- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
664 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:16:01.43 ID:pSQ2vieJ0 - 97日目
目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
俺は急ぐ必要もないのに急いで着替えて、寝癖を直した。スマホを充電器から外し、ポケットに入れる。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
665 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:22:38.81 ID:pSQ2vieJ0 - リビングに出ると、妹ももう起きて出発の支度をしていた。妹はいつもよりおしゃれをしていた。
「どうかな？これ今まで着たこと無かったんだけど。」
「似合ってると思うけど。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
666 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:23:09.16 ID:pSQ2vieJ0 - 「可愛い？」
「可愛い。」
妹は少し恥ずかしげに笑うと、リュックサックを背負った。俺もリュックを背負うと、玄関で靴を履き、妹と一緒に家を出た。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
667 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:23:46.96 ID:pSQ2vieJ0 - 俺たちは最寄り駅から数駅の、大きな駅の改札口で集合して、近くで朝ご飯を食べることになっていた。この駅からは、ファンシーワールド行きのバスが出ている。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
668 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:24:17.35 ID:pSQ2vieJ0 - 俺と妹が改札を出ると、笠原さんが手を振って来た。
「おはよう！」
「おはようございます。」
笠原さんもおしゃれな服を来ていた。普段が制服とあまり変わらないだけに、いつもよりも結構よく見えた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
669 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:25:39.91 ID:pSQ2vieJ0 - 栗野が改札からでてきた。栗野はいつもと変わらない、半袖Tシャツにジーンズという格好でやってきた。
笠原さんが声をかけた。
「おはよう栗野さん。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
670 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:27:04.17 ID:pSQ2vieJ0 - 「おはようございます。」
俺達は駅の中にあるファストフード店で朝食をとり、ファンシーワールド行きのバスの乗り場に並んだ。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
671 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:29:01.74 ID:pSQ2vieJ0 - バスには俺たち以外にもたくさんの家族連れやカップル、学生のグループ(俺たちも『学生のグループ』ではあるが)がいた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
672 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:29:45.95 ID:pSQ2vieJ0 - 1時間ほどバスに乗ると、ファンシーワールドの門の前に着いた。バスに乗っていたほとんどの人たちはチケット売り場に向かって行ったが、俺達はチケットを持っているのでそのままゲートの前の行列に並んだ。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
673 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:30:18.95 ID:pSQ2vieJ0 - 「やっぱり、人多いね。」
妹が言った。
「夏休みだからな。」
まだ開園前なのにゲートの前には長蛇の列ができていた。チケットを持っていて良かった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
674 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:31:38.08 ID:pSQ2vieJ0 - これでチケットを買ってから並んでいたらもっと並ぶ羽目になっていただろう。
俺達はパンフレットを見ながら、どのアトラクションに乗るかを話し合って開園時間を待っていた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
675 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:32:09.27 ID:pSQ2vieJ0 - 開園を知らせるチャイムが鳴り、行列が少しずつ動き始めた。
俺達は受付を済ませると、栗野がどうしても最初に乗りたいと言っていたジェットコースターまで走り出した。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
676 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:32:39.37 ID:pSQ2vieJ0 - 俺はジェットコースターは好きだ。体調の悪い時に乗ると死にたくなるが、体調の良い時には爽快だった。とは言っても、頻繁に乗るわけではないが。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
677 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:33:33.85 ID:pSQ2vieJ0 - 走ってきたのが正解で、俺達は1番前に乗ることができた。1列4人のジェットコースターだったので、全員最前列に乗れた。
ガシャン、という音がしてジェットコースターが動き始めた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
678 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:33:58.65 ID:pSQ2vieJ0 - ゆっくりのぼって行ったかと思うと突然加速し始めた。
左から妹と栗野の歓声が聞こえる。笠原さんが笑っている。もちろん俺も一緒になって声を上げた。
爽快だ。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
679 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:34:55.88 ID:pSQ2vieJ0 - 開園して15分もしない内に、パーク内は混み始めた。夏休みだ。人が多いのは当然だし、その方が合っている気がした。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
680 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:35:38.17 ID:pSQ2vieJ0 - パンフレットを見ながら次のアトラクションへ向かって歩いていると、声が聞こえた。
「お、由美ちゃんじゃん。」
俺達は振り返った。妹は硬直していた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
681 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:36:11.30 ID:pSQ2vieJ0 - 妹は振り返ると、ぎこちなく言った。
「あ....こんにちは、先輩。」
いたのは中3くらいの男子だった。第一印象から言うと、チャラい。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
682 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:36:43.96 ID:pSQ2vieJ0 - 俺は妹に囁いた。
「誰？」
妹は囁き返してきた。
「告白してきた先輩..」
なるほど。
そいつは見た目は悪くはないが、その悪くない容姿が彼に必要以上の、というか過剰な自信を与えてしまっているようだった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
683 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:37:21.34 ID:pSQ2vieJ0 - 「由美ちゃん俺と一緒に回らない？他の連中もいんだけど、2人でどっか乗ろうぜw」
典型的な勘違い野郎だ。まずその妙な髪型をなんとかした方がいい。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
684 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:38:16.23 ID:pSQ2vieJ0 - すると妹は、俺の腕をつかんで、そいつに向かって言った。
「あの、私この人と付き合ってるので。もう絡まないでください。」
へっ？
危うく声に出るところだったのを飲み込んだ。妹は俺を使ってこの場を切り抜けようとしているのだ。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
685 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:39:27.00 ID:pSQ2vieJ0 - そいつは驚いたような顔をした。活発な由美と白くてひょろっとしている俺はいかにも不釣り合いだと思ったのだろう。
「あ...じゃあ、その人達は？」
笠原さんと栗野の方を示して言った。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
686 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:40:13.17 ID:pSQ2vieJ0 - すると栗野が平然とした顔で言った。
「ウチら由美ちゃんの従姉だよ従姉。ウチが父方の従姉で、そっちが母方。」
栗野は笠原さんを示しながらいった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
687 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:40:46.14 ID:pSQ2vieJ0 - だいぶ無理のある設定な気もしたがそいつは騙されたらしく、
「そ、そうか。それじゃあまた。」
と言うとそそくさと仲間の元へ走って行った。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
688 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:41:25.25 ID:pSQ2vieJ0 - 「佐野を彼氏役にするって、なかなか危険な賭けに出たね由美ちゃん。」
栗野が面白そうに言った。
「だってお兄ちゃんしかいないじゃないですか。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
689 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:42:08.37 ID:pSQ2vieJ0 - 「従姉妹の方が無理があっただろ。」
栗野はくすくす笑った。
「さっきのあいつの顔、見た？ポカーンって。鼻広がってたよw」
笠原さんも面白そうに笑っていた。俺達は話しながら、次に乗るアトラクションの列に並んだ。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
690 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:43:21.13 ID:pSQ2vieJ0 - 12時半を過ぎ、腹が減ってきたのでフードコートでホットドッグを食べた。栗野は後から多量のタバスコをかけたしていた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
691 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:44:42.84 ID:pSQ2vieJ0 - 俺達は四人ともテンションが上がっていたが、妹は特にはしゃいでいた。久々に思い切り遊べるのが、嬉しいのだろう。そんな妹を見ているだけで、来て良かったと思った。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
692 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:45:11.41 ID:pSQ2vieJ0 - 栗野がタバスコにむせ始めた。笠原さんが笑いながら栗野の背中をさすっていた。
俺達はホットドッグを食べ終えると、ホテルに入るまでの時間を満喫するためにフードコートから歩き出た。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
693 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:45:47.12 ID:pSQ2vieJ0 - 妹の希望で、コーヒーカップに乗ることになった。
栗野と妹が本気で回したので、俺たちの乗ったコーヒーカップはかなり速く回転していた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
694 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:46:12.62 ID:pSQ2vieJ0 - ヘリに押し付けられる。これが遠心力か。俺たちは目が回ってフラフラになりながらコーヒーカップから降りた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
695 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:50:06.70 ID:pSQ2vieJ0 - ファンシーワールドでは、夜になるとパレードがある。イルミネーションなどで派手に彩られたゴンドラに、キャラクターの着ぐるみが乗ってパーク内をパレードするのだ。夜の暗い中でやるので、パレードはとても綺麗に見えるらしい。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
696 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:50:33.72 ID:pSQ2vieJ0 - パレードの時間が近づいてくると、俺たちはパークの中で最もパレードが見やすいという橋の上に行って、パレードが始まるのを今か今かと待っていた。
時間を知らせる鐘が鳴った。すると音楽が聞こえ始めた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
697 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:51:03.82 ID:pSQ2vieJ0 - パレードが始まった。
橋の上からみていると、向こうからゴンドラが進んでくるのが見えた。
全てのゴンドラが姿を現すと、ゴンドラのイルミネーションがいっせいに灯り、音楽に合わせて点滅し始めた。歓声が上がった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
698 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:51:50.83 ID:pSQ2vieJ0 - 俺は息をのんだ。とても綺麗だった。
「すげー！光ってる！光ってるよ！」
栗野がそう言ってスマホで動画をとり始めた。
妹もぴょんぴょんと跳ねながら、パレードに見入っていた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
699 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:52:40.90 ID:pSQ2vieJ0 - 「すごいね！」
笠原さんが俺に言った。
「綺麗ですね！」
笠原さんはニコニコしながらパレードを見つめていた。顔が、点滅するイルミネーションで照らされている。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
700 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:53:41.73 ID:pSQ2vieJ0 - その横顔を見たとき、俺は一瞬不思議な気持ちになった。周りが見えなくなり、笠原さんだけが見えているような、不思議な感覚。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
702 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:55:37.24 ID:pSQ2vieJ0 - 俺はまだその感情がどういうものなのか、良く分からなかった。
笠原さんがこちらを見たので俺は慌てて目をそらし、パレードを眺めた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
703 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:56:31.93 ID:pSQ2vieJ0 - 今日はここまでです。m(_ _)m
選ばれたのは笠原さんでした。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
704 ： ◆GoKuglY1Jo ＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 00:59:43.01 ID:pSQ2vieJ0 - そういえば5月に余命一週間というレスをくれた人は無事なんだろうか...
|
- 鳥肌の数をかぞえていたら、ちょうど素数でした
5 ：名も無き被検体774号+＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 01:05:03.23 ID:pSQ2vieJ0 - 千の風になれ
|
- 鳥肌の数をかぞえていたら、ちょうど素数でした
8 ：名も無き被検体774号+＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 01:13:13.81 ID:pSQ2vieJ0 - >>7 風速とかじゃない？
|
- 後輩の女の子落とそうと思ってる
7 ：名も無き被検体774号+＠転載は禁止[]：2014/06/04(水) 21:12:00.56 ID:pSQ2vieJ0 - 屋上に呼び出してドン！
|
- 本文欄に!card!card!card!card!cardでポーカーしようぜPart11
257 ：名も無き被検体774号+＠転載は禁止[sage]：2014/06/04(水) 22:13:55.55 ID:pSQ2vieJ0 - ♣9 ♠3 ♣2 ♦J ♠J
|