- こんな天地人が見たかった!5
352 :日曜8時の名無しさん[sage]:2019/10/09(水) 22:04:34.58 ID:Mz86Fn64 - 第四十六話「文禄」(46)
「直江殿、元気にしておられたか」 急に前田慶次が訪ねてきた。 「わしは、大宰府に行ってきた、帰りじゃ」 どうせ、また和歌の名所めぐりかなんかじゃろ。 「ところで、梅北一揆の詳細は聞いておられるか」 「なんでも島津の家臣が、名護屋に向けて移動中に、肥後で城を占拠したとか」 さすがに、少しは知っている兼続である。 「残念なことに、首謀者が騙し討ちにあい、三日で鎮圧されたようじゃな」 いつものように遠慮のない慶次。ずけずけ、ものをいう。 「謀反が長引けば、征明どころじゃなくなるところじゃったのに」 こいつは、それがしが、心の奥底で、太閤殿下に反感をもっておることを見抜いておる んじゃろうな。 「折角、天下一統がなり、太平が招来されたのに、またぞろ征明の戦とは、 秀吉は狂っておる」 酒もそこまで飲んでないのに、かなり危険なことをいう慶次。 こいつは太閤殿下の諜報機関が怖くないのじゃろうか。 前田利家様が言わせておるんじゃろうか。 いや、こいつは、そんなむつかしい腹芸ができる男じゃないな。 純粋に理想的な武人であろうとしておるんじゃろうな。 の
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