- 続・嫁がウザ可愛いくて死ぬ
194 :名も無き被検体774号+[]:2020/10/18(日) 17:03:59.69 ID:W6stF+JE0 - >>192
お気遣い感謝します。 >>193 飽きますよねw ごめんなさい!
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195 :1 ◆U4nJHH97U2Wi []:2020/10/18(日) 17:09:06.84 ID:W6stF+JE0 - 詳しい結果が出るまでは、嫁の職場へ挨拶に行ったり、映画を見に行ったり脱毛した時の為の帽子を買ったり、美容院へ髪をバッサリ切りに行ったりとなんだかんだ毎日忙しく過ごしていた。
嫁が脱毛した時に、人からの視線を嫁に集中させないように俺も坊主頭にした。 嫁の母からは「そんなのとまでしなくていいのに〜」と言われたけど、この坊主頭にするという行為は俺にとって一緒に戦っていく決意表明みたいなものだった。
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196 :名も無き被検体774号+[]:2020/10/18(日) 17:20:11.07 ID:W6stF+JE0 - そしていよいよ詳しい結果「がんの顔つき」がわかる日が来た。
おそらく今日から抗がん剤の治療が始まるだろうということで、日記をつけることを提案してみた。 なるべく病状とかその時の気持ちなんかも把握しておきたいという気持ちがあったからだ。 病院の前に日記帳を買いに行った。 『今日は買い物行ったら何買うの〜?』 「えーっとね、ノートとすみっコちゃんと、おやつ!」 『笑笑 おやつ、食べられるかなぁ?』 「食べてもいいんだよ!頑張った人は」 「あ、気持ち悪くならないかってこと?」 『そう』 「大丈夫だよ、きっと。だって食べたいもん!」 『笑笑 そうだね笑』 今日から抗がん剤の治療が始まるとは思えないくらいのんきなことを言う嫁と買い物を済ませ病院へ向かった。
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197 :名も無き被検体774号+[]:2020/10/18(日) 17:30:18.05 ID:W6stF+JE0 - 病院に着いて受付を済ませてから嫁に喉は乾いてないか聞くと「今はいらない…」と返事が帰ってきた。
こないだの検査の結果を聞いた時程ではないけど、少し緊張しているようだった。 いつも外に出るとすぐ喉乾いた〜ジュース買って〜というのに、今日は全くねだってこない。 「お茶大丈夫?」と再度確認すると ストロー付きのが飲みたいけど自販機には売ってないからとのことだってので、売店まで買いに走った。
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198 :名も無き被検体774号+[]:2020/10/18(日) 17:32:43.34 ID:W6stF+JE0 - 「あれ?ストローのじゃない……。」
嫁がコンビニの袋を覗き込みながら不満げに呟いた。 『?ストロー?あるよ?』 「そーじゃなくて笑 パックのストローのお茶が飲みたかった…!」 『いーの、これで。飲めるでしょ。』 「じゃあさ。これからは、フタができるストローが付いたやつがいるね!」 『なにそれ。そんなのあるの?』 「うん!あるの!」 『いーりーまーせん。ほら、飲みな。』 「ケチ……。ハゲ…。」 そう言いながら、お茶を一口飲んだ。 そんなことをしていたら、待合にも徐々に人が増えきた。
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199 :名も無き被検体774号+[]:2020/10/18(日) 17:42:36.39 ID:W6stF+JE0 - 嫁は落ち着かない様子で両手を握って額に擦り付けてなにやら拝んでいた。
『今日は大丈夫だよ』 と声をかけてもずっと拝み続けていた。 中待合に入ると、こないだカウンセリングをしてくれた看護師さんが向こうの方からやってくるのが見えた。 「あっ!あの人だ。声かけた方がいいかな…?」 『そうだね。こないだはすみませんでしたって声かけてみる?』 そう言うと嫁は看護師さんの顔を見ながら軽く会釈をした。 そしたら向こうも嫁に気づいて「あっ!」と声をあげてから、優しく笑い会釈をしてくれた。 「こないだはすみませんでした。」 『いいのよ、いいのよ〜!全部私にぶつけてくれて!』 笑いながら手を降ってナースステーションの方へ歩いて行った。 「ちゃんとごめんなさい言えた。」 『ん、えらかったね。』 「あの人も嬉しかったかなぁ?」 『そうだねぇ。全部吐き出してもらうのがあの人達の仕事だからね。』 それからしばらく経った頃、嫁の番がきた。
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