- 忘れられない夏がある [無断転載禁止]©2ch.net
279 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:10:40.78 ID:w0vmV9HP - こんばんは
続きを書いていこうと思いますー
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282 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:15:51.94 ID:w0vmV9HP - 武智「お前、渚と付き合ってたのか」
吉谷「なんだ、もう武智にまでまわったのか」 吉谷は、こちらを向くこともなく、淡々と話した。 武智「俺たちに隠してたのかよ」 吉谷「別に隠してはいねえよ。元気には言ってあったしな」 元気は状況を飲み込めていないようで、「何かあった?」と混乱している。
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283 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:17:28.46 ID:w0vmV9HP - 武智「何も。ただ、吉谷が付き合ってるのが分かったんだよ」
武智「んで、俺と1には秘密にしてたのか?」 武智がグイグイと突っ込んでいくので、俺は心配になった。 俺「おい武智、もういいって……」 吉谷「ああ、隠してたさ。だって、何て言えばいいんだよ?」 吉谷「1、お前の気持ちだって俺は知ってんのに」
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284 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:18:48.96 ID:w0vmV9HP - 武智「そんなもん! 素直に言えばそれで済んだことだろ!」
吉谷「できるか!!」 吉谷が、大声をあげた。 あと一歩で、担任が部屋に来そうなくらい、大きな声だった。 吉谷「そんな簡単に、できるか!」 吉谷「俺だってどれだけ悩んだと思ってる」 吉谷がそう言い切って、部屋の中はしんとした。
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285 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:20:09.68 ID:w0vmV9HP - 俺も武智も元気も、誰も何も言えずにいた。
吉谷「隠してたつもりはない。いつかは言おうと思ってた」 吉谷「そこは……悪かったって思ってる」 それだけ言うと、吉谷は布団に潜り込んでしまった。 それはそうだ。 吉谷だって悪気があったわけじゃないだろうし、悩んだはずだ。 でも、俺だってそんな簡単には割り切れなかった。
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287 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:28:15.67 ID:w0vmV9HP - 次の日、4日目は何もかも手がつかなかった。
まったくと言っていいほど、集中できない。 何をする気も起きなかった。 武智も、元気も、吉谷も、みんな様子がおかしい。 仲の良かった俺たち4人の関係が、壊れかけていた。 いがみ合ったり、言い合ったりはしないが、 今までのような自然さや、気軽さがない。 それに、吉谷は目に見えて俺たちを避けているようだった。
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288 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:43:12.03 ID:w0vmV9HP - しかも、俺は失恋をした。
元々諦めかけていた渚への想いだが、 それが完全に打ち砕かれた。 渚という俺の好きな人は、目の前から消えた。 むしろ、これで良かったのかもしれないが、 どうしようもない虚しさと、やりきれない悲しさだけが心に残った。 そんな、様々なしこりを残したまま、4日目は終わった。
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289 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:45:50.12 ID:w0vmV9HP - 翌日の5日目、この日はとても暑く朝からみんなへばっていた。
俺たちを灼き殺しそうなほどの太陽が、カンカンに照っていた。 例のごとく、午後の休憩時間に担任が「お菓子の買い出し頼む〜!」と呼びかけた。 武智もその場にいなかったので、俺は一人で名乗り出て、買い出しに行くことにした。 正直、もうあの神社に向かうつもりもなかったのだが、 俺は気づけばふらっとあの神社に立ち寄っていた。
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290 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:49:04.65 ID:w0vmV9HP - 階段を登るのは大変なのに、俺はまたあの鳥居の前に自転車を止めて、
神社へと向かっていった。 白い日光が広場を一杯にして、その中で小学生が駆け回っていた。 その様子に少しだけ嬉しくなって、俺は境内を目指した。 拝殿には、やっぱりヒロコが座っていて、ギターを弾いていた。 あ、いるじゃないか。 それは安心なのか、ときめきなのか、自分でも分からなかった。
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291 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:50:23.47 ID:w0vmV9HP - ヒロコ「あ、1だ! 来てくれたんだね」
俺「うん、なんか久しぶりだね」 ヒロコ「昨日も一昨日も来なかったから、もう来ないかと思ってた」 そう言うと、ヒロコは「ひひ」と笑った。 その表情は汗ばんでいて、少しだけ火照っていた。 俺「ごめんね。ちょっと大変だったんだ」 ヒロコ「もう、明後日には帰っちゃうんでしょ?」 俺「そうだね……」 そう呟くと、ツクツクボウシの声がどこからともなく聴こえた。
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292 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:51:09.41 ID:w0vmV9HP - 俺「またブルーハーツ弾いているの?」
そう聞くとヒロコはニコッと笑った。 ヒロコ「うん、終わらない歌。この前弾いた時、すごく楽しくて」 ヒロコ「だから、完璧にしたいなって」 この前弾いた時。あの時は、楽しかったな。 そんなことを思ってしまった。
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293 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 00:52:13.66 ID:w0vmV9HP - 俺「こんな日は、『青空』なんかもいいよね」
ヒロコ「いいね! でも、青空はまだ練習中だから〜」 俺「そっかw」 ヒロコと話していると、自然と笑顔になっている自分がいることに気づいた。 どうしてだろうか? ふと、ギターを弾くヒロコの二の腕あたりに、あざがあるのを見つけた。
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294 :@無断転載は禁止[]:2016/12/21(水) 01:01:01.95 ID:w0vmV9HP - 今日はこの辺で落ちようと思います
見てくれている人ありがとう また明日書きにきます〜
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