席に乗せて、2人で深夜に映画を観に行こうとしてました。 信号で停まっていたら、偶然同じビル内で働いていた女の子達が横に並んで(車で) 窓を開けて「どこ行くの?」「彼氏さんですかぁ?」など会話をして 青信号に変わった瞬間に、私達の車の方が先に発進。 お互い「またねー」などとにこやかに手を振って別れたんだけど。 次の日。 そのコ達と「昨日は偶然だったねー!」と会話をしていたら 彼女達が笑顔で「あんなにたくさん乗っけて、どこ行ったんですかぁ?」と。 「え?彼氏と2人だったよ。」 「えー!何言ってるんですか後ろに3人?4人?乗せてましたよね?」 「え?彼氏と2人だったけど・・・」 「だって信号変わったとき、後ろに乗ってた人達も手を振ってくれましたよ」 と、普通に話されました。騙しているんだなと思ったのですが 私の顔色を見た彼女達が「ごめんなさい・・・けど、本当の話なんです。」と。 それからしばらくはいろんな人に「ちょっと、聞いたけど大丈夫?」と言われてました。 車を売却するときに、あまりの安値に驚いてわけを聞いてみると いわゆる「にこいち」で、なんらかの理由で二つの車を一つにしたものと聞き 二度と中古車を購入することはしないと心に誓いました。 終わり
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
215 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:43:18.82 ID:hPkmSRgw0 - 鳩太 ◆CHiCKevu8g様
タイトル「旅客機」 1/2 小学校4年生のときの話。 その時は、体育の時間で校庭で体操をしていた。 真夏日で、ギラギラとする太陽光が見えそうなほどだったのを覚えている。 焼け付いたグラウンドで、僕ら生徒は校舎のほうを向き、先生の動きに合わせて汗を流していた。 突然、巨大なジャンボジェット機が校庭の裏山の方から校舎を超えてすっと姿を現した。 空を覆いつくすほど大きく、飛行機の陰で暗くなったグラウンドで僕らは一斉に声をあげた。 「飛行機だ!ジャンボジェット機だ!」 「すごい!すごいよ!」 しかし。 ――極端な低空飛行だった。校舎の屋上に機体を擦りそうなほどに。 こちらから操縦席や乗客室の窓ガラスがはっきりと見える。 白いボディに青いラインのある機体だった。 飛行機はその後、向こうの空へ飛んでいき、やがて見えなくなった。 僕らはその後、飛行機のことをしばしば興奮気味に話したのを覚えている。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
216 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:43:59.59 ID:hPkmSRgw0 - 2/2
大人になってもそのことは不思議だった。 学校の裏手は山なのであり、周りは住宅地である。あれほどの低空飛行で飛べるはずがなく、 さらにジェットエンジン付の飛行機なのである。あのような飛行は不可能なはずだ。 しかし、しっかりとこの目で見た。 青いラインの曲がり加減や、その色合いまではっきり覚えていた。 僕だけでなく、未だに何人か覚えている友人達もいたこともさらに不思議がらせた。 あの真夏日に見た飛行機は一体何だったのだろう。 ある時、その飛行機の容姿をあまりにはっきりと覚えていたため、調べたことがある。 インターネットで「旅客機」と検索し、ひたすらに旅客機の写真をクリックしていった。 ――ある写真で指が止まる。 イギリスの旅客機を写した写真。 機体の細かい所までも寸分違わぬものだった。 しかし、調べたところ僕のいた小学校を通るイギリス国際便の航路は存在しない……。 そして、思い出すと飛行機が飛んでいるときには全く音がしていなかった。 ジェットエンジン付であるはずの機体は無音のまま僕らの頭上を飛んでいったのである。 だが、未だに、真夏日の焦げ付くようなグラウンドで見た音もなく飛ぶ機影はしっかりと 僕の脳内に焼き付いて離れない。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
218 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:44:40.36 ID:hPkmSRgw0 - 【完】
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
360 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 01:47:58.40 ID:hPkmSRgw0 - >>357
代理投稿がんがん行きます!
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
227 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:00:05.97 ID:hPkmSRgw0 - BIGGOD ◆FXm8E9Lrd9Ak様
1/2 題名「死んでしまえ!」 プルルルルルル プルルルルルル 「はい?何ですか?」 知らない番号からの電話。セールスマンの声を予想していた私は、 向こうの無邪気な声にほっとした。 『いまどこぉ?』 イタズラ電話かと思ったりもしたが、相手はまだ小さい女の子のようだ。 どうやら、家族か何かに現在地を教えてもらおうとし、番号を間違えたのだろう。 「あら、どなたかな?」 答えると、女の子は言った。 『ねぇ、いま、どこにいるのぉ?』 ・・・聞こえてなかったのだろうか。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
228 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:01:43.45 ID:hPkmSRgw0 - 2/2
「ごめんねぇ、番号まちがってるみたい、じゃあね。」 子供への接し方が分からない私は、適当に済ませようとした。 『あたし、まこちゃん。』 受話器を切ろうとした所で、女の子は言った。 『いま、どこぉ?』 「まこちゃん・・・、まちがえてるわよ。」 『あなた、だれぇ?』 ・・・。ずぅずぅしい子だと、私は少し腹を立たせ、答えた。 「うちは柴田ですよ。」 これでようやく、間違いだと気付いてくれる。 『・・・・。』 なのに、女の子は黙ったままだ。 『・・・・アッテルジャナァイ・・・・?』 急に恐ろしい声に変わったのに驚いて、私は受話器を放り投げてしまった。 『………』 受話器からは何も聞こえない。 もう相手はきってしまったのか・・・・・。 おそるおそる、受話器を耳に当てた・・・・・・ 『 死 ん で し ま え ! 』 ビックリして、恐ろしくなった私は、友人の家に行こうと外へ飛び出した。 キキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!! ドカン 終わり。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
374 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:07:05.57 ID:hPkmSRgw0 - >>366
お話受け取りました!有り難う御座居ます。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
235 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:08:30.97 ID:hPkmSRgw0 - Yenn ◆3qDMUSp0ng様
「ありがちな話」 深夜のファミレスからの帰り道。 まっすぐな道を、当時の彼氏の自転車の後ろに座って、ぼんやりすすでいた。 ふと顔をあげると、前を先行する自転車が見えた。 ふらふら進んでいて、進行速度は速くないから、このままの直線で追い抜くことになりそう。 よく見ると制服を着ているようで、それが警察のそれに見えた。 彼氏は飲めなくて素面だったけど、さすがに二人乗りで深夜だし、 これは彼氏とめた方がいいかなあと思った。 その直後、アタシが彼氏を止める前に、その自転車は川の手前の脇道にそれた。 フラフラしながら巡回とか大丈夫か?と思って、警官が曲がった道の先を覗き込んだ。 そこはせいぜい20畳ほどの大きさの墓地で、その小さな入り口以外壁に囲まれた行き止まりになっていた。 当然、そこに自転車も警官も、何もない。 アタシは何も言えず、そのまま家まで黙ったままだった。 帰って少し落ち着いて、彼氏に「あの警官、なんだったんだろうね?」と話しかけた。 理屈のつく説明がほしかったし、笑って済ませるならそれで気味悪さを吹き飛ばしたかった。 アタシはその選択を後悔した。 彼には前を行く自転車なんて見えてなかった。 【完】
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
378 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:16:05.02 ID:hPkmSRgw0 - 「匿名希望」様より4話代理投稿にてお話頂きました。
調整お願いします。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
241 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:18:35.45 ID:hPkmSRgw0 - ワープロ室
1/3 私が高校生の頃に体験したお話です。夏のはじまり頃だったと思います。 当時、私は演劇部に所属しており、台本の作成を一人でしていました。 兄から貰ったワープロを学校に持ち込み、あれやこれやと話を考えていました。 ワープロを使う時は、図書室へ行ったり、部室へ行ったり、 K先生のパソコン室などを使わせて貰っていました。 放課後、私は部活を抜け、台本を書きに先生のパソコン室に行きました。 その日もこっそり、先生はお茶とお菓子を用意して待っていて下さいました。 私はお茶を飲みながら台本を、先生は授業用のプリントを作っていました。 気づくと、冷房を入れているはずの部屋が少し暑くなっていました。 ドアを見るとあいています。私が来た時、しめたはずなのですが…。 閉めに行こうかと思って席を立とうとした時です。 室内からかすかに話し声が聞こえました。 「先生のところに誰か来てたんだ…集中してて気づかなかったんだな」 私はそう思い、再びワープロに向かいました。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
242 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:19:16.63 ID:hPkmSRgw0 - 2/3
5分くらいたったでしょうか、ふとまたドアを見ると今度はしまっていました。 作業する手をとめ、振り返り先生にたずねました。 「先生、どなたか…」 いらっしゃってたんですか?と聞く前に先生の後ろに立つ学生に気づきました。 「あ…すみません。」 私は急いで目をそらし、ワープロに向かいました。 何故なら、その学生が私の事を睨んでいたからです。 あまりにもすさまじい形相をしていたので少し声が震えていたかも知れません。 それなのに先生は私を呼びました。 私は出来るだけ関わりたくないのに…先生は私の名を何度も呼びます。 仕方なくもう一度振り返ろうと、ワープロから目をはなした時でした…。 ドアの前に、先ほどの学生が教室を背にして、 つまり、私たちに背をむけて、ドアぎりぎりのところで立っていました。 異変に気づいたのはその時でした。 何故彼女はドアをあけようとしないのだろう。 何故ドアの真ん前にたったまま、動かないのだろう。 見ちゃいけない… そう思う気持ちとは裏腹にその彼女から目が離せないでいました。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
243 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:19:58.27 ID:hPkmSRgw0 - 3/3
私の視界にネクタイが映りました。顔を上げると先生がいます。 先生は冷房のきいている部屋でひたいに汗をかいていました。 そして、ゆっくりと私に尋ねました。 「おまえ…なにか…みたか?」と。 私は何も言えませんでした。先生が、否定して欲しそうな顔をしてたからです。 私が首を横にふると、先生もうなずきました。 しばしの沈黙の後、「なぁ…」 先生が先に言葉を発しました。 「さっき、俺に話しかけたよな?どうして途中でやめたんだ?」 やはり先生は気づいていなかったようです。何者かが背後にいた事に。 少し悩んでから、私は先生に打ち明けました。 声が聞こえた事、室内に他の生徒がいたような気がした事を。 「やっぱりか…」先生はつぶやくと、私に帰り支度をするように言いました。 どうやら私を家まで送ってくれるようです。 その日は珍しく、私が靴を取りにいくのにもついてきて、 靴を持たせたまま、教員用の下駄箱まで一緒に行き、 そのまま先生の車までとぼとぼと歩いて行きました。 学校からでれて安心したのか、 先生はすっかり普段の「とっつきにくそうな先生の顔」をしていました。 家の前まで送って貰い、先生にお礼を言って家に入りました。 玄関に鍵をして、自分の部屋に荷物をおいて着替えようとしていた時です。 居間から「おかえりなさい…」と声が聞こえました。 おかしいんです。家は私が中学生の時から夜は誰もいないはずなのに。 その時の私に、誰がいるのかを確認する勇気はありませんでした。 【完】
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
245 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:21:25.56 ID:hPkmSRgw0 - コッソリ ◆.PiLQRq.0A様
題名:【臭い】 (1/2) 僕が小学校3年の頃、ある友人がいました。仮に、彼の名前をT君としておきます。 T君は身体を動かすことがとても好きで、彼と遊ぶ時はいつも外を走り回っていました。 ある日、秋の深まった頃、僕はT君は二人で遊んでいました。 いつもは他に何人か友達がいるのですが、その日はみんな都合があって来られなかったのです。 大勢であれば色々な遊びもできるのですが、二人となるとそう面白い遊びもできません。 最初の内は二人で雑草を棒でなぎ払ったり、そこらの土管に潜り込んだりして遊んでいましたが、やがて二人とも飽きてきました。 辺りも徐々に暗くなってきたので、今日はそろそろ帰ろうかなぁ、と思っているとT君が 「…そうだ、うちに来ない?」 そう尋ねてきました。 彼の家に誘われるのは初めてだったので、僕はワクワクしながら彼の提案を受けました。 T君に先導されて辿り着いたのは古びた団地でした。 彼の部屋まで付いて行くと、T君はズボンのポケットから鍵を取り出し 「親、いないから」 そう言って、僕を家へと招き入れました。 家に入って最初に気が付いたのは、臭いでした。 まるで何かが腐っているような、鼻につく嫌な臭い。 T君はまるで何も感じていないように、いつもと同じ様子で僕を自分の部屋へと招きました。 家中に充満する饐えた臭いに閉口しながら、僕はT君の部屋へと足を踏み入れました。
|
- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
246 :代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:22:10.83 ID:hPkmSRgw0 - (2/2)
彼の部屋へ入った瞬間、臭いはより強く、鮮明になりました。 目に刺さるほどに強く、吐き気を催すような、そんな臭い。 アンモニアのような、肉の腐ったような、そんな臭い。 この部屋が臭いの発生源であるような、そんな感じすらしました。 僕はT君に 「ねぇ、何かこの部屋臭わない?」と思わず尋ねました。 子供だったので、遠慮も何もなかったのですが、 今にして思えば、怒られてもおかしくない失言だったと思います。 しかし、T君は全く激昂する様子もなく 「あぁ、分かるんだ」 と答えました。 まるで宝物の在り処を明かすときの様に、T君は少し笑ってから答えました。 「この部屋さぁ、ずっと昔に自殺があったんだって。それで、臭いが取れないんだよ」 クスクスと笑いながらT君は電灯の紐を引きました。 パチパチッ、という軽い音の後、室内を蛍光灯の光が照らしました。 「まぁ嘘だけど。臭いなんてしなくない?」 そんなことをT君は言っていたような気がします。 僕はその言葉をしっかり聴かずに、T君の家を飛び出していました。 蛍光灯に照らされた室内にできるT君の影。 その影の右上、天井からぶら下がる、もう一人の影が揺れていました。 それ以来、T君とは距離を置くようになり関係は次第に薄れていきました。 彼は小学校が終わる前に引っ越しましたが、彼の住んでいたあの団地は、今も街の片隅に建っています。 【了】
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
384 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:25:09.62 ID:hPkmSRgw0 - >>379
先ほど動画さんからのレス確認致しました。 有り難う御座居ます。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
390 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:32:49.84 ID:hPkmSRgw0 - >>385
頑張ります。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
396 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:35:17.25 ID:hPkmSRgw0 - Yenn ◆3qDMUSp0ng様がまた1話お話を代理投稿にて送って下さいました。
エントリーお願いします。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
400 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:36:39.74 ID:hPkmSRgw0 - >>397
失礼致しました。みそ ◆bJiVr4F5Ag様は1話です。
|
- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
407 :ゆあ ◆96j0kyRRhEF2 [sage]:2011/08/20(土) 02:40:49.35 ID:hPkmSRgw0 - 炉火様より代理投稿にて2話お話をお預かりしています。
エントリーお願いします。
|