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本当にあった怖い名無し
何故かとってしまった不可解な言動2
不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part67

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何故かとってしまった不可解な言動2
220 :本当にあった怖い名無し[]:2011/01/30(日) 06:43:42 ID:LZSj9g000
不可解な行動なら、他人がとったのを見たことあります。
不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part67
259 :本当にあった怖い名無し[]:2011/01/30(日) 09:53:58 ID:LZSj9g000
昭和の思い出です。

私は(今もですが)容姿に特に冴えたところのない、ボーズ頭の男子中学生でした。
勉強はそこそこだったものの、運動オンチ、痩せっぽち。
中一だったとは言え発育も遅く、付き合いも私に似たガキばかりで、
話す内容もガキ丸出しでした。

北斗の拳がどーの、スーパーマリオがどーの・・・・
当然モテるわけがありません。

想像してみて下さい。
背は少しひょろ高く、声変わりもしていない、新聞部の男子生徒。

女子(女性)にとって、どこか一つでも女心をそそられる部分があるでしょうか?

ないと思います。(客観的に)

強がりではなく私にとっても、異性に興味はなかったのです。
不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part67
260 :本当にあった怖い名無し[]:2011/01/30(日) 09:55:37 ID:LZSj9g000
あれは秋の出来事でした。
十月に入り冬服になったばかりだったのを、憶えています。

部活が終わり、その日ちょうど仕上がった原稿を封筒に入れ、
まだ学内に残っていそうな学友、いやガキユウ(笑)を訪ね、離れたクラスへ赴きました。
部が違ったので別に原稿を見せるためではなく、適当にガキ話に花を咲かせるのと、
おそらく彼がその日持ってきているであろう、漫画雑誌を見せてもらうためでした。

夕日の射す教室には、窓側に私と私の友人(確か)2名、
廊下側にジャージを着た誰か部活帰りの女子1名と、制服姿の峪口さん。
峪口(タニグチ)さんは仮名です。
活発と大人しいの中間ぐらいの、ルックスは実は学年で一番認められている女子でした。

尤も当時の私がそんな事を知るハズもなく、
峪口さんに限らず女子の容姿を「良い」「悪い」、考えた事もありませんでした。
不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part67
261 :本当にあった怖い名無し[]:2011/01/30(日) 09:57:45 ID:LZSj9g000
大分ぺちゃくちゃ喋った後、机に腰掛け、受け取った漫画雑誌に捕まり始めた私を見て、
友人2人は「じゃあな」と教室を後にしました。
廊下側の女子2人、ジャージの女子は立ったまま、
峪口さんは椅子に座って、本を手にしながら、話していました。

しばらくしてジャージの女子が、「じゃあね」と言って帰って行きます。
教室には私と峪口さんだけが、残されました。

・・・・もともとクラスも離れていたため、話す事もなく、
それぞれが持った本に目を落とすばかりで、教室の中は日だけが傾いていきました。

あれは夕日の見せた幻想だったのでしょうか――
今でもそう思う時があります。
もう大分日が傾き、朱と言うより暗く教室がなりかけた時、峪口さんがパタンと本を閉じ、
机に腰掛けた私のほうへと、歩いてきたのです。
不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part67
262 :本当にあった怖い名無し[]:2011/01/30(日) 09:59:06 ID:LZSj9g000
「ねぇ、女の子のハダカって興味ある?」

耳を疑うようなセリフが、峪口さんの口から出たのです。
けっして下品ではない、そんな活発すぎるというわけでもない女子から、出てきた言葉。

でも当時ガキすぎた、鈍感だった私は、驚く事すら出来なくて、寧ろ不快になってしまい。

「んー、どうだろねぇ・・・・  (なんでそんな事聞くんだよ 怒)」

峪口さんを見もせずに、素っ気無いとさえ言える答え方をするだけだったのです。
今ここで読みふけっている漫画が、何か卑猥なものだとでも勘違いされたのか――
おそらくそんな感情も、混ざっていたのだと思います。

シュー、シュルシュル、バサッ――

衣擦れの音が聴こえました。
しかしガキで鈍感だった私は、漫画に目を落としたままです。
不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part67
263 :本当にあった怖い名無し[]:2011/01/30(日) 10:00:39 ID:LZSj9g000
「ねぇ」――  峪口さんが声をかけてきました。

目を(面倒くさげに)上げると、そこには一糸まとわない、ハダカの峪口さんが・・・・

今でもありありと想い出せます。
すこし痩せてはいたものの、中一にしちゃふくらんだ胸、透き通るような白い肌。
上を向いたキレイなお尻、ボウボウと生えた毛・・・・
よほど鮮烈だったのでしょう、一瞬しか目を向けなかったのに、今もハッキリ憶えています。

「なっ!?」

さすがに私も驚きました。
しかし目を奪われる事は無かったのです。

中一、子供の男子にとって、大人になってしまった同学年女子の体は、――これは対象が
男子でも同じでしたが―― 「見るのが怖い」という感情が、働いてしまうのです。

目に入ってしまった体から目を逸らし、机を蹴り、必至に教室から逃げ出してきたのです。
不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part67
265 :本当にあった怖い名無し[]:2011/01/30(日) 10:02:02 ID:LZSj9g000
峪口さんに腕を掴まれそうになった気もしますが、憶えていません。
乱暴に(私から)ぶつかっただけかも知れません。

その後中二中三と、峪口さんと接する事は、終にありませんでした。
今振り返ると峪口さんを傷つける事はなかったか、すこし罪悪感を憶える事もあります。

一学年十二クラスあった時代です。
三年間一度も話さなかったり、一度しか話さなかった関係も、珍しくはありませんでした。

それにしても、この情景を度返し想い出す事も、淫らな妄想に使う事も、なかったのです。
なぜなのでしょう?

そして何よりも、なぜ峪口さんは、私などという冴えない男子に・・・・?

それは人生にたった一度だけ起きた奇跡。
教室に射す夕日の見せた幻・・・・

思い出すたび、昭和の空をも思い出します。
不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part67
273 :本当にあった怖い名無し[]:2011/01/30(日) 16:24:16 ID:LZSj9g000
>>269
もしもカッコイイ男子であれば、女子がそうしたくなるのも頷けます。
しかし私は前記の通り、風貌、部活(笑)、パーソナリティー、どれをとっても冴えません。

漫画『ゴルゴ13』には、女性のほうから脱ぎだす場面がよく描かれます。
あれは男性がカッコイイからです。
冴えない、ストレートに言えばカッコ悪い男子相手に、それをするメリットがありません。
謙遜でもなく、本当に冴えない男児だったので、全く以って不可解なのです。

峪口さんは直立でした。
よく大人向け雑誌に載るような、挑発的なポーズなどとらなったです。
だからこそ美しく、かくも鮮烈に記憶されているのでしょう。

今卒業アルバムを見返しても、峪口さんはそれほど気が強そうではありません。
やや気弱そうな、自信のなさそうな表情をしている、とさえ言えます。
眉は薄いのですが、そのわりには下は濃かったような・・・・
すみません(汗)、想い出していると書く内容まで中坊全開になってしまいます。

今思えば、何か漫画でみたそういう場面を、まだ中一の幼い感性で、
ぎこちなく実行してみた。

そんな微笑ましい動機が、真相だったのかも知れませんね。(笑)


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