- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
427 :1 ◆c4nkALBTcs []:2021/01/10(日) 23:24:26.96 ID:txE+MFMy0 - 遅くなってごめん…
今日は書けそうなので、続き書いていきます〜 >>416 この頃から5回以上も引っ越ししてるから、さすがにないと思うわ… >>417 まあそう思ってくれておk >>420 懐かしすぎる >>426 ありがとうな…
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
428 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:25:48.97 ID:txE+MFMy0 - そんな堕落した日々を送っている時、
実家から連絡があった。 母親が癌になり、病床に伏せたという連絡だった。 幸い早期発見で命に別状はなかったのだけど、 この出来事は俺の「意識」をはっきり変える出来事になった。 親だっていつまでも健在なわけではない。 漫画家を目指すのなら、すぐにでも結果を出さなければ、と強く思った。
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
429 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:27:27.91 ID:txE+MFMy0 - 俺は、自分の原点に立ち返るため…
「ヒカルの碁」「I's」「鋼の錬金術師」「いちご100%」 など、自分が中高時代に愛したバイブル的漫画を、 一気に読み直した。 そして再び、「漫画ってすげえ!」という原体験を味わい直した。 そこから俺は不思議なほど…… すべてを忘れて集中することができた。
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
430 :1 ◆c4nkALBTcs []:2021/01/10(日) 23:29:08.38 ID:txE+MFMy0 - 2月が終わる頃だったろうか。
俺は自分の「最高だ」と思えるネームを書き上げていた。 32Pの、ラブコメだった。 自分の好きや憧れを全て詰め込んだ、 これ以上にないネームだと思った。 思っていたが…… やっぱり不安だった。
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
431 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:36:15.94 ID:txE+MFMy0 - 前みたいに、落選してしまうかもしれない。
自分だけが良いと思っていても、正直言って不安だった。 清書に入る前に、どうしても誰かに見てもらいたかった。 でも、見せられる相手なんて一人もいないし…… そんな事を悶々と考え込み、ネーム完成から一週間近くも悩んだ。 そして俺は、穂高ならネームを見てくれるかも…と思い、 穂高に電話をかけてみた。
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
432 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:38:09.57 ID:txE+MFMy0 - 穂高と話すのも、テスト以来。
ただ電話をかけて話すだけなのに、それすらも少し緊張した。 俺「あ、穂高……」 穂高「なんだ1、久々じゃねえか」 俺「おう、ちょっとな……」 穂高「なんだ?w 一緒にとらのあなでも行くか?」 俺「いや違う、遊びの誘いとかじゃなくて」
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
433 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:39:57.02 ID:txE+MFMy0 - 穂高「え?じゃあどうしたんだよ?」
俺「ね、ネーム……見てくれないかなって」 穂高「ネーム?」 俺「ああ、書いたんだよ……」 穂高「別にいいけど」 俺「マジか…! それじゃ来週あたりお前ん家行って…」
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
434 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:41:41.08 ID:txE+MFMy0 - 穂高「いや、ってか1さ。来週ヒマなん?」
俺「え、暇だけど…?」 穂高「ならいいじゃん!お前合宿来いよ」 なにやら、嫌な予感がした。 俺「合宿って、漫研の…?」 穂高「そうだよ。一人家の事情で来れなくなっちゃってさぁ…」 穂高「でも、もうキャンセルできないんだよ」
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
435 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:46:11.78 ID:txE+MFMy0 - 俺は、この前の部会の事を思い出す。
俺を唾棄した戸倉に、笹子さん…… 行ったところで。何になるっていうんだ? 俺「いや、俺は……」 穂高「いや、むしろ来てくれると助かるんだって!」 俺「なんでそんなに…?」 穂高「いや、俺3月から会計補佐なんだよ」 穂高「みんなから追加で金徴収するの嫌なんだよぉ…!」
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
436 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:47:38.76 ID:txE+MFMy0 - なるほど、そういう。
そりゃあ穂高からしたら俺を人柱にできれば最高だろう。 一応俺は、今年いっぱいは部費も払ったしれっきとした部員だ。 適当に俺を引っ張っていって、俺から集金すれば、 会計の仕事も減って楽ちんというわけだ。 俺「でも、俺は……」 穂高「なんだ?あんまり来てねえから気まずいのか?」 俺「うん。そうなんだよ。だから……」
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
437 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:49:19.65 ID:txE+MFMy0 - 穂高「ばーか大丈夫だよw誰もお前の事なんて気づかないさ」
それは、俺を励ましてるつもりだったんだろうけど、地味に傷ついた。 穂高「マジでさ、助けてくれよ、な。来週ヒマなんだろ?」 俺「うーん…」 穂高「またテストの時過去問回すからさ…!」 俺「お前、それ約束な。なら行くわ」 穂高「マジかよ!助かるわー!」
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
438 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:51:17.74 ID:txE+MFMy0 - こんな感じで、過去問の手回しを条件として、まんまと釣られてしまった。
ただでさえ大学をサボりがちであった俺にとって、 過去問や代返などの要素は超重要事項だった。 そのあたり、授業のサポートに関しては、 穂高に頼り切りであったので、たとえ条件ナシでも、 穂高のお願いを断れるワケはなかった…。 そうして俺は、新学年目前の3月半ば、 なんと漫研の春合宿に参加してしまう事になる…
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
439 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:54:47.65 ID:txE+MFMy0 - 片田舎から、片田舎へ。
バスを使ってなんとも地味な移動をし、 俺たちは温泉街にある、大きなロッジに宿泊した。 一挙に30人程度が宿泊できる想定の非常に大きなロッジだった。 ワークショップのようなものができる教室や、 ボール等が一式揃ったミニ体育館や小さなテニスコートなど、 ロッジ至近に様々な施設もあった。 まさに、大学サークルの合宿にうってつけのスポットであった。
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
440 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:55:50.56 ID:txE+MFMy0 - 簡単な手製の旅のしおりも有志で作っていて、
思った以上に手が込んでいるんだなぁと感心した。 そのしおりの挿絵や表紙を笹子さんが描いていたので、 それはもう言うまでもなく素敵なしおりになっていて、 帰ったら綺麗に保存しておこう…と思った。 とはいえ、出発してからの道中、俺はずっと気まずくて、 終始穂高の金魚の糞となり、穂高バリアーを張った。 かくいう穂高も俺を無理やりに連れてきた自覚があるのか、 ある程度俺に構ってくれた。
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
441 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:57:17.86 ID:txE+MFMy0 - 当然、戸倉も来ていたし、笹子さんも来ていた。
戸倉はもはや別段どうでもいいとしても、 笹子さんがいることに動揺を隠せなかった。 もはや、この期に及んで何を話せばいいのかサッパリ分からなかった。 ただ、途中のサービスエリアで横森さんは俺に話しかけてくれた。 「来たんだな」 とそれだけ言って、ヘラヘラ笑っていた。
|
- 俺の痛すぎる大学3年間を語る
442 :1 ◆c4nkALBTcs [sage]:2021/01/10(日) 23:59:03.54 ID:txE+MFMy0 - ロッジに到着してからの予定も、意外と詰まっていて、
思った以上に「気まずい」と感じる瞬間が少なくて助かった。 まず、近くの教室を借りて「お絵描き教室」が開催された。 笹子さんとオショウさんが先導して、 希望者に絵の書き方を伝授する、といったものだった。 俺も穂高にくっついて、こっそりと参加した。 それは初心者に優しく、本当に楽しい内容で、、 「ああ俺も、こういう風にまわりにアプローチしていれば良かったのかな…」 と思う内容だった。
|