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ある人の体験談
名無しさん@ピンキー
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】

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【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
5 :ある人の体験談[]:2011/07/24(日) 00:36:49.18 ID:dabLVd1tO
>>1乙 前スレの続き

(´・ω・`)その翌日、再びイノウエが学校を休んだ。
俺はイノウエの家に、プリントを届けに行った。
狭くて薄暗い部屋の中で、話が始まる。
2月終わりに学校の恒例行事として、スケート教室があった。
四年以上が全員バスで、一時間ちょっと走ったスケート場まで行く。日帰り遠足で、皆が楽しみだった。
イノウエが話す。
川 ゚ -゚)「スケート教室、来週だよね。行けるかな」

(´・ω・`)「なんで?行くでしょ」

川 ゚ -゚)「うん。具合が良くなれば」

(´・ω・`)「大丈夫だよ。きっと行けるよ」

川 ゚ -゚)「私、こう見えてもスケート得意なんだよ」

(´・ω・`)「へえ。そうなんだ」

川 ゚ -゚)「うん。一緒に滑りたいね」
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
6 :名無しさん@ピンキー[]:2011/07/24(日) 00:49:42.32 ID:dabLVd1tO
(´・ω・`)「うちの姉ちゃんがスケート好きで、親父に連れられてよく行ったよ。大泉スケート場」

川 ゚ -゚)「私もパパが上手で教えてくれた。大泉何回も行ったよ。もしかしたら、その頃会っていたかもね」

(´・ω・`)「一人っ子なの?」

川 ゚ -゚)「そうよ」

(´・ω・`)「じゃあ、可愛がってもらっただろ」

川 ゚ -゚)「きっと小さな時はね。ちゃんと生活していたし、家の電気もついていたし、暖かい夕食を食べていた。
可愛い新品の洋服も買ってもらった。いつからこうなったのかな」

(´・ω・`)「そろそろ寝て、良くならないと。スケート教室行けなくなる」

川 ゚ -゚)「うん。でも行けないかもしれない」

(´・ω・`)「なんで?」

川 ゚ -゚)「だってママが、学校にお金払っているかわからない。給食代もまともに払ってないし。
それに着るものないよ。まさかこのボロジャージじゃ、皆に馬鹿にされちゃうし」
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
7 :名無しさん@ピンキー[]:2011/07/24(日) 01:00:49.56 ID:dabLVd1tO
(´・ω・`)「着るものなんか、どうでもいいじゃないか」

川 ゚ -゚)「私は気にしないけど、皆がジロジロ見るのが嫌なの。
いかにも貧乏娘の、バイ菌持ちみたいな目で見られるのが耐えられない。楽しくもないし」
6時過ぎで、電気のつかない部屋は真っ暗で、お互いの顔の輪郭も見えなくなってきた。
(´・ω・`)「じゃあ、帰る」
と言って立ち上がる。
川 ゚ -゚)「ありがとう。また来てね」
イノウエは積極的に声をかけてきた。
俺はそれには、はっきりと返事をせず、
(´・ω・`)「スケート行けるように治して、一緒に滑ろう」
その時に、心からだったか、思ってもいなかったのかは、正直覚えていないが、そんな事を言ったことは間違いない。
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
8 :名無しさん@ピンキー[]:2011/07/24(日) 01:19:19.30 ID:dabLVd1tO
(´・ω・`)夕食の後、宿題をやっている時に、姉ちゃんに今日の見た事を喋った。
姉ちゃんは、そんな厳しい生活を強いられている友達は、見た事がないと言っていた。
姉ちゃんは、洋服や髪型といった、オシャレにも興味を持ち始めていたが、
考え方は非常にまともで、道徳の授業では、模範回答を言ってしまうような正義心も強かった。
(´・ω・`)姉ちゃんはイノウエに関心を持ち、俺の話を真剣に聞いてくれた。
スケート教室の話をした。
イノウエは、姉ちゃんと同じくスケートが上手くて、大泉で滑っていたらしいと 。
姉ちゃんは、いきなり言った。
ξ゚听)ξ「ねえ。今度の日曜日、久々に大泉に行かない?最近あそこ全然行ってない」

(´・ω・`)「いいよ、べつに。でも来週だよね。スケート教室」

ξ゚听)ξ「だからその時に、上手く滑れるように行きたいの」

(´・ω・`)「いいよ。母ちゃん、お金くれるかなあ。今月の小遣い無いよ」

ξ゚听)ξ「私が頼むよ」

(´・ω・`)「じゃあ行く」

ξ゚听)ξ「それでさ。イノウエさんも誘って。一緒に滑りたいから」
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
9 :ある人の体験談[]:2011/07/24(日) 01:34:10.24 ID:dabLVd1tO
(´・ω・`)その週の木曜日、俺はプリント届けのために、再びイノウエの家に行く事になった。
アパートの玄関で靴を脱ぐ。
脱ぎ捨てられている靴は、どれも踵が踏まれていたり、真っ黒に汚れた物ばかりだ。
俺は廊下を進み、イノウエの部屋の扉をノックする。
何も反応が無い。
思いきって声を出す。
(´・ω・`)「俺だけど」
ちょっとして鍵を開ける音がして、扉が小さく開く。
俺は滑り込むように中に入り、すかさず鍵をかける。
(´・ω・`)「どう?具合は」

川 ゚ -゚)「だいぶ良くなった。熱も無いよ。明日は学校に行きたいな」

(´・ω・`)「無理しない方がいいんじゃない?」

川 ゚ -゚)「ありがとう。でもここにいると怖いの。変なおじさんが毎日来るし」

(´・ω・`)「借金取りのおじさんか。じゃあ、来週のスケート教室も行けそうだね」

川 ゚ -゚)「うん。行きたいな」

(´・ω・`)「実は今度の日曜日に、姉ちゃんとスケート行く事になった。一緒に行こうよ」

川 ゚ -゚)「えっ?」
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
10 :名無しさん@ピンキー[]:2011/07/24(日) 01:53:30.94 ID:dabLVd1tO
(´・ω・`)「スケート上手いって話をしたら、姉ちゃんが一緒に行きたいんだって」

川 ゚ -゚)「もしかして大泉?」

(´・ω・`)「もちろん」

川 ゚ -゚)「行きたいけど、お金が無いよ」

(´・ω・`)「大丈夫。心配ないよ。姉ちゃんに払ってもらうから」

川 ゚ -゚)「そんなわけにいかないよ」

話をしながら、うまいストーリーを思いついた。
(´・ω・`)「姉ちゃん最近スケートやっていなくて、自信無いんだって。
クラスに好きな男がいて、かっこいい所を見せたいけれど、いきなりだと自信無いから、練習したいんだって。
だから二人共、練習に付き合わされるってわけ。
親も一人じゃ危ないからダメと言って、俺にお金を出すから、ついて行きなさいって言うんだ。
だから本当に気にしないでいいからね」

川 ゚ -゚)「でも、着るものが無いな。手袋はあるけどね」

(´・ω・`)「大泉は屋内リンクだから、我慢できる寒さだし、自転車で行くから、交通費かからない」
と言ってハッとした。
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
11 :ある人の体験談[]:2011/07/24(日) 02:10:30.46 ID:dabLVd1tO
(´・ω・`)「自転車あるよね?」

川 ゚ -゚)「親のボロいのだったらある」

(´・ω・`)「よし、決まった。10時に迎えに来る」

川 ゚ -゚)「本当にいいの?私の姿を見たら、びっくりするんじゃないかなぁ」

(´・ω・`)「そんな事より、好きなボーイフレンドの事で、頭が一杯さ」

川 ゚ -゚)「ねえ。手を繋いで滑ってくれる?」

(´・ω・`)「そりゃ恥ずかしいよ」

翌日の金曜と土曜、イノウエは病気明けで登校してきた。
イノウエが久しぶりに登校してきても、皆は声をかけるわけでも、ノートを貸すわけでもない。
学校では全く知らん顔だったが、俺達は、お互いに気になっていたはずだ。
土曜の放課後に、たまたまトイレ近くですれ違った。
ブラウスと、もう小さくなって薄汚れた黄色のカーディガンに、紺の長ズボン姿で、水色ジャージよりは女の子ぽく見えた。
みすぼらしい姿で哀れだった。
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
12 :名無しさん@ピンキー[]:2011/07/24(日) 02:26:21.57 ID:dabLVd1tO
(´・ω・`)「寒くないの?」

川 ゚ -゚)「うん。今日は、明日着るためにジャージ洗ったから、着るもの無い」

(´・ω・`)「じゃあ明日な」

イノウエは頷く。
会話終了。

日曜日の朝になった。
母ちゃんに見送られて、姉ちゃんと自転車に乗る。
姉ちゃんと二人で、自転車で並んで走るなんて、久しぶりだ。
(´・ω・`)「姉ちゃん。今日は姉ちゃんがスケート教室の時に、好きなヤツに上手なところを見せる為の練習に、付き合ったという事になっているからね」

ξ゚听)ξ「何よそれ!まあ何でもいいわ」

俺は手袋と、お金を確か、三千円程度が入った小さな袋を
自転車の横に付いている、折り畳み式のカゴに入れていた。
姉ちゃんは前カゴに、母ちゃんが握ってくれたオニギリやタオル他、必要な物が入っているみたいだ。
が、荷物が大きすぎる。
いつもそうだ。旅行の時も、要らない物を持って行きすぎるのだ。
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
13 :名無しさん@ピンキー[]:2011/07/24(日) 02:46:40.71 ID:dabLVd1tO
イノウエのアパートに着いた。

(´・ω・`)「ここだよ」

ξ゚听)ξ「うわぁ。これは古くて小さな建物ね」

(´・ω・`)「ここの一階だ」

ξ゚听)ξ「じゃあ、呼んできたら」

(´・ω・`)「うん」
俺は扉をノックした。
(´・ω・`)「オレ」
ちょっとすると、イノウエが出てくる。
川 ゚ -゚)「すぐ用意するから、外で待っていてね」

(´・ω・`)「オッケー」

5分位でイノウエは出てきた。
昨日、銭湯に行ったのだろうか、顔も髪の毛も綺麗に洗った感じで、髪の毛は後ろを輪ゴムで結んであった。
いつもとフインキが違い、地味ではあるが、美少女だった。

川 ゚ -゚)「こんにちは」

ξ゚听)ξ「こんにちは。じゃあ行きましょう」

川 ゚ -゚)「自転車取ってくる」

裏から、お母さんと兼用なのか、大人ものの古い自転車を持ってきて、
カゴにピンクの巾着袋を入れた。
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
14 :名無しさん@ピンキー[]:2011/07/24(日) 03:05:14.37 ID:dabLVd1tO
姉ちゃんが自分のリュックから、一組の手袋を出した。
ξ゚听)ξ「手袋持ってきた?」

川 ゚ -゚)「はい」
イノウエは、左右がヒモで繋がった、毛糸の手袋を袋から出した。
ξ゚听)ξ「その上からこれをはめて。私が昔使っていた物で、あちこち禿げているけど、穴は開いていないよ。
自転車も30分以上乗るから、手も冷たいし」

川 ゚ -゚)「いいの?」

ξ゚听)ξ「もちろん、イノウエさんのために持ってきたのよ」

ξ゚听)ξ「それから、そのジャージだけじゃ寒いから、これも着て」
と言いながら、カゴのリュックからジャンパーを出した。
胴体が薄い青緑色で、両袖が黄色のジャンパーで、姉ちゃんが最近まで、お気に入りで着ていた物だ。
ξ゚听)ξ「これも私のお古なんだけど、その格好じゃ寒いから上に着てね。
この前まで具合悪かったんでしょ。また熱が、ぶり返したら大変だし、暖かいよ」
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
15 :ある人の体験談[]:2011/07/24(日) 03:22:03.35 ID:dabLVd1tO
これじゃあ、まるで俺が、イノウエの話を何でも姉ちゃんに話しているみたいだ。
膨らんだリュックの中は、これだったんだ。
姉ちゃんの用意周到さにびっくりした。
(´・ω・`)「ほら、姉ちゃん、新しいジャンパー買ってもらったから、着ちゃいなよ。
この前までずっと着ていたから、少し汚れているけど」

川 ゚ -゚)「うん」

俺は、姉ちゃんから受け取り、バトンパスのようにイノウエに渡した。
姉ちゃんが2シーズンほど、毎日のように着用していたから、黄色の袖部分や青緑の前胸部分に汚れがあったが、
黒ずんだ水色ジャージにくらべれば、遥かにまともだ。
イノウエが、すごく嬉しそうな顔をしている。
こんな明るい顔を見るのは初めてだ。
赤と白の新しいジャンパーを誇らしげに着た姉ちゃんが、さっそうと、かなりのスピードで前を走る。
後ろから、イノウエと俺が並んで付いて行く。
途中でイノウエが、
川 ^ -^)「手袋とジャンパー、とっても暖かいよ」

川 ^ -^)「お姉さん、スケート上手なのかなぁ」
とはしゃぐ。
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
16 :名無しさん@ピンキー[]:2011/07/24(日) 03:31:05.58 ID:dabLVd1tO
(´・ω・`) つづく

>>3

(´・ω・`)恐れなくてよろしい。
あと残り、約半分ほどですから。
【横浜】金妻倶楽部〜その29〜【ハレ系】
19 :名無しさん@ピンキー[]:2011/07/24(日) 22:42:19.61 ID:dabLVd1tO
>>17
(´・ω・`)この体験談には、風俗店で遊ばれる方々への、
ある種のヒントがおりこまれております。
(´・ω・`)それが何なのか、解るか解らないないかは、あなたしだい。
(´・ω・`)読むか読まないかも、あなたしだいです。


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