- 【エロ】山形先生Part3【オカルト】
603 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 00:05:38 ID:xxj9pCBh0 - 玄関のドアを開けた音がする。それは校長の耳にも確かに届いた。
しかし喘ぐに任せてバックからサエを責めたてているトオルは全く 気付かない。 しばらくあって、居間のドアが開いた。 トオルがドアの音に気付いて振り返る。そこに父がいる。固まるトオル。驚きの父。 ニコンのシャッターが切られた。 成金が窓を開ける。 忍者が音響手榴弾を投げ込む。 成金、忍者、兵士、一斉に窓に背を向け、目を硬く閉じ耳を塞ぐ。 雷でも落ちたかの様な轟音と閃光! 兵士が飛び込む。忍者が飛び込む。成金が飛び込む。 居間のドアでは父親が倒れていた。 兵士、凄まじい速度で衣服を回収。窓の外へ。 成金、えへらえへらと初めて見る生の若い女の裸体を担ぎ上げようとする。 忍者、それは俺の獲物だとばかりに成金にタックル。 つづく
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604 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 00:16:41 ID:xxj9pCBh0 - 忍者、木下サエを抱えて窓の外へ。
成金、タックルを受けて霧原トオルの体に折り重なるように失神。 兵士、忍者ともに成金の脱出を待つもタイムアウト。ふらふらしている 木下サエにとりあえず適当な衣服を着せ、二人で抱えるようにして霧原邸を 脱出。 数分後、父親、覚醒。 愛する息子が全裸にされ、成金親父に覆いかぶさられている光景を目にする。 トオル覚醒。重い。ふと見た父親の記憶。サエはどこ?重い!何か臭い! 「助けてー!」 「ぅおおおぉぉぉ!」 ダンディ親父怒りの鉄拳。成金、覚醒。痛い。みんないない。 「あんた、どこかで見た顔だな?」 「そう!私は正義の味方、チェンジマン!」 ポーズを取った。 処分決まった。 給料が三ヶ月、もらえないらしい。 終
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608 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 01:20:51 ID:xxj9pCBh0 - ん〜…校長このまま童貞キャラで終わらすか、大どんでん返しカマすか
迷い中…。可哀想な気もするんだけど本人がどうも本気で悩んでない気が する。 なんか教師を主人公をしたからなんだろうけど、『奇面組』とか、初期の 『コータローまかりとおる!』みたいな雰囲気が匂ってきたな…。 オカルトと絡めにくいのはその辺りか…。『内調』とかって発想的に思い切り 『コータロー…』みたいだもんなぁ…。
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- ■■■■■ 東京 多摩 3 ■■■■■
890 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/21(木) 16:48:01 ID:xxj9pCBh0 - パッパッパッパパーマンは〜
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610 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 17:40:37 ID:xxj9pCBh0 - >>609
>いつものおバカな雰囲気 ヒドスwwwwまぁ実際そうだけど(笑) > あと、自分が好きだった作品に多かれ少なかれ影響受けるのは普通だと思いますぜ。 うん。そりゃね、始めに漫画でも映画でも小説でも『自分で創ってみよう!」って思う 動機ってやっぱり好きな作品に出会って、そんなようなものを自分も創ってみたいと 思うところ入るから、悪質な盗作はともかく、何かしら影響が出るのは仕方ないですよね。 完全なオリジナルはない、とすればどのジャンルでも『創作作品』と呼べるものは全て 兄弟ってことになりますね。なんか不思議な感じです。
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611 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 20:37:53 ID:xxj9pCBh0 - さてここらで怖い話でもするか。
居酒屋『枡や』は十八時に開店する。 赤提灯に灯が入り、店主が暖簾を掲げる。 つづく
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613 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 21:01:22 ID:xxj9pCBh0 - 開けて、十分もするとちらほらと客が入り始める。
馴染みの者が多いが、恐る恐る様子を見ながら立ち寄る一見の者もあった。 ふらりと現れたのは鉄工所経営の群馬泰蔵、通称『テッちゃん』である。 (第五十二話 『切符』 参照) 「毎度らっしぇい。今日は随分早い…」 言いかけて店長はふとカレンダーを見た。カウンター席後ろの壁に貼られていて、 カウンター客には背後で見えないが、厨房にいる店主からはよく見えた。 日付を確認して口をつぐむ。 泰蔵はまだだいぶ空きのあるカウンター席に腰を降ろした。いつもは自分の鉄工所の 従業員を連れ立って来ることが多いが今日は一人。 「何にします?」 「久保田、冷やで。あと…厚揚げと、焼き鳥適当にもらおうかな」 「厚揚げは煮たやつで?」 「そうだね」 カウンターに枡が置かれ、中にコップが立てられた。そこに店主は日本酒、久保田を コップが一杯になって、枡にこぼれ出すのも構わず注ぐ。 つづく
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614 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 21:16:46 ID:xxj9pCBh0 - 枡ごとコップを持ち上げ、まずはコップに口をつけてすすり飲むと、コップを
枡から抜いて、枡に溜まったこぼれ出た久保田を一気に煽り、一息ついて、 コップをカウンターに戻した。 がらがらと引き戸が鳴った。 「毎度!」 威勢のいい店主の声が響く。入ってきた客は泰蔵から少し離れて隣に座った。 「こんばんわ」 「…あぁ、二代目先生…」 声をかけてきたのが軽子沢中学教師、福岡ユウコと認めて、泰蔵は軽く頭を 下げたが、いつもと様子が違うのは明らかだった。 「お父さんあたし、レモンサワーとナンコツのから揚げね」 頻繁に通うユウコは店主のことを『お父さん』と呼んでいた。どうもみんなが『親父』と 呼ぶのにならっているようだが、育ちの良さが出るのだろうか、『親父』とは呼びにくい らしい。とはいえ元々は、 「余計なこと書かないでね(はぁと」 あ…はい…(第五十五夜 『彼岸峠』 参照) 態度がおかしい泰蔵を横目にレモンサワーを飲む。氷抜きで、と頼むのを忘れた。 今日は冷える。 つづく
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615 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 21:28:06 ID:xxj9pCBh0 - しかし店が次第に賑わうに伴って温度はあがり、やがては暑い程になる。
何せそれほど広いとはいえない『枡や』に三十六度以上の体温を持つ人間が ひしめいているのだ。しかも酒が進めば進むほどその体温も上がる。 時折開く戸から入り込む晩秋の風が心地いい。 午後八時ともなれば平日でも満員である。 『奥座敷』では相変わらず仕事にミスでもあったのか暗い表情の男たちが、畳の床に 酒と肴を置いて、自分を慰めている。特に畳に置かれた皿に顔を近づけ、肴を食べ食べ している様は、まるで何度も土下座をしているふうに見える。(第四十九話 『現実態』 参照) 気付けば、福岡ユウコは、群馬泰蔵とぴったり肩を並べていた。 いつも自分の経営する鉄工所の仲間を連れて、賑やかにやっている男である。一人 カウンターにいること自体が珍しい。しかし、ユウコを見かけてはしつこい程ではないが何か しらちょっかいを出してくる男でもある。 これだけ接近していて、一言の声もかけてこないのはおかしい。聞くのも悪いかと遠慮していた ユウコであったが、酒が彼女を大胆にした。 「テツさん、なんかあった?」 「ん…あぁ、まぁ、ちょっとね」 つづく
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616 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 21:41:28 ID:xxj9pCBh0 - 福岡ユウコは気になった。
あれ?そういえばあたしよりテツさん早く来てたな…。いつも仕事終わってから 来るからあたしより遅いのに…。それにいつも金曜日にしか来ない。今日は 水曜日。やっぱり何か変だ。 何杯目か、泰蔵は菊水を飲んでいた。ほとんど酒ばかりで、はじめに頼んだ 厚揚げも、焼き鳥の盛り合わせもほとんど残っている。 「ちょっとって何ぃ?」 敢えてユウコはおどけて聞いてみた。今日はユウジロウも来ない様子だし、 少々退屈だったのだ。心配もあったが、単に興味、かまってほしい部分もある。 しばらく何か考えていた様子の泰蔵だったが低い声でぽつりぽつりと語り始めた。 「あんまり、こんな、酒ぇ飲みながら話す話じゃないんだけどさ…」 カウンターの向こうで、店主の焼き鳥を焼く手が一瞬止まった。 小さい声が店の騒がしさに消し去られそうで、ユウコは身体を斜めにして泰蔵に 擦り寄るような恰好になった。いつもの泰蔵なら喜ぶところだろうがそんな様子もない。 「なになに?」 「ウチはさ、親父の代から鉄、扱ってるんだよ」 「鉄工所のテツさんだもんね」 つづく
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617 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 21:57:19 ID:xxj9pCBh0 - 「もう何年になるかなぁ。今のウチの鉄工所はさ、作業場とは別に、プレハブ小屋
だけど事務所が別に建ってんだ」 「へー…うんうん」 「でも前は違って、作業場の一番奥に部屋があって、そこが事務所だったんだよ」 言いながら、すぅと泰蔵は手を前へ伸ばした。細長い作業場の奥に事務所がある、 という意味のジェスチャーだろう。ユウコはグレープフルーツサワーのグラスに口を つけたまま、うなづいた。 「…んで、ある晩、泥棒に入られた。事務所荒らしっていうのかな」 「えー怖い…」 とは言いつつ勝手に泰蔵の焼き鳥のつくねに手を出す福岡ユウコの図々しさ。 「朝になって、俺がいつも一番に出勤するんだけど、事務所に行くには…」 「作業所を通っていかないと、行けないんだよね?」 「そうそう。あぁ親父、上善水如あるかい?」 「へーい」 狭い敷地になるべく多くの客席を設ける為、『枡や』の厨房はやたらと狭いのだが、 酒に関しては日本酒、焼酎、ウイスキー、バーボン、ウォッカ、ワインに至るまで ないものはなく、銘柄も異常に豊富。しかもどこから出してくるのか分からない。 一部から『四次元居酒屋』と呼ばれる所以である。 つづく
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618 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 22:04:07 ID:xxj9pCBh0 - 上善水如を水のようにがぶがぶと飲むと、泰蔵は続けた。
「で…何だっけ?」 「ん?朝一番で出勤して…」 「おぅ、そうそう。それで、その日、朝一で出て、事務所に行こうと思ったら、 積んであった鉄骨の山が崩れてやがった」 「うん」 「あれ、崩れてるなとは思ったけども、帰りは俺が最後だったし、まぁあとで 積みなおせばいいやと思ってそのまま事務所に行ったんだ」 「…」 真剣に聞いているが、ユウコはつくねを食べ終えて、手羽先に手を出していた。 無論泰蔵のものである。 「そしたらもうシッチャカメッチャカでよ」 「えー!」 「もうメッタヤタラに荒らしたんだな。現金でやりとりすることなんかねぇから事務所 には金庫もないわけよ。あっても事務の女の子が机に忘れた小銭ぐらいなもんで」 「だからもう荒らして荒らして金ぇ探しまくったんだろうなぁ」 つづく
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619 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 22:15:54 ID:xxj9pCBh0 - 手羽先の骨にわずかに残っているナンコツ部分を前歯でこりこりと
かじりながらユウコが聞いた。 「警察には言ったの?」 「そりゃモチだぜ。すぐさま事務所から一一〇番してさ。パトカーが来るわ 雇ってる連中は通勤してきて驚いてるわ、近所の連中は集まるわでな」 「へー…」 「被害は何もねぇんだ。ただ事務所メチャメチャにされただけで。それでも アレだな。警察の連中ってのはちゃあんと調べてくれるもんなんだな」 「…一応住居不法侵入だしね…」 「それに当時、何だ、事務所荒らしが流行ってたんだな。いただろ?今でも いるのかな」 「なるほどね。警察も常習犯の可能性ありって判断したんだね」 「そうよそうよ。さすが先生だ話が早いや」 「だから被害が少なくても、細かく調べてくれたんだ」 「うん」 つづく
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620 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 22:24:18 ID:xxj9pCBh0 - 勢い込んで話していた泰蔵は一瞬辺りを気にするような素振りを見せて、
また声を潜めた。 「そしたらさ、作業場の床から、血が見つかったんだ」 「血?」 「作業場の床たってアスファルトで固めただけの床で真っ黒だから、 気付かなかったんだけど、警察が調べたらかなりの血が見つかったんだ」 「…なんで…?」 「さっき鉄骨の山が崩れてたって言ったろ?その近くに懐中電灯があった。 ウチのじゃない。犯人のやつだった。でもタマが切れててつかなかったんだ」 「…うん…」 偶然二人同時に、酒に口をつけた。泰蔵は上善水如を。ユウコはグレープフルーツ サワーを。 「分かるかい。忍び込んで、事務所荒らして帰ろうかって時に、懐中電灯のタマが 切れた。真っ暗だ。何があるかもわからねぇ。鉄工所だから色々危ねぇものが ゴロゴロしてる」 「…そうだよね…」 つづく
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621 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 22:29:37 ID:xxj9pCBh0 - 「一番血がたくさん見つかったのは、崩れた鉄骨の近くでさ。警察が、どかして
くれって言うから、ホイスト使って鉄骨どかしたのよ」 「ホイスト?」 「あぁ、クレーンだよクレーン。鉄骨運ぶごっついやつ」 「あぁ、うん」 「鉄骨どかしたら、下に何があったと思う?」 大体予想はついた。 「…犯人の死体…?」 「ならいいや…」 「え?」 左手で、右の二の腕をとんとんと、泰蔵はチョップする仕草をして見せた。 「手ぇだよ。手ぇ。犯人の、腕。腕だけ。」 「!」 つづく
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622 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 22:38:09 ID:xxj9pCBh0 - 「暗闇で鉄骨の山に服でも引っ掛けたのかねぇ…。身動きは取れねぇ。
助けも呼べない。早くしないと朝になる。焦ってもがいてるうちに…」 ずっと持っていた焼き鳥の串を、泰蔵は皿にわざと落とした。 「人間の力で崩せるような積み方はしてなかったはずなんだけどねぇ…」 「…え…で、犯人は…?」 「逃げたさ。腕だけ置いて、な」 「…お、お父さん…梅サワー氷抜きで…あとなんか温かいものちょうだい…」 「へーい」 「…何か…怖くなってきちゃった…」 「二代目先生から聞いてきたんだぞ」 「そりゃ…そうだけどさ…」 梅サワーを飲んで人心地つくと、ふと疑問に突き当たった。その事件と、今日の 泰蔵の思いつめたような表情の説明ができない。ここにいつもより早く来た理由も。 騒がしい中、二人は静かだった。店主はどこまで知っているのか時折ちらちらと 二人を見やった。 つづく
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623 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/21(木) 22:46:54 ID:xxj9pCBh0 - しばらく黙っていると泰蔵から口を開いた。
「…だから今日は毎年休みなんだ」 「え?」 「今日仕事すると必ず怪我人が出んだよ。毎年。毎年」 「…」 「しかも必ず、右腕にね。どんな気をつけても…だから休みにした」 「そうなんだ…」 出されたおでんの出汁だけを少し飲んだ。総毛だった身体が少しだけ暖まった 気がした。 店内のざわめきに二人取り残されていた。しばらくすると、泰蔵の反対隣の男が 立ち上がって、レジに向かった。途端にそちら側の肩が淋しくなる。 「お勘定」 「へーい。ありがとうござーい」 レジに立った男は随分と金を出すのに苦労しているようだった。 右腕がないからである。 終
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