- : 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
640 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 01:45:41 ID:2EMbhzni0 - さてここらで哀しい話でもするか。
軽子沢中学新聞委員会委員長、的場リュウジは文具店で、写真を飾る、 フォトフレームを求めた。飾り気のない、地味なものである。 つづく
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641 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 01:58:58 ID:2EMbhzni0 - そこに、何ヶ月か越しでやっと決心して焼いた写真を収め、自分のデスクに
置いた。 隣には、どこかの国の兵士に囲まれ、どこかの国の、ビールか何か、酒瓶を 手に掲げる笑顔の男の写真が、やはり似たようなフォトフレームに飾られて いる。 彼の首から下げられたカメラは、今はリュウジの手元にある。写真の男は彼の 父だった。 二枚の写真を眺めながら、彼はジムビームをグラスになみなみと注ぐと、一気に 覆って、アルコールくさい溜息を吐く。 そして、今年の夏の、ある出来事を思い出していた。 山形ユウジロウからの電話。 「会ってほしい人がいる」 確か、そんな短い電話だった。 出かけた先は病院で、そこで彼女と会った。一年生の時に同じクラスだった藤谷ユミ だった。二年になり、クラスは変わって、今はA組、つまりユウジロウが担任を務める クラスの生徒になっていた。 つづく
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643 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 02:07:27 ID:2EMbhzni0 - 一年の頃も病弱で、余り学校に姿を見せず、休んでばかりいた。
その時よりも更にやつれた印象を受ける。 何故自分が呼ばれたのか意味も分からずにいると、ユウジロウは ロビーに彼を連れ出して、訳を説明した。 彼女は難病に侵され、いつ死ぬとも分からない身であるらしい。 そのことは幼い頃から分かっていて、現に今まで生きてこられたのが奇跡と いっても過言ではないそうだ。 彼はてっきり彼女のことを取材して、校内新聞の記事にしろとでも言い出すのかと 思ったが、そうではなく、実は彼女。的場リュウジに一年の頃から恋心を抱いている らしい。 いつ死ぬやも分からぬ身、せめてもの思い出に、デートの一つでもしてやれないか。 それがユウジロウが彼を呼び出した理由だった。 彼は当然のように断ったが、事もあろうに、彼女の両親までもが現れて、懇願された。 柄にもないこと。デートなどしたこともない。何をしていいのかさえ分からない。 そもそも的場リュウジ、十四歳にしては女性経験は確かに豊富であったが恋愛経験は 全くない。どれも東南アジアや南米で、売春婦相手に性交渉をしていただけに過ぎない。 彼自身、初恋すらまだだった。 つづく
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644 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 02:15:58 ID:2EMbhzni0 - しかし涙ながらに頼み込む藤谷ユミの両親を見ていると、さすがに
心が痛んで、とりあえず一度だけならと了承してしまった。 医師は体力がもたないと反対したが、両親の説得に負け、彼女の 外出を認めた。 彼女も幼い頃からそんな状態であるから、好きな人と一緒にでかける などしたことがあろうはずもなく、また同級だった一年の時も、まともに 挨拶したことすらない二人である。 両親から、お願いしますと、三枚の一万円札を受け取ったが、何を話す べきか、何をするべきかも分からずとにかく病院からタクシーに乗り、 駅に向かった。 車中、彼女はしきりに謝った。親が気を使って、何かしたいことはないかと、 毎日しつこく言うものだから、つい口に出してしまったらしい。 男の人とデートがしてみたかった、と。 そうなると当然相手は誰がいいかという話になる。そして彼女は憧れていた 彼の名を出してしまったらしい。 自分とは正反対。体力と精神力に満ち溢れ、世界中を所狭しと自由に駆け巡る 彼が羨ましかったのだと言う。 つづく
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645 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 02:26:05 ID:2EMbhzni0 - 愛に発展するかどうかはともかく、恋は意外と単純に始まる。自分に
似た部分を見るか、自分にない部分を見るか。 彼女は彼に自分にない部分を見たのである。 彼女は、リュウジに色々な話を聞きたがった。特にもう自分が行けないで あろう世界の話。名前だけでしか聞いたことのないアメリカ、中国、ヨーロッパ、 アフリカ。それらが本当はどういった所なのか、彼女は知りたがった。 リュウジは分かる範囲で説明をした。小難しい話や物騒な話は抜きにして、 あそこで食べた何という料理は美味かったとか、アジアのあるホテルでは蚊の 集団に襲われてひどい目にあったとか、そんなどうでもいいくだらない話を 言って聞かせた。 やっと心がほぐれたのか、彼女は動物園に行きたがった。しかし動物園といえば 当然歩いて中を散策する。体力的にどうかと思ったが、彼女はどうしても動物園が いいと言った。 実は的場リュウジ、動物園など行ったことがない。 興味もあって、都内の動物園に電車で向かった。 車内は混んでいたが、彼は、シルバーシートに座る若者に、ユミが病気で余り体力が ないことを丁寧に告げ、席を譲ってもらうなどした。彼らしくない行為だがその心使いが ユミは嬉しかった。 つづく
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646 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 02:39:55 ID:2EMbhzni0 - 動物園は駅から少し距離がある。リュウジは彼女にかなり気を使っている
ようだった。 しきりに大丈夫か、と声をかけてくるが、彼女は息を荒げながらもついて来た。 動物園でチケットを買い、真っ先に休憩する。気を使っている部分もあるが、 無理をするよりは休めるうちに休んでおく、というリュウジの戦場で身につけた 癖のようなもので、特別気を使っているというわけではない。 休憩所で高いジュースとホットドッグを食べながら、リュウジは彼女の近況を 聞いた。 「…生きていたい気もするけど…入院するとお金もかかるし、親には迷惑 かけたくないし…。親もそろそろ死ねばいい、ぐらいに思ってるんじゃないかな…」 親が娘に死ねばいいと思う。そこについては否定したい気持ちもあったが、 リュウジは敢えてそこは無視した。 「…国からの助成金みたいな制度があった気がするが。一年間の医療費が一定額を 越えたらあとは国庫が負担してくれるような…」 「うん。よく知ってるね。あるみたいだけど…。とりあえずのお金がないんだよ…」 一年間である一定額以上の医療費がかかってしまった場合、申請すれば、後の金額が 戻ってくる制度はある。しかし、それは、あくまで、申請した後、つまり、医療費を支払った 後に、返金される制度で、それ以前に払う経済力がなければ意味がない。 借金で医療費を支払ったとしても、戻ってくるのはあくまで医療にかかった金額だけで、 借金した際の利子までは面倒を見てくれない。 つづく
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647 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 02:48:46 ID:2EMbhzni0 - 当然既に入院している彼女が民間の医療保険に加入できる
はずもなく、とにかく彼女の存在が、藤谷家の経済的負担に なっていることだけは間違いがなかった。 二人は動物を見て回った。ユミは以前幼稚園の頃に来たことが ある。 リュウジは初体験で、その上、アフリカなどにも取材に行くが、 実際象やライオンといった動物を間近に見るのは初めてだった。 彼も見た目が二十台半ばとはいえ、好奇心旺盛の十四歳。多少 はしゃいでいた。 歩いて上気したせいか、ユミの顔にも血の気が戻ったように見え、 改めて見ると、なかなかの美少女だった。 隣り合って歩いて、距離が近づいて、つんつんと手の甲が触れ合う 頃になると、自然と二人は手をつないでいた。 「あ、カバがいる!」 「…?好きなのか?」 「星新一って作家がいてね。『おかばさま』ってお話があるの。ちょっと 哀しいお話なんだけど」 「…へぇ…」 つづく
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648 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 02:55:50 ID:2EMbhzni0 - 「未来の話で、人類はコンピューターに頼ってるの。色々なことを
コンピューターが教えてくれるの」 「…」 「そしたらコンピューターがね、カバを大事にしろって言うんだ。しかもさ、 『おかばさま』って尊敬しろって言うの。だからみんな、カバのことを『おかば さま』って読んで、大切にするんだー」 「…それで?」 「町中カバだらけになっちゃうの。スーパーも勝手にカバは来て、野菜とか 食べちゃう」 「大変だな」 「そしたらある日、家畜に伝染病が流行って、肉が食べられなくなっゃうの。 そしたらコンピューターか言うのね。今まで増やしてきたカバを食べろって。 カバは伝染病にかからない動物だったの」 「…へぇ…」 「最後は可哀想なんだけど、カバがいっぱい町にいるって面白くて」 動物園のカバ舎にいるカバは酔いつぶれた酔っ払いのように四肢を曲げて 夏の暑さに参ったのか突っ伏して、動かなかったが、彼女はそれでもいい ようだった。 つづく
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649 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 03:03:27 ID:2EMbhzni0 - 「…写真持ってくれば良かった…。売店で『写るんです』売ってたよね?
買って来る」 「おい待てよ。カメラなら、ある」 ザックからニコンを出した。父親の形見である。 「撮ってやるよ」 「…一人で?」 ひどく、ユミは寂しそうな顔をした。父親のニコン。誰にも触れさせず。触れて いいのは同じく新聞委員会の志賀マサトだけと決めていた。しかし、彼は初めて 例外を認めた。 ちょうど首からキヤノンの一眼レフを提げた中年の男性を見たので、リュウジは 彼ならカメラの扱いも大丈夫だろうと彼にニコンを預け、撮ってくれるよう頼んだ。 中年男性はカメラマニアらしく、彼のニコンの古さと手入れの良さを褒め、喜んで 応じてくれた。シボリやビントを合わせる手付きも慣れたものである。 「…カバも一緒に入るようにお願いします」 「分かってるよ。もうちょっと寄って寄って。そうそう。いいね。撮るよー」 シャッターは切られた。 つづく
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651 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 03:15:32 ID:2EMbhzni0 - 夏でまだ明るかったが閉園時間が迫っていた。ユミは一日、持ちこたえた。
「…大変だったな。疲れたか?」 「ちょっとね」 肩で息をしている。顔は満面の笑みだった。恐らく辛さに慣れているのだろう。 肉体的な苦痛と精神的な快楽を彼女は分けるすべをいつの間にか身につけて いたのだ。彼女自身が病気のことを告知されたのはまだ生死の意味すら分から ない頃だったという。 「…的場くん、ピストルとかって持ってるの?」 「…どういう意味だ?」 「…楽に、死にたいの」 「…」 死ぬことに、楽も苦もないと言いたかったが、それが奇麗事であることは知っている。 戦場で苦しみ、あと数時間で死ぬと分かっていながら無駄ともいえる治療を受け、 苦痛の余りに殺してくれと哀願する者を何度か見た。 つづく
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652 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 03:23:18 ID:2EMbhzni0 - 明日死ぬかもしれないと告げられ、毎朝目覚め、今日も生きていると
いう喜びと、明日は死ぬかもしれないという苦しみ。 それと彼女は何年戦ってきたか。毎日毎日、その繰り返し。 しかし、待てど暮らせどその治療法は見つからず、また原因すらよく 分からず、とにかく『不治の病』などと一言で片付けられてはいるが、 確実な死をもたらす。 確実に死ぬと分かっていながら、一日一日生きることは果たして有益なのか。 単なる無駄か。 いっそ楽に死んで、来世かあの世に希望を持つのも無理はなく、仮にそんな ものがないとしても、少なくともいつ死ぬかという恐怖からは開放される。 「…本当言うとね、的場くんのこと好きでも何でもない。ただピストル持ってるとか、 そういうことに詳しいとか、話は聞いたから、それだけ…」 「…」 恋ではない。単に利用できそうだから利用するだけ。リュウジは何故かその時、 怒りもなく、ただ気が抜けた。今日一日なんだったのだろう。二人で撮った写真。 誰にも触れさせまいとした父親のニコンを人に預けてまで撮った写真。そこに ある笑顔。そこにある意味。それはどこへ行くのだろう。 つづく
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653 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 03:35:45 ID:2EMbhzni0 - 「…嘘ついてごめんね…。あたしは…楽に死にたかっただけ…。苦しいのは
もう、やなんだ」 「…そうか。帰ろう…」 すいた電車に揺られながら、無言でリュウジはあるカプセル剤を彼女に渡した。 『…拳銃の件は単なる噂だ。ただ、これを飲めば楽に死ねる…』 彼女は渡された薬を握り締めると顔を伏せた。 それは、テロ組織などに捕らえされた際に自害する為の毒薬だった。 数日後、藤谷ユミは死んだ。彼女が薬を用いたのか、それとも無理に外出したのが 祟ったのか、それは分からない。ただ、通夜に出席したリュウジに、彼女の父親から ユミが書いたという手紙を預かった。 中には、可愛らしい文字でこう書かれていた。 『的場君へ。 ごめんね。ホントは本気で、好きでした』 横にはカバのイラストが書かれていた。 珍しく笑っているリュウジと、ユミとカバの写真。彼はジムビームをもう一杯注いだ。 余りに短く、余りにむごい、的場リュウジの初恋である。 終
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655 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 03:48:21 ID:2EMbhzni0 - >>639
『可哀想』の意味を取り違えたかな…。でもこんな話になりました。 ちょっと倫理的にもどうかと思います。しかし私も、ユミほど具体的な 苦痛がないとはいえ、鬱病で自殺したいと思うことが時折あり、こういった テーマで一度書きたいと思っておりました。 手塚治虫先生なども、ブラックジャックにおけるドクターキリコのようなお話、 また、山形先生でも山形アカネによる自殺幇助の話、出てきますが、今回は 具体的に迫っている死ほ早める、というテーマで書いてみました。あと、 リュウジ=バカ話というのを払拭したかったというのもあるです。 リクエストした内容と余りにかけ離れていたら申し訳ないです。リクエストあり がとうございました。 >>642 合いの手ありがとうでした^^ わざわざぐぐらせてごめんね。
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656 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 03:55:27 ID:2EMbhzni0 - あ、ごめんなさい。書き忘れました。
国による医療費負担の話が出てきますが、、以前ドキュメンタリー 番組で取り上げられていたのを見た記憶だけを頼りにしていますので 間違っている点、もしくは改善された点、あるいは財政難から改悪された 点もあるかもしれません。 調べてはいませんので、その点御了承下さい。すいません。
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659 :作者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 22:41:00 ID:2EMbhzni0 - …やはり今日投下しないとマズいかな…。早く古いほうのスレッド使い
きらないと混乱するよね…。新スレ立ってるとは思わなかった。 いっぺんに使い切ってしまいたいけど予測で716…。。まだ50以上あるのか…。 2話…。下手に休むと新スレが落ちる…。 旧スレ使い切れと憤慨されておられる方もあるようだし…。 適当でもいいから何か書くか…。 軌道修正行います。 23時までネタの搾り出し、それでも出ないようなら、適当に書きます。場合に よっては、全く『山形先生』とは関係ない話になるかもしれません。 (ずっと読んでくれてる方があれば分かるかな。以前、私自身を主人公にした 話を二本ほど書いた記憶があります。そんな感じになるやも) それでもネタがない場合、とにかくリョウコとアヤがだらだら喋る、もしくは、オールナイト スッポンの連打、単なる私の怖い思い出、とにかく早々に旧スレを使い切る方向で動きます。 御了承下さい。
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661 :敗北者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 23:25:06 ID:2EMbhzni0 - 駄目だ…。タイムリミット…出なかった…。だから俺は駄目なんだ…。新スレを
立てて下さった方、新スレに感想を書き込んでくれた方、また旧スレを使い切る べきだともっともな意見を下さった方、そして私の愛する人、全てに謝罪すると 共に、私は返上できぬ汚名を着る。 何日か先に書こうと思っていた話を今日書きます。雑談スレにおいてはバランスを 考えているなどと偉そうなことを書いておいて、何たる失態。正に生きる価値なし。 生ける屍。それでいて死ぬ勇気もない。私は私を軽蔑する。だから全てに逃げられ る。それでいて愛されようなど図々しいにも程がある。くたばれ。与え続けろ。貴様には 何も与えられない。与え続けることでせめて生きる罪を償え。生まれながらの敗北者め。 そろそろ怖い話でもするか。 十二畳のリビングに置かれた、ゆったりとしたベッドで、その決して若いとはいえない 二人は身を重ねて、品性の欠片もなく、さかった犬のように腰を振っていた。 つづく
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663 :敗北者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 23:36:04 ID:2EMbhzni0 - 恥らった喘ぎも、やがてまともな言葉に聞こえず、単に呻くばかりで、
相手にその意味が伝わるわけでもなく、単に快感に溺れる息苦しさと 悦楽に浸る恍惚に満ちていた。 意味もなく名を呼び、だめと言いつつ求め、上になり下になり、時に肉を 打つ音が響く程に激しく乱れていた。 「ああぁ…鬼塚さん…っ!」 「…ケンシロウと呼んで下さいっ…」 「ケンシロウ…!あっ!そこぉ…!!」 「ここが…ここが何です?」 「い…意地悪しないで…ぇ…あぁ…」 随分と、鬼塚ケンシロウの腰使いも滑らかになったものである。旧文部省の大臣の、 健全な肉体に健全な精神が宿るという、という考えの下に始まった『素晴らしき子供たち 計画』そしてその指導者として選抜された元特命教師、鬼塚ケンシロウ。その体力は、 六十前の男のそれとは思えなかった。 恐らくは体力、精力からすれば、山形ユウジロウとほぼ互角といえるかもしれない。 今まで童貞だった分を取り戻すかの如く、彼は果てるまで腰を振り続けた。 つづく
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664 :敗北者 ◆gby2MQSCmY [sage]:2006/10/23(月) 23:54:03 ID:2EMbhzni0 - 行為を終えた二人は、互いの肌を晒したまま、甘みの強い白ワイン、
ヴェルドッゾトラミネールパッシートで乾杯をして、ベッドの上で、 その甘さに酔った。 「…週末に、どこか温泉にでも行きましょうか?」 「いいですね」 「どこかいい宿を知りませんか?」 「いえ。温泉なんて何十年ぶりか…」 「私もほとんど行きません。調べてみましょうか」 下着を身につけると、ケンシロウはベッドからワイングラス片手に抜け出して、 パソコンを立ち上げた。得意ではないが、温泉宿の検索と、予約を入れること ぐらいはできる。 「クルマがないので不便ですな。免許の一つでも取っておけばよかった」 ベッドの上では、的場リュウジの母、ケイコが、いそいそと恥ずかしげに下着を つけていた。 「最近は熱海あたりは昔に比べて寂れてしまったが、その感じがまた、いいんです」 「熱海ですか。いいですね。行ったこと、ないんです」 つづく
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