- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
141 :よもや ◆t7bs99KZl0wn [sage]:2011/08/20(土) 00:08:41.91 ID:gy7GSVb50 - [ 追われるモノ、追い詰めるモノ ]
― 職場の爺様から聞いた話 ― 【1/3】 昔、戦争の時。 人は勿論、犬や馬も軍犬、軍馬として徴用されたという。 犬や馬は一箇所に集められ、様々な用途に借り出された。 そんな場所にある、自衛隊の基地にて。 夜な夜な、どこからともなく馬のいななく声が聞こえる。 地面を引っかくようなひづめの音、走る音も。 ある時、夜中の見回り当番に当たった時に、馬の音の怪異に出会った。 正直、ぶるった。 でも、ここでぶるったままじゃ男がすたる。 勇気を振り絞り、懐中電灯を向けると、半透明な白い馬が、 影のごとく走り抜けていった。
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- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
142 :よもや ◆t7bs99KZl0wn [sage]:2011/08/20(土) 00:08:53.35 ID:gy7GSVb50 - 【2/3】
追いかけようとしたが、それよりも先に脇から飛び出す影があった。 奴だ。 俺の同室のアホ。どうしようもないアホ。九州男児。 そいつが、奇声を上げながら馬を追っかけた。ちょっと酒臭いw 「待てっ!馬刺し、待てよ、ンダラァ!」 鉄砲玉のような勢いで馬を追い詰めていく九州男児。 奴はもともと足が速かった。俺じゃ追いつけねえ。 廊下は走っちゃいけないしな、真面目に巡回やるべえ。 しばらくして、九州男児がとぼとぼと戻ってきた。 「あいつ、壁ん中消えやがった。ちょうどいいツマミになったのに…」 としょんぼりしている。 俺は、幽霊の馬まで食らおうとしている九州男児が怖いと思った。
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- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
143 :よもや ◆t7bs99KZl0wn [sage]:2011/08/20(土) 00:09:12.09 ID:gy7GSVb50 - 【3/3】
が、もっと怖い体験がその後に俺を待っていた。 巡回をちゃんとやらなかったという事で、九州男児の巻き添えで 何故か俺まで外出禁止になったことだ。 普段閉じ込められたような生活をしている隊員にとって、 かけがえのない貴重な外出が禁止になる。これは本気でこたえる。 九州男児は怒った。怒って、「臭いにおいは元から絶つ!」と絶叫し、 何をどうしたか判らんが、最後まで馬を逃げられないように追い詰め、 九州男児が追い詰めた翌日から、馬の幽霊はパッタリと姿を見せなくなった。 それ以来、奴は馬刺しの男、と呼ばれるようになった。 ちなみに、アホはしばらくの間、最初に馬が消えた辺りの壁に チューブわさびとパック醤油を立てかけて供えていたらしい。 …やっぱり人が一番怖い。 [ 完 ]
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- 百物語2011雑談スレ
205 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/08/20(土) 00:11:00.69 ID:gy7GSVb50 - いけたー。とりあえず投下したー。●も投下してクルー
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- 百物語2011雑談スレ
206 :本当にあった怖い名無し[]:2011/08/20(土) 00:11:26.85 ID:gy7GSVb50 - >>204
失礼。 教えてくれてありがとん
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- 【百物語】語り部受付スレ【8月19日怪宴】
310 :よもや ◆t7bs99KZl0wn [sage]:2011/08/20(土) 00:55:03.08 ID:gy7GSVb50 - >>52番目、了解です
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- 百物語2011雑談スレ
210 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/08/20(土) 00:58:02.66 ID:gy7GSVb50 - >>208
昔:日本軍の基地、馬とかがいた 今:自衛隊の基地になってる
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- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
188 :よもや ◆t7bs99KZl0wn []:2011/08/20(土) 00:59:03.28 ID:gy7GSVb50 - 48話 [ おうちに帰ろう ]
― 再び、爺様から聞いた話。親友の方の体験談 ― 【1/3】 硫黄島(いおうとう)。 ここは、先の戦争にて亡くなられた方のお骨がまだ埋まっている。 ある悪天候の日、着陸しようとする機体があった。 車ですら、悪天候での運転は細心の注意を払い、気を使う。 ましてや、必要最小限の設備しかない硫黄島に、飛行機で着陸するならば その気遣いは半端ではない。 自分の機位、姿勢、全てにおいて通常以上の注意を払わねばならない。 そんな中、ぽつり、ぽつりと灯(あかり)が見えてくる。 機位確認。最終チェック。
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- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
189 :よもや ◆t7bs99KZl0wn [sage]:2011/08/20(土) 00:59:59.29 ID:gy7GSVb50 - 【2/3】
機体が滑走路に近づき、滑走路灯が見えたところで着陸。 無事に着いて、ふと先ほどの灯を見ると、コースの誘導に ベストの位置ではあったのだが、そこには… 設置された灯は、なかった。 では、あれは…。 任務を済ませ、本土に帰る日。 積荷が計算よりも重たく感じる。操縦桿に伝わる重さが違うのだ。 感覚的に、滑走路一杯使って離陸したくなる。 飛行中も、気を使う。 だが、本土に帰ると、本当に、本当に一気に軽くなるのだ。 御霊(みたま)がきっと、愛しい家族の下へ戻っていかれたのだろう。
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- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
190 :よもや ◆t7bs99KZl0wn []:2011/08/20(土) 01:00:11.05 ID:gy7GSVb50 - 【3/3】
それ以来、硫黄島に飛ぶことがある日は、帰りに 「どうぞ、○○(地名)まで自分は戻ります。一緒に行かれる方はどうぞ。」 と声を掛けてから戻った。 その時は、ちょっと楽しそうな、嬉しそうなざわめきのような 雰囲気が感じられたという。 そして退官する日、「今まで有難う」「お疲れ様」という言葉を、 聞きなれた同僚の声以外からも、贈られたそうだ。 [ 完 ]
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- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
204 :よもや ◆t7bs99KZl0wn [sage]:2011/08/20(土) 01:28:44.78 ID:gy7GSVb50 - 第52話 [ 女性専用車両にて ]
― 職場の女性から聞いた話 ― 【1/3】 朝の都営新宿線の先頭車両は、女性専用車両になっている。 男性は、体の不自由な人とその付き添い、または小学生以下の子供とその連れしか乗れない。 通勤時間帯に女性ばかりの車両に乗り込むのは勇気が居るせいか、 子供連れで乗っている男性は外国人くらい。 その外国人はニヤケていて非常にキモイ。が。まあ置いとく。 もう一人、どうみても、体が不自由とは思えない、吊り目の65歳〜70歳位の男が乗っていた。 周りの女性は完全にスルー。しかし彼を中心にぽっかりと空間が出来ており、 その分周りは混雑していた。 そのうち、つり革の渡してある棒にぶら下がってみたり不審な動きをしだす。 女性達はそれでもスルー。
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- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
205 :よもや ◆t7bs99KZl0wn [sage]:2011/08/20(土) 01:29:42.83 ID:gy7GSVb50 - 【2/2】
不自然な空気の中、いくつかの駅を過ぎていく。 不審な男はそのまま、九段下の駅で降りていった。 その男の傍に居た、二人組が囁いていた。 「…あれ、身体障害者じゃないよね?」 「九段下って、朝鮮銀行が近くにあるんだよ」 「…そういえばつり目、だったね」 「触らぬ神になんとやら。禍国の国技に巻き込まれたくなかったら、 空気を読むのも大事なんだよ」 都会って怖い、と心底思った。 [ 完 ]
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- 【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】
366 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/08/20(土) 19:19:37.82 ID:gy7GSVb50 - ラジオの42話辺りから寝落ちしてしまってさっき起きたorz
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