- 【エロ】山形先生Part5【オカルト】
476 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 00:09:38 ID:pPRXoOck0 - さてここらで怖い話でもするか。
女がいた。女には夫がいる。今日は夫の誕生日だった。しかし特に プレゼントをするものもなかった。 つづく
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477 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 00:20:28 ID:pPRXoOck0 - 彼女は考える。そうだ自分をプレゼントしよう。夫が日頃から、
看護婦の服装、いわゆるナース服に、変質的な興味を持っている ことを思い出した。 彼女はどこからか、ナース服を仕入れてくると、会社勤めから帰宅 する夫を待った。 玄関のチャイムが鳴る。 時間的に夫で間違いない。彼女はカメラ付きインターホンのモニターも 確認せずに、玄関にナース服のまま飛び出していった。 しかしドアの向こうにいたのは、宅配便の配達夫だった。 こんな時間にとも思ったが、仕方がない。彼女は下駄箱の上の小箱から 判子を出すと、印鑑を押した。 しかしそのまま配達夫は帰らなかった。 照れもあって、ろくに顔も見ていないが、見上げると好色な視線をこちらに 向けている。 ナース服といっても本格的なものではなく、いわゆるコスチュームプレイ用の 丈が短い物で、白く、見るからに柔らかなももが大きく覗いている。 配達夫は後ろ手にドアを閉めると、そのまま彼女を押すように室内へ入ってきた。 つづく
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478 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 00:26:28 ID:pPRXoOck0 - 「や…ちょ…何ですか?」
「重いですから。奥まで運びますよ」 「結構です。自分で…」 「サービスですから」 有無を言わさず配達夫は強引に押し入ってくる。それを押し返そうと彼女が 踏ん張ると、ずるりとスリッパが滑り、そのまま押し倒されるような形になった。 裾はめくれ、今日の為の黒い性欲を煽り立てるような下着が一瞬、見えた。 無論、夫へのプレゼントの『一部』である。 慌てて裾を正し、立ち上がろうとすると、配達夫は荷物を乱暴に投げ出し、 挑みかかってきた。 「きゃあっ!やめて下さい!」 「…そんな恰好してるお前が悪いんだよ…」 息も荒々しく彼は首筋に、荒れたくちびるを滑らせた。無精ひげがちくちくと痛い。 「やめてっ!いやっ!」 つづく
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479 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 00:36:19 ID:pPRXoOck0 - ももに硬いものが当たる。配達夫は既に勃起しているようだった。
彼女は夫の帰宅を願ったが、そうタイミングが合うものではない。 配達夫は短い丈の裾から手を入れ、用意に陰部をもてあそんだ。 口を吸われ、乳房を揉みしだかれる。 「あれ…奥さんノーブラなんだ…?」 「お願い…もうやめて…やだぁ…」 夫の為と思ってしたことが全て裏目に出た。しかも彼女なりに今日は 夫との濃厚なセックスをする為、自分なりに気分を盛り上げていもいた。 力強い配達夫に蹂躙されながら、彼女は次第に女になっていく。 「あっ!そこだめ…だめなのぉっ!」 女としての欲情と、妻としての貞淑の戦い。それでも夫は戻ってこない。 「へへ…奥さんは、乳首が弱いんだな…」 薄いナース服の上から、男のおぞましい舌の感触が襲う。敏感な乳首の上に なにか奇妙な生き物が這い回っているような快感に、彼女は全身総毛立った。 「はっ…あぁん…」 つづく
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480 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 00:43:06 ID:pPRXoOck0 - 次第に心が折れる。頭のどこかに、このまま犯されてしまいたい自分が
いる。 「そんなの…こんなのいやぁ…っ…」 泣いているのは男に屈したからではない。自分に屈したのだ。彼女は もがき抵抗しながら求めていた。力強い横暴を。快楽による侵略を。 「濡れてるぜ奥さん…」 「や…言わないで…」 「ほら、こんなに…」 配達夫の人差し指と親指の間に、粘液が糸を引いている。彼はそれを 女に見せ付けた。恥ずかしげに顔を背ける女を満足そうに見下ろしながら、 自ら全裸になる。 下腹部には巨大に膨れ上がった肉茎がそびえ立っている。 「おら、これが欲しいんだろ?」 恐怖に何もいえず、ただ首を激しく横に振る。 「しゃぶれ…おら、舐めるんだよ!」 つづく
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481 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 00:51:13 ID:pPRXoOck0 - 髪の毛を乱暴につかまれ、口に肉棒を押し付けられる。
彼女は恐る恐る口を開いて、それを口に含んだ。 「そうだ。それでいい…うまいだろ?うまいって言えよ」 彼女は何も言わなかった。配達夫は彼女の頭を抑えて、前後させながら 自分も腰を振る。ねっとりと暖かい若妻の口が、彼に快楽をもたらす。 「…んっ…んっ…」 ただ苦しげにペニスを口でしごく女。配達夫は一瞬絶頂を迎えそうになり、 ペニスを口から抜いた。女はぐったりと床に突っ伏す。 彼女の下着を剥ぎ取ると、彼は彼女のふっくらと盛り上がった陰部に舌を 這わせた。 「…!…あっあぁ!だめっ!許してっ!だめぇ!だめぇぇっ!」 「こんなに濡らして何言ってんだ?」 女の匂い立つ茂みに顔を埋め、彼は深く舌を差し入れた。谷間を指で広げ ながら。 のけぞりながら女は抵抗とも歓喜もいえない声をあげる。 つづく
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482 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 00:56:37 ID:pPRXoOck0 - 「い…いやぁ…あっあぁん…はぁ…らめ…あっ…そこ…」
「そこがなんだ…ん?」 「んっ…あぁ!そこっ!そこがいいの…いいのぉっ!」 小さく隆起したクリトリスに、硬くした舌先を押し付ける。彼女は抵抗する つもりで男の頭に添えていた手に力を入れた。押し返すのとは逆に。 自分に引きつける方向に。 「はぁっんっ…そこっ…もっと…もっとぉ…」 「どこがいいんだ?」 「おまんこ…」 「聞こえないな…」 舌の力を弱める。 「あぁ…やめないで…もっとおまんこ舐めてっ!おまんこいいのぉ…」 再び快感が襲った。 つづく
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483 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 01:05:20 ID:pPRXoOck0 - 「もう…もうがまんできない…ほしい…ほしい…」
もう自分が何を言っているのかすら女には理解できなかった。 「あ?何が欲しいんだ?」 してやったりという表情で男は茂みから顔を上げる。口の周りは 愛液で濡れていた。 「…おちんちん…おちんちんほしい…」 「へへ…こりゃいいや…。もっと言ってみな。どこに何が欲しいんだ?」 「…やぁ…おま…おまんこにおちんちん欲しい…やらしいおまんこに、 おっきいおちんちん下さい…」 はしたなく、股を開いて、夫以外の、出会ったばかりでろくな会話をしたことも ない男を求める。夫にさえ見せたことのない痴態である。自らももの下に手を 入れ、胸の方に引き寄せて、ぱっくりと女性自身を見せている。 そこを男の肉棒が貫いた。 「…ぁああっ…もっと…もっと優しく…」 つづく
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484 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 01:15:44 ID:pPRXoOck0 - しかし男は乱暴だった。肉打つ音を響かせながら、腰を振る。
膣の奥を叩かれる度、彼女は大きな喘ぎを漏らした。 「…あっ…あぁっ…いっ、いぃ…いいのっ…ちんちんすごぉい…」 男は無言のまま、息も絶え絶えに腰を振り続ける。冷たく、硬い床の 上で、心地よさなど一つもないはずなのに、女は今までにない快感を 覚え、自ら腰を振っていた。 もう抵抗することもないだろうと起き上がらされ、後ろから、犬のように 犯される。 深々と男の陰茎がヴァギナをほじった。 「あぁっ!すごっ…すごいの…奥まで…奥までぇっ…!おまんこ… こわれる…こわれちゃうよぉっ!」 腕に力が入らず、ぐったりと上半身を床に落とす。乳房が横にはみでる ようにつぶれ、高々と持ち上がった腰に、更に男は容赦なく喰らいつく。 「…あっ…く…あぁ…ああっ!」 つづく
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485 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 01:22:44 ID:pPRXoOck0 - 女を引き起こし今度は上にして、下から責める。
快感に彼女は嗚咽をもらし、自らの乳房を強くにぎった。 「やらしいな奥さん…だんながうらやましいぜ…」 「あっ…あっ…いやぁ…」 旦那。そう夫がいた。まだ帰らない。今は帰ってこなくていい。 こんな自分は見せられない。見せられないし、邪魔もされたくは なかった。 もう彼女は一人の女に堕ちていた。 更に体位を変えて、上からのしかかるように責められ、深く、鋭く 何度もえぐられて、絶頂を迎える。 「あぁ…らめ…いっちゃ…ぅ…いっちゃ…あっ…あ!…あぁ!」 気付けば一人、廊下に寝ていた。ふと、手を伸ばすとへその辺りに ねばついた大量の液体がこぼれている。 精液だ。配達夫は消え、夫もまだ戻らない。 女は荒い息をしながら、また、目を閉じた。 つづく
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486 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 01:29:17 ID:pPRXoOck0 - 山形アカネは、頬杖をついて煎餅をかじりながら、面倒くさそうに机に
置かれたDVDプレーヤーのリモコンを操作した。 トレイがゆっくりと飛び出す。 布巾で軽く手を拭くと、彼女はDVDを丁寧に取り出し、パッケージに 収めた。 横には緩衝材の入った封筒がある。兄、ユウジロウ宛てである。 他に二枚のDVDが入っていた。 『狙われた病棟 看護婦陵辱24時』 『ナース20連発 得々パック』 今、見ていたのが 『若妻ナース 濡れた白衣の上で…』 丁寧に封筒へDVD三本を収めると、元通りに梱包しなおし、彼女は 出かけていった。 つづく
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487 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 01:35:33 ID:pPRXoOck0 - 彼女が戻って、夕食の支度をしていると、ユウジロウが帰宅した。
「ただいまー」 「おかえりお兄ちゃん。何か荷物来てるよ?」 「あぁ。うん」 「机の上にあるから」 「今日、飯は?」 「ごめん。時間なくて。やきそばにしちゃった」 「ああいいよ簡単で。やきそばか。ビールあるかな?」 「あるある。一番絞り!」 「やっぱり一番絞りだよな!」 「…広告料ってもらえないのかな?」 「…スポンサーがつく小説って聞いたことないな…。ベレッタあたりは かなりいい宣伝になってるんじゃないか?的場のおかげで」 「…そんなもんどこで買うの…?」 つづく
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489 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 01:42:43 ID:pPRXoOck0 - 夕食食べながら一番搾り。食前酒も一番搾り。夕食を済ませ、テレビを見つつ
二人でキリン一番搾り。キリンの一番搾りを少しやりながら、一番搾りを飲み 終わって、一番搾りの缶を片付け、一番搾りのほろ酔いを感じながら、やはり キリンの一番搾りだよな、と一番搾りに思いを馳せつつ、また明日も一番搾りが 飲みたいなと、少ししつこいぐらいに一番搾りのことを考えながら、ユウジロウは 大事そうに、封筒を抱えて自室にこもった。 『…えへへ…お兄ちゃんが今ハマってるのはナース服なのか…』 山形アカネは入浴を済ますと、先ほどアダルトグッズも扱っているディスカウント ストアで購入したコスチュームプレイ用のピンク色のナース服を来て、兄の部屋を ノックした。 ユウジロウ、慌てて鑑賞中のDVDを止め、イチモツをしまう。 「なんだー?
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490 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 01:43:13 ID:pPRXoOck0 - (ごめん。途中で送信しちゃった…)
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491 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 01:47:39 ID:pPRXoOck0 - 「ちょっと入っていい?」
「…ん…」 ユウジロウ、身の回りに何か証拠が残っていないかと確認する。 とっくに変態であることはばれているのだが、それでも何となく 気恥ずかしい。 「いいよー」 そこにいたのはナース服のアカネだった。 「( ゚д゚)…ミラレテタノカ!」 ユウジロウ情けない気持ちでいっぱいになりながらも勃起。泣きながら アカネを抱いた。 自己嫌悪の重圧に苦しみつつ。ユウジロウ、果てる。 終
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492 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 01:48:46 ID:pPRXoOck0 - なんだこの話ww
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494 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 07:07:49 ID:pPRXoOck0 - >>493
一部縦読みしても『一番搾り』が出てくるのもポイントです(笑) 変な話ですいませんでした。 何というか、もう少し女の怖さ+恥の怖さみたいな、ちょうど トオルとサエのプレイを父親に見られたみたいな感じですかね。 あれに、郵便物を知らないうちにこっそり見られる恐怖、というの ですか。メールや着信履歴なんかでもそうですよね。なんか 疑わしいことってあると思うんです。生きてれば。 そのへんをアカネは、特に怒るわけでもなく『研究材料』として 見て、兄を喜ばそうと思ってやったことなんだけど、男の方から すれば恥ずかしいことでしかない、という。あら見てたのね、的な。 そういう部分の恐怖をエロも交えて面白く書けるかなと思いましたが ポカしました。 私には奥さんいないですけど、例えばいつの間にか自分のフェティ シズムみたいな部分を見破られるのって怖い気がするんですよね。 『どこでその情報を!?』みたいな。 題材としては大変興味深いんですが失敗ですね…。ポカですよ。 駄目だな…。駄目だ。なってない。 せめて笑って頂けたのが幸いです。ありがとうございました。
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496 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 22:20:37 ID:pPRXoOck0 - さてここらで怖い話でもするか。
軽子沢中学校、二年B組霧原トオルは家に帰っても両親はほとんどいない。 両親ともに別の会社の経営者で世界を飛び回っている。 つづく
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497 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 22:31:19 ID:pPRXoOck0 - 幼い頃からそんな寂しい生活をしていた。家の清掃や洗濯、
炊事をしてくれる、いわゆる『お手伝いさん』を雇ってはいたが、 どういう契約になっているのか、午後五時頃には帰ってしまう。 夕食は一人寂しく、電子レンジで温めて食べる。 小学生の頃まではそんな『お手伝いさん』も毎日いてくれたもの だが、今では三日に一度ほどしか来ない。来てもするのは掃除、 洗濯だけで、それが終われば午前中にも引き上げてしまう。 トオルが登校した後にやって来て、下校する頃にはいないので 全く存在を感じない。ただ選択かごに溜まっていた洗濯物はきれいに 片付き、部屋も同様なので、ああ来たのだなと分かる。 朝食や、夕食は、トオルが好きなものを自分で勝手に食べるように していた。その為、両親は毎日五千円ずつの計算でトオルに食費を 与えていた。月三十日で十五万である。それとは別に月一万円の 小遣い。携帯代やインターネットにかかる代金などは親の銀行口座から 落ちるようになっている。 朝、晩食べても五千円などいくはずもなく、せいぜい千円いくかいかないかで、 毎月相当額が余るのだが、それでも毎月十五万は食費としてもらっていたので、 トオルの貯金は十四歳にして二百万以上ある。 つづく
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500 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 22:41:49 ID:pPRXoOck0 - しかも食費として与えられているが、何に使っても自由なのだ。
ある意味トオルの留守番代である。 それでも毎日一人で食べる夕食は寂しかった。賑やかなテレビなどを 見ながら食べるが、楽しそうなブラウン管の向こうの世界と、こちらの 世界のギャップがかえって辛かった。 だからトオルはよく山形家に世話になることがある。アカネの作る夕食を 食べ、場合によっては泊めてもらう。その度トオルは一日の食費として 与えられた五千円を丸々山形家に納めていた。 高すぎる金額だが、トオルが是非というので、アカネは彼の心情を察して 何も言わず受け取るようにしている。孤独の寂しさを解消するということが 金銭では変えがたいものだということをアカネは知る。 彼女はトオルの気持ちとしてその五千円を受け取っていた。 そんな寂しい生活をしばらく続けていたものだから、霧原トオルはテレビ ゲームの類が上手い。ハードもほとんど持ち合わせている。 食費の余りをゲーム代にあて、難解なゲームを解いては売り払うか、 友達に半ばあげるように貸し与えて自分はまた新しいゲームを購入する。 しかし、もともとおっとりとした性格が災いしてか、アクションゲームや 格闘ゲームは苦手だった。 つづく
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501 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 22:51:06 ID:pPRXoOck0 - もっぱらやるとすれば、ロールプレイイングゲームかパズルゲーム、
シミュレーション、アドベンチャー。しかし、何日か前、大作のロール プレイイングゲームをクリアしてしまって以来、するゲームがなくなった。 ちょうどクリスマス商戦を前にして、各メーカー発売時期の調整に入った のだ。 基本的に、終わらせたゲームは売るなり貸すなり処分してしまい、再び 遊ぶことができない。 保管しておけばいいのだが、彼の両親はゲームに否定的な上、原則として 十五万円はあくまで食費なのだ。それをゲームにあてていると知れれば 何かしらの罰がある。トオルはそれがいやだった。 あくまで自分が自由に使っていい小遣いとしてもらっているのは一万円なのだ。 しかも親は連絡もなしに突然帰宅する場合がある。 だから、部屋中ゲームソフトだらけにしておくわけにはいかなかった。 翌朝、トオルは、クリアしたばかりのロールプレイイングゲームをケースに 収め学校に持っていった。 つづく
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504 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 23:03:47 ID:pPRXoOck0 - 余り仲がいいわけではないが、ゲームの情報交換をする知人がいる。
同じB組の電算機同好会所属、富山ハジメだ。 ちなみに『富山』は、『トヤマ』ではない。『トミヤマ』と読む。 彼はゲームやパソコンなどに詳しく、トオルの持っているパソコンも 彼が作ってくれた。 富山ハジメはトオルとは正反対で、父がリストラにあい、母親のパートが 主な収入源という苦しい生活をしている。パソコン、ゲームマニアとしては 経済力がないというのはかなり苦しい。 その辺りでトオルと利害が一致していた。 トオルは彼にソフトを貸すことで事実上ソフトを処分し、彼は多少遅れ馳せ ながらも人気ゲームを手に入れることができる。 その代償として新しいゲームの評判や、新作の情報をトオルに流して やったり、経費最低限で自作パソコンを作ってやったり、不具合が出れば 修正、修理をしてやるなどしていた。 トオルは彼にロールプレイングゲームを渡し、何か面白いゲームはないかと 訊ねる。 (作者注:今まで『ロールプレイイングゲーム』と表記していましたが、 一般的に『イ』はダブらないようですね…。以後『ロールプレイングゲーム』で 統一します。まつめサイト掲載の方、よろしければ修正願います。そのままで あれば後で私が修正します。すいませんでした) つづく
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506 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 23:09:45 ID:pPRXoOck0 - 「今はないねぇ…あと十日も待てば出るけど…」
「…そう…」 仲がいいというわけではない。話す内容といえばゲームの話だけ。 何もなければ一月近く何も話さないこともあった。 「ああ、ウチの部員の間でちょっとだけ流行ったゲームがあるな」 「何ゲーム?」 「パズル…アドベンチャー…かな?何か変なゲームでね。普通には 売ってない。裏ゲーム」 「裏…」 「エロゲじゃないよ。そういうのじゃなくて、なんか中国だか韓国だかで 作られたゲームを誰かが翻訳したとか、日本のゲーオタが一人で 作ったとか、なんかよく分かんないけどアキバにあったって」 「へぇ…面白いの?」 「面白いというば、ね。ただムズいし、イライラするよ。やってみる?」 「他にやるのないから…」 つづく
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- 【エロ】山形先生Part5【オカルト】
508 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 23:15:31 ID:pPRXoOck0 - 「じゃああとで借りてくるよ」
帰り際になって、やっとそのゲームはトオルの手に渡った。 驚いたことに、まっさらなDVDソフトである。ただ虹色に輝くばかりで 何も印刷されていない。 「え、説明書とかないの?」 「なくてもやれば分かるよ」 聞けば、電算機同好会の誰もが解けず途中で投げ出しているという。 少しホラー要素があるから気をつけてとだけ言われた。 クリアしたくてもネット上にも攻略情報はなく、クリアした人間はいない、 もしくは元々クリアできないようになっているとの噂だそうだ。 「…」 心持ち、難しいだけでつまらなそうだとトオルは話だけ聞いて思った。 つづく
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509 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 23:21:12 ID:pPRXoOck0 - 家に戻り、部屋着に着替えると、本体に入れる。本当に
こんな違法コピーのような製品が動くのかと思えば確かに 画面に文字が表示された。 『これはゲームである』 随分と長い間その画面を見させられる。適当にコントローラーの ボタンをがちゃがちゃと押すが表示は変わらない。 「いきなりバグ…?」 そう呟く頃になって表示は唐突に変わった。 『Doors』 ゲームのタイトルらしい。スタートボタンを押す。 画面はドアが一つだけある狭い部屋だ。十字キーで、部屋の上下左右を 自由に見回すことができる。 ドアノブにカーソルを合わせて適当にボタンを押していると 『鍵がかかっているのか開かない』 と表示された。 つづく
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510 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 23:28:48 ID:pPRXoOck0 - 部屋の至るところに、何か用途不明のアイテムが落ちている。
ラジカセ、乾電池、ガビョウ、クリップ、フロッピーディスク…。 ああ、とトオルは思った。要するに脱出ゲームだ。アイテムを 色々と組み合わせて道具を作ったり、ベッドの下や机の裏など 分かりにくい場所を探したりして、部屋を脱出するのが目的だ。 ラジカセと乾電池を組み合わせるとラジカセが動き出す。それに カセットテープを入れ、再生すると、謎のキーワードを言う。 部屋にあるパソコンフロッピーを入れるとパスワードを要求されるので 先ほど聞いたキーワードをそのまま入力する。 するとフロッピーに入っていたデータは特殊な温度になった時だけ、 その色を現す不思議な染料についてのデータだった。 ベッドの上の枕の下から手に入れたエアコンのリモコンを操作し、 その温度に室温を上げると、壁にまた謎の文章が現れる…。 そんなことを繰り返しながら鍵を入手しドアを開ける。 ドアは次々に現れ、容易に鍵を入手できる部屋もあれば難解なものも あった。 また記憶力を試すかのような仕掛けもある。 つづく
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511 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 23:35:43 ID:pPRXoOck0 - あるスイッチを押すと、壁に取り付けられた九つの電球が
ある順番に点灯する。その順番を正確に覚え、今度は、 部屋の壁に空いている穴の奥にある操作パネルで、先ほど 光った通りの順番でスイッチを押すのだ。 『…確か、右上、真ん中、左下、真ん中上、真ん中下…』 と順調に押したところで、突然今まで何の音もしなかったのに 男の叫び声が聞こえ、手首から先を失った男が床をのたうち 回る映像が出る。 これにはさすがに驚いた。心臓に悪い。 どうも順番どおりにスイッチを入れないと、壁の穴にはギロチン状の 仕掛けがしてあって、手首を切断されるらしい。 『少しグロがあるから気をつけろよ…』 富山ハジメの言葉が思い出された。 またその部屋からスタートである。何度か失敗したが、基本的に 完全なゲームエンドはないらしい。何度死んでもその部屋から 始められる。 ただ逆にセーブ機能もない。電源を落とせば最初の部屋からだ。 つづく
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- 【エロ】山形先生Part5【オカルト】
512 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 23:41:32 ID:pPRXoOck0 - トオルはメモを取りながらゲームを進めた。
三十部屋目をクリアした頃には深夜三時を回っている。 さすがに寝たほうがいいと思い、彼は電源を入れたまま眠った。 翌朝、もしお手伝いさんが来て、電源を切られたら堪らないと、 ゲーム機本体に、 『さわらないで!コンセントもぬかないで!』 とメモを貼り付けて登校する。 教室に入ると、先に登校していた富山がにやにやとこちらを見ていた。 「どう降参?」 「いや。まだ。30部屋目。全部で何部屋あるの?」 「分からない。電源落とすたびに最初の部屋からスタートすると思ってる でしょ?」 「?違うの?」 「ランダムなんだ。電源切る度別の部屋から始まる」 「…最低…」 つづく
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514 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 23:47:40 ID:pPRXoOck0 - つまり、トオルが何時間かしてクリアし、たどりついた三十部屋目。
場合にによってはそこがスタート地点にもあり得るというわけだ。 「たまにドアが二つも三つもある部屋があるよね?」 「それもランダム。どの部屋がどの部屋につながってるかは関係ない。 だから最初の部屋にいきなり戻されることもあるし、でも次の部屋は 違う部屋かもしれない」 「…マップも作れない」 「そういうこと。ただ部屋ごとの攻略法は変わらない。アイテムの位置も 一緒。で、誰もクリアできない」 ばつが悪そうに彼は笑った。 山形ユウジロウの担当する『情報倫理学』の授業中、気になってトオルは こっそりと『Doors』について検索してみた。確かに存在を示す情報は いくつかあったが、評価は低く、『難しすぎ』、『二日で飽きた』、『クソゲー』と いう扱いだった。ちなみに『クソゲー』とは『くそゲーム』即ち、つまらないゲームと いうことだ。 部屋と部屋のつながりがランダムならば攻略法の書きようもないだろう。 やる度に状況は変わり、部屋が全部で何部屋あるのかさえ不明なのだ。 つづく
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516 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/11/16(木) 23:54:36 ID:pPRXoOck0 - トオルは他にすることもないので、自宅に戻ると、そのまんまの
状態で待ち受けている『Doors』に取り掛かった。 ジュースとスナック菓子を買い込んで。 『あれ…』 見覚えのある部屋に来る。 『戻されたか…』 しかし部屋の構造はそっくりだが仕掛けが違う。どうも扱いとしては 別の部屋のようだ。 何部屋、渡り歩いたか。攻略メモも乱雑になり、何が何だか分からない ありさま。 深夜四時。早朝といってもいいだろう。しかしトオルはゲームを続けていた。 意地というか、負けず嫌いの性格がここで出てしまった。 『…日本のゲーオタが一人で作ったとか…』 一人で作ったとすれば一対一だ。相手が製作者集団であれば敗北も認めるが 一人で作り上げたものを一人でクリアできないのは悔しかった。 つづく
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