- 【ハーバード大学講義】テレビに書籍と日本で一大ブーム 政治哲学者マイケル・サンデル。授業の魅力★3
500 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 09:20:08 ID:hbH+B86A0 - やっと書き込めるようになったと思ったら真面目な人はやっぱいなくなってるか。
こういうのは大抵日本マンセーと反米と不勉強な相対主義で埋まるからな。
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551 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 10:48:31 ID:hbH+B86A0 - >>546
そういうことはそもそもこの講義じゃ念頭に置かれてない。 サンデルに「正解は何ですか?」って聞いたら「知らない」と返されるだろう。 冒頭で出された問題は、トロッコ問題という思考実験で、 正解を導き出すんじゃなくて、種々の問題に全体として整合的な理由付けを するのがどれくらい難しいかを自覚させるのが目的。 例えば1番目で「より多く助ける方がいいから右に切る」と答えたなら、 2番目のデブの問題では「デブを突き落とす」と答えるのが整合的。 それ以外の解答をすると1番目の理由付けが普遍化されないことになり、 「場当たり的に解答してる」ということになってしまう。
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554 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 10:55:24 ID:hbH+B86A0 - 学術書を「最初から全部俺は知ってる」という傲慢な態度で読まないように、
倫理や道徳の問題も謙虚さをもって臨まないと前進はない。 その謙虚さの自覚としてはトロッコ問題は凄く適切なんだな。 自分がいかに日常ではでたらめな理由付けで満足してるかを自覚させてくれる。
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561 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 11:15:08 ID:hbH+B86A0 - >>558
どうでもいいというかそれ自体は永遠の難問なんだから、 まずは出発点としてトロッコ問題について考えてみて、 それまでの先人の蓄積を概観してみる、 というオーソドックスな講義なんじゃないかな。 政治哲学に限らず全ての学問における普通の進め方だと思う。
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567 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 11:41:40 ID:hbH+B86A0 - >>562
詳しく説明してくれると勉強になる。 >>563 俺もそれに近い。 結局極端な持続不可能なシステムを作ってそのシステムがすぐに破綻するなら、 システムを作ろうとした最初の目的が達成されてないからね。 サンデルもそんな指摘してた気がする。
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569 :567[sage]:2010/07/05(月) 11:45:02 ID:hbH+B86A0 - レス間違えたw
>>564
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571 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 11:49:23 ID:hbH+B86A0 - >>570
この手の問題については正解という発想自体を捨てた方がいい気もするよ。
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574 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 12:00:03 ID:hbH+B86A0 - >>572
相対主義自体は俺は反対。 なぜなら価値観を押し付けてはならないの部分は、 共同体の維持の前提として据えたいから。 相対主義は価値観の押し付け合い・強要自体も受け入れてしまう くらい懐が広すぎるので、議論の前提としては弱い。
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578 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 12:38:39 ID:hbH+B86A0 - >>577
でも「これは押しつけである」という押しつけがどこまで成功するのか、 結局最終的には何らかの正当化が必要だと思うよ。 暴力や武力を使わないならね。 あと共同体維持を目標に据える時点で、果たしてそれが相対主義的選択 なのかも俺は疑わしいと思う。 相対主義っていうより価値相対という事実(主義ではない)の中で どのように絶対主義的に振る舞うか、っていうのが政治なんじゃないかな。
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580 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 12:41:20 ID:hbH+B86A0 - 俺自身は価値相対は真実だと思うけど、価値相対主義は何の結論も
提示しない時点(つまりあくまでも価値中立な態度であるということ)で、 人間は人間である限りそれを採用できないしそんなふうに振る舞うことも できないと考えてる。
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587 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 13:09:33 ID:hbH+B86A0 - >>585
確かにそれが理想的だよね。 万人が共有できるような価値観を提示できればいい。 でもそれが出来ない場合にどうするのか?ってところで、 政治哲学が登場する気もする。 そうなると「押しつけがある」という状態の中で、 「なんで押し付けに従わないといけないのか?」っていう ところの正当化が必要になるんじゃなかろうか。 それが正統性の問題だと思う。
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591 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 13:52:16 ID:hbH+B86A0 - >>590
キリスト教やイスラム教は「押しつけだ」ということじゃなくて、 「真理を広めている」っていう前提だから、ここで言う正統性とは ちょっと違うと思うよ。 現代的な正統性論争って「客観的に正しいわけじゃないけど、ある意見を 他人に対して押し付けられるのはなんでなの?」っていう政治的な論点に 移行してるから、宗教的なそれ(正しいから、従え)とはまた違う。 後者の主権委譲(王政)とか手続的な承認(民主制)は、 近代的演題的な正統化の流れだよね。
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593 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 14:00:48 ID:hbH+B86A0 - >>592
面白い問題だけど、持続可能性の基準だけを使っても、 産業問題については微妙なんじゃないかな。 ある古びた産業を残すだけで社会が崩壊するようにも思えないし、 逆にそのような産業が自然消滅することを肯定するわけでもないと思う (持続可能性の基準は、あくまでも持続不可能なシステムは駄目だ という消極的基準としてしか作用せず、産業の自然消滅は「放置」 という形になるような気も)。 いずれにせよ他の基準と接合しないと解無しの領域が非常に広いと思う。
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597 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 14:11:54 ID:hbH+B86A0 - >>594
俺の書き方が悪かったな。 「客観的に正しいわけでもないが間違ってるわけでもない意見」。 俺は価値相対の命題が真だと思ってるから(価値相対主義は真ではない)、 ある価値判断が客観的に(つまり推論と事実だけで)正当化されるのは 無理だと思ってる。 だけど価値相対主義者にはなれない(それは人間には不可能)。 そこで正当性じゃなくて正統性の問題が出てくる。 正統な手続から出てきた規範によって価値判断を正当化する (主観的・事後的・手続的な正当化)。 実効性はまた別の問題。
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603 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 14:30:24 ID:hbH+B86A0 - >>600
正統性は主に権威の問題っていうか、authorizationと authorityなんだから原語に戻ればほぼ同義だよね。 で、日本語の「権威」っていう問題じゃなくて、 自己の行動をauthorに委ねるという「委任」「委譲」の意味での authorizationがここで俺が念頭に置いてる意味ね。 つまり、「相手方が絶対真であるわけでもないのに自分はなんで 相手方にauthorize(委譲)しちゃうのか」という問題意識が、 正統性の段階の手続で自覚される問題なんじゃなかろうか。 で、実効性が別の問題だというのは、実効性を無視するんじゃなくて、 正当化の段階、正統性の判定の段階、実効性の判定の段階を 区別して議論しないと各要素がごちゃごちゃになるって意味だ。 個人的に実効性の段階から判定を始めるのは、 議論の順番が面倒になると思う(北朝鮮の政治体制を日本に受け入れる べきか、という問題を「北朝鮮の政治体制には実効性があるのか」から 論じるよりも別方向から批判した方が効率的なのと同じ)。
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611 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 15:08:52 ID:hbH+B86A0 - >>607
直観主義は日常的に繰り返されてる単純な問題なら便利だけど、 大きな政治問題についてはあまり使えない。 で、これが日本の道徳観の弱いところだと思う。 言語化された明確な指針が立てられない。 各人が「俺が直観的にいいと思う政策は何となくこれだと思う」 というレベルの議論しか成立しないのが現状なんじゃないかな。 >>609 多様な現実は「価値相対」つまり「価値は多様である」という事実命題だ。 これに対して価値相対主義は「主義」というように、 それから一歩踏み込んだ何らかの態度決定・価値判断であって、 これは実は事実と無関係に成立する。 例えば「絶対的価値が存在する」という論者が「でも価値相対的にある程度 振る舞いましょう」と述べても矛盾しないことからも分かる。前者は 事実に関する主張で、後者は価値に関する主張だから。 価値相対主義は厳密に適用すれば、自由の擁護だけじゃなくて 自由の侵害もちゃんと認めるのが一貫してると思うよ。 「価値観の多様性擁護型の価値相対主義」っていうのは、 現代人の常識によく合うから理由付けが必要ないだけで、 なんでそうなのかを基礎付けるのが結構難しい。 自由権はもうちょい考えてからレスします。
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617 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 15:32:04 ID:hbH+B86A0 - >>614
もちろん手続が先の手続で正当化された前提に反していたら、 そもそも手続が成立してないんだから正統性は発生しないよ。 俺も手続があれば無条件で正統性が発生すると言ってるわけじゃないし、 もしかすると正統性を発生させるのは手続なんかじゃないのかもしれない。 それに例えば近代の自由平等友愛なんかも、 それが手続を規律するのは客観的真理だとか絶対的価値だから そうなるんだってことじゃないと思ってる。 社会契約説は手続が思考実験だけど尤もらしいところから 出発するわけで、これも一種の仮想的な手続による正統性の付与 だと思う。
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622 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 15:39:31 ID:hbH+B86A0 - >>615
こちらも大変勉強になります。 で、自由権なんだけど、これも事実としての自由と価値判断としての 自由(権)との間の架橋の問題ではある気がする。 現実には自由であったりなかったりする多様性があるけど、 自由権がそれに拘るとただの現実肯定になってしまって無意味だから、 (相対主義とは逆の方向で)理念的に決めるものなんじゃないかな。 相対主義は現実の相対性を追認する方向に動くけど、 自由権は現実の不自由を打破する方向に動くから性質的に逆なんだな。多分。 このレスを書いてて思った。 すると日本では価値相対主義よりも強い抵抗を受けるよね。>自由権 >>620 持続可能性は基礎的なパーツだけど、それだけじゃ無理だと思う。 例えば「身体の持続可能性を最大限に尊重する」っていう命題を立てても、 全ての医療についてそれで足りるかと言うと無理なんじゃないかな。 安楽死の問題なんかは功利主義とか生命の尊厳とか自己決定権を導入して、 やっと解決する問題。 例えば民主主義の方が持続可能だからという理由で特定の共同体を破壊して 外部から再構築ことが是認されるのか俺には分からん。
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625 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 15:55:11 ID:hbH+B86A0 - >>623
法律が自由擁護のためにある程度の強制力を持ってるのは確かだね。 >>624 それはでも「共同体の持続可能性」からは導出されなくない? 現在は国家がだいたい確立されてるからいいけど、 例えば古代ギリシャで独裁制と民主制がごちゃごちゃと混同されてる中で、 ペルシア支配から逃れるために民主制ポリスが独裁制ポリスと戦争するのは、 ペルシアから見れば共同体の持続可能性を短縮してるし、 ギリシャ全体から見ればアテナイを中心とした持続可能性を延長してる ふうに見れるんじゃないかな。 国単位で考えると確かに持続可能性だけで足りるように見えるけど、 もっと細かい共同体レベルで考えると凄い難しいと思うよ。 マフィアを共同体と見るかどうかもサンデルの講義で触れられてた気がする。
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628 :625[sage]:2010/07/05(月) 16:03:03 ID:hbH+B86A0 - 要するに俺が疑問に思うのは、
「複数の共同体の利害調整が共同体の持続可能性だけで解決されるのか?」 ってこと。 「大きい共同体の方が優先される」というなら功利主義か全体主義と、 「なるべく相互に権利侵害をしない形で」という留保付きなら、 自由主義と手を結ばないと難しいんじゃないかな。 >>627 「非常に多くの人々が納得してるからいいんだ」っていうのも、結局は、 「非常に多くの人々が結論に納得したらいい」という民主的手続の発案 だと思うんだけど、どうかな? 1人でも反対したら自由平等友愛が崩れるっていうものでもないと思うし、 その場合はその反対者1人に対しては多数決原理で押さえ込むことにならない?
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636 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 16:32:25 ID:hbH+B86A0 - >>634
歴史性を入れちゃうとますます手続的になっちゃうんじゃないかな。 プラトンの『クリトン』でソクラテスが法律を擁護するときの、 「結局我々はその法律に文句を言わなかったし、共同体から出て行く こともしなかったんだから、受け入れなければならない」というのは、 人の歴史が後から正統性を基礎付けちゃうって話だと思う。 これと法的手続上の禁反言の原則って同種の理由付けじゃない?
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640 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 16:40:44 ID:hbH+B86A0 - >>637
その説明だと話はむしろ単純だと思う。 端的に実力順に利害調整がされるだろうという予測だから。 逆に100%の実力行使においそれと出れない現実社会の方が、 複雑なんじゃなかろうか。
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645 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 16:48:20 ID:hbH+B86A0 - >>643
いや俺は民主主義的手続論者じゃないんだ。 俺が手続論って言ってるのは、キリスト教やイデア論みたいに、 「絶対的価値を発見してるんであって、何らかの一定のステップを 踏んだからそれが承認されるというわけじゃない」っていう考え方。 あと歴史的経緯があったから「みんなそう思ってる状態になってる」 という事実と、「みんなそう思ってるということはそれが正統性の 判定基準になるんだ」ということは区別されると思う。
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646 :645[sage]:2010/07/05(月) 16:50:44 ID:hbH+B86A0 - 間違えた。
俺が手続論って言ってるのは ↓ 手続論に対置させて言ってるのは、
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652 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 16:55:32 ID:hbH+B86A0 - >>648
手続的正義の理念が公平かどうかは置いといて、 そのレスは参考になる。サンクス。 >>649 いや別に批判してるわけじゃなくて、 そこまで割り切って日常生活を基礎に置くのは凄いと思うよ。 俺は逆にそこまで性格的に割り切れないから。
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663 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 17:03:44 ID:hbH+B86A0 - >>645
すまん逆。>>646 手続的正義は最終的な絶対的価値の発見を前提にしてないという解釈。 で、ニーチェなんだけど、神が死んだっていうのは、 要するに絶対的理念の消滅であって、 それが神で表現されてるのは単にニーチェがキリスト教文化圏だった ってことの現れでしかないと思ってる。 だからニーチェの道徳批判って人権思想にも及ぶと思うんだよね。 超人思想と人権思想が調和するとも思えないし。 ツァラトゥストラで神殺しの意味が分かってないという下りの部分が あるけど、日本人も実は神殺し(=既存の自明視されてる価値の崩壊) は経験してないんじゃないかな。 日本だとなんだろ、「空気は死んだ」とでもいうのかなw ちょっと脱線だったか。
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728 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 18:14:48 ID:hbH+B86A0 - 要するに3行で書けって言うのは日本人的な知恵だよね。
3行以上書かなくても分かるだろう、って言う。 で、理解しない相手には全く通用しないというディベートの不存在でもある。
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735 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 18:19:57 ID:hbH+B86A0 - >>733
いや3行で書けって言われたら書けるよ。 1行目に是非、2行目に理由、3行目にその理由から演繹される要件でね。 ただそれは議論の進展には全く役立たないただの断定だけどね。 逆に日本人は2000字で書けと言われる方が困るんじゃない? 自分の意見の端的な開陳しかできないように教育されてるから。
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744 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 18:28:38 ID:hbH+B86A0 - >>739
同意。 これって日本の教育の問題点にも触れてると思う。 「日本人の答案は裁判官みたいな書き方をする」と大学の先生が言ってたが、 これは「私は〜が正しいと思う。なんでかっていうと〜だから。終わり。」 という自説の披露になってるってことだったらしい。 相対的な価値観が流行ってる割に日本では「複数の意見を比較考量する」 というやり方は少なくとも大学生になるまで公式には教えないんだよね。
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760 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 18:56:32 ID:hbH+B86A0 - 別に政治哲学というかなんというかこういうのを勉強しないというは
個々人が決めることなんだろうけど、勉強しないと議論のツールが 狭くなるのは確かだと思うよ。 勉強した人の残りかすを貰うってことは他人への隷属なわけだし、 それも嫌となると直観で生きるしかないが、直観は「私はあなたの 直観なんて信用しません」でその後に説得する術がないからね (日本では実はKYつまり「おまえそんな常識も分からないのか?」 という説得方法があるがこれは国際的に全く通用しないやり方)。
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774 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 19:06:22 ID:hbH+B86A0 - >>768
答えははっきりしてるけど理由付けが難しいんだよ。 多く助ける方がいいという理由付けが一番多いんだろうけど、 そうなると「デブを突き落とす方がたくさん助かるからそうすべき」 「1人殺して臓器移植した方がたくさん助かるからそうすべき」という ことになる。 要するに理由付けが他の問題に波及するわけで、 そういう困難さに気付かせる意図だと思う。 そもそもこれって実は元ネタが心理学なんだよ。 http://ja.wikipedia.org/wiki/トロッコ問題
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782 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 19:14:00 ID:hbH+B86A0 - >>774
緊急回避はあるよ。 >>778 それが実は「理由付けではない」ということに気付かせるのも多分目的。 理由付けっていうのは、ある前提から演繹的に帰結させないといけない。 例えば、 「人がたくさん助かる方がよりより選択肢である」(一般的な主張) ↓ 「このまま進むより右に切った方が多く助かる」(事実) ↓ 「右に切るのがよい選択肢である」(結論) で、一般的な主張同士がしばしば矛盾対立するところで、 ほんとうに難しい問題が出てくる。優先順位の問題もある。 日本では単に「〜から」とか「〜ので」で文と文を尤もらしく繋げるのが 「理由付けすること」だと思われてるが、そうではない。
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784 :782[sage]:2010/07/05(月) 19:17:05 ID:hbH+B86A0 - ごめん。また間違えた。
緊急回避はあるよ。 ↓ 緊急避難の問題はあるね。 自分で書いといてなんだが意味不明な日本語だorz
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794 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 19:24:35 ID:hbH+B86A0 - >>785
理由ははっきりしてないよ。 この理由付けを認めちゃうと、 「人がたくさん助かる方がよりより選択肢である」(一般的な主張) ↓ 「隣にいる無関係のデブを突き落とすとより多くの人が多く助かる」(事実) ↓ 「デブを突き落とすのがよい選択肢である」(結論) という推論も自動的に正しいことになってしまう。 で、多分多くの人が「さっきと状況が違う」と言い出すわけだが、 「どう違うのか?」「なぜその差異が先の一般的な理由付けを覆すのか?」 という部分はほんとに難解。 要するに「たくさん助かる方がいい」という理由は実は 自明でも何でもないんだな。 >>789 そうだね。優先順位が一番難しいと思う。
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805 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 19:30:44 ID:hbH+B86A0 - >>799
すり替えじゃなくて「自明で一般的な理由付けなんてまずない」ってこと。 自分がちゃんと理由付けできてるように思えても、 よくよく疑って考えないといけない。 ある問題はちゃんと解けるけど他の問題は解けない。 だとすると俺の考えてる理由は実はおかしいんじゃなかろうか。 これに気付かないと単に理由付けに見せかけた独断になってしまう。 こういうのはケースを次々と変えて行くことによって 浮かび上がって来るわけで、サンデルはこの点が上手いと思う。
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815 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 19:36:53 ID:hbH+B86A0 - >>806
そうそう、そうなんだよね。 デブの話では「実は頭数だけじゃなくてその当人の状況も関係ある んじゃなかろうか?」ということに気付き、片方がアインシュタインなら、 「その人の価値かもしれない」ということに気付くかもしれない。 最初に「なんだ単純に5>1の問題だろ」という最初の直観が こうやって洗練されてくところが講義の主眼だと思う。 >>807 確かに。 優先順位を決めるとしたらもう1つ下の段階まで降りないといけないからね。 別々の主張だと思ってたのが、1個の原理にまとめられる可能性もあるし。
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820 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 19:42:52 ID:hbH+B86A0 - >>811
そう。同じ物じゃないよ。 そして同じ物じゃない事例が最初の理由付けで解けないなら、 最初に「頭数で決まる」という理由が「単純過ぎた」という ことに気付くはず。 すると最初の列車の事例でも、「運転手」という属性があり、 1人の方に「労働者」という属性があることも、 実は無意味な修飾じゃないことにも気付くはず。 こうなると「5>1」以外にも最初の問題で考慮する必要がある 要素はもっとたくさんあったんだということも理解できる。
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825 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 19:48:46 ID:hbH+B86A0 - >>824
逆を選ぶ必然性は全然ないよ。
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834 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 19:57:59 ID:hbH+B86A0 - >>822
これって逆からやった方がむしろ簡単だと思う。 「隣にアインシュタインが立ってたら突き落とすべきか?」 「隣に作業員が立ってたら突き落とすべきか?」 「自分が暴走列車の乗員だったら右に切るべきか?」 「自分が運転手だったら?」 これなら要素がたくさんあることに最初から気付く。 一見簡単そうな運転手の場合から始めるのが、 サンデルの意地の悪いところというか何と言うか。
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866 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 20:17:42 ID:hbH+B86A0 - >>858
重要性で言ったら、スコラ哲学とプラトニズム、アリストテレスが 断トツな気もするんだがどうだろうか。
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873 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 20:20:52 ID:hbH+B86A0 - >>869
なるほど。俺の懐古趣味というわけでもなかったか。 スコラ哲学はほんとにあんまり研究されてないよね。
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885 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 20:25:54 ID:hbH+B86A0 - >>871
それは別にいいと思うんだよ。 アリストテレスがずっと生きててそう主張し続けたわけじゃないんだし。 ガリレオやオイラーも天文学や数学について変なことを言ってるが、 それは科学が段階的にちゃんと進展してるんだから構わんと思う。 問題なのは「アリストテレスが言ったからそうなんだ」と主張する 後世の側だろうな。 >>875 岩波でもその辺の時代だけごっそりないよねw
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- 【ハーバード大学講義】テレビに書籍と日本で一大ブーム 政治哲学者マイケル・サンデル。授業の魅力★3
899 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 20:33:30 ID:hbH+B86A0 - >>894
うーん、難しいレスだorz でもデカルトの合理主義の基礎になってる「我思う故に我あり」って 実際にはアウグスティヌスの発言だよね。 そのへんに連続性が見出せる気もするんだけどどうだろ。
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918 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 20:46:06 ID:hbH+B86A0 - >>912
なるほど。 アリストテレス前振りにすることって確かに多い気がするな。
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938 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 21:03:35 ID:hbH+B86A0 - >>929
臓器くじはいろんな立場からは反対意見が出ると思うよ。 まず自動車という交通制度と臓器移植という医療制度が 同じくらい効用が出せるとは思えない。 この時点で功利主義的に正当化できる可能性は下がると思う。 また交通事故はあくまでも違法であって補償制度もあるのに、 臓器移植はそれを合法とすることで全く逆の制度になってる。 だとすると臓器移植を受ける人の遺族にも補償するかってことになるが、 そんなことまでして臓器移植を推進する必要が説得的な形で 論証できるかな。結構疑問だと思う。
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942 :名無しさん@十周年[sage]:2010/07/05(月) 21:20:08 ID:hbH+B86A0 - >>941
まあ今は自動車保険があるから、結構公平な負担になってるんじゃない? 交通事故の罰則は事故があった場合の経済的損失の抑制機構としては必要だろうね。
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