- 私メリーさん【六人目の犠牲者】
20 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/12/05(火) 00:10:09 ID:yLvOp2/JO - 俺はいわゆる携帯厨なんだが、それでも小説とか書いても良いですか?
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- 私メリーさん【六人目の犠牲者】
22 :20[sage]:2006/12/05(火) 01:02:51 ID:yLvOp2/JO - じゃあ、お許しを得たので、近いうちに書きます
・・・・・・近いうちに書けるかなorz
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- 私メリーさん【六人目の犠牲者】
26 :20[sage]:2006/12/05(火) 17:41:12 ID:yLvOp2/JO - 小鷹 香澄(こだか かすみ)は、単位制の高校に通う、17歳の男子生徒である。
高校生には珍しいかもしれない一人暮らしで、「それなり」だと自負する日常を送ってきた。 その日までは。 俺が学校から帰って、学ランを脱いで部屋着に着替えた時、携帯が着信を告げる。 スティングの「シェイプ・オブ・マイ・ハート」を歌い上げる携帯のサブディスプレイには、本来表示されるはずの人物名や電話番号は表示されず、代わりに何も書かれていない、白色を写し出してていた。 俺は、もうお馴染となったその画面を見つめていたが、仕方なしに電話に出る。そうしない限り、携帯が静かにならない事を、知っているからだ。 「・・・・・・はい」 「私、メリー」 これだ。もう、三日目になる。電話の主は都市伝説よろしく、俺の家へと近づいてくる。 初日は最寄りの駅。次の日は近くの公園。そして今日は 「今、あなたの家の前にいるの」 それだけ告げると、一方的な電話は一方的に終了した。 俺は携帯をベッドの上に放ると、自分もベッドに身を投げ出す。 下らない。俺の携帯の番号を知っているのだから、知り合いの誰かの仕業に決まっている。幼稚な事を。下らない
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27 :20[sage]:2006/12/05(火) 17:46:02 ID:yLvOp2/JO - 翌日は休日で、バイトも休みだった。その日俺は外へ出ようと思っていた。窓の外を眺めると、いくらか強い風に煽られ、紅葉した木の葉がひらひらと舞っていた。俺はクローゼットから取り出したテイラードジャケットを羽織って外へ出た。
風こそあったが、秋も中盤ということでまだ日差しが暖かい。空もよく晴れていて、青色がとても映えて見える。二階建ての小さなアパート、その上階にある俺の部屋。しっかりと施錠をしてから階段を下りる。 秋の休日。足を踏み出すたびブーツの底が落ち葉とコンクリートを踏んで、心地よい音と感触を生み出してくれる。暫くの間歩き続けて俺は、近くの公園に辿り着く。 ベンチに座って、ポケットから煙草を取り出す。公園を見回すと、遊具で遊ぶ子供と、その親であろうか。我が子の事なんか気にせずに、中年女性が集団で井戸端会議に花を咲かせている。 火のついた煙草を銜え、一旦口の中に溜めてから、改めて肺にまで煙を通す。重い煙草の肺を舐る感触を楽しんで、細く長く息を吐く。 秋風にさらわれ、横に靡いて消えていく。口の中に残る微かな甘味。それが完璧に消えてしまわないうちにもう一口。
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28 :20[sage]:2006/12/05(火) 17:50:12 ID:yLvOp2/JO - ふと、公園内のジャングルジムに目をやると、そこでは女の子が泣き声を上げていた。遊具から落ちでもしたのか。しかし、どこからとも無く駆け寄ってきた男の子が、優しく女の子に声をかける。
初めこそ泣き喚いていた女の子だったが、次第にその勢いは衰えていき、最後には笑いながら、男の子とどこかへ駆けて行った。 どこと無く、心が安らぐ。休日は公園でのんびりするのが俺の日課だ。風景を楽しみ、そして今の様なちょっとした良い出来事を期待して、いつもここへ歩いてくる。 いい気分のまま煙草を口に運び、そういえば小腹が空いてきたな、今日の昼食はどうしようか、等と考えている時、俺の耳にある会話が飛び込んできた。
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29 :20[sage]:2006/12/05(火) 17:51:38 ID:yLvOp2/JO - 「嫌ねぇあの子ったら。未成年でしょう? 煙草なんか吸っちゃって」
「本当。あんな子の親なんて、どんなしつけをしているのかしら」 「怖いわねぇ。そういえば、聞いた? この前不良の男の子たちが――」 それまでの心地の良い気分が、一瞬で吹き飛んでしまった。俺の今の気分は、俺の肺の中の紫煙と同じだ。ぐるぐると渦巻いて、どす黒い。 確かに煙草を吸ったのは悪い。未成年であるし、法で禁止されている。そこは反省すべき点である。 だが、それで俺を「不良の男の子」とやらに一まとめにされたのが気に食わない。おまけに親のしつけが、だと? くそっ、気分が悪い。 機嫌が悪くなると、それを呼び水にして思い出さなくてもいい嫌なことも脳裏に浮かんでしまうものだ。そう言えば、あの電話を掛けてきたやつ、おとといは公園の前にいたと言っていた―― 俺は煙草を携帯灰皿にぶち込むと、さっさとそこを後にした。
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30 :20[sage]:2006/12/05(火) 17:59:24 ID:yLvOp2/JO - 昼食はパスタにしよう。帰宅後、そう思って俺はオリーブオイルとにんにく、そして唐辛子をフライパンで暖めていた。
にんにくが焦げないように弱火でじっくり。充分に暖めたら、後はにんにくと唐辛子を取り出してベーコンを入れて強火でカリカリに。最後にパスタと一緒に炒めて完成だ。 「……よし、美味そうだ」 皿にパスタを盛り付けて、テーブルの前に座って。至福の一口を今まさに口に入れようとした瞬間、俺の鼓膜を「シェイプ・オブ・マイ・ハート」が震わせる。 サブディスプレイの映さない白い画面を見て、俺は半ばうんざりしつつ、携帯を耳に当てた。 「……」 「私、メリー」 「……」 あまりの怒りとくだらなさに、俺は口を開くことも出来なかった。だが、 「今、あなたの後ろにいるの」 その言葉が聞こえた瞬間、俺の体は一気に硬直した。 何故なら家に帰ってきてから、再びしっかりと鍵を掛け、どこからも、誰も入ってこれないはずのこの部屋。そこに俺以外の何者かの気配が、しかもそれは俺のすぐ後ろから発せられている。
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31 :20[sage]:2006/12/05(火) 18:03:56 ID:yLvOp2/JO - 何故? どうやって? 様々な疑問が頭の中を駆け巡るが、背後に立つ者への恐怖と好奇心から、引きつった首はゆっくりと後ろに動かされる。
一瞬、「振り向いてはいけないのではないか?」。そう思ったが、既に俺の目は、その奇妙な侵入者の姿を捉えてしまった。 短い金髪。黒い巨大なリボンが一つ、頭の後ろで揺れていた。首元まで隠す、フリルの白いブラウスの上に、やはりひらひらとした装飾の成されたワンピースタイプの黒いドレス。 服の裾から伸びる細い足は黒いストッキングに通され、家の中なのに、厚底のエナメル質のブーツを履いていた。 手は白い手袋に通され、彼女の肌が露出しているのは顔の部分だけということに気付かされる。背は低く、150センチあるかないか。大きい赤い瞳が、こちらをじっと見詰めてくる。 彼女は、ゆっくりとした動作でスカートの裾を両手の指で掴んで、 「私、メリー。今、あなたの目の前にいるの」 と、その幼い容姿とはかけ離れた優雅さと、見た目どおりの茶目っ気を見せて会釈してきた。
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32 :20[sage]:2006/12/05(火) 18:07:12 ID:yLvOp2/JO - 俺は状況が飲み込めず、暫く唖然としていたが、何となく落ち着きを取り戻して、俺は口を開いた。
「それで?」 彼女は何を聞かれているのか分からず、眉をひそめる。 「それで、おまえはなんだ? どうやってここに入った? まさか、自分は幽霊だとでも言うのか? そうだとしてなんだ? お前は俺を殺すのか?」 落ち着いたつもりだったが、まだいくらか浮き足立っているのだろうか。俺はまくし立てるようにして彼女に聞いた。 すると彼女は、ああ、と納得したように頷いて、それから首をゆっくりと横に振った。 「いいえ、違う。私は幽霊なんかじゃない。まして、あなたを殺したりなんかしない。あなたは私と繋がったの」 すると彼女は、俺にはとても理解できないようなことを言ってきた。 「だから、あなたが殺すの」 「……は?」 たぶん俺はその時、大口を開いていた。そんな俺を見違う。私は幽霊なんかじゃない。まして、あなたを殺したりなんかしない。あなたは私と繋がったの」 すると彼女は、俺にはとても理解できないようなことを言ってきた。 「だから、あなたが殺すの」 「……は?」 たぶん俺はその時、大口を開いていた。そんな俺を見てか、彼女は薄く微笑んだ。 「あなたが、いずれ ――私を殺すの」
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- 私メリーさん【六人目の犠牲者】
33 :20[sage]:2006/12/05(火) 18:10:01 ID:yLvOp2/JO - 今日はここまで
携帯からなので、色々おかしくなってるかも(´・ω・) 駄文&長文すいません
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