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名無しさんといっしょ
おかあさんといっしょ23

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おかあさんといっしょ23
160 :名無しさんといっしょ[sage]:2020/10/03(土) 22:18:14.06 ID:PV3gzRAJ
人というのは、相手によって本音と建前を使い分けることができる生き物だ。
ここしばらく険悪なムードを漂わせてる男女二人ゆういちろうとあつこにとってこの人物も例外ではなかった。


「やっほー!久しぶり〜!」
「わぁ、だいすけさん☆」
「また来たんですね☆」

大袈裟に喜んでみせてる建前の姿に気付いてないのか満面な笑みで迎えてる二人を見ただいすけは得意気になって頷く。

というのも最近二人の様子がおかしいという連絡を貰ったのである。

あるコーナーで笑ってたあつこはずっと無表情でゆういちろうは滑ったままで終わるし、オープニング皆で手を繋ぐ場面でゆういちろうは人差し指だけをあつこに差し出してるという。
その上、なあにくんでは、「人をダメにする魔法の水なんだっけ?」「相手にも悪影響な魔法の煙なんだっけ?」と、それぞれよく分からないアドリブを入れてくるという。

「最近仕事はどう?」
「やっぱり子どもたち居ないのは寂しいですね。あ、ガム食べます?」
「早くコンサートもしたくて仕方ないです。良かったらお水飲みますか?富士山から何とかっていう天然水ですよ」
「ありがとう、両方頂くよ」

後輩のおもてなしにフッと笑い、ゆういちろうから貰ったガムを胸ポケットにしまい、あつこから貰った水を一杯頂いた。

「実は、最近君たちの仲に暗雲が立ち込んでるという噂を耳にしてね」
おかあさんといっしょ23
161 :名無しさんといっしょ[sage]:2020/10/03(土) 22:20:49.72 ID:PV3gzRAJ
早速本題に入っただいすけの言葉にゆういちろうとあつこは途端に気まずそうな顔をして俯いた。
しかし、だいすけは詳しくは聞かない。
二人はもうベテランの域になる兄姉で、立ちはだかってる壁は自分たちで解決するしかないと思うからだ。

「でもそういうの時にはあっていいと思うよ。僕も昔はよく歌い方の価値観で喧嘩したもんだ」
「原因はそんなんじゃないですけどね…」
「コンビと呼べる人もういないから羨ましいよ」
「一応私もコンビ組んでたんですけどね…」

聞き取れないほど言葉の端々に声が小さくなって元気がなくなっていく二人を見て、だいすけは困った顔で笑いながらため息を吐く。
そして椅子から立ち上がると両手で二人の手を取り合って力強く握った。

「いくぞー!!元気ぃ…パワー!!!!」

突然の出来事と耳が痛くなるほどの声の大きさにゆういちろうとあつこは眉を潜めるが、目の前で押しつけてくる笑顔を向けられると、急いで顔を綻ばせて同じように笑ってみせた。
自分の力によって相手が元気になれたと実感しただいすけは、役目は果たしたと思い、ニッと歯を覗かせてまた笑った。

「じゃそろそろ帰るかな。またしばらく会えなくなるけど元気でね!」

そう言って椅子にかけてた鞄を背負って出ていく先輩の後ろにゆういちろうとあつこは慌ててドアの外まで一緒に向かって見送った。
振り向きながら手を振り続けて遠ざかるものだから姿が見えなくなるまでずっと同じように手を振って見送らなければならなかった。
おかあさんといっしょ23
162 :名無しさんといっしょ[sage]:2020/10/03(土) 22:24:09.38 ID:PV3gzRAJ
「しばらく会えないってどうせまた近いうちに来るんだろ!」
「ほんとよね!全然久しぶりに感じないわ!」

だいすけの姿が見えなくなって緊張が溶けたのか、つい本音が出た言葉が同じであることに驚いた二人は思わず顔を見合わせる。
そして思わず吹き出してしまい自然と笑い声が溢れてきた。

「あー!私たちなんで歪みあってたんだろ?今考えたらバカバカしい」
「もういい大人なのに酒とタバコでガタガタ言ってたのがおかしいんだよな」

それから笑いが治ると互いに向き直ってどちらかともなく片手を差し出した。

「歌う炒めもやしなんて言ってごめん」
「歌う具なしおにぎりなんて言ってごめん」

しっかり手を握り合ってグーパンチをした二人はニヤッと笑った。たくさん笑った。

そして、ドアの隙間から一部始終をこっそり覗いていた誠と杏月も、声高々と笑い合ってる二人の姿を見て嬉しそうに微笑むのであった。
おかあさんといっしょ23
163 :名無しさんといっしょ[sage]:2020/10/03(土) 22:30:54.88 ID:PV3gzRAJ
「だいすけさん、またチェックしてるんすか?」

マネージャーが運転する車に乗って移動していただいすけはスマホの画面に映る番組を真剣な眼差しで見ていた。

「ぼくの役目みたいなものだからね」
「後輩想いなんですね」

昔務めていた思入れのある番組に自分の後を継いでる後輩たちに落ち度はないかとチェックするのが日課ではあるが、ここ最近多忙もあり毎日チェックすることができないでいた。
だいすけはポケットに入れたゆういちろうから貰ったガムの包みを開いて口の中に入れてまた番組を鑑賞する。

すると、噛んだ瞬間、肩がビクッと跳ね上がってしまうほどの刺激の強い味に驚いた。
それだけ日頃から眠気と闘って切磋琢磨に仕事に励んでいるのだというのが分かると(自分も負けてられないな)と思い、両頬を強く叩く。


〜きみがわらうと ぼくもうれしくなる♪
〜ふくらんでゆく もっとうれしくなる♪


画面では今月の歌が始まっていてさっきの出来事が脳裏に浮かんだ。

自分が与えたパワーによって元気になった二人。
元気を貰ったその二人を目にして自分も相手からパワーを与えて貰ってたということ。

人というのは、与えて与えられることを繰り返す相合作用な生き物だと考える。

それから、舌から感じる強い刺激が数分経つとお腹がゆるくなるのを感じ、運転するマネージャーにトイレがありそうな場所へ行くよう伝えて車を走らせていった。


〈完〉


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