- 好きなやつを追ってここまできた俺の話
315 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 00:00:07.60 ID:yrZ/ySoG0 - 「好きなやつを追ってここまできた俺の話」を聞きたいやつ…
お前は 物好きだなwwwwww こんな男に夜遅くまで付き合うなんて、バカもバカだ 大馬鹿者だよwww まあ、もはや、どれだけいるのかもわからんけどwwww 聞いてくれるのはありがたいけどな そんな物好きは明日からまた書いてくから気長に待ってくれ。 wktkの展開はない。パンツははいとけ。胸糞注意だ。 きっと1を嫌いになること請け合いだ じゃあまたな、いつもの時間に
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323 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 08:57:30.87 ID:yrZ/ySoG0 - うわあああ
こんなに残ってくれる人がいて嬉しいなwww ごめん、今起きたからちょっと待っててくれ あ、途中でダメだと思ったやつは読むのやめてくれな
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324 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 09:08:18.14 ID:yrZ/ySoG0 - 「1君のことが本当に好きか分からなくなっちゃった
やっぱり友達に戻ろう」 そうだろうな、と思った。俺だってそこまで鈍感じゃない。想像はしてた。 でも、やっぱり。キツかった
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325 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 09:31:10.73 ID:yrZ/ySoG0 - 話は3か月前、桜を見に行った夜に遡る。
夢を見た。遥香とキスをする夢を見た。温度や息遣いまで分かるくらい、リアルで情感に溢れていた。夢の中でも何度も何度もキスをする。まるで夢ではないくらいだったから、夢だと分かった瞬間は苦笑いしてしまった。俺はどこまで遥香を求めてるのだろうか、ってな。 メールが来ていた。 「私、今日夢を見たの」 「俺も」 「1君とキスする夢」 「俺も」 夢の中でも、俺はここを抜け出して遥香に会いに行っていたんだ。一方通行じゃないってことがひどく嬉しかった。同じだね、って言って画面の向こうできっと照れ笑いをしていることは想像に容易い。いつまでも、この幸せが続くといいなと思った でもさ、同時にこうも思っちまった。 いつまでも?そんなことが本当にあるのか、と
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326 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 09:54:18.55 ID:yrZ/ySoG0 - 祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらは(わ)す。 おごれる人も久しからず、 唯春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、 偏に風の前の塵に同じ。 俺の知るずっと前から世界には、人とは変わらないということも、永遠もなかったはずだ だから、俺たちにも遅かれ早かれ、別れはきてしまうのだろう 今日?明日?それとも一か月後?途端に俺は怖くなった 高飛車のことを思いだす。あいつみたいになるのだろうか。そして、決定権はきっと遥香が握っている。俺は遥香がいなかったらどうなるか、分からないけれど、あいつはきっと俺がいなくても生きていける強さを持ってるだろう。
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327 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 09:56:31.01 ID:yrZ/ySoG0 - 俺は、こういうところで変に賢い、というか、醒めた部分があった。街中にあふれてるすぐに永遠を誓う若いカップルのようには考えることができなかったんだ。
今までは失うものがなかったから、好き勝手していた。遥香にいくら嫌われようがもともと手に入らないような高嶺の花だったからな。でもこれからは違う 失いたくない。その”いつか”はきっと来るだろうけれど一日でも遅く来るといい 怖くなった俺は遥香にどう接していいか分からなくなってしまった 今までみたいに?今まではどう接していたっけ? だから、すごくぎこちなくなってしまっていたと思う そして追い打ちをかけるように、遥香を顔を合わせる度、何だか気恥ずかしくなってしまうのだった。あの日のことが鮮明に思いだされてしまって。目も碌に合わせられない。 一回うまく話せなくなると、それを引きずってしまってますます…
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328 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 09:58:23.06 ID:yrZ/ySoG0 - 悪循環だった。
今ならもう少しうまくやれるのかもしれない、でも当時の俺はそれが精一杯で何も分からないままで、まともに口を聞けなかった 当時の俺は自分のことしか考えていなかったけれど、あの時遥香は俺をみてどう思っていたんだろうか? 今はそんな風に考えを巡らせられるくらいにはなったけれど。当時の俺はやっぱり他人のことなぞ、思えない餓鬼で。成長なぞしているようでしていなかった臆病者だった。 だから、遥香のあの選択は至極当たり前だったのだと、今の俺なら思える 餓鬼だった俺はある種の諦観と、そして「遥香に捨てられた」のだと思ってしまった
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329 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 10:00:00.66 ID:yrZ/ySoG0 - こんなこと、本当は書きたくない。せっかく忘れようとしていたのだから
記憶の奥底に閉じ込めて、甘美な思い出に浸っていられたら、きっとこの思い出が枷になることもないだろう。 確かに言えることは、俺はあの時考えることを放棄して、分かってもらおうという気持ちを忘れてしまった、ということだろう。そして俺は逃げ出した 「遥香が言うならそうなんだろう でも、友達には戻ろうとは思わない」 そんな風に打った。俺は自分のことしか考えられない。どうして?もなぜ?も聞かず、自分を守ることで精一杯で。自分だけが傷ついた体で逃げ出した。 ああ、分かっているさ。この瞬間の俺は自分史上最低のやつで。 たくさんの思い出すべてを台無しにするほど、最低なことをした。だから、本当は俺は思い出を語る資格なぞ、ないのだろう。
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330 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 10:00:24.61 ID:yrZ/ySoG0 - 遥香はどう思ったのだろう?
国語が得意なのに、それだけは分からない。いや、想像したくないのかもしれない。今の俺だって。どこまであいつにひどい言葉を投げつけたのか分かっているからな。 いつだって傷つけるのは俺の方なのに。俺は逃げてばかりで。 いくら書いたって、あの時の俺のどす黒い感情も、今感じている罪悪感なんて生ぬるい感情では言い表すことのできない思いも、1000分の1すら伝えられないだろう
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331 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 10:04:16.14 ID:yrZ/ySoG0 - すいません
ここで一回中断させてください 続きは23時になると思います 1はダメな奴です ここまで書いてて、本当に思います 暫く空けるので、1に対して何か質問、非難、中傷がありましたらどうぞ
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339 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:24:25.80 ID:yrZ/ySoG0 - 1です
支援ありがとう 23時には来れないから先に投下してく
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340 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:25:49.84 ID:yrZ/ySoG0 - そんなメールを打った後、俺はメアドを変更した。遥香からこれ以上何も聞きたくなかった。
どこまでも自分勝手な俺は自分を守ることで精一杯で、必死だった。もういいと思った。遥香がどう思おうがいいと思った。 放課後の教室で。一人きり。俺は、それでもやっぱり泣けなかった。 グラウンドでは屋外の部活の声出しが聞こえる。 ―イッポーン!!サア、ファイト、ファイト! いつもなら全く気にならない音がやけに耳に障った。それはもしかしたら、テニス部の声出し―いや、遥香の声を拾いたくなかったからかもしれない。 ブルーの、大好きだった色のipodを取り出して音楽をかける。何でもよかった、別に。 外界の情報を締め出して、俺の殻に閉じ籠る。昔から得意だったじゃないか。元通りになるだけだ。 遥香と出会う前の俺にな―
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341 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:26:44.27 ID:yrZ/ySoG0 - その次の土曜だったかな
「いらっしゃい」行きつけの美容師が明るく出迎えてくれる。 「今日はどうする?いつもと同じ?」ササッとお客を出迎える支度をしつつお決まりの台詞を言ってくる 「いや…思い切って短くしてください、こんな風に」 「え」持ってきた雑誌の切れ端を見せる。 すっかり、はい、と言うだろうと思っていただろう美容師は戸惑う ―私ね、1君のその髪型好きだよ そんな風に二パッと言われたのは一体いつだっただろう。それから 「ずっと同じだったのに」美容師が俺の髪を弄りながら、質問をする 「どういう心境の変化?…好きな子でもできた? あ、じゃあ、こっちね」 俺の答えを聞かずに、いいね〜青春だ、なんて言いながら、シャワー台に案内してくれる そんなんじゃないです、という言葉は宙に浮いてしまって 「じゃあ、タオルかけるね」 視界が少し暗くなる ザアアアア 女の子はさ、失恋した時にバッサリ髪を切るんだろう?どういう心理なのかよく分からないけど。本当に効き目があるのかなんて知らないけれど。いや、きっとあるだろう。あってくれなきゃ俺が困る。 今時失恋くらいで髪切る人、いませんよ、なんて昔こいつ笑ってたな 俺は古典主義なんだよ。バーカ
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342 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:27:16.94 ID:yrZ/ySoG0 - 「いいんですね〜?切っちゃいますよお」
呑気にシャキシャキ音をさせながら鏡越しに俺の目を見てくる 「お願いします」 ―さよならだ、 ジャキ。自分でも分かる。もう後戻りはできないな それからはあっという間だった。鋏を入れられて、櫛で下に髪の毛が落とされていく 気づいたらこんなにあったのか、と思うくらい下には髪が落ちていて 「はい」 ドライヤーをかけられて、白いケープが外される 「あ、そうだ、これ」 美容師はワックスを付けてくれた 「うん。似合う」 鏡の前には一時間前とは全く違った俺がいた。少し長めだった前髪も短くなったし、首の後ろがスースーする。 「ありがとうございました」代金を取り出しながら、礼を言う。 「かっこよくなったね〜、これならいいんじゃないの?あ、じゃあこれおつり」 そんな適当な感じで言うなよwww台無しwww 最近、暑くなりましたねなんて世間話をしながら外へ出る。美容師は見送りにきてくれた 「じゃあ、失礼しました」 「また、どうぞ!」 美容師に背を向ける。これでよかったのかな、なんて思いながら手を首に当てる。何だか変な感じだった 「がんばって!」 振り向くと、美容師が笑いながら手を振っていた。 …がんばって。がんばって、か 彼は勘違いしている。俺のことを何も知らない。けれど。
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344 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:28:20.93 ID:yrZ/ySoG0 - 今は本当にどうしようもないくらい俺は最低だけど。
いつか、いつかさ。あんなこともあったなって思えるようになるかもしれない。それがいつ来るか分からないし、一生来ないかもしれないけれど どんなにつらくても、思い出はいつか過去に変わっていく。そう信じたい だから今はただがんばりたい、前に進みたい そして、願わくば。遥香にちゃんと「あの時はごめん」と伝えられるようになるといい こんなのは欺瞞かもしれない。自己満足に浸った自慰的行為かもしれないけれど
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345 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:28:47.19 ID:yrZ/ySoG0 - ―それまでは、忘れていさせてほしい
携帯を取り出す。Eメール。 アドレスごとに分かれた受信フォルダを開く。一番メールが入っているフォルダだ “全消去” “本当にいいですか?” 「はい」 “消去されました” こういうわけで、俺の手元にはメールは一通も残っていない。 幸い、俺には頭があったから、何とかこうして手繰り寄せて書いている でもな、少しずつ。 忘れている、いや正確には細かく思いだせなくなっているんだ あの時はどうだったっけ?って必死に記憶を辿っている 当時はあんなに絶対忘れないと思った思い出も少しずつ少しずつ褪せてって。そして俺には確認できるものが何一つ残っていない これから俺は後60年生きるとしてどこまで覚えていられるだろうか? そんなことが気にかかる
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346 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:29:13.34 ID:yrZ/ySoG0 - 次の日。俺には約束があった。天然と、久々に遊ぶ約束だ。
「1〜?!」 待ち合わせ早々に煩い。犬みたいなやつだ 「髪、切った?」 「ああ。似合うだろ?」フンと少し笑ってみせる 「似合う似合う、サッパリしたね!」ニコニコ顔で答える。なんか調子狂うなwww 「じゃあ、いこっか!」 その後は一緒に映画見たり、ゲーセンに行ったり…ずっと笑ってた サンキュ。直接言えなかったけど、お前には感謝してるよ お前のことだから、きっとホントは分かってたよな。付き合ってくれてありがとう
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347 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:31:09.00 ID:yrZ/ySoG0 - 一通り遊び終わって、最後にアイスでも食べて帰るかってことになった
ベンチに座って適当なことしゃべって。 「ゴミ。捨ててくる」パッと手出してくる 「いいよ。俺が行く」 天然から紙ごみを奪い取って。ゴミ箱に向かう。 燃えるゴミに入れた。でももう一つ、捨てなきゃいけない 財布の中を探る。中3の時に撮った遥香とメガネとのプリクラ。笑っている。茶目っ気たっぷりの顔で。顔が少し幼い 想像もしてなかったな、こんなことになるなんて。 少し苦笑いをする。 「1〜〜?」 天然が呼ぶ声がする。今行く、と答えて ―じゃあ、な 「遅かったじゃん」 「いや〜、何でもねえよ」 「ふうん」 「なんだよ」 「何でもお?」 …ムカつくな。まあいいや 「今日はありがとな、またな」 「うん、またね」 そんな風にして俺は家に帰った。きっとお見通しだったんじゃないかな、あいつ
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348 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:31:37.02 ID:yrZ/ySoG0 - 家に着いて、ベッドに横になって携帯を取り出す。
フランキー。こいつも捨てなきゃな 外して、ゴミ箱に向かって投げる。がこん、という音がした。 今日はもう何にも考えたくない。大好きな英語の長文も、日本史のワークも。 俺はその日、すぐに寝た。寝てる間は何も考えなくてすむから。
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349 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:32:17.78 ID:yrZ/ySoG0 - 結局、俺はすべてのものから逃げて忘れてリセットしようとしてもがき続けた、それからもな
忘れようと”がんばった”んだ こんなの、なんの解決にもなっちゃいないのにな。 学校ではお互いまるで「見えていない」みたいに接していたよ。 可笑しいだろ?それでも俺にとってはそれが「最善」の選択だった 修学旅行も合唱コンもあまり覚えていない。その時の俺にとってはもはや、そんなの消化試合のようなものだった。どうでもいいと思った 新しく人を好きになろうと思ったこともある。その頃、ミチとはよくメールしていた。 全く色気のないメールばかりだったけれど。誰でもよかった、むしゃくしゃしてやった、ではないけれど、このままミチを好きになれるかなって思った。 でもさ、好きになれなかったんだ。どうしても、自分の中で何かが邪魔をした
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350 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:33:32.34 ID:yrZ/ySoG0 - …笑ってくれよ。結局俺はリセットしたつもりなのにリセットできないままだったんだ。
気づいたときには、もう半年も経っていた 全部中途半端なまま。バカだ、本当にバカなのは俺だった そんな折、部屋の隅からフランキーがコロッと出てきた。あの時ゴミ箱に入りそこなって机の下に挟まっていたらしい。 俺は頽れた。こういう時どうしたらいいのか分からない なあ、誰でもいい。教えてくれ。こういう時どうすればいいんだよ こんなの、初めてだから分からないんだよ 俺は自分を抱くようにして泣いた。あの日のことでようやく、泣いた。
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351 : ◆rSvXNwOzqs @転載は禁止[]:2014/08/26(火) 20:42:28.27 ID:yrZ/ySoG0 - ここでストップです
ずっと書いていたから勉強が進んでいないぜww 次回から受験修羅編(誰得ww)です ただし、そんなんだから遥香の出番は殆どないぞ 愛と欲望渦巻く人間ドラマは明日の9時からです お付き合いいただける方は宜しくお願いいたします あ、1への誹謗中傷・質問ありましたらどうぞ
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