- 【エロ】山形先生Part3【オカルト】
315 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 00:13:10 ID:bc8wkoWu0 - (ごめん途中で送信しちゃった…最後の一行から)
『僕はこの世の全てを恨む』 という遺書を書き残して。首吊り自殺だった。酒はそんなに強い方では なかったが、恐怖に打ち勝つ為だろう、ウイスキーのボトルがそっくり 空になって足元に転がっていた。 衝撃だった。徳島はすぐに心当たった。自分のアドバイスが逆効果だった のではないかと。 しかしそれを知る者はいない。誰も徳島と死んだ彼との関係を知らなかった のだ。彼は徳島以外の同僚からは、暗い奴だと敬遠され、彼のクラスの 様々な問題を知っていながら何か手伝うこともなく、愚痴をきいてやるわけでも なく、何の話もしなかったのだ。 果たして無視した奴らが悪いのか。余計な助言をした徳島が悪いのか。 苦悩の日々が続くうち、彼が担当していたクラスの不良どもが一度に全員死んだ。 夏休みのことだった。彼らは無免許でバイクやクルマに分譲し、川遊びに出かけた。 その川の上流には小さいながらもダムがあり、水門を開け、ダムの水を放流するから 危険だ、という再三の放送を無視して遊び続け、全員流されて溺死してしまったのだ。 愚かな若者が巻き込まれた事故として報道されたが、自殺した教師の祟りなのでは ないかという噂が生徒の中で囁かれ始め、今まで彼の死など意に介さなかった生徒 が彼の墓参りをしたり、死亡現場である、公園の木の根元に花を供えたりした。 つづく
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316 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 00:22:38 ID:bc8wkoWu0 - 徳島はそんなことを知る由もなく、通夜に出席したきりだったが、
夏休みが開けて、通勤して驚いた。なんとその死んだ教師の 慰霊碑が校舎の前に建てられていたのである。 校長に詰め寄ると、どうも事件を校長も気にしていたらしい。 祟りや呪いがあっては大変だと急遽、何百万という金をかけて 慰霊碑を建てたのだ。 馬鹿馬鹿しいと思うと同時に、人間とはなんと浅ましいものかと 思った。死んだ時は何も思わず、むしろ死んでよかったと笑い、 いざ何かあればこのざまか。 そもそもやましい気持ち、悪いことをしたという後悔の気持ちが あるからそんなことになるのだ。はじめからそんなことを感じなければ そこには何も生じない。生じたとしても気付かない。 私は絶対そのようにはなるまい。通夜に出席し、充分喪に服した。 私の供養は済んでいる。 そんな時、新しい軽子沢中学への転任が決まった。 徳島は考えた。確かに彼には自分の根性論や熱血論を押し付けすぎた。 それは悪いと思っている。祟りが怖いわけでも呪いが怖いわけでもないが、 過ちだけは認めよう。良かれと思ってした助言やアドバイスがどんな結果を 生むか分からない。もしかしたら最悪の結果を生むかもしれない。 つづく
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317 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 00:32:50 ID:bc8wkoWu0 - 余計なことはやめよう。静かにいよう。教頭となれば、半ば
教育者から足を洗ったようなものだ。直接自分が生徒に対して 授業を行うようなことはない。 彼は、その身体に流れる熱い血を急速に冷ましていった。 もう戦中戦後の時代ではない。熱血など。根性など。そもそも 時代に合わないのだ。そんなものはもう甲子園の高校球児 ぐらいにしかないものなんだ。 勉強したい者は塾に行く。優秀な教師は公務員何ぞより給料の いい塾か予備校の講師になる。 義務教育、最低限これだけ受けておけば大丈夫なはずの教育。 それが既に大丈夫ではない。中卒など世の中に通用しない。 高卒でも難しい。大学を出てやっと。それも『いい大学』を出て。 失意の中、それでも徳島は新天地、軽子沢中学に向かった。 その頃にはすっかり血は冷めていた。 以前務めていた学校がどうなったかは知らない。ただ、彼は、 よく転ぶようになった。歳のせいだろうか。階段や段差などではなく、 何もない平坦な道でつまずくのだ。 つづく
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318 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 00:40:41 ID:bc8wkoWu0 - それから十年。
様々なことがあった。妻が引越しをしたいと言い出した。まだ ローンも終わっていない家を手放して引っ越そうと言うのだ。 彼は断り続け、やがて妻は娘を連れて出て行った。離婚。 何故引っ越さなければならないのか。理由は忘れた。何か 妙なことを言っていた気がする。 私には関係のないことだ。 「…教頭…お身体、大丈夫ですか?」 「あぁ、山形先生。そちらこそ、刺された傷の方は?」 「いや私はいいんですが教頭先生が…」 「少し年が行って、色々とガタは来てますがね、至って健康ですよ」 「…そうですか…。いや色々御心配おかけしました」 「…」 大きく溜息をついた。疲れているのだろう確かに最近身体が重いような 感じがする。歳は取りたくないものだ。 学生時代から真面目。教師になる為に突っ走ってきたから免許もない。 つづく
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319 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 00:45:53 ID:bc8wkoWu0 - 自転車で帰る。
家に着くまでに二度チェーンが外れ、一度パンクした。 パンクも今月に入ってもう三度目だ。 と、ユウジロウの赤い軽自動車が通りすがった。 「教頭…」 「あぁ…」 「故障ですか?」 「パンクですよ。押して帰ります」 「乗って行きますか?」 「いや結構」 そのまま押していく。一時間もかかってやっと我が家へ。 すっかり疲れて、何か作って食べる気がおきない。たまには出前でも 頼もうかと、近所のソバ屋にカツ丼を頼んだ。 つづく
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320 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 00:52:44 ID:bc8wkoWu0 - 随分待たせたが来た。さて食べるかと丼のフタを開けると
どうも臭い。腐っているらしい。 文句の一つでも言ってやろうとソバ屋に電話をしたが、既に 営業時間を過ぎていて呼び出し音はすれど受話器を取る 者はいなかった。 しかたなく、近所のコンビニエンスストアまで歩いたが、 全て弁当は売り切れていた。 風呂にでも入るかと湯船に湯を張ればどういうわけか水で、 また沸かすのも面倒だからとシャワーを出せば熱湯だった。 何とか風呂をあがって布団を敷き、寝転がるといつもの金縛り。 徳島教頭は必ず目を閉じたままなるに任せるようにしている。 全て疲れているからか錯覚なんだ。ただ目を開けるのだけは やだ。 そこにいる人間は分かっていた。自殺したあの教師。彼の姿が 見えるのだ。まだ無意識で罪の意識を感じているのだろう。 それが妄想となって、夢となって現れる。それだけのことだが、 余り見たいものでもない。だから固く目を閉じていた。『幻』を 見ない為に。 つづく
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321 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 01:06:53 ID:bc8wkoWu0 - ユウジロウにはたまに見えた。
見覚えのない男が教頭の背後に不気味に立っている。 経験で分かる。明らかに教頭は祟られている。既に様々な 不幸に見舞われているはずだ。 忠告しようか、どうしようか。しかし至って教頭は快調なのだ。 どんな不幸に見舞われようとも。静かに。何も思わず。 充分喪に服した。私の供養は済んでいる。 徳島のことをユウジロウは特に嫌いではない。確かに冷たい 印象があり、何を考えているのか分からず、付き合いも悪い。 しかし悪い人間ではないことは何となく分かっていた。他の教師は 嫌っているようだが。 職員会議が終り、ホームルーム開始までの間、ラッキーストライクを 吸いながら眺める。その徳島教頭の『背後の男』もそろそろ彼の鈍感 に焦れているようで、最近存在が薄い。そう、徳島教頭本人のように彼の 存在もまた薄くなってきている。 そのまま消えてしまうのだろう。人のいやがらせと同じで、祟りにも最も 有効な手段は、はじめから気付かないこと。気付いても無視すること。 ユウジロウは何も言わぬ教頭から一つ学んだ。だからユウジロウも、 彼に何も言わない。 終
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324 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 11:35:17 ID:bc8wkoWu0 - >>322
感想ありがとう。多分教頭も薄々感じているのだと思います。 ただ、祟られ、呪われたから何かできることはないかと言った時に、お経を 唱えるとか除霊してもらうとか、そんな簡単なことでいいのか。それで根本的 解決になるのかと教頭は考えているんですね。 何か悪いことをして祟られた。じゃあ除霊してもらおう。それって余りに安易 ですよね。祟られるということは自分に何か原因がある。何か悪いことをした から祟られるんです。 それを責任転嫁して、自分は悪霊に取り憑かれた被害者なのだと思い込む。 供え物の一つや二つで許されたと思い込む。 そういったみんなの態度が徳島教頭には許せなかった。だから行動で示すべきだと。 それは熱血、根性を押し付けた自分を捨てることだったんです。 だから、祟られていることを薄々感じながらも、それは罪の償いとして、罰として受ける べきだと考えたんです。そして、同じ過ちを繰り返さないように、静かに生きようと。 ですから、憑いている霊が消えたところでもう変わることはないでしょうね。 そういった意味で『私の供養は終わっている』と自分に言い聞かせながらも、人生をかけた 供養を続けていると。考えていただければ幸いです。 ある意味『霊』というものを否定しながら、真正面から受け止めているんですね。だからこそ おふざけでそういったことを取り扱うような感じられた『オカルト同好会』の設立には渋い顔を したのではないでしょうか。
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326 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/09(土) 16:10:33 ID:bc8wkoWu0 - さてここらで怖い話でもするか。
長野シュウイチはメモ帳に何やら書き込みながら、 校庭を歩いていた。 つづく
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327 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/09(土) 16:23:38 ID:bc8wkoWu0 - 校舎から校門に向けて、長屋状に延びるクラブハウスの
最も校門寄りの一室。木製のプレートには 『新聞委員会』 とあった。通常、委員会は部活と違い専用の部屋を持たず、 かつてのオカルト同好会のように普通教室を放課後、利用する ことになっていた。 例えば一年A組は、生活委員会、一年B組は美化委員会といった 具合。しかし例外があった。 新聞委員会と、放送委員会である。放送委員会は主に東棟四階の 放送室を使っていた。これは委員会の特性上当然のことだ。校内の あらゆる放送を取り仕切るからには放送の為の機材が不可欠である。 新聞委員も一昨年までは他の委員会と同じように、通常の教室を 使っていたのである。ノートパソコンが学校から与えられ、それで記事を 書き、職員室の業務用プリンターで印刷する。それで充分なはずであった。 しかし、的場リュウジはこれをよしとしなかった。彼は不満を爆発させ、 活動実績のほとんどなかった自転車同好会は廃部にすべきという一大記事 をぶち上げ校内世論を扇動した。 結果、自転車同好会は廃部となった。そもそも会員もいつ辞めてもいい状態 だった。そして一つだけ開いたクラブハウスの部屋に次々と機材を持ち込み 勝手に占拠したのである。 つづく
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328 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/09(土) 16:37:52 ID:bc8wkoWu0 - 以来、誰も文句が言えずそこは新聞委員会の編集室となった。
新聞委員会の一人、長野シュウイチはそのドアを開けた。 流れる曲はジャズの名盤、マイルス・デイヴィスの『死刑台の エレベーター』、室内にはもくもくと煙草の煙が漂っている。 壁には巨大な世界地図が貼られ、様々な書き込みがされている。 机はわずかに三つ。天井まで届く本棚には様々な資料が詰め込まれ、 有線電話が二台、FAXが一台、小さいテレビが一台あった。 机の上には一台ずつノートパソコンが置かれていたが、それ以外にも デスクトップタイプのパソコンが二台稼動している。 壁にはレミントン社製のショットガン、H&K社製MP5KA4、 ストーナーXM22突撃銃といった銃器が架けられていて、みんな部屋を 訪れる者はモデルガンだと思っているようだがいずれも本物の銃器であり、 勿論発砲できる。 何故そんなものがあるのかと言えば、あまりに危険な記事を書いた場合、 編集室自体がテロの標的になる可能性があるからだそうだ。勿論的場の 考えであり、銃を用意したのも彼だ。 更に編集長、的場リュウジの机には『自爆スイッチ』なるものがあり、これを 押すと軽子沢中学全てが消し飛ぶという。 つづく
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329 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/09(土) 16:54:29 ID:bc8wkoWu0 - 正式な肩書きは、『軽子沢中学校新聞委員会委員長』であったが、
的場はこの肩書きを嫌い、『編集長』もしくは『デスク』と呼ばせた。 また『新聞委員会』自体も『編集部』と周囲に呼ばせている。 その編集長、的場リュウジは、椅子に座り、机に足を乗せて、 セブンスターの煙をくゆらせながら、バーボン、ノアズミルを 舐めていた。 これで十四歳である。 「あ…編集長、女子テニス部廃部の取材、終わりましたが…」 同学年ながら的場と違い華奢で身体の小さい長野シュウイチは おどおどとした態度で言った。 通常委員会に所属する者は一クラスから男女一名ずつの計二名が 選ばれる。各学年A組からD組までの四クラスあるので、必然的に 委員の数はどの委員会でも二十四人いる計算になる。 しかし新聞委員はなんと編集長以下三名で運営されていた。的場の ワンマンな態度、滅茶苦茶な指示、校内新聞に全くそぐわない記事 内容に嫌気がさし、大部分の委員が活動をボイコットしているのである。 気の弱いシュウイチが気付いた時には、的場と、彼に心酔している 志賀マサトと自分だけになっていた。逃げるタイミングを失い現在に 至る。 つづく
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- 【エロ】山形先生Part3【オカルト】
330 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/09(土) 17:10:38 ID:bc8wkoWu0 - 「…よし。レバノンへ飛べ」
的場の指示であった。何故校内新聞の取材でレバノンへ行かなければ ならないのか。 「ヒズボラを取材して来い」 何故校内新聞でイスラム教シーア派の武装組織を取材しなければならないのか。 と電話が鳴った。今時にして黒電話だ。相手は外国人らしく電話に出た的場は 何事か流暢な英語で話している。 ちなみに的場リュウジは、英語、フランス語、ドイツ語、韓国語、アラビア語、 ポルトガル語を話すことができる。 受話器を方と耳で挟み、ビスコンティのボールペンを胸ポケットから取り出すと メモ帳にやはり英語でメモをした。 電話を切ると、机の上のノアズミルを飲み干し、満足気に言った。 「CIAの友人から連絡が入った。ワシントンへ飛べ」 飛んでどうしろと?英語も喋れませんが。 しかし的場編集長は満足気に 「これで他紙を出し抜いた!」 と言った。 つづく
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331 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/09(土) 17:17:15 ID:bc8wkoWu0 - 長野シュウイチは立ち尽くしていた。
「どうした?早く行け」 「すいません。パスポート、持ってないんです」 「何!?お前新聞記者の必需品だぞ?」 「す…すいません」 「仕方ないな。北朝鮮へ飛べ。そろそろXXXの体がマズいらしい」 「ですからパスポートが…」 「北朝鮮ぐらい泳いで行け」 更に立ち尽くす。 「ん?あぁそうか。こいつを持って行け」 編集長が懐から取り出したのはベレッタ9mmピストルだった。 「…いりません」 「頼もしい奴だ。丸腰か。しっかりやれよ」 「…行きません」 つづく
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332 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/09(土) 17:26:11 ID:bc8wkoWu0 - ドアが激しく開けられた。もう一人の編集者、志賀マサトである。
「編集長!」 「どうした!?」 「松ヶ森でマツタケらしきキノコが発見されたと」 「よし取材車を出せ!全員で行くぞ!」 レバノンは。ワシントンは。北朝鮮は。 長野シュウイチは憂鬱だった。取材車。煙草も吸う、酒も飲む。 しかし的場リュウジはクルマの運転などはしない。 かつてこの部室を使っていた自転車同好会から接収した自転車。 それが『取材車』だった。 クルマで順調に行っても松ヶ森までは三時間はかかる。 (第二十八話 『桃源郷』 参照) しかも、今は昼休みなのである。午後の授業を受けるつもりはもう ないらしい。 全員で行くというからには僕も行くのか…長野シュウイチは渋々 自転車にまたがった。 つづく
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333 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 17:48:03 ID:bc8wkoWu0 - 松ヶ森に着いた頃にはとっくに日が暮れていた。
何故か的場リュウジはベレッタの弾倉を確認している。 志賀マサトも他の二人と同じ二年生だが、リュウジを師と仰ぐだけあって、 彼とのコンビネーションはいい。 アシスタントのようにリュウジのニコンにフィルムを入れている。アフリカで 死んだリュウジの父の形見であるニコンに触ることを許されているのは マサトだけである。 一度、シュウイチが触ってしまったことがあったが、危うく腹に風穴が開く ところだった。 「…編集長、ところで何を取材するんですか?」 「マツタケドロボーだ」 懐中電灯もなしに森の中へ入っていく編集長。残る二人も後に続いた。 漆黒の闇である。何も見えない。 「音を立てるな…」 長野シュウイチは黙々と進む的場リュウジに関心した。こんな暗く、初めて 来るような森を何の躊躇いもなく進む。父親を亡くし、しかし父と同じ道を進み、 耳の一部をなくしても尚同じ道にこだわる。 つづく
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334 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 18:00:19 ID:bc8wkoWu0 - 世界中の情報機関とパイプを持っているらしいが、確かに
外国語の電話はよくかかってくる。そしてリュウジがそれに 対応できるだけの言語力を持っているのも確かだ。 それにどこから持ってきたのか銃の数々。普通では絶対手に 入らない。やはり何か特殊なコネクションを持っているのだ。 肉体的にも精神的にも弱いシュウイチが新聞部にいる理由は 単に逃げ遅れただけではない。どこかでリュウジに惹かれていた のだ。 しかも、リュウジもリュウジで明らかに足手まといのシュウイチを 側に置いている。リュウジにも校内新聞を作っている自覚はある。 しかし紙面の大部分は校外の出来事の記事で占められ、 残るごく一部の校内に関する記事は全てシュウイチが書いていた。 リュウジはリュウジでシュウイチが必要なのである。彼がいなく なればそれこそ一切校内に関する情報はなくなってしまうのだ。 「どうやら迷ったらしい」 「工エエエェェェ(゜Д゜;)ェェェエエエ工」 「野営する」 「編集長…でもマツタケドロボーってやっぱり夜に来るのでは…」 つづく
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335 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 18:15:14 ID:bc8wkoWu0 - 「確かに。まず俺が見張る。二人は寝ろ。一時間経ったらマサトを
起こす。そして俺は寝る。マサトは一時間見張ったらシュウイチを 起こせ。その繰り返しだ」 「了解」 編集長腹心の部下、志賀マサトはリュウジの言葉を聞くなり早々に 落ち葉に身を埋めて眠る体勢を作った。 何か動きやすい恰好、汚れてもいい恰好をしていればそれもいいが 学校からそのまま来たので制服である。よくできるものだ。 しかし寒い。落ち葉に身を埋める方法は正解だとシュウイチは思った。 乾いた落ち葉は確かに暖かかった。ここまで自転車でやって来た疲れも あって、長野シュウイチはたちまち夢の世界へ落ちていった。 パシ、パシ、パシ…お…お… 何時間眠っただろう。まだ眠り足りないが、妙な音でシュウイチは起こされた。 誰かが誰かを引っ叩いているような音に聞こえる。それに呻く声。 気付けば寒さのせいか頭だけは出しているつもりだったがシュウイチは頭まで すっぽり落ち葉に埋まっていた。 つづく
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336 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 18:26:31 ID:bc8wkoWu0 - マツタケドロボーの反撃に合っているのだろうか。確かに的場
リュウジ、拳銃を常に持っているが実際に発砲したことはない。 自分の父親を殺し、自分の耳の一部を奪った銃に対して嫌悪感を 抱いているようなところもあった。あくまでジャーナリストとして報道の 自由と、命を守るためとは言っていたが、所持していることと、いざと なった時に活用できるかは別問題だ。銃の恐ろしさを知っているから こそ、ぎりぎりになって使用できなかったという可能性もある。 なるべく音を立てないように顔を動かし、葉の間から伺う。視線の先 にはマサトい゛いるはずだったがいない。 ばしっ!ばしっ!ぅおおっ!ぅわああ! 音は激しさを増す。二人の声だった。よりによって頼りになる二人が 消え、残ったのは最も頼りにならない長野シュウイチ。 音はシュウイチの足元から聞こえる。様子が分からない。見ようとすれば 間違いなく乾いた枯葉が音を立てるだろう。 シュウイチは思案した。今こそ勇気を出すときだ。学校で英雄と呼ばれる 的場リュウジ。彼を助けたとなれば自分もその仲間入りだ。編集長も 見直してくれるに違いない。 いくぞ!男になるんだ! つづく
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- 【エロ】山形先生Part3【オカルト】
337 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 18:35:41 ID:bc8wkoWu0 - 「ぅおおおおおぉぉ!俺も男だあああぁっ!」
突然地面から飛び出したシュウイチに、リュウジとマサトは 驚いた様子だったが、 「そうか!お前もオトコか!」 「よし!オトコにしてやろう!」 二人。全裸。勃起。一つの勃起は既に闇より暗い、マサトの穴の中へ。 「さぁ脱げ!」 「戦場、刑務所…女の調達が困難な場所での大きな問題に性処理がある…。 覚えておいて損はないぞ!これもサバイバルだシュウイチ!」 あれよあれよとマッチョなオトコ二人に全裸に剥かれ四つん這いにされた挙句。 「アッー!!」 「うむ!いい締り具合だ!鍛えているな!!」 「へ、へ、編集長!」 「大佐と呼べ!どうだ!長野一等兵!」 「大佐!大佐ー!!アッー!」 つづく
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338 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 18:46:01 ID:bc8wkoWu0 - 「よし!撮れ!撮るんだ!」
「撮ります!」 ニコンのフラッシュが光る。 「オス!オス!オス!どうだ俺の44マグナムは!」 「アッー!大佐!コルトパイソンです!」 「これならどうだ!」 「あへー!スティンガー!!」 十四歳の不純同性交遊。マサトは夢中でニコンのシャッターを切った。 「へへっこいつぁとんだマツタケドロボーだぜ!」 もともと体力のない長野シュウイチは、パワフルな二人に責められ完全に ダウンしていた。 もう空が明るい。的場リュウジ愛用のスント『アドバイザー』は朝六時を表示 していた。 「よし。帰るか」 つづく
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339 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 18:56:53 ID:bc8wkoWu0 - 「編集長、コイツはどうします?」
マサトの質問にリュウジは笑顔で答えた。 「疲れただろう…細い身体でよくやっている。休ませておいてやれ」 その優しさにマサトは感激し、二人自転車で帰った。 シュウイチを置き去りにして。 さすが元自転車部所有の自転車だけあって体力のある二人が飛ばしに 飛ばすと午前中のうちに学校に帰り着いた。校門前。 「マサトはどうするんだ?」 「あ、午後から学校出ます」 「そうか。俺は自宅へ戻る」 「分かりました」 これほどの自由が許されるのだろうか。とにかく編集長、的場リュウジは 自宅へ戻り、ニコンからフィルムを取り出すと現像作業を始めた。 BGMはジョン・コルトレーンである。 つづく
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340 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 19:04:58 ID:bc8wkoWu0 - 夜、的場リュウジの姿は、山形ユウジロウ宅にあった。何度か来た
ことがある。 「ユウジロウ、ちょっとこれを見てほしいんだ」 「…なんだ改まって」 写真にはオトコとオトコの肉のぶつかりあいが映し出されていた。 「…」 改まった意味が分かった。しかしリュウジはユウジロウについて、 かなりの部分知っている。ここで笑ったり馬鹿にすることもできまい。 自分も似たようなものだ。 「で?」 「…あ、あぁ、その、右端に妙なモノが…」 「ん?あ!なんだこれ?確かに写真受け取った瞬間変な感じがしたんだ」 「なに!」 「一枚ぺらぺらの写真だが、重く感じたんだよ。本一冊渡されたぐらいに」 「じゃあこれは…」 つづく
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341 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 19:12:12 ID:bc8wkoWu0 - 「心霊写真だな。間違いなく」
鬼のような形相で華奢な長野シュウイチの尻を貫くリュウジのすぐ上 辺りに、不気味な女の顔らしいものが浮かんでいた。 「これ何処なんだ?」 「松ヶ森…」 「あぁ…出るかもしれないな…。あそこには『山の老人』っていうのがいてな」 「おいちょっと待ってくれ!それは怖い話か!?」 「いや…怖いというかなんというか…」 「駄目だからな!話すなよ!」 「…お…お前まさか…幽霊とか、駄目なのか?」 リュウジは半べそをかいてうなずいた。 「お前ほどの男が…お化け怖いの?」 「何度も聞くな!それよりこの写真をどうにかしてくれ!詳しいだろ! こういうの!」 「俺見えたりするけど除霊とかそういうのはできないよ。でもこの写真は 絶対よくないよ。神社か何かに持っていってお祓いしてもらわないと」 つづく
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342 :本当にあった怖い名無し[sage]:2006/09/09(土) 19:22:42 ID:bc8wkoWu0 - 「こ…こんな写真を!?」
「まぁ俺なら持っていけんわな。あはは」 怖い怖いと言いながらリュウジは泣いた。 風呂からあがったアカネが何事かと見に来た。リュウジのことは 知らない。どう見ても自分より少し年上の男が泣いている。それでいて ユウジロウは笑っている。 写真を見つけた。うわ…すっごい写真…。あれ?この入れてる人って 泣いてる人?え?ホモの恋愛相談?大体誰あの人…。 本人を前にして誰かと聞くのも失礼だ。まだ談笑でもしていれば話にも 混じりやすいが、しくしくと泣いている。 変なの。いいや明日お兄ちゃんに聞いてみよう。 そのまま寝室へ行きアカネは寝てしまった。 ユウジロウは笑っている。 リュウジは泣いている。 ところで長野シュウイチは、全裸で倒れているところを保護され、無事帰宅した。 終
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343 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/09(土) 20:04:24 ID:bc8wkoWu0 - 今回は趣味に走ってしまいました。色々な音楽、登場する小物、
酒など(アッー!な部分以外はww)私の趣味がかなり色濃く出ています。 興味を持った方はググってみて下さい。
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344 :作者 ◆xDdCPf7i9g [sage]:2006/09/09(土) 20:11:04 ID:bc8wkoWu0 - >>336
こりゃちょっとひどい。仮名打ちならではのミスです。ひどすぎるので訂正します。 >なるべく音を立てないように顔を動かし、葉の間から伺う。視線の先 >にはマサトい゛いるはずだったがいない。 ×マサトい゛ ○マサトが びっくりさせたと思う。ごめんなさいでした。
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