- 【エロ】山形先生Part5【オカルト】
779 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 17:06:56 ID:jprT5stP0 - (>>778 承知)
さて、ここらで怖い話でもするか。 冬休みに入り、的場リュウジと、須藤アリサの交際が始まったが、 それは果たして、通常の男女交際とは全く形の違うものであった。 つづく
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780 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 17:13:59 ID:jprT5stP0 - まず最初にリュウジが彼女にさせたこと。
腕を伸ばし顔の正面に人差し指を立てさせ、左右片目ずつ、つむらせた。 「え…何これ?」 「両目で見た時とどちらかの目で見た方が、同じ位置に見えるはずだ」 「…?よく分かんないよ…」 占いだろうと須藤アリサは思った。そういうこともする人なのかと。 「両目で見た時の指の位置を気にしろ。まず左目をつむれ」 「うん」 「指の位置は?」 「変わらないよ」 「左目を開けて右目をつむれ」 「あ、ちょっとズレた…」 「利き目は右か…視力は?」 「両方とも1.8」 つづく
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782 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 17:23:41 ID:jprT5stP0 - 更に出かけようというのでデートかと思えば人気のない埼玉県
某所の採石場に連れて行かれた。 そこで拳銃を渡される。38口径。コルトディテクティブスペシャル。 「何これ…」 「利き腕は右だな?右手で握って。肩の力を抜け。…そうだ。腕は まっすぐ。突っ張れ。腕を一本の棒にしろ。…左手を添えて。よし。 右腕は向こうに向けて突っ張らせる。対して沿えた左手は向こうに いこうとする右手をこちらに引きつけるように。…いいだろう。まだ 引き金に指はかけるな。ハンマーを起こす。ダブルアクションでは 極力撃つな。正確に狙う時間がある場合はシングルアクションで 撃て」 「…え、ちょ、何…シングルとかダブルとか…」 「あとで説明する。腕の力を抜くな。足は肩幅。膝は軽く曲げろ。 引き金はスイッチじゃない。絞り込むように引け。銃をブラすな」 採石場に銃声が響いた。 「…バランスがいい…銃を撃ったことは?」 「あるわけないじゃん!」 「膝の使い方がいい。よし。的に向けて撃ってみよう」 つづく
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783 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 17:34:28 ID:jprT5stP0 - 的場リュウジの目的。それは須藤アリサに自分のバックアップを
させることにあった。 恐ろしい男である。自分はカメラを、そして撮影の際脅威となるものは 須藤アリサに排除させる。その為には訓練が必要であった。 デート=訓練 しかし須藤アリサは凄まじい速度でその頭角を見せる。しかし当の 本人はかなり嫌そうであった。 「ねぇ普通にデートとかしないの?」 「何故お前にリボルバー拳銃を持たせたか分かるか?」 リボルバー拳銃。銃の真ん中にレンコン形のシリンダーがあり、そこに 弾丸を詰め、シリンダーが回転することによって弾丸の装填を行うタイプの 銃である。アニメ、ルパン三世では次元大介が主に使用しているタイプのもの、 あれがリボルバー拳銃だ。 一方でルパン三世本人が使用しているワルサーP38のように、銃倉に弾丸を 込め、主にグリップ、握りの中にそれを収めて使用するものをオートマチック 拳銃という。 スピードロッダーなどの器具はあるが、基本的にオートマチック拳銃の方が、 装弾数を多く取ることができ、また撃ちつくした際にも弾倉、マガジンを差し込む だけでいいので、明らかにオートマチック拳銃の方が簡便であるように思える。 つづく
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784 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 17:46:41 ID:jprT5stP0 - 「…何だっけ…ジャム?ジャムとかしたら不便だから」
「正解だ」 ジャム。基本的に弾丸は弾頭と薬きょうから成る。一度撃つと 弾頭のみが飛んで行き、薬きょうは残る。 オートマチック拳銃の場合、遊底、スライドと呼ばれる部分が 発砲した際の反作用で後退し、同時に空になった薬きょうを 機械的に弾き出す。 映画などでマシンガンや拳銃を連射するシーンで、金色の何かが 銃の横から弾き出されているシーンを見たことはないだろうか。 あれが薬きょうである。 一方で、リボルバー拳銃の場合、薬きょうはシリンダーに完全に 残る。それは、弾丸をまた込めなおす際に、射手が自分で薬きょうを 落とさなくてはならない。そしてまた新たに弾丸を込めるのだ。 こちらも映画などでよく見かける。撃ち終わった後、シリンダーを 横に出し、エキストラクターを押してからからと薬きょうを落とす。 ジャムとは弾詰まりのことである。また不発や薬きょうを排除する際の 動作不良の際、オートマチック拳銃は面倒だ。 遊底を自分で引いて強制的に次弾を装填するか、場合によっては一度 分解しなくては次の弾丸が撃てなくなる場合がある。 つづく
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785 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 17:55:56 ID:jprT5stP0 - その点、機構そのものが単純なリボルバー拳銃は有利である。
ハンマー(撃鉄。銃を撃つ際、親指でかちりと起こす部分)を起こす 動作をすれば、シリンダーが回転し、次弾へ移る。 不発弾が混入していたとしても、ハンマーを起こせばただちに次の 弾丸へ移行できる。 またダブルアクションの場合であれば引き金を引くだけでよい。 シングルアクションとは、引き金とハンマーが連動しない拳銃の事だ。 ハンマーを起こす、引き金を引く、という二つの動作で発砲に至る。 一方でダブルアクションとは、引き金とハンマーが連動し、引き金を 引くだけでハンマーが自動的に起きて発砲する。 ダブルアクションの方が便利ではあるが、正確性を考えると、引き金を 引く際に、どうしても重いハンマーを起き上がらせる力も必要な為に、 銃全体がぶれやすい。 よって正確な射撃をする場合は、ダブルアクションの機能を持つ銃に しても、一度射手がハンマーを起こし、シングルアクションと同じ手間を かける分だけ精度を上げることが望ましい。 的場リュウジは、アリサがまだ銃の扱いに不慣れな点、また確実性から 彼女にリボルバーを託した。 つづく
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786 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 18:06:34 ID:jprT5stP0 - また、手の大きさの問題もある。リュウジの持つベレッタ
などは、弾倉に十五発もの弾丸が入っている。それを グリップ部分に収めなくてはならない。弾丸は互い違い、 ジグザグのような形で詰まっているため、弾倉はその分 どうしても厚くなり、それを挿入するグリップ部分も肥大化 する。 手の小さい者には扱いにくいのだ。その点リボルバーは グリップが小ぶで握りやすさを追求できる。 更にリュウジは半ばアリサを監禁し、世界中のテロ組織、 軍事事情、政治情勢、経済状態を彼女に叩き込んだ。 更に志賀マサトを講師にロシア格闘術システマを学ばせる。 あれやこれや寝技らしいものもありアリサはかなり嫌悪感を 示したが、マサトはガチガチのホモであるから女などに興味は ない。 その点で全くやらしさはなかった。 アリサはかなり嫌々ながらあらゆる訓練をこなしていたが、 成長は目を見張るものがあった。 つづく
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787 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 18:17:19 ID:jprT5stP0 - 須藤アリサは性的快感を得られない身体だ。(第五十七夜 『陰の宴』 参照)
その点、セックスなどを全く求めてこないリュウジについては ありがたかった。 しかし一体何故こんなことをさせられなければならないのか、全く わけがわからない。ただ、自分でも成長を感じていた。 また面白いレクチャーもなきにしもあらずであった。 特に、拳銃の本当の有効射程などせいぜい五メートル程度、などという リュウジの実践に基づいた知識には驚かされる。 そして、ある日、リュウジから驚きの告白を受けるのである。 「俺を守れ」 何とも頼りない話ではあるが、リュウジの目的はそれである。アリサに バックアップをさせ、自分は取材に専念する。 アリサはむしろリュウジに守って欲しかった。しかし彼の目的もその頃には 理解できていた。自分の役割。 いつの頃からか、二人の間に恋愛感情はなくなっていた。須藤アリサは 何の委員会にも属していなかったので、新聞委員会に所属することになる。 訓練はほぼ終了に近づいていた。 つづく
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788 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 18:28:16 ID:jprT5stP0 - 的場リュウジは悩んでいた。須藤アリサのことである。
色々と教えては来たが実際に何者かの命を奪うという作業を させていない。いざ本番という際彼女に人が撃てるのか。 ちなみに的場リュウジと志賀マサトは殺人経験が実はある。 リュウジは自分の耳を欠けさせた麻薬シンジケートの人間など 十数名を自己防衛ながら射殺しているし、おなじく防衛と、犯罪の 予防という目的で志賀マサトも八人の人間を射殺及び撲殺 している。 しかしリュウジもマサトも初めて人間に向けて銃を放った際は、 非常に強いストレスを感じ、引き金をなかなか引くことができなかった。 ただ一人でも殺してしまえば割りと後は大丈夫である。 その点、初めて扱った銃でいとも簡単に人に向け発砲した木下サエ (第八十七話 『荒療治』 参照)を彼は高く評価していた。 とはいえ、いきなり人を殺すわけにもいかない。どうしても発砲 せざるを得ない状況を作る必要があった。ところが、アリサは、 人に向けて銃を撃つなど絶対にできないと言う。 試しに動物への発砲を命じたが彼女はそれすら拒否した。 つづく
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789 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 18:32:57 ID:jprT5stP0 - 「…グエン・ホアン・ロンが日本に来ている…」
「ベトナム人?」 国際情勢などを叩き込まれて名前を聞けば大体何処の国の 人間か判断できるほどの知識をアリサはもっている。 グエンはベトナム人に多い姓だ。 「…そうだ。ベトナム人の殺し屋だ…」 「殺し屋?何しに来たんだろう?」 「…分からんが…間違いなく観光ではないな」 「…暗殺…」 「それを取材する」 「待って。国内なら志賀君じゃないの?」 「危険すぎる。グエン・ホアン・ロンは超A級スナイパーだ」 「…遠距離射撃…」 「目標が誰かは分からんが撃たれた瞬間を収める」 「…」 つづく
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790 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 18:41:14 ID:jprT5stP0 - 志賀マサトならば、事前に狙撃を食い止める手段を
講じるはずだが、的場リュウジは違う。 リュウジにとってジャーナリストとは影に過ぎない。 誰が誰を暗殺すると知っていても、リュウジはそれを 阻止したり、当局に情報を流すようなことはしない。 事の成り行きをただフィルムに収めるだけだ。仮にそれで 誰か政府の重要人物などが死んだとしても、一介のジャーナリストで さえ入手できた情報を入手できなかったその国の情報機関の怠慢と 彼は考える。 「…援護を頼みたい」 誰かが狙撃する瞬間をカメラで押さえる。その際その行動をスナイパーに 悟られれば、スナイパーはターゲットの暗殺の次に、ジャーナリストを 消すことを考えるはずだ。 そうなればジャーナリストは二つのことを考えなければならない。 誰が狙撃されるのか。そして自分の身の保全。 「…分かった」 アリサの顔つきが変わった。 つづく
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791 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 18:49:12 ID:jprT5stP0 - 都内。高層ビルの屋上から、須藤アリサは怪しい人物の
姿を見た。 「…リュウジ。あそこ」 「…」 そっとケンコー社製の単眼鏡で確認する。 「グエン・ホアン・ロンだ…」 「随分おじいちゃんだね」 「ベトナム戦争当時から現役だからな…」 「ターゲットは?」 「アメリカの国務長官が日本に来ている…。狙い通りだ」 父の形見のニコンに望遠レンズをリュウジはセットした。 「…俺はあくまで狙撃される瞬間に集中したい」 「じゃああたしはグエン・ホアン・ロンを見てればいいの?」 「そういうことだ…だが…」 つづく
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792 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 18:54:02 ID:jprT5stP0 - 「?」
「グエン・ホアン・ロンがもしこちらに気付いて、攻撃してくるような ことがあれば…」 「…あたしが…?」 「できるか?」 しばらくアリサは考えて、ゆっくり頷いた。 「ドラグノフを持ってきている…組み立てろ」 既に分解された銃の組み立てなどは相当な速さでできるように なっていた。全く手間取ることもなく、アリサはドラグノフスナイパー ライフルを組み上げた。 「風が強いね…」 「…そうか?」 「グエン・ホアン・ロンのいる辺り。ビル風が立ち上がってる」 「…なぜ分かる?」 「音」 リュウジには全く分からなかったが、アリサは確かに吹き上がる風の音を 聞いていた。 つづく
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794 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 19:08:56 ID:jprT5stP0 - 「任せてもいいんだな…?」
「…撮るもの、ちゃんと撮って」 リュウジは屋上の端まで這っていって、カメラを下に構えた。 「…見えるよ。PGM URコマンド2…」 「御フランス製か…」 「こっちには気付いていないみたいだけど」 「狙いは?」 「…まだ…分からない…」 リュウジ、アリサは二十六階建てのビルに伏せた恰好でいる。対して グエン・ホアン・ロンは三十階建てのビルの屋上に堂々と立っている。 「立ち撃ち…!」 「まさか…」 通常であれば長距離のスナイピングに最も適した姿勢は伏せた姿勢で ある。最も安定する。今のアリサの状態がそれである。彼女の構える ドラグノフには、更に二脚(最もぶれやすい銃先端に取れつけられた脚)が 取り付けてあるので更に安定する。 つづく
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795 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 19:14:50 ID:jprT5stP0 - 対してグエン・ホアン・ロンは伏せもせず屈みもせずに
立っている。最も不安定な姿勢である。 しかしながら、外敵に急襲された場合、最も対処しやすい 恰好ともいえる。 伏せていては上からの攻撃、または横、後方からの攻撃に すぐ対処することが困難である。 「…立ったままだよ…狙いは下方。十時の方向」 「…」 「待って。下方だけど地面じゃない。高いよ。何かある?」 「…レストランか…!」 十時の方向のビルの十階に高級和食レストランが入っている。 狙いはどうもそこらしい。 「…構えた…」 「しくじった…」 「え?」 「ここからではレストランの中は撮れない…手前のビルが邪魔だ…」 「中止?」 つづく
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796 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 19:21:46 ID:jprT5stP0 - 「伏せて!」
アリサが無理矢理リュウジの頭を押さえつけた。 「…どうした!?」 「こっち見た…」 「…グエン・ホアン・ロンが、か…?」 「気付かれたっぽい…」 「まさか!あの距離から…」 グエン・ホアン・ロンのいるビルから、リュウジらがいるビルまで 距離およそ二五〇メートル。 「…こっちを…見てるんだな…?」 「…?」 「正面からグエン・ホアン・ロンを撮る…」 「無茶だよ!」 つづく
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797 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 19:28:38 ID:jprT5stP0 - ニコンをかまえたリュウジが膝立ちになった。
ファインダーから覗くグエン・ホアン・ロンは確かにこちらに 銃口を向けている。 遠い炸裂音と共にリュウジが倒れた。 「…速ぇ…」 胸部に被弾。出血量はされほどでもなく、血に気泡が混じっている わけでもない。 「…心臓も肺も無事。ただ弾が抜けてない…」 「…冷静だな…」 絶えず冷静でいろ。リュウジの申しつけをアリサは忠実に守った。 さんざん血みどろになった無残な遺体や戦死者の映像も見せつけ られた。 ただ、怒りはあった。パートナーを撃った者に対する怒りだ。 グエン・ホアン・ロンは完全に攻撃目標をこちらに移しているらしい。 少しでも目を上げるとこちらに狙いをつけているのが見えた。 つづく
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798 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 19:40:26 ID:jprT5stP0 - 「…須藤…撃て…奴を、殺れ…」
「…了解」 ただ相手はこちらの位置をかなり正確につかんだはずだ。 アリサは這ったまま屋上を東へ移動した。 風の音が聞こえる。 『…距離二五〇…目標手前で風が吹き上がってる… 二五〇メートルで7.62ミリ弾丸ってどれだけ落ちるっけ…』 狙撃。弾丸は当然ながら重力の影響を受ける。同時に風の 影響も受ける。狙撃手はそれらを全て計算しなければならない。 ましてや、ターゲット付近でどう風が吹いているのかは幾ら 視力がよくても判断できるものではない。聴力や視力を超えた 経験とセンスが必要である。 須藤アリサは立ち上がり様、適当に一発をグエン・ホアン・ロンに 向けて放った。 直後、あちらからも発砲音が聞こえた。 『…気温〇度の状態で音は毎秒約三三一メートル、温度が一度 上がるごとに毎秒約一メートルずつ速くなる…今の気温何度? あたしが撃ったすぐ後に向こうの銃声が聞こえたってことは、相手の 方が早く撃ったってことか…。あたしが適当に撃つより向こうが撃つ 方が早い…』 つづく
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799 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 19:45:50 ID:jprT5stP0 - アリサは適当ながらかなり正確に相手を狙った。
着弾点は自分が狙って位置より若干右下にずれたことを 瞬時に見ていた。 『…右下にズレた…少し左上を狙えば当たる…少し左上…』 しかしそこまで考えて震えて動くことができなくなった。 もし相手に当たったらどうしよう。相手を殺してしまったらどう しよう。人殺しになってしまうではないか。 しばらく躊躇しているとまたリュウジの悲鳴が聞こえた。 更に出血が増している。 『…まさか!』 屋上の縁に完全に隠れた恰好でリュウジはいる。当たるはずが ない。しかし彼は二発目の弾丸を受けていた。 「…いやぁっ!どうして!」 リュウジは苦しみながら空を指差した。そうか。そういうことか。 つづく
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800 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 19:52:29 ID:jprT5stP0 - 空に向かって弾丸を放つ。すると弾丸は放物線を描いて、
射出された時と同じ速度で落下してくる。 幾ら隠れていても遮蔽物を越えて飛んでくることはできるのだ。 ただ、それを狙って行えるかどうかは別として。 選択する時間はなかった。隠れても空から弾丸が降ってくる。 相手を始末するより抗う術はない。 アリサはドラグノフを抱えて立ち上がるとグエン・ホアン・ロンの やや左上へ向けて引き金を引いた。 スコープを調整する時間などなかった。スコープを望遠鏡がわりに 確認する。 相手は少しうろたえたようだがまたURコマンド2を構えなおす。 アリサはもう一度引き金を引いた。 グエン・ホアン・ロンがよろめいて、ビルの柵の向こうに消えた。 しばらく震える手でスコープを覗いていたが、もうグエン・ホアン・ロンが 現れることはなかった。 『…こ…殺しちゃった…』 つづく
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801 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 19:58:24 ID:jprT5stP0 - ドラグノフを屋上に置いた後も彼女は震えていた。当たった瞬間、
確かに何か手応えがあった。 弾丸は遠く、飛んでいって、こちらとはもう離れているのに、確かに 当たったことが分かった気がした。 「…須藤、退避だ…」 震え恐れても時間は待ってはくれない。ドラグノフを分解し、ケースに 収めて、リュウジに手を貸し、屋上から姿を消す。 人の命を奪ったことについて色々と落ち着いて考えることができたのは、 やっとその晩になってからだった。 しかもリュウジは一緒にいない。彼は怪我を癒す為そばにはいてくれ なかった。 罪悪感とも満足感とも違う何かと、アリサは一人で戦わなくてはならなかった。 つづく
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802 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 20:09:23 ID:jprT5stP0 - その頃的場リュウジは現金五十万円を持って、
岩倉ヒョウゴのマンションを訪れていた。 「いや、いいよ、別に何ともないし」 「…約束だ…金は置いていく。いらなければ捨てろ」 額に絆創膏を貼ったグエン・ホアン・ロンの姿形をした 岩倉ヒョウゴは少し困った様子で金を受け取った。 勿論彼に狙撃などできない。彼が撃ったのは空砲である。 リュウジは無傷だ。タイミングを合わせて血糊の入った 袋を適当に潰しただけだ。 リュウジはリュウジで、すまないことをしたという罪悪感としばらく 戦わなければならなかった。ちょうど傷が癒えたと思われる頃 まで。 つづく
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803 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 20:19:42 ID:jprT5stP0 - 十年後…。
都内。遊園地。メリーゴーラウンド前。ベンチに落ち着かない様子で 座っている男は、ある人物を待っていた。 「…そのまま。こちらを振り向くな…」 男はその声に驚いた。 「…あなたは…」 「…約束したはずだが…?」 「…すいません…まさか女性の方だとは…」 「…女では不満か…?」 「いや、とんでもない…」 「用件を…聞こうか…」 「…アメリカの国務大臣をスナイプして欲しいのです…」 話し終わると、了解した、とだけ言って女は消えた。煙草の 匂いだけを残して。 終
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805 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 20:22:49 ID:jprT5stP0 - ダメだー失敗。これ以上もたねぇwww
でもあと一話書けるほどの残量はない…。たくさんの感想を お待ちしています…ってこの話じゃなぁ…。 完全に趣味に走ってしまいますた(笑) 俺は楽しかったけどね。ただグエン・ホアン・ロン狙撃事件が 一体いつの話なのか想像できねぇww 多分もうアリサとかリュウジが中学卒業した後の話な気が…。 ほとんど外伝ですね。これは。
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806 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 20:23:35 ID:jprT5stP0 - 何だ国務大臣って…国務長官。間違った。最後のとこ。
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808 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 21:27:10 ID:jprT5stP0 - >>807
伏線ってわけじゃないけど…^^; ただ一つちょっと言わせてもらえば(スレ使い切るという意味も含めて) ちょーっとだけ心霊小説的というか推理小説的というか、まずなんで アリサらしき女スナイパーは一人で仕事を請け負うようになって しまったのか。 『リュウジのバックアップ』という仕事(?)はどうなってしまったのか。 また妙にアリサらしきスナイパーがクール(ゴルゴばり(笑))になって しまったのはなぜか。 そこを見てもらえると、一つの事実がぼんやりと浮かび上がって こないですか…。とても哀しいことですが…。 ただ、それが何かははっきり書いてない。はっきり書いてないので 正解なんてないんですがね。 十年もあれば色々あるよ、ということかな。 ちなみに12/26の出来事は >>780 までで、後のことは全て 作中時間でも未来です。だから仮に明日、アリサが出てきても まだ銃の扱いも何も知らない状態です。 彼女が新聞委員会に入ったのも3年生になってから。だから このシリーズがあと3ヶ月続いたらそのエピソードもまた出て くるかもしれんですね。 今日はちょっと未来を覗いてもらいました。
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810 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 21:33:13 ID:jprT5stP0 - そんなわけで、あくまでパートナーとして須藤アリサと
的場リュウジは出てきますが、恋愛要素は一切省いて あります。 いつ別れるか分からないので(笑) なので、リュウジのバックアップをしている=恋愛が 続いている、とは思わないで下さい。 語られなかった訓練期間中にもしかすると恋愛としては 終わっているのかもしれない。 だからキスもセックスも出てきません。 明日には別れちゃうかもしれんです。恋愛的には(笑) ただ仕事上のパートナーとしては少なくともグエン・ホアン・ロン 射殺事件までは続いているわけですな。その頃にはアリサには 別の彼氏がいるのかもしれない。もちろんリュウジにも。 それもはっきりとは明記してありません。
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811 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 21:35:00 ID:jprT5stP0 - >>809
そんなに!? あと一話ぐらいいけるのか…あーでも 原稿用紙4枚分?微妙www
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812 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 21:41:58 ID:jprT5stP0 - ____
/__ o、 |、 ( ´・ω・) .| ・ \ノ □ ) .| ・ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ジャー ____ つ/__ o、 |、 ( ´・ω・)ノ .ii | ・ \ノ ( □| ・ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (´・ω・`) ζ ( )つ □ どうぞ
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814 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 21:49:32 ID:jprT5stP0 - えーしょうがないから面白い話でもするか。
こないだ病院行ったんです。病院。 んで待合室にソファがあるんですね。ソファっていうか 長椅子?でもちゃんとクッションの効いたヤツです。 そしたらね、もう破れてバネか飛び出してる。 びょいーん。 哀しい話でもするか。 あのね、本当のこといいます。私、仮性包茎です。 本当なんですよ。 えー…と…明日、だれか、回転寿司に行かないか?クルマ 出すよ!おごれないよ!女性限定!お昼に。 こんなんじゃ1000文字稼げない。;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
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- 【エロ】山形先生Part6【オカルト】
6 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 21:59:29 ID:jprT5stP0 - ユタカが立派な成犬に…(笑) まだ生まれて半年も経って
ないけど…犬ってどうなんだ?←本当は犬怖い人。仔犬も苦手…。
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- 【エロ】山形先生Part6【オカルト】
8 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/26(日) 22:58:40 ID:jprT5stP0 - >>7
小2ぐらいの時、当時の自分よりデカい犬に追いかけられて 以来苦手…。ねこは大丈夫。
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