- 【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ17【友人・知人】
375 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 03:16:24.50 ID:jByMOkYk0 - 「俺は0感」言い張るけどかなり霊感のある友人Aとの話をさせてください。
長文が書き込めないので、かなり細かく分けることになりそうです。 -- 友人Aとは、かれこれ高校2年の頃からの付き合いになる。 Aの変な能力に気付いたのは出会ってすぐの出来事だったのだけれども せっかくなので、高校を出てからAと俺に起きた恐ろしくて嫌な話を書く。 高3の3月、俺は付属の大学にエスカレーター式で進むことが決まっていたが、 3年から他大受験クラスにいたAの進路は白紙のままだった。 結局Aは卒業式の日にも来なかったし、 大学を1つも出願していなかったという噂が立って、教室はざわついた。
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376 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 03:18:25.55 ID:jByMOkYk0 - いつも寝ているか、本を読んでるかでマトモに授業を聞いてないくせに
模擬試験では名前が出るような嫌味な奴だったので(ただし文系科目に限る) 当然のように進学すると思っていたけど、でも謎めいた進路もAらしいなということで皆落ち着いた。 Aにはメールしてみたけど、返事は来なかった。 元々高校にもあまり来ないでフラフラしてたし、電話にも出ない奴だったから気にしなかった。 ただAと一番仲良かった俺は、Aが来ないと体育のときの準備体操のペア作りでぼっちになったり 微妙な奴と組まなきゃいけなくなったりで、つらいときもあった。
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377 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 03:24:16.64 ID:jByMOkYk0 - 大学は実家の隣の県にあって、通うにはちょっと遠いってんで
俺は大学から電車で20分くらいの場所にアパートを借りることにした。 ちょうど、俺より出来のいい弟妹が受験の年だったので、 俺が出て行くのは父母ももろ手をあげて賛成した。 ツタヤもない寂れた街だったので、家賃も安くていい物件が見つかった。 新生活が始まり、Aに会いたいと思いつつもなかなか連絡できないまま(しても返事ないし) とうとう夏が来て、俺にはなんと入ったサークルで彼女が出来た。名前はC子とする。
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378 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 03:29:52.49 ID:jByMOkYk0 - ゆら帝とかナンバガが好きな女子って初めて会ったから、舞い上がっちゃったんだよね。
そんなことはどうでもいいか。C子とは同じ高校だったはずなんだけど、 大学に入ってから知り合った。うちの高校は10クラス以上あったから、 3年通ってて顔を知らない人間がいるのも当たり前だった。しかもお互い目立つタイプではなかったし。 C子は俺の家より大学から遠い、繁華街のある駅の、ちょっときれいな5階建ての マンションに住んでいた。社会人2年目の姉とルームシェアしているというかたちになっていたんだけど、 あんまり姉は帰ってこないと言っていた。C子はかわいいんだけど微妙に地味でサブカル女子ってかんじで 男友達のノリで話しやすかった。本当に、初心者向きの女性だった。
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379 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 03:34:40.85 ID:jByMOkYk0 - 駅のホームに行ったらC子が途中下車して待っててくれて、
一緒に授業出て、サークル出て、夜はみんなでわいわい飲みに行って。 サークルには、俺とC子は友達以上恋人未満な関係ってことにしておいたから 先輩とかから焚き付けられたりして、ギャーギャー言って。 大学生ってなんて楽しいんだろうと、毎日テンション高かった。 俺の人生の春だった。C子が屋久島に行きたいとよく言ってたので、俺は こっそり旅行計画を立てた。バイトのシフトを増やして、朝まで労働に励んだ。 大学は少々さぼりがちになってきた。それでも、どんなに眠くても C子が駅で待つと悪いので「今日は行かないわ、ごめん」というメールを ちゃんと送ってた。
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380 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 03:44:21.35 ID:jByMOkYk0 - C子はそんな俺に最初は「えー、寂しいよ!」なんてメールを返してくれてたけど
だんだん面倒くさくなったのか「了解」とか、指立ての絵文字1文字だけとか、 あとは前の晩に「明日どうするの?」と俺にメールや電話で確認するようになった。 勝手な話だが、俺はそれがちょっとプレッシャーになってきていた。 そしてある夜の電話で「もういいよ待たなくて。悪いから」と切り出した。 C子は心なしかほっとした声で「わかった。寂しいけれど、しょうがないね」と言った。 そして深夜バイトを終えた俺は、C子に「今日行けない悪い」と連絡しなくていいという 開放感を味わいつつ、ベッドにダイブした。朝方って涼しくて気持ちいいよね。 新聞配達のバイクのエンジン音が遠ざかるのを聞きながら、意識が沈み込んでゆく…ゆく…ゆく…。 …ブィーッ ブィーッ ブィーッ 携帯のバイブが枕元で鳴った。
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381 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 04:45:02.42 ID:jByMOkYk0 - 窓に目をやると、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる。
布団に入ってからせいぜい2時間くらいしか経っていなさそうだ。 目覚ましなんかかけていたっけと携帯を見ると、着信:C子 の文字が光っていた。 昨日の晩に一緒に学校行かないと決めたばかりだし、なんだろう?と気になって 眠い目をこすって応答した。「もしもし」 「俺君?C子だよ。今駅に向かって歩いてるところ。37分発の電車に乗れそう。俺君は今日来るの?」 明るい声のC子だった。待ち合わせが当然のような口ぶりだったので、眠りを邪魔された俺は 内心ちょっとむかついたのもあり、きつめの口調でC子に言った。 「昨日言ったじゃん、もう朝待ち合わせするのやめようって。 俺バイト明けだからさ。もうちょっと寝て、適当に起きたら適当に行くから」 「…そっか。そうだったね。寝てるとこごめんね。起きたら連絡してね。じゃあおつかれさま。おやすみ」
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382 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 05:01:00.16 ID:jByMOkYk0 - しゅんとしたC子の顔がありありと浮かんでくるような、心底済まなそうな声だった。
昨日、俺が待ち合わせをやめたいという話を切り出したときは C子の返事がなんとなくほっとしたような声に聞こえたので、C子も待ち合わせが負担だったんだなと思っていたけど やっぱり俺と一緒に学校行くのが楽しみだったんだなと思うと、つらく当たってしまったC子に済まなく思い、 そしてC子がますます愛しくなってたまらなくなった。俺は飛び起きて 「C子好きだ」なんて叫びながらシャワーを浴び、支度をして大学へ向かった。 とはいえ大学に着いたのは1限目が終わるギリギリの時間だったので、C子を驚かしてやろうと 講義室の近くの階段でC子が通るのを待っていた。C子の姿はいつまで待ってもなかった。
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383 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 05:02:49.13 ID:jByMOkYk0 - 知り合いを呼び寄せて聞いたところ、C子は来てないということだった。
携帯を見ると着信などは入っていない。俺は迷わずリダイヤルからC子の番号を押した。 応答はなかった。 天気もいいし、自主休講にして買い物にでも行くことにしたのかなと俺は単純に思った。 今思い返せば、朝のいざこざでC子を傷つけたかもしれないと焦るところなのかもしれないけど 当時の俺は、自分のテンションの高さも相まって妙に楽観的だった。 次の授業まで時間があるので久しぶりに部室に行った。 バイトに精を出しすぎていて、サークルにも殆ど挨拶に来てなかった。 体育会系のサークルではないから、活動なんてあってなかったようなものだったけど。
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384 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 05:06:12.52 ID:jByMOkYk0 - 部室には1つ上の先輩しかいなくて、先輩はおやつを食べながら写真集を見ていた。
俺が挨拶すると「おっ、お前」と顔をあげて、そしてプリンスデモキンそっくりな顔を歪ませて 「C子と付き合ってるんだって?黄色い太陽見すぎて単位落とさないようにしろよ」とヒヒヒと笑った。 当時の俺は「黄色い太陽」が何を意味することなのか全くわからなかったので 「黄色い太陽ってなんすか、映画すか」と先輩に聞いた。先輩は鳩が豆鉄砲食らったような顔して ゴニョゴニョと説明してくれた。先輩は俺とC子が朝から晩までセックス三昧と思っていたらしい。 そんな下卑たことを得意気にわざわざ言ってくるとは、これだから童貞は。 「俺はC子と同棲なんかしてないですよ」 そもそも俺とC子はその時点では肉体関係はなく、清い交際だった。
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385 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 05:08:19.52 ID:jByMOkYk0 - C子を家に連れ込みたい気持ちは有り余る程あったが、
アパートの大家さんと母親がガッチリ挨拶していたのもあり 大学入学して早々女の子を連れ込むのは避けたかった。 マザコンかもしれないけど下の弟妹が優秀というコンプもあって、 なんとなく俺はC子を連れ込むタイミングを先送りにしていた。 だから余計夏の旅行計画にも力が入ってたんだけどね…。 「そっか、C子もしばらく顔出してないからさ、 お前と2人でさぞ退廃した生活を送ってるんだと思ってた」 「えっ、C子も来てないんですか」 俺は混乱した。だってC子は講義やサークルに顔を出さない俺を怒ったりしてたし。 部室を後にして、俺は外のベンチに座ってぼーっとしていた。 着信が残っているのだから、かけ直してきてくれてもいい頃なのに C子からの連絡はまだなかった。
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386 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 05:13:27.96 ID:jByMOkYk0 - 無駄に天気が良くて、寝不足の頭がクラクラして、俺は太陽を呪いつつ
太陽の下のどこかにいるはずのC子を思うと、叫びたくなるような、吐きたくなるような気分だった。 何故かはわからないけれど、俺はそのとき無性にAに会いたくなった。 手が勝手に携帯のボタンを押して、Aの番号に発信していた。呼び出し音が鳴る。 とはいっても、Aと何を話したいわけでもなく、思考は停止していた。 同じリズムを繰り返す呼び出し音を聞きながら、俺の目の前はモヤがかかったようだった。 そのとき、ブツッとそのリズムを破る音がした。 「おう、何?」 数ヶ月ぶりに聞く、懐かしい声だった。
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387 :Aの友人[sage]:2011/06/08(水) 05:15:54.20 ID:jByMOkYk0 - さっきまで会っていたクラスメイトから電話が来たかのような、
なんの懐かしみも喜びも感じさせないAの調子に俺は、ああAだと嬉しくなった。 「おい、A、てめー今何やってるんだよ、メールも返さないで」 「プレステだよ。(エーイ!エーイ!)あ、あとでかけ直すから待って」 電話は一方的に切られた。 Aがやっているゲームは俺も持ってたからすぐにわかった。 しかもキャラまでわかった。三国無双で、小蕎を使っているっぽかった。 当時は無かったんだけど、今なら当時のAを的確に表す言葉がある。 高校を卒業したあと、Aは立派なニートをしていた。 「あとでかけ直す」と言ったAと次に連絡がついたのは、2週間経ってからのことだ。 そのときにはもう、C子は完全に手遅れだったし、俺もかなりボロボロだった。
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388 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 06:04:42.10 ID:jByMOkYk0 - 連投規制もあるし、とりあえずここまでで切ります。
このスレ初書き込みなので、KYだったらすいません。 >>375が「かなり」言い過ぎでアホの子のようだ。 (補足がないと矛盾しているようなところがあるので説明) Aのいた他大学進学クラス(超少人数)と俺の内部進学クラスは、 共同の授業は同じ教室で、特別授業のときだけ他大クラスが移動という 形式だったので、2、3年とAとはずっと同じ教室、修学旅行も同じ班でした。 C子と付き合い始めたのは5月の中旬でした。あと小「喬」でした。
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393 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 19:38:48.30 ID:jByMOkYk0 - 反応ありがとう。序盤のどうでもいいくだりも
のちのち絡んでくるから長い目で読んでくれると嬉しいです。 続けます。
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394 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 19:40:15.10 ID:jByMOkYk0 - Aから電話を切られた俺は、
大きい体を丸めてゲームの中の少女を一心不乱に操るAの姿を想像したら あまりにもバカバカしくなって、じわじわと元気が出た。 C子のことも、嘘をつかれた気がしてショックだったが、冷静に考えてみれば サークルもたいした活動をしてないから出る必要なんてないし、 講義に関しても、単にC子もサボって息抜きしているだけなのを 俺には格好つけて言わないでいただけかもしれない。 とりあえず俺は、その日のところは家に帰って寝ることにした。授業?知らん。
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395 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 19:41:42.46 ID:jByMOkYk0 - 電車の中で爆睡して、コンビニで
好物のとろろ蕎麦などを買い、アパートに戻った。 ふと不思議なものが目についた。 俺の部屋のドアの前に、ケルンみたいに石ころ4、5こが積んであったのだ。 俺が住んでいるのは1階の、階段前の部屋だった。 いつも同じアパートの母子家庭の小学生が、道路やアパートの廊下に 絵を書いたりして遊んでいるので、子供の悪戯だろうと気にしなかったが 崩すのはなんとなくかわいそうなので、小さな山のまま移動させてやった。 この石の山というのは、もしかしたら気付かなかっただけで、 今までもあったのかもしれない。そういえば 俺の家の前にはたまに石ころがバラバラ落ちてたような気がしないでもないが 実際のところは今もわからない。
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396 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 19:46:32.47 ID:jByMOkYk0 - 俺はそばを食べた後、死んだように眠った。
起きて携帯を見ると、C子からメールが入っていた。 「メール気付かなかった!ごめんね、具合悪くてずっと寝てたの。風邪かな」 電話をかけてC子の声が聞きたかったが、遠慮して、朝のことへの謝罪のメールを送った。 C子からの返事はすぐに返って来たが、意外なものだった。 「なんのこと?」 俺は、朝の出来事を説明して、また謝った。 「あれ?電話なんかしちゃったんだ。えー!ごめんね寝ぼけてたみたい。 私は今日は家から出てないよ。ずっとパジャマだもん。」
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397 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 19:47:36.72 ID:jByMOkYk0 - パジャマという単語にC子のパジャマ姿を想像して唾を飲みつつ、
人って、けっこうリアルに寝ぼけるものなんだなーと俺は思った。 明日は学校に行けそうかと聞くと、C子からは「無理かも」のメールが返ってきた。 「お見舞いに行くよ、なんか食べたいものあったら買ってくる」 「ありがとう俺君。お姉ちゃんがいるから大丈夫」 「そっか。お大事にな」 「ありがとう」 そんな他愛もない会話をして、C子とのメールは終わった。 俺はバイトへ行く支度をしながら、C子に何かしたいと考えていた。 C子の家へは、部屋に入ったことはなかったが (お姉さんと鉢合わせしたら嫌だし) マンションの前まで送って行ったことは何度かあるので 場所は知っていた。 よし、なんか食料を買い込んで、ドアの前に置いて ピンポンダッシュしよう。俺はそう決めた。
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- 【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ17【友人・知人】
398 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 19:49:16.74 ID:jByMOkYk0 - 時計を見るとまだ8時。バイトは10時からなので時間はまだある。
俺は飛び出すように家を出て、 コンビニではなく、駅前のスーパーで おかゆやスープ、バナナ、ヨーグルト、そしてC子の好きな 梅味の飴やお菓子などを買って電車に乗り込んだ。 電車の中では、ピンポンダッシュしたあとで すぐメールが送信できるように、C子へのメールを書いた。 「ドア開けてみて。たくさん食べて早く元気出せよ!愛してる」 これからも一緒に云々、 C子と出会えてよかった云々みたいなことを書いて 鼻を膨らませながら下書き保存した。 かくして、世界で最高の彼氏みたいな気分になった俺は C子のマンションに到着した。
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- 【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ17【友人・知人】
399 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 19:53:32.57 ID:jByMOkYk0 - マンションの玄関ホールでは、明らかにVシネマから出てきたヤクザみたいな
おっさんがエレベーターに乗り込むところだったので、俺はびびった。さすが繁華街。 ヤクザは俺に気付くと、親切にも開ボタンを押して、俺を睨みながらドアを開けていてくれた。 「あ、すんません、俺階段なんで大丈夫です!」 ヤクザは何も言わずドアを閉め、憮然としたまま登って行った。 俺は心臓がドキドキして、ヤクザに階段と言った手前、マンションの階段を探して5階まで登った。 息を切らせながら5階に近づいたとき、カンカンカンカンとけたましい足音がした。 女性のミュールの音だ。金髪に近い髪をアップにして、バッグを小脇に抱えて 派手な服装をしている女性が廊下を歩いていた。
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- 【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ17【友人・知人】
400 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 19:59:12.76 ID:jByMOkYk0 - 俺はあんまりギャル系の女性が好きではなかったので
あー、歩き方ひとつとっても自己主張が激しいというか、なんというかと 冷めた目でその後ろ姿を見送っていたが、そのギャルが彼女の部屋の前あたりで 立ち止まって、鍵を差し込んだので俺は慌てて隠れた。 あれが姉ちゃんとは、「文房具のメーカーで事務」と聞いていたが どこから見たって水商売じゃないのかと俺は思った。 ギャルは彼女の部屋に入った。俺はスーパーの袋に目を落とした。 なんかちょっと勢いを削がれたというか、どうしようと思った。
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- 【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ17【友人・知人】
401 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 20:00:19.34 ID:jByMOkYk0 - そんなこんなで階段で考えていると、C子の姉が部屋から出てきた。
忘れ物かなんかを取りにきただけなんだろうか。 カンカンカン、とまたけたましく廊下を歩いて、姉はエレベーターに乗りこんだ。 隠れながら覘いただけなので、しっかりは見てないけれど 目の周りが黒々としていて、グロスでギラギラした唇を微妙に突き出して歩く姉の顔は、 C子とは似ても似つかぬ、性格のキツそうな顔だった。 俺は姉の乗ったエレベーターが1階へ着いたのを見届けると、 C子の部屋の前に食料の詰まったスーパーの袋を置いた。
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- 【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ17【友人・知人】
402 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 20:03:58.15 ID:jByMOkYk0 - そして下書き保存していたメールを送信し、階段を駆け下りた。
口元がどんどんにやけて、体中の毛穴から熱が放射してる気分だった。 C子、驚くかな。姉のことは忘れて、俺は満足だった。 足が軽くて、時間さえ許せばこのまま走ってバイト先へ行きたい勢いだった。 ドアを開けて、スーパーの袋を見つけるC子の顔を想像した。 玄関ホールへ着いて、何気なく確認してみると、 姉と一緒に下がったはずのエレベーターは再び5階で止まっていた。 マンションにはさっきのヤクザを始め、他にも住人がいるはずだし、 エレベーターがどこにあろうがどうでもいいことだったのだけど、そのときの俺に それが妙に気にかかったのは、もしかすると何らかの予感があったのかもしれない。
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- 【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ17【友人・知人】
403 :Aの友人 ◆NBTf.k/kK8s5 [sage]:2011/06/08(水) 20:06:51.76 ID:jByMOkYk0 - ちょっと用事が出来たので中断します。
>>396 >「メール気付かなかった!ごめんね、具合悪くてずっと寝てたの。風邪かな」 →「着信気付かなかった!」の間違い
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