- 【UMA】真夏の夜に変な生物を見たんだが【未確認】
59 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 08:27:41.73 ID:lw4ar2Ti0 - じゃあ俺が毎日SS貼っていってやるか!しょうがねぇな〜(悟空)
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60 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 08:29:51.99 ID:lw4ar2Ti0 - 685 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 20:15:57.97 ID:C3k+OrWA0
六尺様 遠野 「おじゃましま〜す」 NRK「遠野君ね!(真名看破)」 MUR「おっ、来たか早く上がれよ!」 大学二年生のあの夏、車の免許を取り立ての僕はおじさんとおばさんの住んでいる田舎に遊びに行った。 麦茶とよくおじさんが今朝採ったばかりの冷えたトマトやキュウリをご馳走になり 僕はセミの声を聞きながら縁側でのんびりと空を眺めることにした。 いい天気だ…(恍惚)と、僕が寛いでいると 「オォン!イキスギィ!(迫真)」 という迫真の3D濁音が聞こえてきた、なんだこの声!(ドン引き)
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61 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 08:30:28.36 ID:lw4ar2Ti0 - 688 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 20:19:02.74 ID:C3k+OrWA0
「イキスギィ!(迫真)」 謎の声は生垣の向こうから聞こえてくる。 そして不気味なことに生垣の向こうからは野獣のような視線を感じる。 「オマエノコトガスキダッタンダヨ!(迫真)」 なんだか怖くなった僕は居間に逃げ込むとおじさんとおばさんに 迫真の声と野獣のような視線の事を話した。 NRK「八尺様?(知ったかぶり)」 MUR「六尺様だろ!あっそうだ、オイ遠野、その時誰かに見られながらお前の事が好きだったんだよ!って言われたろ?」 遠野 「声は人間の喘ぎ声とも野獣の唸り声にも聞こえましたが、そう言ってました」 NRKおばさんは泣き出し、MURおじさんは真っ青になって黒電話に走って行った。 まだ事態の深刻さに気付かない僕は二人をあっけにとられて見ていた。
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62 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 08:40:22.60 ID:lw4ar2Ti0 - 693 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 20:25:45.11 ID:C3k+OrWA0
GO「大変な事になったね」 間もなく僕と年はそう変わらない、色黒の青年がやって来た。 GOという有名な霊能力者らしい。 GO「今晩は決して水を飲まないでハイ、ヨロシクゥ!」 GOさんの表情は軽い口調とは正反対に、有無を言わせない迫力があった。 僕は六尺様とは何ですか?何故水を飲んではいけないのですかと聞いたが誰も口を開かない。 皆、深刻そうな表情で下をむいて口をつぐみ、お互いを見合って僕に話すべきかを考えているようだった。 MUR「知りたきゃ教えてやるよ(震え声)でも気を強く持つんだぞ」 顔をあげたおじさんは静かに話し始めた。
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63 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 08:41:11.87 ID:lw4ar2Ti0 - 703 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 20:32:05.90 ID:C3k+OrWA0
MURおじさん曰く、六尺様、通称野獣先輩は人間のクズなのだそうだ。 いつ頃からこの村にいるのかは分からないが、若い男を昏睡レイプをするそうだ。 真夏の昼に現れ、真夏の夜に淫夢を見せて若い男を自分の物にするらしい。 そんな事を言われてもピンと来なかったが、MURおじさんによると。 36年前にKYNという村の青年もアツゥイ!夜に昏睡レイプされ、今も病院で昏睡しているのだそうだ。 にわかに信じられる話ではない、しかしGOさんやおじさんおばさんの様子はただごとではない。 僕はGOさんとおじさんに言われるまま、家の地下室に押し込まれた。 NRKおばさんからお守りを渡され、朝日が出るまで決して地下室から出るなとおじさんに言われた。 MUR「日の落ちている間は何があっても出てくるんじゃないぞ、それに絶対に水は飲むなよ」 家の外では真っ赤な夕日が徐々に山の中に降りていった。
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64 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 08:47:53.26 ID:lw4ar2Ti0 - 707 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 20:35:41.10 ID:C3k+OrWA0
??? 『ハッ!トォ!』ボカッ!ゲシッ! 催眠ホモ怪人『キキ〜!貴様何者だ!』 ??? 『俺は蟲戦士ヘルワーム…ヘルワーム・スタッガーだ!』ジャキーン! うわぁ、来年のKMNライダー格好悪いなぁ(ドン引き) テレビに映ったサイバーZ映画の予告編に文句を言いながら僕は汗をかいていた。 地下室は普通は涼しい作りになっているはずなのに、ここは熱が籠って蒸し暑い。 まるで真夏の真昼間の屋上のようなうだるような暑さは、いくら団扇であおいでも体に纏わりついて離れない。 MUR?「オ待タせ、アイスてぃーシカなかったケドいいカナ?」トントン 遠野 「あっ、いいっすね〜」 MURおじさんの声とアイスティーの冷たさに惹かれて、僕は地下室のドアを開けようとした。 しかし手中にあったお守りの温度がドアノブに触れた途端、サッー(迫真)と冷たくなった。 遠野「えっ、お守りが」 真っ白だったお守りが真っ黒に変色している!
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65 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 08:48:36.95 ID:lw4ar2Ti0 - 714 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 20:40:20.58 ID:C3k+OrWA0
MUR?「早くアケテ、どうゾ」 ドアの向こうの声が僕を急かすたびお守りは黒く冷たくなっていく。 ドアノブから手を離し、僕は一歩、二歩後ずさる。 MUR?「ホラホラ、ヌルクなってンヨ〜(アイスティー)」トントントン 微妙にMURおじさんの声と違う、血の気が引いて尻もちをついてしまう。 MUR?「ヌワァァン!エンギツカレトゥワァン!」ドン!ドン!ドン! 扉が激しく叩かれる、MURおじさんの声が野獣のようなそれに変貌した。 野獣 「オマタセ!アイスティーシカナイケドイイカナ?」コト 振り向くとちゃぶ台に冷えておいしそうなアイスティーが置かれている
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66 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 08:50:06.03 ID:lw4ar2Ti0 - 723 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 20:45:53.78 ID:C3k+OrWA0
遠野「やめてくださいよ!本当に!」 カラカラの喉で精一杯叫び、飲み干したい衝動を抑え込みアイスティをちゃぶ台からたたき落とす。 ガラスのコップが割れ、中のアイスティーが畳にかかる、シュウシューと畳から白い煙が上がる。 野獣「ノミタインダロ〜?ホラホラ」コトッ、コトッ 振り返るとドアの前に二つのアイスティーが置かれている。 この灼熱地獄の中でアイスティーを飲めたら……、僕は自分が無意識に手を伸ばしたことに驚愕する。 遠野「!?う、羽毛」 咄嗟に僕は自分の口にタオルを押し込み、布団の中に潜り込んだ。 野獣「飲んどけよ、飲んどけよ〜」コトッ、コトッ、コトッ、コトッ、コトッ、コトッ 体中から汗を流しながら、恐怖と渇きと戦い、いつしか気を失っていた。
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67 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 09:00:24.90 ID:lw4ar2Ti0 - 727 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 20:48:55.28 ID:C3k+OrWA0
NRK「遠野君大丈夫!?」チュン、チュン、チュン どれ位気を失っていたのか、僕はNRKおばさんの声で目を覚ました。 布団から顔を出して僕は血の気が引いた。 部屋中、布団が引かれた場所以外、隅なくアイスティーの入ったグラスが置かれているのだ。 NRK「生きてるなら返事をして」 この声は本物のNRKおばさんに聞こえるが、あんな体験をした後では……。 僕はしばらく悩んだ後アイスティーを蹴散らしながらドアまで走っていき。 恐る恐る慎重にドアを開けた、目の前に立っているのは紛れもなくNRKおばさんだった。 喉がカラカラに乾いてフラフラの僕をGOさんがおぶってくれて地上まで連れ出してくれた。 外に出るとMURおじさんがワンボックスカーに乗って待っていた。
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68 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 09:02:17.01 ID:lw4ar2Ti0 - 732 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 20:54:59.98 ID:C3k+OrWA0
MUR「遠野!早く乗れ!」 井上 「あああああああ!ああああああああああああ!!」 AOK「性欲とは神が与えし"大罪"―― 逃れられぬ業”カルマ”. ――排泄行為に過ぎない!」 ひで 「わぁお!」 MNR「じゃあ、逃げようか」 西寺 「トオノ乗れ〜!(迫真)」 HTN「ウィヒ」 車の中にはMURおじさんの他に従兄弟のAOK君、ひでおじさんが乗っていた。 MUR「血の繋がりは薄いが、みんなお前の親戚だぞ」 AOK「血縁とは霊的な繋がりであり"絆"霊にとってジャミング行為に過ぎない!」 フラフラの僕はひでおじさんの手を借りてやっとの事で車に乗った。
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69 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 09:11:20.15 ID:lw4ar2Ti0 - 733 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 20:58:31.62 ID:C3k+OrWA0
ブォオオオオオオ!! 道中は誰も喋らない、車内の空気は重く、僕は必至になってお守りを握っていた。 車は道を走りに走った、その間中衰弱しきった僕は車が揺れるたびに誰かにもたれかかり。 見かねたMNR君は僕にシートベルトをさせ、少しでも体が冷えるように濡れたタオルで体を拭いてくれた。 あぁぁ、喉がカラカラだ体内の水分を一滴残らず搾り取られたようだ。 MUR「もうすぐ結界を抜ける、もう少し頑張るんだ遠野」 AOK「結界とは村に貼られし領域、魔は出られぬ"ライン"結界の外は安全地帯に過ぎない!」 HTN「遠野が助かって良かった(小学生並の感想)ところでアイツはだれ?」 ひで 「急いでたから聞けなかったけど、きっと遠い親戚の人だよ(小学生並の推理)」 もうすぐこの恐怖が終わるホットした僕に隣の男がアイスティー手渡す。 ひでとHTNが名前も知らない謎の男だ。 西寺?「オマタセ…アイスティーしかナカッタケド、いいカナ?」 喉の渇き体の灼熱の暑さは限界に達していた、僕はアイスティーに手を伸ばし一気に喉に流し込んだ。 MUR「馬鹿!まだだめ……」 井上 「ああああああああ!あああああああああああああああああああ!!」 僕が最後に見たのは隣に座る男の野獣のような目線だけだった。
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70 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/07/21(木) 09:12:13.62 ID:lw4ar2Ti0 - 735 :水先案名無い人:2011/07/12(火) 21:02:17.98 ID:C3k+OrWA0
ミーン!ミーン!ミーン!(迫真) 遠野「……ん」 夢を見ていたようだ、全身がびっしょりと汗で濡れている。 何か恐ろしい夢を見たような気もするが、さっぱり覚えていない。 遠野が見上げる空には鼠色のよどんだ雲がいくつも浮かんでいる。 雨の降りそうなこんな天気に僕は屋上で何をしているんだろう? 「お待たせアイスティーしかないけどいいかな?」 あぁ、思い出した今日は先輩の家に遊びに来たんだった。 いただきまーす、このアイスティーすっごくオイシイ。 遠野を見る野獣先輩の目線は今日も迫真そのものだった。 2011年現在、遠野はいまだ下北病院のベットで眠り続けている。
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