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名も無き被検体774号+
奨学金満額で借りてるアホ大学生だけど、勉強の休憩がてら自分語りしたい

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奨学金満額で借りてるアホ大学生だけど、勉強の休憩がてら自分語りしたい
1 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 04:51:47.48 ID:Xlxccjyl0
特定だけはしないお約束だぜ
奨学金満額で借りてるアホ大学生だけど、勉強の休憩がてら自分語りしたい
2 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 04:53:09.21 ID:Xlxccjyl0
というか、初心者なんですがここでつらつら話していっても良いのかな、もっとしかるべき板があるとかなら教えて欲しい
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3 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 04:54:00.51 ID:Xlxccjyl0
まあ、暇つぶし兼休憩だから勝手にやります。
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4 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 04:56:45.76 ID:Xlxccjyl0
さて、まあ奨学金満額ってなんやねんって話だけど、月12万を四年間、院は知らんけど、まあ借金総額1000万は行くかなって感じです
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5 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 04:58:21.35 ID:Xlxccjyl0
我ながらいろいろ思い出深い人生なので思い出しながら暇を潰していきます
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6 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:04:02.48 ID:Xlxccjyl0
まず生まれがとんだど田舎でして、それはそれは自然豊かで田んぼと山とほんの少しの道路以外なにも無いとこでした。
もちろんコンビニなんか無くて、最寄りのショップは〇〇商店、最寄りのコンビニは歩いて一時間強って感じです。
で、閉鎖的な地域だったから保育園、小学校、中学校が同学区内にあって、ど田舎特有のエスカレーター方式でした。
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7 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:08:21.73 ID:Xlxccjyl0
でも実は生まれ自体はそこじゃなくて、両親とも実家から離れて生活してたんだけど、姉が小学校に入学するってなって実家に戻ってきて、そのタイミングで僕も実家に舞い戻りました。
当時は年少さんなのでほとんど記憶にありませんが、ミニカーとプラレールが好きだったことはなんとな〜く覚えてます。
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8 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:12:56.69 ID:Xlxccjyl0
それで自然豊かな土地での、祖父母、両親、姉、僕の三世代世帯新生活が始まったわけですが、祖母の印象だけやたら強く残ってるんですね。
というのも、僕の記憶の限り、祖母は当時車椅子に乗っていて、なんか漠然と、めずらしい人なんだなって思っていました。
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9 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:17:45.71 ID:Xlxccjyl0
まわりの人は普通に生活してるのに、うちのおばあちゃんは変だなって見てたんですね。
でも僕はめちゃくちゃおばあちゃんっこで、小学校に上がる前に数字とかアルファベット、足し算とか教えてもらってました。
小学校上がる前から足し算できるなんて〜、みたいにいっぱい褒めてもらったのを覚えています。
ちなみに、おばあちゃんの味噌焼きおにぎりは人生で一番うまいおにぎりだと断言できる自信があります。
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10 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:21:02.38 ID:Xlxccjyl0
さて、そんなこんなで小学校デビューを迎えました。
同級生の数は一桁、保育園から上がるときに別の地区へ引っ越していった子が何人かいました。
まあ、クラスの人数が一桁なのはどの学年も同じだったので、全学年で一クラスみたいなそんな感じでした。
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11 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:25:36.33 ID:Xlxccjyl0
小学校と言えば休み時間にやるボール遊びですが、我が校のお決まりは全学年混入のドッヂボールでした。
低学年は逃げ専、高学年は「幼児虐待!」とか叫んで全力でボールをぶつけてきました。
顔面セーフはアリで、鼻血だらだらで逃げ続けたりしてました。
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12 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:28:34.29 ID:Xlxccjyl0
それと、小学生ともなるとなんとなく世の道理みたいなのが分かってきて、自分の身の回りの環境について気づくことが増えてきました。
特に大きいのは、まあ、4つぐらいありましたかね。
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13 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:34:26.67 ID:Xlxccjyl0
1つは勉強についてで、僕はそれなりに勉強はできるようでした。
といっても、おばあちゃんや姉の入れ知恵でちょっと知識があるだけだったのでしょうが、クラスで1番だ2番だとテストのたびに喜んでいました。
次は兄弟関係で、姉に逆らうことが不可能だと悟りました。
コロコロ〇ミックやCDケースでボコボコにされていたのが懐かしいです。
今でも逆らおうなんてとてもじゃないけど…
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14 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:38:32.02 ID:Xlxccjyl0
次はお金の話、どうやらうちはいわゆる貧乏なようでした。
当時は分かりませんでしたが、両親はどちらもパート勤めで稼ぎはお察しの通り。
祖父母も退職しており、それもどちらも工場勤めだったらしく、老後の蓄えとかいう考えはあまりなかったのだろうと思います。
加えて、祖父は年金すら払っていないようでした。
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15 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:42:02.59 ID:Xlxccjyl0
僕が我が家のお金事情に気づいたのはひょんなことで、中学年次の保険の授業でした。
毎日の朝ご飯チェックみたいなのがあったんですが、僕はそれまで、朝ご飯に卵かけご飯以外食べたことがありませんでした。
それで、他の人の話を聞くとなにかおかしいなと思い、両親に伝えてみました。
すると、そのうちソーセージが2,3本つくようになりました。
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16 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:45:44.01 ID:Xlxccjyl0
最後はおばあちゃんについてです。
どうやらおばあちゃんは体が不自由らしく、しかたなく車椅子に乗っているようでした。
でも気づけば、一日中ベッドで寝たきりになっていました。
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17 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:49:17.73 ID:Xlxccjyl0
ああ、体が不自由だからヘルパーさんとか言う人がいつも来てくれるし、お風呂屋さんとかいう人がわざわざ来ておばあちゃんをお風呂に入れてるんだなと思いました。
なにか気に入らないことがあるとすぐに怒り散らして、まさに昭和の頑固者だった祖父も、おばあちゃんのこととなるとなにかと献身的で、いつもこうだったらなと思っていました。
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18 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:53:16.05 ID:Xlxccjyl0
さらに、うちのおばあちゃんは体が不自由なわけがありました。
パーキンソン病でした。
しかも僕が生まれる7,8年前から発症しているらしく、幼心にも、死というものがなんとなく意識できていました。
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19 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 05:57:16.94 ID:Xlxccjyl0
そのうち自宅専用のナースコールみたいなものや手すりが増設され、おばあちゃんに何かあった時は茶の間に「エリーゼのために」が流れました。
それを聞いたら一目散におばあちゃんの部屋に行って、専用のベッドの角度を調整したり、これまた専用の機械で痰をとってあげたりしました。
時にはトイレやおむつの手伝いもあって、嫌なこともありましたが、エンシュアリキッドというミラクルジュースをくれたのでちゃんといっていました。
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20 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:00:24.73 ID:Xlxccjyl0
でもそのうち面倒になり、最初の一回ぐらい無視しちゃえ、寝てて気づかなかったことにしちゃえといったことがでてきました。
今思えばなんてことをしていたんだろうと思いますが、なんとかなっていたので反省することもなかったのだろうと思います。
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21 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:05:40.05 ID:Xlxccjyl0
一方で学年が上がった僕は大きな壁にぶつかります。
外国語の授業です。
ただでさえ少人数クラスで、陰キャ気質だった僕は、見知らぬ外国人講師の言っていることを集中して聞こうとすら思えませんでした。
話すなんてもってのほかです。
すると、外国語の単元テストで30点を取ってしまい、自分はもしかして勉強ができないんじゃないかということに気づき始めました。
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22 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:07:56.45 ID:Xlxccjyl0
中学校に上がった姉がなお手につかなくなって、兄弟関係が冷え切っていた時期でした。
今でもはっきりと覚えてるあの日が来ます。
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23 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:11:29.17 ID:Xlxccjyl0
その日の午後の授業は、この一年間の自分新聞を作ろうというものでした。
小学校のパソコン室で最近覚えたローマ字でもって、必死に文字を打っていました。
そんな中、ごごっと聞きなじみのない低い音が響きました。
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24 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:15:33.89 ID:Xlxccjyl0
すぐに部屋全体が揺れ出し、地震であることに気づきました。
年頃の男の子ですから、僕や周りの男子は調子に乗って余裕をこいた態度を取っていました。
でも、なんだか強い地震で少し怖かったので、先生の声かけとともに机の下に潜り込んで、じっと固まっていました。
その揺れは数十秒続き、こんな長いの初めてだなと思っていました。
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25 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:19:33.67 ID:Xlxccjyl0
少し、ほんの少し弱まったかなと思った瞬間でした。
聞いたことのない轟音とわけのわからない揺れでした。
机の上のパソコンが軒並み降ってきて、学校がくずれるんだと思いました。
木造のおうちもつぶれて、おばあちゃんは埋まってしまっただろうかと思いました。
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26 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:25:43.65 ID:Xlxccjyl0
とても長い長い揺れでした。
実際どうだったかは分かりませんが、10分ぐらい揺れ続けた気がします。
余震が収まらない中、歩いて移動はできるぐらいの揺れになったらすぐさま避難がはじまりました。
階段を降りながら、〇〇ちゃんめちゃくちゃ泣いてるなとか、避難訓練って役に立つんだなとか、やけに冷静だったのを覚えています。
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27 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:29:36.40 ID:Xlxccjyl0
外は雪がちらついていて肌寒かったですが、上着を持ってくる余裕なんて無かったのでひたすら我慢しました。
校庭の端の方は地割れが起こったらしく、今集まっているところから動かないようにと何度も言われました。
ただただ家族と家のことを何十週も考え続けて一時間ほど待ったら、近所のおっちゃんが迎えに来てくれました。
うちの近くは瓦屋根が落ちたくらいで、家が潰れたりはしてないと聞いて安心しました。
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28 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:33:17.44 ID:Xlxccjyl0
家に着いたら父親が平気な顔をして待っていました。
僕は、なんだそんなもんかと思いましたが、親として子供の不安をあおらないように考えた結果なのだと今は思います。
おばあちゃんもいつも通りでベッドで寝たままでした。
天井落っこちてくると思ったと笑っていて、強い人だなと思いました。
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29 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:36:39.51 ID:Xlxccjyl0
そのうち母親と姉が一緒に帰ってきて、興奮覚めやらぬといった感じでしたがけがとかはありませんでした。
幸いにも揺れどころ(?)がよかったのか、停電もせず、ガスも止まらず、水は井戸水なので生活は問題ありませんでした。
加えて、田舎でしたので米と野菜は死ぬほどあり、地元の商店には地元の人しか来なかったので、食料も心配ありませんでした。
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30 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:39:49.68 ID:Xlxccjyl0
うちの被害と言えば、瓦が数枚と食器がいくつか、本棚がぐちゃぐちゃになったぐらいで、なぜか朝からテーブルに立っていたリップクリームは倒れてすらいませんでした。
茶の間にある人形が一体、首から割れてしまいましたが、父が「全部やなこともってってくれたんだね」と言っていて、不気味な人形にそんな役割があったのかと感心しました。
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31 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:44:17.01 ID:Xlxccjyl0
世間が放射線だなんだと騒いでいるある日、いつものようにおばあちゃんの痰を取ってあげていると、急に咳をし、血混じりの痰を吐きました。
これはまずいと思い、父にすぐ伝え、震える手で受話器を取りました。
初めて119なんて押すなと少しわくわくしていましたが、それはお父さんがやるから、と父に止められました。
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32 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:49:39.33 ID:Xlxccjyl0
程なくしておばさんも家に来て、どうやらおばあちゃんは大丈夫そうだということでした。
それでも何かあると怖いからと言って救急車を呼びました。
夜だからかサイレンは鳴らさずに敷地に入ってきておばあちゃんを乗せていきました。
初めて人が救急車に搬入されるところを見ました。
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33 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:53:38.37 ID:Xlxccjyl0
おばあちゃんの入院が決まりました。
実はそれまでもおばあちゃんは入退院を何度も繰り返しており、これでナースコールの呼び出しを食らわずにすむな、といけないことを思ったりしました。
しかし、おばあちゃんは重篤な肺炎になっていたようで、お医者さんは「覚悟はしといた方がいいですね」と言っていたそうです。
僕たちを心配させないためか、両親は黙っていましたが。
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34 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 06:56:22.40 ID:Xlxccjyl0
数ヶ月して、おばあちゃんの退院が決まりました。
お医者さんは「まるでフェニックスですね」と言っていたそうです。
退院自体はまあホッとはするのですが、いつものことだなと慣れが来ていました。
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35 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 07:01:32.89 ID:Xlxccjyl0
姉の高校受験が迫り、兄弟間の冷戦が激化、僕は冬休みの宿題を当たり前のように冬休みが終わったあとに始めていました。
最近、母が腰が痛いと言い始め、両親もそんな年かと思っていました。
僕は、クラスのメンバーは替わらないけれど、数ヶ月後に始まる中学校生活を楽しみにしていました。
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36 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 07:02:53.17 ID:Xlxccjyl0
気がついたら、外が明るい…
目が疲れたので休憩します。
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37 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 07:03:47.32 ID:Xlxccjyl0
というか休憩に時間使いすぎだなこれ。
来週のテスト大丈夫か…
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38 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 07:42:09.97 ID:Xlxccjyl0
朝飯補給したので勉強ほったらかして続きいきます。
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39 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 07:47:30.88 ID:Xlxccjyl0
小学校から帰ってくると、珍しく父が先に家にいました。
いつもは夜帰ってくるのを姉弟で待っているのですが、別にこういう日がないわけではありませんでした。
しかし、わかりやすくその日の父は雰囲気が違いました。
そして、もったいぶって「お前たちに話がある」と言って続けました。
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40 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 07:50:47.86 ID:Xlxccjyl0
父は「お母さんが入院することになった」と言いました。
僕はもう小学生ながらに大変に嫌な予感がしていました。
父はただできものができたから、それを取るだけと言っていましたが、そのわざとらしく落ち着いた感じはすでに何度か見たことがありました。
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41 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 07:53:53.36 ID:Xlxccjyl0
姉と二人だけで話し合い、明らかに怪しいけどあまり深くは聞かないでおこうということと、親の前で仲悪くするのはもう止めようということを決めました。
姉はすでに高校進学を決めており、前に比べて幾分余裕があるようでした。
ここから、冷え切った姉弟関係は、まあそれなりに落ち着いていきました。
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42 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 07:57:12.46 ID:Xlxccjyl0
少しして、父は仕事を辞めました。
母の代わりに僕たちの世話を見るのと、おばあちゃんの介護のためでした。
資格を取って自営業を始めましたが、当然稼ぎはパート勤めにも満たない程度でした。
母の入院が長引きそうな気配におびえていました。
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43 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 07:59:42.59 ID:Xlxccjyl0
学校帰りに母のお見舞いに行き、その日あったことをできるだけたくさん話してあげるということを毎日のように繰り返しました。
お見舞いに行ってそういったことをするのはおばあちゃんのおかげ(?)で割となれていました。
思ったより母は元気そうだったので、それほど不安はありませんでした。
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44 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 08:01:19.69 ID:Xlxccjyl0
そんな折、父が「母の手術が決まったのでいろいろ話そうと思う」と前のようにもったいぶって話してきました。
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45 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 08:05:06.81 ID:Xlxccjyl0
母はステージ4の卵巣がんでした。
大動脈にまで転移が見られ、10年生存率は1割だそうでした。
お医者さんは「直らない病気ではないです。あと1ヶ月遅かったら手遅れでしたね」と言っていたそうでした。
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46 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 08:08:01.29 ID:Xlxccjyl0
僕は大変考えました。
不思議と涙は出ませんでしたが、普通に逝くのではとか、お金やばそうとかそういった負の考えだけがぐるぐると巡っていました。
そして、ピンッとある一つの結論にたどり着きました。
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47 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 08:10:41.76 ID:Xlxccjyl0
それは「勉強をしなければならない」ということでした。
お医者さんになって僕が母を直すんだとかそういったことでは一切無く、現状を良い方向へと向かわせる方法をそれしか思いつかなかったのです。
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48 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 08:13:55.33 ID:Xlxccjyl0
勉強をすると心に決めるとなんだかいろいろと大丈夫なのではという気になってきました。
母の手術は体の中を見てみるまで分からないということでしたが、僕が頑張る限りなんとかなるのではという気すらしていました。
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49 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 08:18:01.70 ID:Xlxccjyl0
実際、母の手術は成功しました。
といってもすべてのがんを取り除けるわけもなく、そこから抗がん剤に頼った壮絶な闘病生活が始まりました。
ちょうど僕の小学校卒業の時期とかぶっていたのですが、母がなにより「卒業式を見に行けないなんて…」と泣いていたのが不思議でした。
自分の命が危ないのに、なんで僕のことなんかでと思っていたのですが、今考えれば親とはそういうものなのかなと感じます。
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50 :名も無き被検体774号+[]:2021/01/17(日) 08:22:56.57 ID:Xlxccjyl0
中学校で最初の中間テストに向けて、僕は猛勉強をしていました。
毎日のお見舞いで病室にいる間はずっと母のそばで勉強をしていました。
目に見えて弱々しく痛々しい様子の母でしたが、これで少しは母に力を与えられるんだと理由もなくそう信じていました。
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