- 時には昔の話を [無断転載禁止]©2ch.net
227 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/02/06(月) 01:04:48.02 ID:NUtSVzSR - >>224
今宵も書いてくぜ >>225 お褒めに預かり光栄です >>226 駄文の自分語りを読んでくれてありがとう >>220の続きから書いてく
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228 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/02/06(月) 01:07:08.44 ID:NUtSVzSR - 21:00を過ぎると宴はお開きムード。
駆けつけてくれた二人は今夜もシフトに入っていた。 お礼を言うと 「いちいちお礼はいらん。トモダチだから。 桜が咲いたらバーベキューしよう」と言って帰って行った。 歳も離れている二人がトモダチと呼んでくれて嬉しかった。 チー鱈を肴に飲んでいる筧君。 「携帯光ってるぞ」と。 今何してるの?と彼女からのメールだった。 筧君のとこで鍋してたと簡単に返信。 数分後、再び部屋の扉がガタガタッと開いた。 コンビニの袋に詰め込まれたビールを携え彼女が立っている。 どうしていつも突然現れるんだ。さてはこれも筧君の仕業か? しかし、筧君も驚いたような表情。 「来ちゃった。」 私のバイトが休み=彼女はシフト入り。 終業後そのままやってきたのだろう。 男子学生だけが暮らす下宿の廊下に若い女性が立っているのは不自然。 慌てた様子で筧君が彼女を部屋に招き入れた。 後で聞いた話だけど、「筧先輩の部屋にオンナが来た!」と噂になったそうだ。
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229 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/02/06(月) 01:10:05.77 ID:NUtSVzSR - 私と筧君の驚きをよそに炬燵に入った彼女は
「どうぞ」と筧君にビール、私にお茶を袋から渡し自分はチューハイのプルタブを引いた。 「びっくりしたー」と筧君。良かった。いきなり来たけど、怒ってはいないようだ。 ノックぐらいしなさい。と私はやんわりと彼女を叱った。 彼女の行動は私にも責任があるとばかりに。 彼氏気取りの言葉に気付き、途端に恥ずかしくなった。 その一瞬を筧君は見逃さない。 「仲良くしなさいよ」と親戚のおじさんみたいな口調で言う。 シティハンターの続きを見ながら、夜は更けていった。
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230 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/02/06(月) 01:13:00.66 ID:NUtSVzSR - パチッ。
電気の紐を引っぱりながら、「明日は1を彼女が送って行ってね」 筧君はそう言ってベッドに入った。 向い合せに座っていた私と彼女はそのまま炬燵で眠ることに。 暗闇に目が慣れ始めた頃、筧君が小さないびきをかき始めた。 健康ランドの雑魚寝部屋がカエルの合唱なら、 筧君のそれはフルートのソロ演奏。いびきまで控えめで他人を不快にしない。 凄い人だ。 「1君起きてる?」 吐息だけの小さな声で彼女が話しかけてきた。 私も同じように起きてるよ。と返事をする。 「……………そっちに行ってもいい?」
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231 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/02/06(月) 01:16:53.41 ID:NUtSVzSR - !?
頭が追いつかない。 彼女にとってのそっち=私にとってのこっち。 炬燵の同じ席で人間2人が横になったら、ぎゅうぎゅうになっちゃうよ。 …そうか。もう私と彼女、ぎゅうぎゅうになってもいいんだ。 「いいよ」と返事をすると、彼女が炬燵を抜け出す音がする。 忍び足でこちらへやってくる。 私の顔の前あたりで一度座り、横に滑り込んできた。 細かく寝返りを打つように体制を整えると私の手を自分の背中にまわした。 彼女の手は私の背中に。 「ずぅっとこうしたかったよ」 悩んだことは山ほどあって、 もし彼女と付き合うことが出来たら言おうと思ってた言葉もあった。 でも、それらは全く口から出てこない。 背中から手を離し、壊れ物を扱うように彼女の頭を撫でると 彼女の眉が頬骨にくっついた。
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233 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/02/06(月) 01:21:49.60 ID:NUtSVzSR - そのうちに彼女の肩が震えていることに気付く。
小さく鼻をすすっている。 いつだったか留守電で聞いた音。たまらずに強く引き寄せると 「はなみず付いちゃうよ」と笑った。 このまま寝ちゃうと起きた筧君がさすがに驚くだろう。 そろそろ戻ろうね。 首を縦に振るだけの返事を彼女がする。 高速でまばたきをし、まつ毛で私の頬をくすぐった後 元の場所へ戻った。 私は朝まで眠れなかった。
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234 :名も無き被検体774号+@無断転載は禁止[]:2017/02/06(月) 01:25:41.48 ID:NUtSVzSR - 今夜はここで切ります。もちょっと書き溜めてきます
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