- 【思想】「日本には筋の通った左翼が必要」「共産主義を求める波は今後も繰り返し訪れる」 マルクスが再び注目されている★2
180 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 20:37:08 ID:WZVBq5sNP - >>147
マルクスに対する歴史学的批評をするなら原典を読むべきだが、 数理経済学におけるマルクスや現実の共産主義の評価・取り込み作業は終わっていると見ていい。 マルクスの主張のうち現実の観察とあっている部分は現在の資本主義の一部になっている。 >>154 「減価償却が終わった生産設備は共有資産とすべき」というのが「共産党宣言」での発言。 ただし、リスクという20世紀の概念がまだ存在しないので、 「生産設備を作って売れなかったら資本家丸損だからそんな投資をするわけないじゃん、 マルクスの共産党宣言の通りなら誰も投資しなくて生産が減るっつーの」 っつー感じの状態。
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241 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 20:55:05 ID:WZVBq5sNP - >>181
独立した個人をプレーヤーとして ・生産する ・蓄積する ・物々交換をする この3つの要素を満たすと資本主義と呼ばれるものの構成要素を満たす。 共産主義のコンテキストが出てくるのは状況で、 「特定の生産設備がないと生産できないものがある」 という状況。設備には農業における土地のようなものも含む。 この生産設備も古典的な商品と考え利用させることが物々交換と同様の交換価値として扱うことを資本主義と呼び、 生産設備は特殊で個人の所有権の及ぶ商品として扱うべからず、というのがオリジナルのマルクスの主張。 ここで、生産設備を商品として扱う資本主義は設備も含めて一つのロジックで説明が可能だが、 マルクスの主張の場合、生産設備を誰が作るのか、どんな生産設備を作るべきか適切に決める方法はあるか、 と言う点で考察が非常に甘かった。 生産設備は作れば作るほど豊かになる、どんなものでも作れば幸せになれる、という、 19世紀の経済学であるセイの法則をベースとする考え方なんだよね。 まあ物はまだまだ不足していた、とそう考えられていた時代のお話。 その意味では、最近見る「供給過剰の時代だから共産主義」 というのはマルクスの議論から見て外れた位置にある、というのは確かなこと。
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261 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 20:59:10 ID:WZVBq5sNP - >>222
そういうEBO・協同組合による会社経営が、マルクスの主張の中で唯一現実的に継続しうる解だからねえ。 ただ、その中では貧富の格差もあるし失業も発生する。
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346 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 21:28:29 ID:WZVBq5sNP - >>301
上でも書いたが、マルクスの議論は > 必要に応じて受け取る ここに致命的な欠陥がある。 「どんな商品が必要とされるか?」 ということに合わせて設備投資をしなければ生産できないはずなのに、 生産設備を作ることに対するインセンティブが設備所有権の否定で消されてしまっているので、 短期的には必要とされる商品がそんなに変わることはないのだけれども、 中長期的に見たときに生産設備の更新をする人が滞り、 人々は自分の求めるものを必要に応じて生産する、ということを阻害する。 その結果がソ連末期の致命的な生産力不足の一因かな、考えている。 一般的には事実上のベーシックインカムにより労働へのインセンティブがないからと説明されるが、 技術的停滞とかも含めて上記の現象は無視できないというのが自分の考え。
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402 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 21:39:14 ID:WZVBq5sNP - >>353
彼も商品自体に対する市場の存在は認めてるのさ。 だが、生産設備も市場の支配下にある、ということに気付かなかった。 いや、当時は生産される品目が食料と医療と燃料と鉄器具と、くらいまでだったからというのはある。 現代のように商品の種類が瞬く間に入れ替わり、 生産設備自体の更新も早い、と言う状況は想定していなかっただろうね。 商品の知的財産化の進行が読めていなかったとも言う。
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415 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 21:41:51 ID:WZVBq5sNP - >>401
知の欺瞞作成ボットとか作れそうだなw
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495 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 21:58:35 ID:WZVBq5sNP - >>426
> んじゃ、たとえば、その企業で働く労働者がその企業の株主となる協同組合型の企業社会にしたらどうだろ? うん、それは正しい。EBOとかLLPの類ね。 実に正しいので、実は小泉竹中時代に目玉政策の一つとして掲げられている。 株式市場を再整備してEBOしやすくして(実例もいくつかある)、 自分たちで協同組合を作れるよう、起業のハードルを下げるために 株式会社の最低資本金を1円にしたりLLPという協同組合を作れるようにした。 労働者が自らの意思と力で生産設備を作ることを、 竹中は「自己責任」と呼んだ。何を作るか、自分の責任で決めればいいと。 > あるいはどの製品やどの企業を支持するかをも有権者=消費者の投票によって決め、 > その得票数に応じて、国が資金を提供するとか?w その投票権を人は現金と呼ぶ。 投票行動のことを購買と呼び、投票所のことを市場と呼ぶ。 うん、資本主義ってやつなんだ。
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544 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 22:08:59 ID:WZVBq5sNP - >>508
マルクスの唯物史観に基づく「搾取された人間が力を蓄積して起こす階級闘争」にそぐわない、というところだね。 庶民は政治的決定から疎外されていただけで、 抑圧は薄く武士より商人のほうがはるかに儲けていた。 そこで明治維新がブルジョワ商人による武力闘争ならマルクスの説明通りだが、 実際には武士同士の路線対立の結果であった。 しかも特権階級のはずの司祭(神主と僧侶)が維新にほとんど関わっていない。 むしろ神主は棚ぼたで勝利者側に回っている。 フランス革命に対する評価が、 マルクスの考えでは経済的対立に基づくものだったのだが、 実際のところはカトリックvsプロテスタントという宗教戦争だった、 というマルクス史観の誤りですな。
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556 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 22:12:49 ID:WZVBq5sNP - >>529
> 投機手段 これはいろんな意味で違うだろ。 資本主義でもマルクスの議論でも、 投資が第二位の機能であって投機は付随的現象だと言う扱いだ。 そして、市場を通じた投資と言うのは生産設備の選択の役割を果たし、 同時にこの高齢化社会における老後の担保としての機能も併せ持っている。 悪の機能ではなく、あくまで庶民に必要とされているからこそ持っている機能だぞ?
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583 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 22:21:51 ID:WZVBq5sNP - 歴史事実の立体構造における射影としてのマルクス史観と多様体としての歴史学(俺・現代フランス思想)
>>563 うん、その点は全く賛成で、「武士同士の路線対立の結果」だと。 その他の部分はマルクス唯物史観がどんだけ外れているかという説明部分であり、蛇足です。
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603 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 22:28:10 ID:WZVBq5sNP - >>585
【 朝日本社内コンビニ募金の「寂しい結末」】 週刊文春2010年6月10日号「THIS WEEK 社会」 ある朝日新聞社員が自嘲気味に苦笑する。 「やっぱりわが社は口だけということですね。理想論ばかりで実態が伴わない」 夕刊コラム「素粒子」では、沿海部と貧富の差が開く一方の内陸部での地震をこう嘆いた。 〈最近なぜか、貧しい地域を襲いがちな震災。中国の青海省で地震。 自然の無慈悲さと、それを拡大しがちな社会のゆがみ〉 ほかにも、派遣社員の男性が「持ち物を売って募金をした」との話を投書欄「声」で紹介。 ところが、「紙面とは裏腹な意識の低さを如実に示してしまった」と社員の間で囁かれた “事件”が、朝日新聞東京本社八階にあるローソンで起きていた。 入構証がないと入れない朝日本社八階のローソンはいわば「社員専用店」で、そこでもレジ前二カ所に募金箱が設置されていた。 〈当店の「中国青海省地震」救援募金は1821円です。ご協力ありがとうございました。〉 「給料は世間から見れば恵まれていて、記者職なら三十歳で年収一千万円に届きます」 という話を聞けば「なんだかなー」という気持ちにもなろうというもの。 朝日本社のローソンは、平均を下回るお寒い結果だった。 「結局、意識も平均以下ってことですかね」
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615 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 22:32:48 ID:WZVBq5sNP - >>590
個人的な評価はこれ ↓ マルクスはフランス革命が経済的対立から起きたと考えて唯物史観を編み出したが、 実際のところはユグノー戦争の長い延長戦の果て(自由権を中心とする基本的人権の要求)であり、発想の根本から誤っていた。
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630 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 22:40:36 ID:WZVBq5sNP - >>610
「自分も金持ちになりたいのになれなくて悔しい、妬ましい」 この嫉妬心を ・金持ちは死後罰せられると思い込むことでひそかにニヤニヤするオナニーを行う → キリスト教へ ・もともと金なんかいらなかったんや!と気付くまで自問自答する → 仏教へ ・金持ちをブッ殺せばいいじゃんと直接行動へ → マルクス主義へ 以上、ニーチェの初期の文献よりお伝えしました
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662 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 22:50:35 ID:WZVBq5sNP - >>624
四書五経や孟子に見られる「人間の目的は人格者(君子)となることで、政治は人格者が行うべき」という発想は、 啓蒙思想の「人々を理性に導き、理性的な人間を選挙で選んで政治を行うべき」という発想と似てるからね。 明治になって孟子(朱子学系)の資料から 吉野作蔵がdemocracyの訳語に「民本」を充てた(漢語の初出は孟子) Revolutionの訳語に「革命」を充てた(漢語の初出は孟子) というのはむべなるかな、という感じ。 推挙や科挙で世襲貴族を試験選択官僚にしていく道具として朱子学が活躍したりとか。 まあ、最終的に支配者の家計は特別な徳があるということにしてしまうわけだが。
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802 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 23:45:28 ID:WZVBq5sNP - 大真面目にマルクス主義の復活について語るとすれば、
生産設備を作るのにコストが重厚長大化しすぎて誰もが作れるわけではなくなり、 労働契約を結ぶ労働者側の選択肢が狭まっている一種の寡占状態にある、という見方もできる。 ただしこれは自由競争派から言っても新規参入コストの増大であり、 自由な新規参入を前提としたモデルが壊れているという意味で、 実はマルクス経済学と自由競争派が共通して抱える問題、ということになる。 実際、流通と通信の発達で市場統合が進んだ結果として数減らしの競争が起き、 1970年代後半には自営業者が激減、1990年代後半にはグローバル化で国単位のニッチも統合された。 これが「企業に雇われないと稼げない」「企業は俺たちを雇え」 という風潮につながっている面は否めない。 が、いくつか考慮すべき点はあって、 自営業を増やすための拙劣で小さな設備投資はむしろ害悪(大躍進時代の粗悪な土法炉を見よ)だったりする。 まあ、この段階でも金がたまらないとか金がなくて物が買えないとかそういう悩みは 「貯金最高!」というマネタリー環境が招いているデフレ状況に原因があるのであって、 大企業の寡占に原因があるわけではないが。
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806 :名無しさん@十一周年[sage]:2010/08/23(月) 23:50:38 ID:WZVBq5sNP - >>783
資本家って中身は自分たちの年金とか退職金、 おじいさんおばあさんの老後の支えのなけなしの貯金だったりするんだぜ。 だからこそ1997の金融危機で預金者保護をやらなければならなかったわけで。 庶民が資本家になる時代、だからこそ解決が難しいのさ。 >>803 西洋はキリスト教内の路線対立で戦争を起こした揚句、 信教の自由と言う概念を作りだしてそれを第一に守るべきものとしたからね。 西洋と中東の価値観争いはキリスト教vsイスラム教ではない。 信教の自由vs信教の強制という構図のほうが目立つ。とくにアメリカでは。
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