- : 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
104 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 00:06:35 ID:/pBmmy6A0 - 「分かったかい…?」
朱に染まったユウジロウを見てもレツザンは大して驚く様子も見せず ゆっくり葉巻をふかしている。 「静岡組だったな…。色々調べさせたがどうも放っておくと厄介らしい…」 「…」 「こっちのケジメはこっちで取らせてくれ。なぁユウジロウ…」 「小指一本で済ますつもりか…?」 質問には答えず、陣内は袱紗に包まれた何かを机の上に置いた。 「…お前が静岡組の名を出さなければ、いずれは銀竜会に泥を塗る結果に なるところだった。礼を言う…これはせめてもの…」 「いらね」 そのままユウジロウは葉巻の煙を蹴散らして帰っていった。 つづく
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105 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 00:19:03 ID:/pBmmy6A0 - 翌日『モイライ』事務所での惨劇が大きくニュースに取り上げられた。
しかし、暴力団との関係も警察は既につかんでいて、そちらの方面で 捜査がすすんでいるという。 一方で、銀竜会系静岡組の組長以下幹部三名の乗ったクルマが突堤から 海に突っ込んだらしく、乗っていた四名は全員死亡したというニュースも 小さく扱われた。泥酔した上での運転ミスが原因とのことだった。 また、『モイライ』の事務所で発見された地図には印があり、その場所に 何があるのかと捜査したところ、人気アダルトビデオ男優ホーク有吉の 刺殺体が発見された。 これもまた、『モイライ』の事件とからめて大きく報道されることだろう。 アダルトビデオ業界人、彼を師と仰ぐ男優、彼と共に寝た女優、また出版、 芸能関係者と多くの人々が参列する通夜の中、最も悲しんでいた男がいた。 山形ユウジロウである。 まだ果たしていないことがある。対決である。彼もそれを望んでいた。それだけが 悔やまれた。 有吉健二。その墓の前で全裸オナニーをしていたところ寺の住職に発見され、 追い掛け回されるのもまたユウジロウである。 終
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106 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 00:23:51 ID:/pBmmy6A0 - >>97
いきなりバラしちゃうもんなぁもぉ!(笑) バレバレだった? 気ぃ使ったんだけどなぁ。悔しいぞ! 合いの手サンクスでした♪ >>99 ごめんねー。競演もさせたかったんだけど決着もつけさせたくなかったんだ。 なんかユウジロウが一方的にすごそうだけどハッタリの可能性もあるからね。 ホーク有吉永遠なれ。彼は伝説のまま終わらせたかった。衰えず。老いず。 永遠のシンボルとして。そして彼は神となる。
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113 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 14:52:35 ID:/pBmmy6A0 - >>109
消えんでいいです(笑) また合いの手よろしくです。 ただ私的には構わんのですよ。ライブだから逆に手がばれたと思えば違う 方向に流すこともできるわけですから。今回は前提として『ホークの死』が あったので、シフトしようがなかったわけですが…。 ただ、『怖い話』の一種の伏線の張り方って『推理小説』に近いものがあるん ですよね。『生きてると思ってる人が実はもう亡くなっていた』とか、『何かおかしい 地点があって、調べたら凄惨な事故現場だった』とか。 これ書く順番によるんですよ。倒叙モノって推理小説でもあるんですけど、『コロンボ』 とか『古畑任三郎』みたいな、『先に犯人が分かってるタイプ』ですね。 それをどう推理するかを楽しむ、という。 だから怪奇モノでも時間軸をそのまま、今回のお話だったら、『モイライ』からホークに 依頼が来る→現場で驚いて断る→静岡組に殺され、埋められる→ユウジロウが来る というふうにもっていけば一番素直なんです。 ただ、面白くする為にユウジロウが来る、というところから始める。その時、ホークが 死んでいることは伏せられてる。勿論意図的なものなわけですが。 だから私としては、ヤラレタ!というところですよね。隠し切れなかったと。それは私の 文章の稚拙さや、文章上のトリック(叙述トリック)のヘタクソさが原因ですから^^; ですが、読んでる方にとってみれば、『オチ』に相当する部分で、推理小説でいえば、 『先に犯人の名前を言われてしまった』的不快感があるかもしれないです。その辺り、 ふんで頂ければ幸いかと。 いずれにせよ読みはお見事。私も見抜けない叙述ができるよう精進します。
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114 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 15:22:05 ID:/pBmmy6A0 - >>108
合いの手にも色んな種類がありますからね。 いやぁ…雑談スレに書くべきなんだろうけど、『静岡組に脅されて、埼玉県の山中に とりあえず身を隠している』というふうに思わせたかったのだけど、強引過ぎた かなぁ。 やはり海がよかったかなぁ。読者さん全員を欺くってのは難しいことなんだな、と 痛感。レスこそしないまでも気付いた人も多かったんだろうか。 いずれにせよ、もしお怒りのようなら、私の顔に免じてどうか…。
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116 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 16:45:31 ID:/pBmmy6A0 - >>115
> 揉めるんだったら合いの手は禁止にしたら? ライブの意味がなくなります。合いの手の存在があるから、あぁ読んでくれてる人が いるのだな、と思えるんです。 考えてみて下さい。2時間から下手すると4時間一人で投下してるわけです。合いの手 禁止にするぐらいなら、こちらで適当に書いてあらかじめ準備し、単にコピペします。 というか2ちゃんねる(掲示板)に投下する意味自体が失われます。できれば合いの手の 禁止は勘弁していただきたいなと。
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118 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 21:03:25 ID:/pBmmy6A0 - 雑談スレの方でリクでましたのでリク受付終了です。
また、昨夜の話で85話を数え、残り15話となりました。 今回、リクが出ている話が2つですので、その話を消化すると、残り13話。 また最終3話においてはほぼ内容が決まっている (というか、最終3話ひとかたまりで最終話)ので、実質、自由に書けるのは 10話です。 よって、特別私のネタが尽きてリクエスト募集をお願いしない限り、リクエストは これにて完全に受付終了とさせて頂きます。今までリクエストをくれた皆様、 ありがとうございました。
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119 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 21:14:33 ID:/pBmmy6A0 - さてここらで怖い話でもするか。
赤いポンコツの軽自動車は、上信越道を長野県に向かい走っていた。 速度こそ遅いが走りは軽快である。 つづく
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120 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 21:31:08 ID:/pBmmy6A0 - カーナビゲーションシステムもなく、MDもCDデッキもない。
ラジオとカセットだけである。一応持ってきたMDが聞けないことを知った 木下サエは残念そうだった。 「ねぇ先生もっとノリのいい曲ないの?テクノとか…せめてユーロビートとか…」 同じ事ばかりを三十分に一度程度のペースで口に出すので運転手である ユウジロウは無視をした。 「霧原のクルマ借りればよかったのにぃ」 「ついてくるって言ったのはお前だぞ」 「…だけどさぁ…」 向かう先は長野県のある山中である。そこに霧原家の保有している屋敷があるの だと言う。と、言うよりも霧原家の保有している山にその屋敷が建てられているらしい。 霧原トオルの父方の祖父、テツザンが妻アヤメと暮らした屋敷である。 ((第五十一夜 『雪解』 参照) トオルが幼い頃から両親は世界中を飛び回っていて、幼い彼は日中保育園に預けられ、 食事の面倒や夜寝るときなどはベビーシッターがついていた。 ただ夏休みや、冬休みになると長野県のその屋敷へと連れて行かれ、祖父らと暮らしたそうだ。 つづく
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121 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 22:00:34 ID:/pBmmy6A0 - 思い出深いと言う。
しかし、小学生に上がる頃、祖父と祖母は連れ添うようにあの世へ旅立ってしまった。 以来、長野の山が懐かしく、事ある毎に、そこへ連れて行って欲しいと両親に 願い出るのだが、『また今度ね』と適当にはぐらかされている。 両親にとって見れば、もう祖父と祖母のいない屋敷などに用はないのである。 また一人で行こうにも行く方法がなかった。何せ最寄り駅までクルマでさえ一時間は かかるのだ。 それを聞いたユウジロウは、じゃあ連れて行ってやろうかと提案した。普段余り表情を 表に出さないトオルが子供のように喜んだのが印象的だった。 アカネも提案に乗ったが、一応トオルの恋人である木下サエにも一言言っておいた方が いいのではないかと連絡をとってみると、受験生であるにも関わらず、勉強道具の一つも 持たずについて来た。 土曜の朝明けきらぬうちに出発し、向こうで一泊して、日曜日にゆっくり帰ってくる予定。 もう主を失って十年近く経つ屋敷だが、両親が老後に暮らすために残してあり、管理人も 雇いきちんと管理されており、すぐに生活できる状態にあるとのことだった。 長野県に入り、地図を見ながら山道を進む。途中途中、山間の集落らしき場所があり、 そこでとりあえず休憩した。 つづく
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122 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 22:06:44 ID:/pBmmy6A0 - 屋敷の管理人には既に連絡がついていて、食料も適当に用意しておいてくれるらしい。
全くの手間なしであった。 一応見た目はコンビニエンスストア風だが、店名も聞いたことがない、近代風よろず屋と いった風情の店で飲み物を買い、ユウジロウは何時間かぶりのラッキーストライクを 美味そうに吸った。 何となくその様子をサエが興味深げに見ていた。 「どうした木下?」 「え?あぁ、何でもないです」 「…そうか」 さて、とユウジロウは考えた。この先、いよいよ道がよく分からないのだ。トオルもほとんど 覚えていないという。ちょうど店の向こう隣が駐在所だったので無駄だと思いつつも訊ねて みた。 と意外にも霧原家ではその辺りでは知られた名家で、詳しい地図まで書いてよこしてくれた。 それでも、屋敷に行き着くまではここから四十分はかかるという。 再び、赤い軽自動車は走り出した。少し山道を苦しそうに。 つづく
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124 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 22:13:10 ID:/pBmmy6A0 - しばらく行くと、駐在所の巡査が、
「しばらく道なりでいいんですが、途中大きな分かれ道があります。それを 絶対に左へ行って下さい。右へ行くと道が途中でなくなって、Uターンをする スペースもないんで厄介です」 といった場所とおぼしきY字路が現れた。一度クルマを止めて巡査が書いてくれた 地図を確かめる。御丁寧にY字路の箇所の右側には赤いボールペンで×印が 書かれ、左へ行くよう矢印が書かれていた。 「左左…と…」 かなりの悪路である。タイヤが心配だった。しばらく交換していない。ゴムもだいぶ 硬くなっているのではないだろうか。こんな所でパンクだけはしてほしくなかった。 「アカネ、この辺りって携帯入るか?」 「ん?」 二つ折りの携帯を見ると『圏外』との表示だった。サエもトオルも確認したが、結果は 同じだった。 三十分は走っただろうか。山の頂上というわけではないが峠に差し掛かり、道が平坦に なる。しばらく進むと、突然それは現れた。 つづく
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125 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 22:23:48 ID:/pBmmy6A0 - 「こ…こりゃあすげぇ…」
ユウジロウは、文化祭でトオルの亡くなった祖母と祖父らしき人物を不思議なことに目撃 している(第五十一夜 『雪解』 参照)。和服をきっちりと着こなした人物だった。 それにトオルが『屋敷』というので、つい、和風の邸宅を想像していた。 しかし目の前に現れたのは完全な洋館である。それも凄まじい巨大さだ。そのままホテルに してもどれだけの客を収容できるか。 「すげー!これ霧原のお爺ちゃん家?」 「そうそう。懐かしいな…そのまんまだ…」 「大きいね…お城みたい…」 クルマ一台悠々と通れる門を抜け、芝生の上を走り適当な所に止める。と、もう一台スズキの ジムニーが止まっているのが見えた。 館から、一人の老人が出て出迎える。 「やぁ…トオル坊ちゃん。お待ちしておりました」 よく覚えはないのだが、その管理人はまだ祖父が生きていた頃執事のようなことをしていたらしい。 館の鍵を渡し、色々と説明をすると老人はジムニーに乗り山を下っていった。 毎日下の集落から通っては館の面倒を見ているのだ。 つづく
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126 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 22:35:31 ID:/pBmmy6A0 - 「『弟切草』か『バイオハザード』って感じだな」
「どっちも怖いよ」 西洋風に和風にしろ、豪奢な建築物には何処となく恐怖感を覚える。実際西洋の城や 館、武家屋敷などを舞台にした怪談や怪異譚は数多い。これも一種のルサンチマン のようなものなのかとユウジロウはぼおと考えていた。一方で全く見当違いな気もした。 中は清潔で、扉を入って正面に巨大な階段が二階へと伸びている。床は赤い絨毯が 敷き詰められていた。 「宝塚のセットみたいね」 『宝塚』と聞いてサエのこめかみに青筋が浮いた。彼女に『宝塚』は禁句である。 (七十三夜 『忘れ物』 参照) 「懐かしいな…」 「部屋はいくつあるの?」 「数え切れないぐらい。多分俺が入ったことない部屋もあるよ」 「へー…」 「あ、荷物忘れてたな」 クルマに一日分だが着替えを入れたバッグを忘れてきた。巨大な扉に手をかけるが、 微動だにしない。 つづく
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127 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 22:43:09 ID:/pBmmy6A0 - 「…あれ?」
開け方にこつでもあるのだろうか。管理人は確かにここから出てきた。鍵をかけた 覚えもないが。 「霧原、悪い、クルマに荷物を忘れたんだ。ドア、開けてくれ」 「自分で開けなよ」 「開けられるなら開けてるよ。開かないんだ」 「?そんなの普通に…」 やはり開かない。鍵をいじってまた開けようとするが開かない。 「あれ。本当だ。開かないや」 「じゃテラスの方から出よう」 「テラス!洒落てるなぁ」 赤絨毯を踏みしめて、向かって右の部屋へ。そこからテラスへ出られるらしい。ちなみに 洋館であるから土足である。 その部屋に入った瞬間、ユウジロウとトオルは恐怖した。 つづく
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128 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 22:48:34 ID:/pBmmy6A0 - 奇妙なのである。大きな窓からテラスへ出られるようになっているのだが、
テラスの外に何もないのだ。 何もないというのは比喩的表現でも何もない。ただ真っ白で、何もない空間が あるだけなのである。 「な…なんだこりゃ?」 テラスの柵を乗り越え外へ。そこは地面も、周囲も空も、全てが白い、単なる空間 だった。どこまででもいける。いくら走っても終わりのない空間。 山中の屋敷である。しかし木の一本もなければ青い空も、芝の地面もなく、ただ、 純白ばかりがそこにある。もちろん赤いポンコツの軽自動車もない。 言ってしまえば、白い空間に屋敷だけがあるのだ。 「…で…出れるけど出れねぇ…どうなってんだ霧原!」 「し…知らないよ!」 慌てて広間に戻る。 「あれ、荷物は?」 「えらいことだぞ!出れるけど、出れないんだ!」 つづく
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129 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 22:52:46 ID:/pBmmy6A0 - 「なにそれ?なぞなぞ?」
「違う違う!」 「あっちの部屋はどうだ?」 どたどたと走り回る男二人に仕方なく女二人もついて行くことにした。 せっかくのロマンチックにムードが台無しである。 しかし、その部屋に入った瞬間、女はそれを理解した。 「…え…何これ…」 やはり窓の外は真っ白だった。何もない。手も出せる。空気はあるらしいが 風を感じるわけでもないし、暑いわけでも寒いわけでもない。 次々と部屋を覗いたが、全て窓の外は白かった。 「こ、この部屋は?」 「何だったかな…」 「頼りないなー!」 開けるとそこには、どうも見たことがあるが、いてはいけないものがいた。 つづく
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130 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 23:01:35 ID:/pBmmy6A0 - ピカ○ュウである。絵ではない。実際にどう見てもピ○チュウらしき謎の
生命体がいた。 「…あれってピカチュ○だよね…?」 丸々と太った猫に見えなくもないがどちらかといえば○カチュウだ。そいつは ばりばりとレタスを食べていた。厨房である。 可愛いが現実にいてはいけないものだ。近寄っていいものかどうかも迷う。 しかしレタスを食べているところから考えると草食だろうか。 「見なかったことにしよう」 「…そうだね…」 とりあえず厨房を後にする。 するとその瞬間、人の叫び声と何か爆竹を鳴らすような音が聞こえた。二階からである。 「二階だ!」 二階へあがる。するとそこには、高さが二メートル程ある更に奇妙なものがあった。 人体である。ただし頭部がなく、なにか公園にあるクルマ止めのような『コ』の字の 器具が顔に相当する部分にあり、肩がひどくえぐれていた。それがゆっくりとこちらへ 迫ってくるのである。皮膚は白く、妙な光沢があり、何かオイルかローションを塗りつけた ようでもある。 いずれにせよかなり不気味なものだ。 つづく
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131 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/29(金) 23:09:39 ID:/pBmmy6A0 - 「デタ━━(゚Д゚;)━━━ン!!!!!」
「誰だ!誰かいるのか!?」 声がする。その二メートルの何かの背後からだ。 「いるいる!」 「離れていろ!手榴弾を使う!」 日本でそんなことを言う奴はそういない。 「的場か!」 「なに!?ユウジロウか!」 「何やってんだ!」 「貴様こそ!」 「ここは霧原の家だ!手榴弾はやめろ!」 「何だと!わかったとにかく離れていろ。すきを見てそちらへ向かう!」 とりあえず四人は階下へ降りた。 何分かすると、命からがらといった様子で的場リュウジがやってきた。 今日はM16アサルトライフルを携えている。 つづく
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- : 【エロ】山形先生Part4【オカルト】
132 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 23:19:37 ID:/pBmmy6A0 - 「どうなってるんだ畜生!」
ユウジロウは説明を求めた。リュウジは訓練中だったという。何の訓練かはもう どうでもいい。大体突撃銃がジャーナリストに必要かどうかという問題から入らなければ ならなくなる。 遭難し、山中をさまよい歩いていたところ、この洋館を発見し、まさかと思いドアを開けたら あっさり入れたのでそのまま一晩泊まっていたという。 「鍵はかけてあったはずだけど…」 表にジムニーが泊まっていて、人の気配がしたとリュウジは言う。おそらく管理人が今日 トオルたちがやって来るので準備をしていたのだろう。その隙に入り込んだのだ。 そして管理人の気配が消えたので、誰もいなくなったのだろうと疲れて眠りこけていると、 また人の気配がし、飛び起きた。つい何時間か前。 「また管理人のおじさんが来たんだね」 「そうだろう。しかしその時は何ともなかった。また隙を見て脱出しようと考えていた」 しばらくすると今度は賑やかな声がした。ユウジロウら一行である。彼らが館に入った その瞬間に、突然様子がおかしくなり、何事かとうろうろしていると、先ほどの化け物に 出くわし、今に至る。 つづく
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133 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 23:36:07 ID:/pBmmy6A0 - 「…何者だ奴は…?」
意外と冷静なリュウジにユウジロウは驚いた。的場リュウジ、お化け、幽霊の類は全く 駄目ではなかったか。 訊ねると、実は彼には明確に幽霊とそうではないものの判別の仕方があるらしい。 物理的な攻撃が有効であれば大丈夫なのだそうだ。 要するに触れれば怖くないし、触れなければ怖いということだろう。ただ心霊写真、呪い、 祟りは全く駄目だと言う。 「一発ぶっ放したが、当たった」 先の怪物にリュウジは発砲している。確かに着弾したそうだ。だから大丈夫らしい。 「ただ、血も何も出なかったぞ。ダメージもないようだった…」 「だから手榴弾か?」 「そうだ」 「ってか化け物退治よか出ること考えない?」 「なに?やはり出れないのか?外が真っ白だが…」 「出れるには出れるけど、その白い世界から抜けられない」 「なんてこった…」 つづく
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134 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 23:41:17 ID:/pBmmy6A0 - 「明日になれば管理人のおじさんまた来てくれるけど…」
「外部からはどうなってるんだ?」 訳も分からず話していると、遠くから何か声が聞こえる。 「誰か!」 身を伏せつつM16を構える。呆れてサエが言った。 「あんたのデカい声にビビるよ…」 「…音を立てるな…っ」 「…ぉ…ょぉ…」 「!」 何かが確かに聞こえる。二階ではない。同じ一階からだ。 五人固まって音の方向に向かう。定期的にその音は聞こえてくる。やはり 人間の声らしい。 「…ぉ、ぃぃょぉ…」 「何か言ってるね…」 つづく
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135 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 23:47:47 ID:/pBmmy6A0 - 「…ねぇ…あれってかくれんぼの時の声じゃない…?」
アカネが言った。かなり耳はいい方だ。アカネにははっきりと、 「もぉいいよぉ〜」 と聞こえているらしい。言われてみれば確かにその響きだ。独特の抑揚がある。 「子供が忍びこんでる…?まさか…」 リュウジは少し泣きそうだった。今度こそ幽霊かもしれない。 「先生、的場くんが泣きそうです」 「か、からかうんじゃねぇ!」 「的場、とりあえずここは霧原の家だ。発砲と爆破は許可しない」 「…そんな…」 仕方なくリュウジはM16の安全装置をかけ、グリップから手を離した。 「もぉいいよ〜」 また、聞こえる。 つづく
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136 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/29(金) 23:54:30 ID:/pBmmy6A0 - 「だったら探すのやめようぜ。見つけて何になる?」
「…確かに」 「でもあの声聞くとつい探したくなるよね」 「余計なことは言うな!」 とりあえず、直接身の危険はなさそうだが、二階をうろついている謎の巨人が 気になる。最大の問題はいつ出られるのかだった。 「ねぇここって天国ってことはないよね…?」 「え?」 「例えばさ、あたしたちってもう実は死んでて…」 「アカネ」 「…」 とりあえず悪い方向に考えが及ぶことは避けたかった。誤った判断を招きやすい。 ときおり微かに聞こえる『もぉいいよ〜』が気になる。不思議なもので、一度何と 言っているか確認してしまえば、あとは元々聞き取れなかった場所にいてもそう 聞こえてしまう。 つづく
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