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1 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:24:56.10 ID:xDKf5Vad0 - テーマは「人間と魔族の共存の可能性」「穢れた血と個の尊重」です
序章〜1章だけうpして後はテキストをあげます ご意見頂けたら嬉しいです
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2 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:25:25.04 ID:xDKf5Vad0 - ラダリウム物語〜ディザイア戦記編〜
登場人物 主人公: カレイド:戦記を研究する考古学者の青年 ディザイア:戦記の英雄 魔王ウルグス:戦記の魔王 バーグ:魔王の側近で魔導師 ルールー:レイン王国の姫 マニ:陽気な雇われ女戦士 〜序章〜 惑星ラダリウム ラダリウムで一番広大で肥沃な大陸がアルクラッド大陸である その大陸南部に位置するディザイア王国 ディザイア王国は今年で建国600年を迎える そこに住む考古学者の青年カレイド 持ち前の知りたがりの性格から研究者になり、若くして学者の称号を得た いま研究中なのは『ディザイア戦記』である ディザイア王国が建国された理由でもある戦記だ カレイドは幼い頃からディザイア戦記が大好きだった 亡くなったお婆ちゃんがよく話し聞かせてくれた カレイドはお婆ちゃん子 お婆ちゃんの形見であり家宝でもある紅いペンダント これを肌身離さず身につけていた
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3 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:26:20.55 ID:xDKf5Vad0 - ある日……
森へ出向いた時である 森で魔物に遭遇した事があった ガクガクと足が震え腰が抜けて座り込んだ 喰われる! その時である 身に付けていたペンダントが赤く光りだした 光りだしたかと思うと魔物は竦み上がり顔を地面に擦り付け始めた 恐慌状態のカレイドは何が起こっているのかわからない そこへ矢が一閃飛んで来た その矢は魔物の眉間に命中し魔物は絶命した 「大丈夫か!」 大きな声で呼ばれハッと気がついた そこには騎乗したディザイア13世がいた 現王である 「怪我はないか」 「は……はいっ!だ、大丈夫です!」
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4 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:27:00.72 ID:xDKf5Vad0 - 運良くこの付近でディザイア13世は衛兵達と森でハンティングに勤しんでいたのだ
「今近辺で魔界の狭間が開いている。一人では危険だ。安全な場所まで送ろう」 「た、助けていただき……あ、ありがとうございます!」 ディザイア13世はニコッと笑った 森を抜けるまでの数刻の間、王や近衛兵達と世間話をした 自分が考古学者であること 王はハンティングが趣味であること 魔物を前にして腰が抜けた事を少しからかわれもした そしてさっきの魔物と対峙した時にペンダントが光り出したことを話した途端、王の顔から笑顔が消えた 「そのペンダント見せてはくれまいか?」 そっと王へ差し出した 「うむ……本物だ……」
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5 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:27:38.26 ID:xDKf5Vad0 - そう言ったかと思うとカレイドにペンダントを返した
「祖母様の形見か……今は良し。カレイドよ。その形見肌身離さず持っておけ。いずれ其方を導くであろう」 「ここまでくれば安全だ。さあ行きなさい」 カレイドはなんのことかわからないまま王に一礼をして家路を急いだ。 「このペンダント何なんだろう……」 紅いペンダント 紅色をした数センチの石を銀で縁どられたものだ。その縁に極小の絵文字が刻まれている 古代語の絵文字で呪文のような言葉が刻まれていた。 「レネベタール・リーブ・アルオンスベナン・キ・ニクソス……」 考古学者であるカレイドは数年かけてなんとか読むことが出来るようになった ディザイア王国建国前の文字「コルト言語」 コルト言語とは魔法の言語で刻まれた言葉自体に魔力が宿っているのだ 本来なら刻まれた触媒である赤いペンダントを持って詠唱すると魔法が発動するはずである が 何も起こらない 「読み方間違えてるのかな……」
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6 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:28:22.10 ID:xDKf5Vad0 - 〜1〜
研究を重ねるうちに王立図書館で閲覧制限のある建国の基となったディザイア戦記の原書に辿り着いた 原書には短いコルト言語文字が記されてあった 図書館管理人の目を盗んでカレイドは小さな声でその短いコルト言語を読み上げた 「ルーディス……」 その瞬間、本から火球がでた。直径10センチはある。かなり熱い。 慌てたカレイドは下に書いてあったコルト言語文字を読んだ 「デリーフ!」 火球は消えた どうやら火球の魔法と消失の魔法のようである 偶然にも呪文を発見したようだ コルト言語解読、呪文の発見は国からランクアップ称号を授与される可能性がある しかし
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7 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:28:58.96 ID:xDKf5Vad0 - 既に発見済みの魔法だったようだ
「そりゃそうか……一介の学者が閲覧出来る書物なんてたかが知れてるもんなぁ」 コルト言語魔法は現在研究されている魔法のカテゴリーである 原書とはいえ書物に記されているコルト言語はだいたい解読されていると考えていい 「やはり遺跡探索でもしないと新呪文発見なんて無理か」 ため息をつきながら原書に記されてあるディザイア戦記に目を通した 「懐かしいな。よくお婆ちゃんに話してもらってたっけ……」
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9 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:29:42.40 ID:xDKf5Vad0 - 『ディザイア戦記』
現在の安定期から六百年前のお話 魔王ウルグスがアルクラッド大陸南部を支配し統治していた 凶悪な圧政で大陸南部では混沌とした世界となっていたのだ そこへ反旗を翻したのが英雄ディザイア 大陸南部開放と平和を掲げ立ち上がり魔王ウルグス討伐に乗り出す ウルグスは魔物達の軍団を引き連れた強大な王国建設の真っただ中。 陰に潜む、各国の王や、英雄たちに呼びかけ、討伐軍を結成。 ウルグスの配下の魔物を率いるバーグは大勢の討伐軍と対峙。 ディザイア率いる5人のパーティ 魔王ウルグスとディザイアが対峙し討伐を果たす 加勢に向かおうとしたバーグは魔王が死んだと同時に、ウルグスの思躁術が解け、落ち延びた レインは英雄として伝説となり、レイン王国が建国された。 (要加筆) 「単純な話だけど面白いんだよな」
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10 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:30:31.50 ID:xDKf5Vad0 - ぼんやり微笑みながら読んでいたウルグスだがふと疑問に思った
「バーグってどこに行ったんだろうな……」 「どこかで死んじゃったかな?それにしても今思うと中途半端な伝記だな」 「いやそれよりも魔王ウルグスってなんで南部の地に降り立ったんだろう」 「地上界征服?魔界のことはよく知らないけどなんで魔王が地上に上がってきたんだろう……」 些細な疑問から次々と疑問が湧き出てきた 「よし…ウルグス居城跡に行ってみるか」
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13 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:34:17.57 ID:xDKf5Vad0 - 以上が序章〜1章です
残りの5章〜終章はテキストであげてみます 読んでやってもらえると非常に嬉しいです ご意見ご指摘頂けたらさらに嬉しいです よろしくお願いします http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5073368.txt
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15 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:36:50.19 ID:xDKf5Vad0 - >>8
ありがとうございます よかったらご意見ご感想いただけたら嬉しいです >>11 こんばんわ何度もすみません レスありがとうございます 亀の話しの前にこっちの方が進んできました >>12 スミマセン
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16 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:41:09.25 ID:xDKf5Vad0 - >>14
すごく嬉しいです ありがとうございます オチで悩んでいます 読後感は元々のテーマがテーマなので悪くなってしまいます iPhoneで読めないんですね…… 了解しましたテキストじゃなくここにUPしていきます
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17 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:42:12.25 ID:xDKf5Vad0 - 〜2〜
ディザイア王国の最北端にあるウルグス居城跡 ここは魔物が巣食う危険な場所の為出入りは制限されている区画である 「戦士を一人雇うか」 雇ったのは女性戦士マニ・ロックフォートである 鈍くいかにもなまくらな鉄の剣を携えている 少し不安になったものの研究費からはマニしか雇うことはできなかった 「よろしくな!」 「何だその顔?あぁこの剣か?大丈夫!私の剣技があれば魔物なんてひと捻りだよ!」 陽気な黒人の女性である 心配だったがなんだか明るさに救われる 不思議な戦士だった 「盾は持たないんですか?」 「盾はお金が……いやこのソードブレイカー(剣粉砕器)がある!こいつぁいいもんだ。鈍器にもなるしな!」 魔物の巣食う場所にソードブレイカー装備とは……先行き不安である
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18 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:42:49.57 ID:xDKf5Vad0 - ウルグスは研究員2人と戦士マニを連れてウルグス城跡を目指した
現地で手続きを済ませ入場した。この辺は今は鬱蒼とした深緑地帯になっている 数刻してウルグス城跡に到着した 各々が床や城壁を調べ始めた マニが暇そうにしている その時である 城壁に書かれたコルト言語文字を見つけた 皆を呼び解読を始めた 辺りが暗くなろうとした時ようやく解読が終わった 「読み上げるぞ」 「ネーワ・ダヘルト・イル・フォーム」 読み上げた途端ウルグスが首からかけていた赤いペンダントが薄ぼんやりと光り始めた 「光った!」 光っている赤いペンダントを見た
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19 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:43:16.98 ID:xDKf5Vad0 - ペンダントの赤い光の中央にコルト言語文字が浮かび上がっている
極簡単なコルト言語文字だった。思わず口にした 「リードラ」 途端にペンダントは真っ赤に光りだした 地鳴りがして壁が下がっていく…… 「こいつあぁ驚いた……アンタ達魔法使いなのかい?」 マニは目を丸くして言った 壁が下がりきったあとに通路があった いつの間にかペンダントの光は無くなっていた 4人はその通路を恐る恐る進む 突き当たりには小さな石版が置かれていた 「やったぞウルグス!発見だ!」 辺りが暗くなっている。石版を持ち帰り帰路につこうとした その時である 「みんな伏せろー!」 マニが大声を上げた
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20 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:43:50.51 ID:xDKf5Vad0 - 矢が飛んできた
コボルト《子鬼》の群れである 「グオッ……ガウッ!……」 奇声をあげて矢を放ってくるコボルト 矢を剣で華麗にさばくマニ 軽口は叩いてもさすが戦士である 敵陣に一気に走るマニ コボルトの群れを片付けた しかし背後からまたコボルトが現れた 「マニーっ!こっちにも出たぞっ!」 研究員の一人が叫んだ マニの距離からはここまで間に合いそうもない 「走れっ!」 マニのもとに走った が、一人転んだ
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21 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:44:17.23 ID:xDKf5Vad0 - コボルトが剣を振り上げたその時である
ペンダントがまた光り始めた 赤い光を見たコボルトは動きを止めた 「襲ってこない……!?」 コボルト達は赤く光ったペンダントを見て 後ずさりを始めた まただ 以前王と会った時、魔物に襲われた時と同じだ 「マニーっ!大丈夫だ!」 「また光ってるねそのペンダント……魔物が襲ってこないのと何か関係あるのかい!?」 コボルトが襲ってこない。4人は固まって移動した 安全を確認したところで帰路に着く 「今日はお疲れ様!カレイド……そのペンダントは大事にしたほうがいい。得体の知れない魔力が秘められてるかもね…… また呼んでくれよ。縁があったら!」 ここでマニとは別行動になった
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22 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:44:46.56 ID:xDKf5Vad0 - 〜3〜
早速研究所で石版の解読を始める 解読が終わった そこに書かれていた言葉は…… 「魔道士バーグに於いては盟約により千年の寿命を与える事とする。その間、書簡を死守する事」 最後にはこう書かれていた 「英雄王ウルグス」 英雄王ウルグス。ウルグスが英雄!? おかしな事になってきた ウルグスが英雄と書かれてある。更にバーグは千年の寿命を持っている つまりバーグはまだ存命の可能性がある事になる 大発見である 早速学会で発表しようとしたその矢先である 事件が起こった
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23 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:45:18.23 ID:xDKf5Vad0 - 何者かによって研究所を焼かれ殺される研究員達
なんとか一人逃げおおせたカレイド 研究所を焼き、仲間達を殺したのは誰だかわからない 石版も持ち去られた マニが駆けつけてくれた 「私はいいっ!逃げろカレイドっ!」 一人奇跡的に助かったカレイド 満身創痍で逃げおおせ下水から道に上がろうとした時意識が途絶えた 気絶したカレイドを助けてくれたのは可憐な少女だった ベッドに横になるカレイド ここは小さな宿 目を開けると心配そうに見ていた少女がいた ゆっくり腰を上げるカレイド 「助けてくれてありがとう……イタタ……」 「まだ無理しちゃダメ」
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24 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:45:53.16 ID:xDKf5Vad0 - そこへマニも入ってきた
「大丈夫かい?」 「マニさん……ありがとう。助かったよ」 「仲間は助けられなかった……すまない」 「ペンダント見せてもらいました赤いペンダント…… マニさんから不思議な能力のことも聞きましたそれについてお話があります。まずはこれを見てください」 胸元から取り出したのは青いペンダント 青い小さな石を銀で縁ったものだった 所持している赤いペンダントと全く同じデザインである 「同じだ!」 「そうです。あなたはカレイド・リースですね。父より聞いてます 研究所襲撃は王国保守派達の仕業です。まさか実力行使に出るとは思っても見ませんでした」
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25 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:46:22.64 ID:xDKf5Vad0 - 「なぜ僕の名前を!?……父……?」
「自己紹介まだでしたね。失礼しました。ルールーと申します」 「あなたに隠す意味もありません。私はディザイア王を父に持つ王位継承者 まぁその、つまり……姫ですね」 「姫様……」 「あなたはペンダントを使いこなせると聞きました。考古学者でもあるんですよね この文字……読めますか?」 ルールーは青いペンダントを差し出して言った 同じである。カレイドの持つペンダントと同じ文字が刻まれてあった 「レネベタール・リーブ・アルオンスベナン・キ・ニクソス……」 声に出して読み上げたとたん二人のペンダントは光り始めた 赤い光と青い光 互いに呼応し合うように光る やがて赤と青の光は紫に色を変え光の中から何やら人影が見え始めてきた 「これは……」
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26 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:47:01.57 ID:xDKf5Vad0 - 人影が見えたと思ったら空高く舞い上がる鷹のように辺りの風景を映し出す
見覚えのある風景 「スカラベ荒涼地帯!」 スカラベ荒涼地帯とはハンブロ族が昔暮らしていた荒れた大地である ディザイア王国北西に存在する。 「行きましょう。きっとここに行けという事。この人が何者なのか突き止めに行きましょう」 投影された人物はもしや魔導師バーグ? カレイドはそう期待せずにはいられなかった 「私もお供いたします」 野太い声が聞こえた 「ミュール!」 ルールーは言った 「大丈夫です。父の親友で近衛騎士団の副長です」 「向かうのはこの4人ですかな?カレイド殿の回復を待ってスカラベ荒涼地帯へ向かいましょう」
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27 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:47:32.82 ID:xDKf5Vad0 - 〜4〜
一路スカラベ荒涼地帯へ (要加筆) 荒地でもう一度ペンダントを出し、ペンダントに刻まれた文字を読んだ 紫の光とともにまた人物が浮かび上がる 紫の光は一方を指し始めた どうやら方向を指し示しているようだ 巨大な岩盤を指す紫の光 あそこに何かがある 4人は向かった 岩盤に隠れてよく見えないが小さな小屋がある 一人の翁がこちらを見ていた 「あの人……光の中で見た人……」 「よくぞ参られた」 翁は軽く会釈をした
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28 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:48:07.30 ID:xDKf5Vad0 - 「私の名はバーグです。姫様に……それと……カレイド殿ですな。お付きの方はミュール殿にマニ殿……」
お見通しのようである 「あなたがバーグ……大魔導師バーグ様……」 カレイドとルールーは深く一礼した 「其方達には話さなければならぬ時が来たようだ。さあ中へ……」 4人は促されるまま小屋へ入った 「さて……何から話していいものやら……まずはウルグス様より預かったこの書簡をお渡ししましょう」 そこにはこう記されていた 狂人であるディザイアという邪悪な人間が、召喚した強大な力を持った悪魔と契約し圧政を強いて世界征服を企んでいた 魔界から来た魔族のはぐれ者ウルグスがディザイアを討伐。契約していた悪魔をも撃退し拉致監禁されていた姫を救出 姫と恋に落ちたウルグスは地上界に残る事を決意する 王族である姫と魔族との婚姻など前代未聞のこと 議会は揉めに揉め、とある算段を企てる
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29 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:48:41.03 ID:xDKf5Vad0 - ウルグスにディザイアの名を名乗らせ、建国目前だったディザイア王国の王になる事を条件に姫との婚姻を許した
ここで魔族の人間が王となったのだ つまり現ディザイア王国王族は魔族であった ルールーやディザイア13世も例外なく 最後まで意を唱えていた王族の一人が王位を剥奪され追放されたのがカレイドの先祖であること 紅いペンダントは王族の所有物。紅いペンダントでコルト言語魔法が発動するのは王族のみなのである 呆気にとられる4人であった 「驚いた……アンタ達魔族だったのかい……」 最初に口を開いたのはマニだった 「驚いたであろう。私もウルグス様に命を拾われた身……この事実今全てを民に話すには少し時期尚早やも知れぬ 人間と魔族はいずれ共に生きていく時代が訪れよう。平和な時……」 バーグが話してる最中にミュールが剣撃をふるいバーグを斬った 「ミュール!」 「ああぁ……バーグ様!」
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30 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:49:06.28 ID:xDKf5Vad0 - ミュールは野太い声で話し始めた
「話は全て聞かせてもらった。爺さんはもう逝っちまいな。姫様はこちらへ……元老院がお待ちですぜ!ひゃははっ!」 「貴様!保守派の手先か!」 「お前は動くなよ弱っこい兄ちゃん!お前はマニを倒してから……」 マニが隙を見て剣撃を食らわせる 狭い小屋でマニとミュールの剣の応酬が始まった マニが押されている 「うわあああっ!」 カレイドは思わず手に持ったナイフでミュールに斬りかかった しかしカレイドは左肩を切られ真っ赤な血飛沫がミュールに飛ぶ 同時に絶命寸前のバーグがミュールを指差し叫んだ 「ドゥーラ・ヤーナっ!」 コルト言語魔法だ ミュールにかかった血飛沫がみるみる赤黒く染まり煙を吐く 「あああっ!」 黒い煙をもくもくと上げミュールの甲冑、皮膚を溶かしていく 絶叫するミュール 「魔族の血を使ったコルト言語魔法だよ……ごほっごほっ……」 バーグが笑っている 「全て良し。ウルグス様の御意思のまま……後は其方たちに任せる……」 バーグは息絶えた
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31 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:49:32.12 ID:xDKf5Vad0 - 「バーグ様……」
「カレイドは……大丈夫か……」 マニが剣を引きずり言う カレイドの傷は浅かった。マニもかすり傷のようだ 「もう遅いぞ……」 ミュールが息も絶え絶え口を開いた 「すべての話しは元老院議会に丸聞こえだ。これを見ろ」 「それは!」 持っていたのは『煉獄の耳』という魔道具だった 『煉獄の耳』とは自分の耳を生贄に捧げることによって所持者に聞こえる全ての言葉が もう一方の煉獄の耳の所持者に聞こえる道具である 「お前たちの帰る国は……もう……な……い……」 ミュールは絶命した 「まずい!姫様!王が危ない!」
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32 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:49:59.69 ID:xDKf5Vad0 - 〜5〜
バーグから授かった書簡を持ち城に向かう三人 元老院議員室に通された 「元老院はこの事態見逃すことは出来ない 王族が魔族であることウルグスが英雄であったことを鑑みても誰も王族に与する者はいない 王と王妃を含む王族一五名は素直に牢獄へ入った 姫様も事を荒立てぬようこちらへ参られよ」 「カレイド殿も同じくこちらへ、マニは別室へ行きなさい」 近衛騎士団が三人を引き離しにかかった 「待て!血や血族などどうでもよくはないか!?人間と魔族は一つになれる!」 カレイドは叫んだ 議員の一人が堰を切った 「其方は世界全てを否定するつもりか?人間と魔族双方交わることは断じてない。この王国自体が歪んでいたに過ぎんのだ」 「連れて行け」 「はっ」
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33 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:50:30.09 ID:xDKf5Vad0 - カレイドは自らの体を見て自分の体が自分の血で血塗れになっているのを見てふと呟いた
「ドゥーラ・ヤーナ」 カレイドの体中からモクモクと赤黒い煙が吹き出した 叫ぶカレイド。狼狽する近衛兵 カレイドはみるみる大きくなり毛むくじゃらの三メートルはあろう巨人に姿を変えた 振りほどかれる近衛兵 「見ろ!正体を現したぞ!化物だ!近衛兵っ!かかれ!」 次々にカレイドに斬りかかる近衛兵だったが意にも介せず姫とマニを抱えその場を去った 「牢屋はどこだ」 「地下にあるわ!こっち!」
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35 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:51:50.62 ID:xDKf5Vad0 - 城に鳴り響く警鐘。走る巨体のカレイド
地下牢に閉じ込められていた王族たちを次々開放した 「僕が奴らを引き止めておく!皆は逃げて!王様!マニ!姫様達をどうか安全な場所へ!」 「安全な場所ったってどこだよ!」 マニは言った 「兎に角……兎に角スカラベ荒涼地帯で落ち合おう」 「わかった!待ってるからな!カレイド!お前が来るまで待ってるからな」 「カレイドーっ!」 叫ぶ姫様を担いで王とマニが走った
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36 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:52:24.98 ID:xDKf5Vad0 - 〜終章〜
元老議会は王族が魔族だったことのみを国連に通達 後にディザイア王国は王政を廃止。共和国と名を変えた その数ヵ月後…… 姫が所持していた書簡が国連に匿名で届けられた ディザイア王国の元老院議員達は公文書偽造等罪で懲役刑に処される 慌ただしく政治が変わるディザイア国は経済悪化の一途をたどる 世論が変わっていく 「ディザイア王さえいれば」 人間と魔族、和解はしなかったが 魔族にも善良な者が存在し地上界で偉業を成し遂げた魔族がいる事実を人々は知る事となり 世界規模で話し合われるきっかけとなった 魔族の血を宿す者たち その後カレイドと姫、王族とマニを見たものはいない 「魔族と人間は一つになれる」 この言葉を信じてどこかで健気に、可能性を信じて生きているはずである おわり
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38 :名も無き被検体774号+@転載禁止[]:2014/05/20(火) 23:58:21.32 ID:xDKf5Vad0 - 以上です
ご意見いただけると嬉しいです >>34 ありがとうございます すごく嬉しいです 擬人法ですね 了解しました もう少し緩急つけてみたいと思います >>37 すみません!完全に誤字でした申し訳ないです! >ぼんやり微笑みながら読んでいたカレイドだがふと疑問に思った が正解です お恥ずかしい……
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