このバイオリンは、当時「沈まない船」と呼ばれたタイタニック号に楽団のリーダーとして乗船していた ウォレス・ハートレー(Wallace Hartley)さんのもので、当時34歳だった婚約者からのメッセージがバイオリンに刻まれている。 1912年4月15日、タイタニック号が北大西洋上で流氷に衝突した際、救命ボートに群がる乗客たちを落ち着かせるため、 ハートレーさんをはじめとする8人の楽団は「主よ、御許に近づかん(Nearer, My God, To Thee)」を演奏し、 そのまま演奏を続けながら死ぬことを選んだ。