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作者 ◆xDdCPf7i9g : 【エロ】山形先生Part4【オカルト】

書き込みレス一覧

: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
423 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 15:02:29 ID:bClnmzn00
九十九

冬の澄んだ空気を鋭く貫いた陽光が、天井から力なくぶら下がる校長の
背を照らしていた。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
424 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 15:10:58 ID:bClnmzn00
校長室中の壁は血の朱に染まり、スーツの男たちの中にはまだ不気味に
痙攣している者もいる。

「…これは…」

「け、警察に連絡を!」

風紀委員会別室校内調査部、内調の生徒らは混乱した。総勢十二名。初めて
顔を合わす。お互いに持っている情報を交換することも余りない。

あくまで彼らは情報を収集し、それを校長に提供するだけ。情報の統合、処理は
全て校長が行っていた。よって彼らは情報解決能力に長けているわけでもなければ
チームワークなど微塵もない。ましてや少年である。

「その必要はない」

聞き覚えのある声だった。目を上げると、天井から首をくくられ宙吊りになっている
鬼塚ケンシロウが話している。

「…校長…!」

死んでいなければならない。いや生きているとしても声が出せる状態ではない。ロープが
首を圧迫しているのだ。

「私にはまだ仕事が残っている。協力してくれるね?」


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
425 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 15:23:11 ID:bClnmzn00
重みに耐え切れなくなったのか、天井の金具がもぎとられ、校長は
ゆっくりと赤い地面に降り立った。そしてさも鬱陶しそうに首に巻きついた
ロープを外すと、耳元まで裂けた口で笑った。鋭い犬歯が光っている。

目は血走り、禿げ上がった頭頂部からは馬のたてがみのような、美しい
黒毛が生えてくる。

スーツを脱ぎ、ワイシャツをネクタイごとむしり取ると妙に光沢のある肌が
あらわになった。気付けばいつの間にか彼の身長は天井に届くほどに伸び、
既に人間、鬼塚ケンシロウの原型を留めぬほどの変形を遂げていた。

「…返事は…どうした?」

叫び声をあげ、ほとんどのメンバーが逃げ出す。残った者も単に腰を
抜かして、動けないだけだ。

「協力者には…力を与えてやるぞ?」


逃げ出した内調メンバー、『五』は職員室に飛び込み校長室での惨事を伝えた。
ただ、教師の誰もその意味が分からない。しかも時間は授業中である。教師も
全員揃っているわけではない。

仕方なく教頭と山形ユウジロウが様子を伺うため東棟、二階に上がった。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
426 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 15:32:04 ID:bClnmzn00
特に何事もないようだったが、突然校長室の重厚なドアが吹き飛び、
何かが飛び出してきた。

それは人間の下半身である。履いているズボンから見て生徒のものだ。

「…!」

そしてそれは姿を現した。巨大な口と、たてがみを持つ人外の者。それは
余りに巨大だった。

「…なんだこりゃあ…」

「…山形…私だよ…鬼塚だよ…」

「こ、校長!?」

怪物は握っている何者かの腕を、骨付き肉にでもかぶりつくかのように食っている。

「…全て能無しの貴様らと…おちこぼれた連中のせいだ…」

いつの間にか教頭は逃げていた。ユウジロウとケンシロウ。ユウジロウも四十一歳に
してはたくましい肉体を持ってはいるが、挑んで勝てる相手ではないだろう。

「…全て、私に従っていればこんなことにはならずに済んだ…」

「何が言いたい…?」


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
427 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 15:42:22 ID:bClnmzn00
校長は握っていた、もう骨ばかりになった腕を食べ終えるとそれを捨て、
急激に身体を縮め、元の姿に戻った。

頼りない、頭の禿げ上がった鬼塚ケンシロウである。ただし全裸だった。
彼は目に涙さえ溜めてユウジロウに語り始めた。

「…まず学生運動があった…。私の青春時代だったよ…。そして私は
教師になった…」

「…」

「言葉は古いが…ツッパリ、暴走族、校内暴力…様々な教育問題が
山積していた…」

「…ありましたね。そんな時代が」

「…旧文部省は危機感を覚えていた。そしてあるプロジェクトが発足した。
先の学生運動の煽りも受け、警視庁内の一部勢力もプロジェクトに参加した…」

「文部省と警視庁…?」

「犯罪者予備軍となる少年を育成しない為だよ。『素晴らしき子供たち計画』…」

何か昔を思い出すようにケンシロウは遠い目をした。ただその肉体は血塗られていた。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
428 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 15:54:42 ID:bClnmzn00
「文部省は全国から若い有能な教師を選抜。特命教師とした。私も
その一人だ」

「…」

「長い月日がかかった。特命教師から提出されるレポートにより文部省が
指導方針を固め、それに乗っ取り、教育する。ところが、時代は我々に
追いつかせることを許さなかった…。

いじめ、自殺、登校拒否。一見不良ではない善良な、おとなしい生徒による
犯罪。一方で教師に対する不信感は強まり、何も手が出せなくなった…。
学級崩壊。引きこもり、そしてニート…。

レポートを提出し指導要項が変わることには既に次の問題が生まれている。

我々は時代に翻弄された。時は過ぎ、多くの特命教師達も定年を迎え去って
いった。そして最後。プロジェクトの最終段階として、この軽子沢中学に白羽の
夜が当たった」

「…なぜウチに…?」

「全てが平均的だったからだ…。成績、生徒世帯の年収、不登校生徒の数、不良の
数…様々なデータを比較し、我が校が最も平均的な中学校だと判断を下した。

私の任務は校長としてこの学校を平均以上の学校へ高めること。公立校として
最高水準の学校へ高めることだった」


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
429 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 16:04:40 ID:bClnmzn00
「そして二〇〇一年私はやってきた。それからわずか五年。プロジェクトは
中止された…」

「中止…?」

「三十年間で結果が出せなかったからだそうだ…。しかし私がこの学校へ
やってきてから、この学校は変わった。その卒業生達はまだ社会へ出て
いない。せめて二〇〇一年に我が校へ入学してきた生徒らが、大学を卒業し
社会へ出るまで、結果が出るまで待つよう陳述したが…無駄だったようだ…」

「…」

「だから私は死を選んだ…」

「…どういう意味ですか…?」

「私が長年、特命教師をやってきて気付いた点が幾つかある…。まず、教師
一人の力には限界があること。当然のことだが身をもって感じた…。テレビ
ドラマのようにはいかんのだよ…。だから私は校長となり、生徒の上に立つ
教師の更に上に立つことにした。

そしてもう一つ。校長という立場の人間に入ってくる情報はごくわずか。現場
教師からの報告は全くあてにならないということだ。

そこで私は、生徒に目をつけた。彼らの方が学校の事情についてははよっぽど
詳しい。かつ情報も速く正確だ…」


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
430 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 16:14:54 ID:bClnmzn00
「しかし校長と生徒…。その距離は果てしなく遠い。山形君。君、中学生
だった頃の校長の名を覚えているかね?どんな人物か知っていたかね?」

「…いや…覚えていません…」

「そうだろう。私もそうだ。その距離を縮める為に私はあらゆる方法を使ったが、
難問だった。それがある日いともたやすく解決したのだよ」

そんな方法があるのかとユウジロウは考えたが答えは見つからなかった。

「一冊の本を見つけたんだ。神田の古本屋でね…。偶然とは恐ろしいものだよ。
普段興味も持たないそんな本がどうしても欲しくなった…。『悪魔召還の法』と
いう本だよ。馬鹿げているだろう…?」

「!(第三十六夜 『紅蓮栄華』 参照)」

「君が元、オカルト同好会顧問だということで話そう。私は悪魔を呼び出し、契約
した。私に絶対的な力とカリスマ性を与えてくれるならば、死後私の肉体を捧げようと」

「…なんてことを…」

「無論もっと直接的な願いをすればよかったのだが…私の教師としてのプライドも
あってね…。

そして私は死んだ。故にこの肉体はその悪魔のもののはずだが…どういうわけか、
私はまだ…『鬼塚ケンシロウ』、らしい…」


つづく

: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
431 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 16:26:07 ID:bClnmzn00
「私は悪魔の力を借り、カブロを編成した」

「カブロ…?」

「今の『内調』だよ。当時はカブロと言った。今でこそ平和を保っているから
『内調』も大した仕事はしないが、ここに赴任してきた当時、カブロは随分と
活躍してくれたよ。私も徹底的に彼らを洗脳した…まあ、そんな話はどうでも
いい…」

一瞬、ケンシロウは苦悶の表情をし、右肩に右耳をつけ、左手は後ろから誰かに
捻り上げられているかのような不自然な形にして、腰を左に曲げて、奇妙な
恰好をした。

ユウジロウはひどく邪悪なものを感じた。

「こ…この、クソッタレで役立たずの学校の全てを…我に、捧げよ…」

再びの異形。ユウジロウはとにかく騒ぎ立てて廊下中を走り回った。何事かと
授業中の教室から生徒が、教師が顔を出す。彼らの目に映ったものは既に
校長とは呼べぬ化け物だった。

更に火災警報のボタンを押す。後は速やかに避難してくれればいいが…。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
432 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 16:35:36 ID:bClnmzn00
三年B組の教室では数学の授業が行われていた。

火災警報が鳴っているので、教師が生徒を落ち着かせ、ゆっくり校庭に
出るよう指導している。

「それじゃ廊下側の者から順番に出て。ゆっくりだぞ。走るなよ」

特に火の手が回っているとか、煙が充満しているということもないので生徒も
落ち着いたものである。

廊下側で最もドアに近かった岡崎リョウコはそのまま廊下へ出た。そこに怪物がいた。

声も出ない。足もすくんで動かない。

「…おい、進んでくれよ岡崎」

「…だ、だって…」

巨大な目がリョウコを捉えた。全く動けないリョウコは呆気なく怪物につかまり、制服を
引き裂かれ全裸に剥かれる。

わけの分からない叫び声で教室中は混乱し、誰も助けるものもなく、教室のもう一つの
ドアに生徒達が殺到する。その中で、小柄な男子生徒が後ろから押し倒され、踏みつけられ、
耳から血を流して死んだ。

リョウコは叫び抵抗するが、前戯も何もなく、ヴァギナを貫かれた。怪物のその巨大な肉の棒は
子宮を突き破る勢いで、彼女を串刺しにしたまま校内を練り歩く。

つづく



: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
433 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 16:47:46 ID:bClnmzn00
歩くたび振動で腹部に耐えられぬ痛みを感じ、痛い痛いと彼女は叫んだ、
火災警報と女の叫び声で、他の教室の生徒らも混乱する。

何事かと廊下へ出れば異様な光景である。金属のような光沢を持ち、目は
ぎょろりと大きく、たてがみをなびかせ、口は耳元まで裂けた巨大な怪物の
下半身に、醜悪なそれとは正反対の美しい美女をつけたまま歩いているのだ。
しかも美女は狂ったように叫んでいる。

怪物は、彼女の腕をつかんで引っ張り上げ、誇らしげに歩く。それは美女の顔を
した馬に乗る怪物のようにも見え、また美しいフィギュアヘッドを持つ巨大な帆船の
ようにも見えた。


一方、いち早く脱出を試みた一団は既に玄関にたどり着いていたが、そこに見慣れた
光景はなく、ただ薄暗い不気味な空間が外に広がるばかりだった。また玄関のドアは
全く開かない。

一人の生徒が消火器を持ち出し、それで玄関のガラス戸を叩き割り表に出ようとしたが、
割れたドアに頭から勢いよく飛び込んだ瞬間、彼の上半身はぽっかりと消え、血しぶきを
あげ下半身だけがこちら側に残った。

玄関は阿鼻叫喚の巷と化した。

校舎から外へは出れない。指一本外に出せば、校舎から出た分の指が丸ごと消滅する。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
434 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 16:56:16 ID:bClnmzn00
なり続ける火災警報に続々と生徒が玄関に集まってきた。

外に出ることは危険と知っている生徒が、押すな押すなと絶叫するが、
それは他の叫び声にかき消され、彼はドアと迫り来る群集の間で、
窒息死した。


奇妙なことに岡崎リョウコの下半身と怪物の下半身は半ば一体化し、
まるで岡崎リョウコの上半身自体が怪物のペニスのような状態で
そそり立っている。それでもリョウコには意識があるらしく、まともに
言葉は発さないが涙を流し、うめき声をもらしていた。

リョウコとは隣のクラスである木下サエはなだれ込む人の群れの向こうに
強大な怪物を認め、敢えてそちらに向かって進んでいた。

そして彼女は目の当たりにする。

「…リョウコ!」

「…見ないで…見ないでぇ…っ…」

「木下サエ!知ってるぞぉ!よぉく知ってる…」

「…化け物…」

勇敢にもサエは怪物の下半身からリョウコを引き離そうとするが、完全に下半身は
一体化して、引き離せるものでもない。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
435 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 17:07:35 ID:bClnmzn00
しばらくしたいようにさせていたが、やがて怪物は退屈した。

「邪魔だ」

軽く腕を振るっただけで、木下サエの首が、飛んだ。

軽子沢中学は三年生が二階、二年生が三階、一年生が最上階の四階を使用している。

火災警報を聞いて三階から二年生が、四階からは一年生が降りてきたが、二階が
混乱を極めておりそれ以上下には進めず、階段で足止めをくっていた。

怪物はとにかく手当たり次第に生徒を虐殺し、時に食っていた。

混乱の中、草壁アヤは男子数人に囲まれ教室内で犯されていた。怪物が教室を覗き
こんだが、彼はそのままそれを無視した。

アヤを犯している男たちはいずれも内調のメンバーだったからだ。

「…もうやめて…お願い…許して…許してぇっ!」

内調のメンバーも既に人の心を失いつつあった。彼らもまた悪魔に魂を売ったのだ。

膣奥深くに大量の精液が流し込まれている。自分の生死よりもこれで芸能界デビューが
なくなったことの絶望が大きかった。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
436 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 17:15:44 ID:bClnmzn00
三発の銃声があった。間違いなく頭部に当てたはずだか彼らは
苦しみはするものの死ぬことはない。

痛みでのたうつ彼らに的場リュウジは至近距離から更に二発ずつ
弾丸をぶつ込んだ。やっと三人の動きが止まった。

「大丈夫か。草壁」

全裸で放心状態の草壁アヤは首を横に振った。彼女は救ってくれた
的場リュウジの銃を握る手を持つと、それをあらわになった自分の
美しい胸に押し当てた。

「…お願い…」

しばらく考えていたが、リュウジは引き金を引いた。

「くそったれえぇぇぇぇぇ!」

弾倉が空になるまで倒れている内調の男の死体に弾を打ち続ける。それを
後から入ってきたマサトが制した。

「やめろ。もう死んでる…」

窓から外を見て、校舎から出れないことは分かっていた。クラブハウスも校舎の
外である。編集室にいけば強力な火器があるが、今はリュウジのベレッタと、
マサトのデトニクスとかない。しかも弾数が限られている。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
437 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 17:24:16 ID:bClnmzn00
彼らはいち早くユウジロウから情報を得ていた。こういった事態に
最も活躍しうる者として。そして、一般教室のある西棟の階段を避け、
東棟の階段を使い降りてきたのだ。

そして、犯される草壁アヤを見たのである。

「…校長をやっちまおう…」

「…あぁ…」

上着をアヤの遺体にかけ、リュウジとマサトは教室を出た。

しばらく進むと怪物が見えた。背後から襲える。二人は頭部目掛けて
弾丸を放ったが完全に跳ね返された。まったく効いている様子はない。

「…あぁん…?校舎内で銃を撃つのは…的場君だなぁ…?」

振り向いた異形にマサトは一瞬躊躇したが、リュウジはその弱点を見極めた。

『目と口だ…』

一発目の弾丸が目を捉えた。やはり効いたらしい。妙な叫びを上げて開いた口の
中にありったけの弾丸を撃ち込んだ。

「があぁぁぁぁぁっ!」


つづく

: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
438 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 17:31:07 ID:bClnmzn00
「マサト!口だ!岡崎に当てるな!」

リョウコは怪物の股間から反り上がって、顔が怪物の胸元まで来ている。
しかし彼女は何事か呻き、瞳にも生気が見えた。

口を閉じられればチャンスはない。マサトも口を狙い射撃した。

遂に怪物は膝をつき、口から大量の血を吐いている。すばやくベレッタの
弾倉を代え、リロードを完了したリュウジは一気に距離を詰めて、近くから
怪物の口へと狙いを定めた。

連続して乾いた音が二度した。

「…な…なんでぇ…」

倒れたのリュウジだった。更に二発。今度の弾丸はマサトに向けられていた。
志賀マサト。絶命。

薄れる意識の中でリュウジは見た。長野シュウイチの姿を。

フェーザー・モデル・ガーディアンエンジェル。確かに自分が授けた銃だが、
不思議なことに手首から先が直接銃になっている。指がない。

「…編集長…あなたは、憧れだった…。この銃をもらった時も嬉しかった…」


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
439 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 17:39:17 ID:bClnmzn00
「できれば編集長につきたかったけど…僕は内調、九だ…」

「…!」

「新聞委員である前に内調…。編集長よりも校長なんだ…。止めたいけど…
止まんないよぉ…」

弱々しく泣きながらシュウイチは銃口をリュウジの額に向けた。

ぱん。

同時だった。リュウジは額を打ち抜かれ、シュウイチは心臓をやられた。

「…やるじゃないか…」

的場リュウジ、長野シュウイチ両名死亡。

怪物は口からだらだらと血を流しながら笑った。

「いいぞ!九!内調の鑑だ!」

怪物は手当たり次第に殺戮を繰り返し、玄関前にどやどやと集まっている生徒らを
襲った。一度その強大な腕を振るえば軽く四、五人は身体中の骨を砕かれて死ぬの
である。人の手に負えるものではなかった。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
440 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 17:46:23 ID:bClnmzn00
生徒らは散り散りになり、それぞれトイレや誰もいなくなった教室の教卓の
下などに隠れた。

外へ逃げ場は求められないのだ。

怪物は一人立っていた。

「…これからがお楽しみぃぃ…かくれんぼの時間かな…?」

校舎中を練り歩き、人を見つけては殺す。

福岡ユウコはたまたまその時担当していた一年D組の生徒を連れ、校舎内を
移動していた。

『やっぱり外には出れないのか…』

校長が怪物になったことまでは知らなかったが、怪物が殺戮を繰り返し、更に
校舎から出れないという状況だけは冷静に見ていた。携帯電話も既に試して
通話できないことも確認済みである。

とりあえず救いは怪物の移動速度が大して速くはないことだ。全速で逃げれば
逃げられる。

「みんな、離れないでね。大丈夫。先生一緒だから」

相手はまだ一年生だ。恐ろしさに泣く子もいた。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
441 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 17:52:29 ID:bClnmzn00
恐怖は突然やって来る。怪物が天井を突き破って降ってきたのである。

「…ミツケタゾ…」

「!逃げて!」

生徒を後方に逃がし、自分は怪物の注意を引く。

「…女一人に何ができる…?」

「馬鹿にすんじゃねぇよ。舐めてたら殺すぞ?」

「…」

『愚麗死威』の初代総長、『紅暴走天女』。福岡ユウコ。その血はまだ
生きていた。

「タイマンだ。ボケナス…」

しかし攻撃のしようがなかった。岡崎リョウコの上半身が前面にある。
ましてや相手の顔は手をいくら上げても届かない位置だ。足元だけしか
攻撃する部分がない。

また素手で戦うにも相手が悪すぎる。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
442 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 17:58:44 ID:bClnmzn00
泣きながら逃げてくる一団をカエデはつかまえて、今怪物がどこにいるのか
雪野カエデは尋ねた。

男子は泣きながら、福岡ユウコのことを伝えた。東棟の三階にいるらしい。

恐怖の余り男子生徒は質問にだけ答えると彼女の手を振り払って逃げていった。

「…助けに行きましょう…」

「サヨリさん!だめですよ!逃げましょう」

「どうせ外には出られない…。あたしなら、恐らく勝てる…」

階段を昇っていく。カエデはついていった。

全裸にされ、乳房を食いちぎられた福岡ユウコの死体が転がっていた。怪物は何が
したいのかしゃがみこんで反応を失った彼女の陰部をいじっている。

「…見つけた」

「…」

「…ど、どうやって戦うんですか…?」

「死角に入る。どうせあたしは死ねないんだから。ずっとやってればあたしが勝つでしょ?」


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
443 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 18:07:38 ID:bClnmzn00
サヨリはゆっくり呼吸をすると怪物の視線を読んだ。死角へ回り込む。
その時はじめて、しかし余りに遅くサヨリは気付いた。

『…!死角が…ない!』

一撃。一撃でサヨリは左腕をもがれ、吹き飛んで動かなくなった。

「サヨリさんっ!!」

しかしサヨリは動かない。カエデは半狂乱になり人の声とは思えぬ
高い声で叫んだ。叫び続けた。

すると教室から得体の知れぬ者が現れた。技術室から現れたそれは、
とにかく技術室にあるありとあらゆる物を複雑にくっつけてそのまま
ロボットの形にしたようなものだった。

『カエデ大変!オレたち許さない!』

『おれコイツ大嫌い!』

『俺たちお前倒す」

やってはいけないこと。『妖精さん』、即ち『ヤオヨロズ』の使役。しかし、
その禁忌を破るほどにカエデは怒っていた。この理不尽はなんだ。

理由もなく殺され食われ、陵辱され。あたしはこいつを許さない!


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
444 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 18:14:21 ID:bClnmzn00
「…奇妙な…こんな力を持っていたか…」

巨大さからいえば同一。しかしパワーが圧倒的に違う。

ヤオヨロズが遥かに有利だった。リョウコを避け、頭部に攻撃を集中。
怪物はよろめき、呻いて、膝をついた。

その時、怪物はもはや自分のイチモツと化しているリョウコに手をかけた。

「こいつを殺すぞ?」

「!」

「今すぐこのバケモノを解体しろ。攻撃を中止しろ!」

そもそもその岡崎リョウコはリョウコとして生きているのか疑問だった。カエデは
しばらく考えた。

「…カエデ…殺…して…」

そのリョウコの言葉は逆効果だった。彼女が彼女として生存していることを証明
してしまったのだ。カエデはヤオヨロズを解散させ、その直後、食われた。


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
445 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 18:19:39 ID:bClnmzn00
ユウジロウは無人となり、惨殺された生徒らが転がる玄関の血の海に
一人座って何やらやっていた。

背後から怪物が迫っていたが全く気付いていない。

血の海をびしゃびしゃと荒らしながら怪物がユウジロウの背後に迫る。

その時、何か空間が歪んだように見えた。

「?」

そして空間にぽっかりとラグビーボール型の穴が開き、そこから男が
現れた。やはり巨体である。怪物は自分と同じ匂いとその者から感じていた。

「…何奴…」

「岩手…ノリオ…」

いうなりノリオは拳を怪物の頬にたたきつけた。下駄箱を蹴散らして吹き飛ぶ。

「息子の邪魔はさせん…」

「倒せると思っているのか…?」

「時間が稼げれば…それでいい」


つづく
: 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
446 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/10/12(木) 18:26:03 ID:bClnmzn00
がっぷり四つに組み合う。ノリオははなから真正面の勝負を
挑んでいない。言うとおり、しばらくユウジロウに時間を与えて
いるの過ぎなかった。

はなから勝ち目がないことを彼は知っていた。

だから組み付いて相手の動きを封じ、前進させないようにすれば
それでいいのである。

「何を企んでいる!」

「…」

怪物もそれに気付き始めた。明らかな時間稼ぎ。何の為の時間なのか
全く分からない。まさか山形ユウジロウに自分に勝てる力が備わるとも
思えない。

押し相撲が何分続いたか、ノリオも力尽きてきた。今こそ好機と怪物は
ノリオをサバ折りにし、背をへし折った。

校舎内に何人の人間が生存しているかは全く分からない。しかしユウジロウは
一人静かに、玄関で座り込んでいた。


  終


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