- 安価踏んだ奴が恋話をするスレ [無断転載禁止]©2ch.net
665 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 00:04:26.40 ID:q9rKQ83a - オレがこの高校を選んだ理由は第一に
自由な校風 校則に依れば 髪型やスカートの丈もズボンの裾も厳しく規定されてあり、パーマや茶髪なんて装うものなら男はボコボコにされて丸ハゲにされて謹慎、女子も何度も何度も支度し直される そんな時代だったけれど、それでも当時の他の高校と較べたら天国と云われていた 生徒の顔が明るいと云われていた ついでにいうと可愛いコが多いとも 別にそれが高校を選んだ理由じゃないけどね 「おはよう」 それだけ伝えるのに清水寺から飛び降りなくてはならないような勇気を振り絞って声をかけた 「同じクラスだね、宜しくね」 そのコはオレを覚えていてくれた あの奇天烈な合宿の夜の売店で、何か売り物を見ていたそのコに吸い寄せられるように近づいたオレは「何見てるの?」というような声をかけていたのだ ガキの頃からなんにも成長しちゃいねぇ そんな考えがしなくもなかったが、オレは天にも舞い昇るような心地で高校生になった つまりこのレスはこれを書いているオッサンの恋の体験の一部であり、当時の(今も?)未熟な恋愛性向を暴露するモノだね >>663 残酷だよね。マジで その後、Lは幸せな恋をしていると風の噂に聞いてホッとしました いくらホッとしたところで、オレのしたことに変わりはないんだけどね、、、
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666 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 00:20:12.16 ID:q9rKQ83a - オレはあんまり真面目な生徒になれなかった
いつも単位はギリギリで、先生にもしょっ中反抗していた 試験をサボッて映画に行ったり一日中公園で本を読んだりして突っ張る、ちょっと時代錯誤の出来損ないだったみたいだ バイトばかり精を出し、バンドにのめり込み、バイクや酒で晴らせない憂さを晴らそうとした こーいうハイティーンの倦怠は、表面的には様変わりしても今の若者にも通底しているなぁと感じる 学校に行くのは、ただただそのコに会いたいがため 席替えだけが楽しみで、一度そのコの斜め後ろに決まったトキほどよく出席した事はない 斜め後ろのその席で、無表情を装いながら彼女を盗み見、その横顔を絵に写したりした 席が近かったら挨拶して、たまに会話する それだけの毎日は苦しく、たまに彼女と目が合うとすぐに逸らし、ゴミを一緒に捨てに行く機会に恵まれたら 表面、硬派を気取っていたものの中身はグデグデの骨抜きの唐揚げだった そんなオレの気持ちは周りにも知られていたみたい 中学から一緒のTはよく「H、おまえMのこと好きなんだろ?だったら告白しろよ。あいつ人気あるから早くしないと取られるぞ」と脅すのだ そんなことはわかってる わかっていても告白するなんて勇気は持てない 鉛筆をわざとそのコに向かって机から落とす、そんな無様な愛の告白しかできないのだ、オレってやつは >>664 あれは一体何だったんだろうねぇ 暴走族やらの放縦が終わりに近づいていた時代ならではの締め付け方だったんだろうかな
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667 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 00:39:11.42 ID:q9rKQ83a - 彼女は社交的な優等生で、特に何かに秀でていたというところはないが、明るさの裏にこうと決めたことをやり抜く芯の強さがあって、入学当初
可愛いだの八方美人だのと陰口を叩かれていたらしいが、気づけば、彼女と同じく社交的な男女の輪の中で輝いていた オレはといえば、中学の頃から興味があった舞台美術を試すため演劇部に入部していた 演劇部に男子部員はオレひとりしかいなく まわりからは奇異の目で見られたがどうということはなかった 「H、おまえなんで演劇部なんてやってんの?」 「舞台美術やりたかった。興味があることやってなにが悪いんだ?」そんなやり取りをどこで聞き知ったか、ある日 Mが「Hくん、演劇部なんだって?公演には出るの?」 と話しかけてくれた オレが演劇部に入った理由を伝えると、Mは舞台美術や演劇に興味を持ったらしく、一度ならず演劇部の練習を見に来てくれた 演劇部では入部初日からゴツい部長先輩が「おいH!あんたキャスト(役)やんなさいよ!男部員のクセしてキャストやらないなんてナメてんの?!」といった恫喝を受けた オレの返答は「入部のトキ伝えたように、オレは舞台美術以外やる気はありません。それが認められないなら退部します」 これを数日繰り返した しかし演劇部には「学園のマドンナ」ともいうべきO先輩がいて ふたりの不毛なやり取りを見かねて 「Hくん、あなたの気持ちは解るけれど、演劇部はあなたの力が必要なの。お願い、キャストして」 オレは配役を受けることにした
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668 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 01:01:22.20 ID:q9rKQ83a - こうした意思の弱さは今も残ってるが、今では人間関係を円滑に進めるため状況に応じてその大部分を押し殺すこともできる
しかしこの頃の不器用さは筆舌に尽くし難く Mのことが好きでありながらどこかでO先輩にも惹かれていた それをMは敏感に感じていたらしく、高一の夏休みが終わる頃、珍しくTがウチに来て、酒を飲みながらオレに言った 「オレMとつき合ってるんだ、すまん。だけどおまえがグズグズしてるからだぞ」 目の前が真っ暗になった 次の日、オレは何故か精一杯の(ケバい)お洒落をし、Mの家の傍の公衆電話からMを呼び出した 「Tとつき合ってるって、Tから訊いたんだけど、ほんと?」 「うん」 「そうか。Tのこと好きなの?」 「うん」 「オレ、初めて会ったトキからMのことが好きだった。でもこれまで通りの友だちでいてくれたら充分。TがMを好きで、MがTを好きならそれで充分」 「ありがとう」 もう泣かなかった Lに一方的に別れを突きつけておきながら、いまさらMがTを好きだからってそれをオレが泣く資格なんてない、という、依怙地で青くさい責任感がそうさせた それでもMのことは好きで、好きで、好きで 色惚けにしか取り柄のないガキはそれが精一杯だった
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670 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 01:32:33.94 ID:q9rKQ83a - 夏休みが終わると演劇部の活動は学祭に向けて激しさを増した
入部時、部活内容は運動部並みだからと釘を刺されたことばに偽りはなく、マラソン、腕立て伏せ、腹筋をメインに汗にまみれた キャストと演出を兼ねる部長先輩から激が飛ぶ 「Hくん!なんなのその演技?感情が空回りしてるだけじゃない!ヘタクソ!さっさともう一回!」 オレに何か個人的な恨みでもあんのか?と疑えるほど集中砲火をくらった ビートニクにかぶれている顧問先生からは様々な演技ビデオを見せられた Mはというと演劇部の練習を見学をやめなかった Tとふたりで帰っていくのだが、それでも嬉しかった そうして創りあげた創作劇は好評を博し高文連でもそこそこ勝ち進んだ 幕前、オレの独り劇から始まるこの劇の台本はいまでも押入れの段ボールのどれかに仕舞ってある そしてオレは相変わらず授業をサボり試験をサボり先生に反抗をしめでたく留年した 家庭は貧乏のドン底でオレは部活とバンドを辞めてバイトばかりしていた ある日、母親が 「あんた、バイトばっかりしていないで絵でも描いてみなさい、あんた絵が好きなんでしょう?」 そう言って泣いた 母親がオレ心配して泣くのか・・・・・・、そんな心の余裕があるのか オレは実の父親のことはよく知らないし 母親がオレのことを守ってくれたなんてこれっぱかしも思っちゃいないし ガキの頃からの記憶はなかなかに悲惨で 殺さないと殺されると思ったことも何度かはある そんなオレに対して傍観者ですらなかった母親が なんでオレのことを思って泣くのか 泣くことができたのか 今ならよくわかる しかしその頃はわからなかった ただ、女を泣かせたってことを恥じることは出来るようになっていた Lへの一方的な絶縁通告以来 Lはあの後、泣いたのか 泣かなかったのか きっと泣いただろう それがずっとしこりになっていたから
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671 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 02:01:58.78 ID:q9rKQ83a - 高校に行ってよかったと思えることに、いまでも恩師と言える数人の先生方との出会いがあった
無事?留年が決まり、いっこ下の連中から遠巻きにされていたある日、その恩師のひとりである☆先生(体育教師で散々オレを殴りやがった)から 「Mがお前のことをとても心配しているぞ。口止めされたが伝えておく」と聞かされた MとTはとっくに別れていた 学祭の直前、Tがまたウチにやってきて 「Mとはすぐに別れた。大丈夫、あいつにはなにもしてねーから」と言った ふたりの間にたいした交情が育まれていないことはなんとなく感じていたし、Tがなんだかんだチャラチャラやってても義理堅いことは中学の頃からよく知ってる 「アイツ、真面目すぎたんだよね」 「わかってるよ。ありがとう」 「☆から聞いたんだけど、大丈夫。オレ今絵を習ってるんだ。酒もやめたし、ちょっとはマジメにやってるから」 そう伝えるとMは泣いて喜んでくれた。そして 「H君がもし今でも私のことを好きでいてくれてるなら、つき合って欲しい」 驚天動地 Mを呼び出した、図書室へ向かう途中の渡り廊下に雨がザーザー降っていた事を思い出す Mの家庭は間違っても裕福とは言えなかったが、優しい両親と賢い妹との四人暮らしで そんな家庭に育ったMのあたたかさも、オレを惹きつけたのだろう オレは頑張ったね 絵とバイトと、それと高校も出れる範囲のギリギリで それを支えてくれたのは、母親と恩師達とMだった
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673 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 02:27:30.67 ID:q9rKQ83a - Mの卒業式にはちっさな花束と駅前のタコ焼きをご馳走した
高校の門構えには長寿の八重桜がおおきな影を落としていて 入学を満開で迎えてくれる 卒業するMがその幹をなでながら 「ありがとう」って声をかける姿をみて、オレはコイツを好きになってよかったなって心から思えて泣けてきた 「仰げば尊し」を唄いながら泣いているMの姿は、今でもはっきり覚えている Mは地場大手企業に就職が決まった 高校生のオレにはそんな大人になっていくMがやたら眩しく見えたけれど、仕事に悩んだり乗り越える彼女の話を聞く度、その頑張りが嬉しかったし、尊敬できた オレはバイトと絵に明け暮れた 絵の先生は、母親を、オレは大学受験させたほうがいいと説得していて オレは大学なんて考えてもいなかったけれど 母親の意向なら それもアリかなと考えるようにもなっていた オレはとことん学校という機構が嫌いだったから まーた学生やるのかよって鬱屈もあったけれど そんな相談もMには出来たし、Mも応援してくれた 「オレんチ貧乏じゃん。私立なんて論外。国公立一択になるってさ」 「それってどこにあるの?」 「オレの学力なら○か◎じゃねぇかなぁ」 「ふーん、そっかぁ」 その頃は週に一回、仕事あがりのMをオレが待ち、同じ電車で帰ることになっていたが ある日を境にMは現れなくなった
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674 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 03:05:07.37 ID:q9rKQ83a - 待ち合わせをする日の、Mの仕事上がりはだいたい午後八時頃で
ふたりが乗るのは九時十五分の急行 列車を待つ迄の間、駅のベンチで話をするだけのデートだったけれど Mの顔を見て、声を聞き、この一週間お互いの感じたことや考えたことを伝え合い、意見し合い、励まし合うのが幸せだった そのMが現れなくなった 次の便には間に合うかしら あと三十分だけ待とうと思い、二週間 終電まで待ったが、やはり現れない 携帯なんてない時代だし、Mの家庭がいつも朝が早く夜も早いのも解っていたから Mが今日も現れなかったといって深更、電話もしかねていたが只事ではない 早い時間にMの家に電話を入れた 電話に出たMのお母さんは、ゆっくりゆっくりとことばをついで おおよそ次のようなことを伝えてくれた 「Hさん、ごめんなさいね。Mはね、Hさんのこと、物凄く悩んでるんみたいです。いつもの待ち合わせの駅じゃなく、Mが降りる駅で待ってみたらどうかしら」 「Mは病気しているとかじゃないんですね!?」 「ごめんなさいねぇ」 元気ではあるらしい。ひと安心。最悪はない しかし、これはそれに続く最悪だな Mは、二十二時頃だったかの便から降りてきた オレを認めると、驚き、それから苦しそうな顔をした 正直、迷惑そうな匂いもした 「家まで送るよ」 「うん」 Mの住む街には七夕ゆかりの史跡があって ずいぶん古いころから人が住んできたからこそ、ちいさな神社が今もで残っていて、そんな風情はふたりの大好きな景色のひとつだ 「オレ、お前に聞きたいことがあるし、お前もオレに話したいことがあるんじゃないの?」 「うん」 古ぼけた神社の階の石段にならんで腰をかけて 「お前さ、オレのこと好きじゃなくなったの?」 正確な時間はわからない ずいぶん間をあけたように思う、 そうでなかったのかも知れないが、かぼそい声で 「うん」 Mの母親との会話で、なんとなくダメなんだなろうと予感したし、絶対にダメなんだって思ってはいたが どこか冷静にふたりはのろのろと、ことばをつないだ 「そう・・・・・・やっぱりね・・・・・・嫌じゃなかったら、理由が知りたい」 「どうしてだろう・・・・・・そんな気がして」 そうか・・・・・・それなら。わるかったね・・・・・・ここんところ、辛かったろう 家まで送りたいけど ここからなら家まで明るいから 大丈夫だね じゃあ Mが何か 声をかけてくれたような 気配がしたけれど それは願望かな >>672 いや・・・・・・、そーでもないよorz いい思い出です ですったらw
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675 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 03:22:50.40 ID:q9rKQ83a - 前レス
「そんな気がして」 じゃなかった 「そうなってしまったの」 だったかな オレは大学に進み、バイトと音楽と絵に明け暮れ 幸いにも音楽の仕事にありつけた その中で TとオレとMと仲の良かった、Kという女の子とはたまに手紙のやり取りをしていた Kが好きだった先輩と結婚するだとか Tが志望とおりの道を歩み出したとか やがてMから結婚を報せる便りがきた Mからの報せの数日前から、虫の報せってモンじゃない Kの手紙の文面の余白から、そんな予感があった Mの結婚相手は、やはり同じ高校に通ったSだった Mはモテてたからね 他の高校の連中からもしょっ中で告白されていたし 本人も 人を好きになることが上手なコだったが まさか、アイツが と憤ったことを覚えているが 仕方のないことかも知れないとも思った オレみたいにデタラメなヤツよりSのような真面目なヤツを択ぶのは道理だろうなぁって それから何年くらい経ったっけ ちょっと考えればわかるだろうけど、まぁいいや 祖母が病に倒れ オレは大学を中退し音楽の仕事もやめて帰省した 大好きな肉体労働やサービス業を転々もしていた頃 突然、Mから、携帯に連絡がきた
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676 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 03:53:23.52 ID:q9rKQ83a - 久しぶりに会ったMは相変わらず綺麗で
Mによく似た男の子の手を引いて現れた そしてふたりで懐かしいねと笑い合えた 「Hと別れようと思ったホントの理由はね」 オレが遠くの大学を受験するって知って 離れることに耐えられるかと考えて 無理だと考えたらしい 「オレはお前がいるから、奨学金でどんな借金をしてでも近くの私立を受ける積もりだったんだよ」 するとMは泣いて謝ってきた 別れてからも 何度もオレの住む土地に引っ越そうかと悩んだって 懐かしいわ 以上が子どもらしい感情の行き違いが生んだ、あっけない恋話でしたw Mの最後のことばにほんの少しでも真実があったと思って救われています Mが今もいいお母さんで 綺麗で可愛らしい女性であって欲しいものです 読んでくれて、ありがとう
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677 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 04:13:07.33 ID:q9rKQ83a - おっと寝落ちしてた
次 >>680でおなしゃす!
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683 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 11:28:00.22 ID:q9rKQ83a - 感想ありがとう
Lのその後は同じ中学の女生徒から聞きました そこらへんだいぶん端折ったけれど よい母親になってるとのことです やー酔っ払ってしかも深夜に書くものでないですね 語句の重複や誤字やテキトーな言い回し なかなか見るに耐えんけど みなさん、おつき合いありがとうございました! にちゃんもずいぶん様変わりしちゃったけど このすれのような びっぷらのまったり語りがまた復活すると嬉しいね ↓安価下↓
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- 25歳無職♂と友達になってくれる人いる? [無断転載禁止]©2ch.net
56 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/04/19(水) 16:17:07.63 ID:q9rKQ83a - ちなどんな仕事の面接?
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