- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
52 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:38:35.77 ID:xUVuXnuA0 - 「わりい、寝ちゃった..」
「やっぱり佐野ってシスコンなんだねw」 驚いて声の方を見るとと栗野がいた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
53 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:39:14.12 ID:xUVuXnuA0 - 「いつの間に来てたんだ?」
「佐野が妹ちゃんの膝の上でぐっすり眠ってる間にだよ。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
54 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:40:56.81 ID:xUVuXnuA0 - 俺は反論しようとしてあれ、と思った。
俺は背もたれに寄っかかった状態で寝たはずだ。だとすると横に倒れても妹の肩に寄りかかる形になり、膝枕になることはない。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
55 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:42:04.09 ID:xUVuXnuA0 - 妹が俺に膝枕させたのだろうか。
俺は妹を見た。妹は少し俯くと、 「おやつ持ってくる。」 と言ってその場を立ち去ってしまった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
56 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:43:11.33 ID:xUVuXnuA0 - 栗野はニヤニヤしていた。
「笑うなよ。」 「佐野と妹ちゃんてラブラブだね。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
57 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:44:10.56 ID:xUVuXnuA0 - 突然なにを言い出すんだ。
「冗談w でも佐野たちって、普通の兄妹とちょっと違くない?」 「そうか?」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
58 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:45:10.72 ID:xUVuXnuA0 - 「そうよ。なんて言うか、距離感?みたいなのが変わってる。普通喧嘩したりするでしょ。」
言われてみれば、妹と喧嘩したことはあまりなかった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
59 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:46:09.54 ID:xUVuXnuA0 - 喧嘩をしている余裕がないからだろうか。親が家にいないとなると、お互いの協力が不可欠なのはなんとなく分かってくるし、あるいは中学時代に距離が離れていた事の反動かもしれない。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
60 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:47:36.18 ID:xUVuXnuA0 - 「そう言われればそうなのかな。」
「まあウチは兄弟いないからよくわかんないけど。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
61 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:48:03.01 ID:xUVuXnuA0 - 映画が終わった。俺はDVDを取り出すと、テレビの入力を元に戻した。
ちょうど夕方のニュースの時間だった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
62 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:49:01.99 ID:xUVuXnuA0 - どこかの建物で爆発が起きたらしく、窓から煙が上がっている映像が流れていた。俺がDVDを片付けるために立ち上がろうとすると栗野が俺の服の袖をつかんだ。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
63 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:49:27.09 ID:xUVuXnuA0 - 「なんだよ?」
栗野はテレビ画面を見て呆然としていた。俺ももう一度テレビに目を向けた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
64 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:50:57.30 ID:xUVuXnuA0 - "高校で爆発 犯行予告も"というテロップが出ている。
俺は映像を5秒ほど眺めてから固まった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
65 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:51:39.29 ID:xUVuXnuA0 - 映像で流れている爆発の起きた高校は、紛れもなく俺や栗野の通っている高校だったのだ。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
66 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:52:17.47 ID:xUVuXnuA0 - 15秒ほどしてからやっと声がでた。
「...え、マジで?」 台所にいた妹が声をかけて来た。 「どうしたの?」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
67 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:53:36.94 ID:xUVuXnuA0 - その声で俺と栗野は我に返った。俺は妹に
「学校が爆発した!」 とだけ言うと、栗野と一緒に家を飛び出した。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
68 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 00:55:27.62 ID:xUVuXnuA0 - 今日はあまり投下できませんでしたが、これで失礼します。m(_ _)m
明日(日付的には今日)は多めに投下します。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
72 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:18:09.03 ID:xUVuXnuA0 - 学校の近くまで来た。立ち入り禁止テープが張られていてこれ以上学校に近づくことはできなさそうだった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
73 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:21:23.67 ID:xUVuXnuA0 - ここから見る限り、爆発は大したものでは無かったようだった。一つの教室の窓が割れて、そこからすこし煙が出ている程度だった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
74 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:22:17.84 ID:xUVuXnuA0 - この程度の爆発なら市販の花火が1セットあればできるのではないかというレベルのものだった。
テレビで大事に見えたのは爆発の直後で黒煙がもくもくでていたのと、上からの映像で規模が分かり難かったからだと思った。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
75 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:24:32.71 ID:xUVuXnuA0 - 栗野もそう思ったらしく、少し顔をしかめて言った。
「え、かなりショボくない?テレビが来るほどのことじゃなくない?」 「っていうか、普通にいたずらレベルだよな。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
76 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:25:27.93 ID:xUVuXnuA0 - 誰かが悪ふざけでもしたんだろうと思った。
「もっとこう、派手にやってほしいね。」 「いやダメだろw」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
77 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:25:58.27 ID:xUVuXnuA0 - 俺と栗野は帰ろうとした。
その時、横から声をかけられた。 「この学校の生徒さんですか?」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
78 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:27:04.36 ID:xUVuXnuA0 - 見ると、マイクを持ったキャスターとテレビカメラを持ったカメラマンがいた。
「あ、はい。そうですけど。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
79 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:28:14.30 ID:xUVuXnuA0 - カメラマンがカメラを構えた。俺と栗野は戸惑った。
「学校で爆発事件が起きたことについて、どう思いますか?」 「へっ?あ...大したことが無かったみたいで、よかったです。」 我ながらうまく言った。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
80 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:28:46.21 ID:xUVuXnuA0 - 「犯行予告もあったようですが、犯人をどう思いますか?」
知らねえよそんなこと。帰らせろ。 「あ...怖い、です。」 栗野が答えた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
81 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:31:53.03 ID:xUVuXnuA0 - 俺と栗野は次の質問が来る前にそそくさとその場を立ち去った。
爆発が起こったのがどの教室かさえ、確認もせずに。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
82 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:32:40.46 ID:xUVuXnuA0 - 電車の中で栗野と話した。
「なんであんなショボい爆発にテレビが取材に来るんだろうね。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
83 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:33:20.79 ID:xUVuXnuA0 - 「予告があったから、待ち受けてたんじゃないか?今考えるとますますいたずらっぽいな。」
「あんな勢いで家でちゃったからきっと妹ちゃん何事かと思って心配してるだろうねw」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
84 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:33:52.32 ID:xUVuXnuA0 - 家のドアを開けると、妹と、そして笠原さんがいた。
「先輩、どうしてここに?」 「ニュース見て、携帯にかけたんだけど出ないから家に電話したら、妹さんが出かけたって。それで来たの。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
85 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:35:04.92 ID:xUVuXnuA0 - 笠原さんは少し心配そうに聞いて来た。
「学校、どうなってた?」 栗野が答えた。 「ぜんっぜん大したことなかったです。花火かなんかでいたずらしたんじゃないかっていう程度。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
86 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:36:33.70 ID:xUVuXnuA0 - 「なんだ、よかった。栗野さん今日部活って言ってたから、大丈夫かなって思って。」
「爆発した部屋の中にいない限りは巻き込まれようがないですよあれは。」 俺は言った。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
87 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:37:37.61 ID:xUVuXnuA0 - 数分後、俺と妹と笠原さんと栗野はテーブルを囲んですわり、お茶を飲んでいた。
妹が言った。 「ちょっと騒がれすぎじゃない?いたずらレベルだったんでしょ?」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
88 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:38:53.17 ID:xUVuXnuA0 - 「学校に犯行予告が来てたから、テレビとかは待ち受けてたんだと思うよ。大したことなくても枠を用意しちゃったら放送しない訳にはいかないだろうからね。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
89 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:40:36.05 ID:xUVuXnuA0 - 笠原さんが答えた。笠原さんは最近、よく話すようになっていた。俺ともだし、栗野や妹ともそうだった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
90 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:41:16.55 ID:xUVuXnuA0 - 夕食の支度を手伝っていると、突然笠原さんが声を上げた。
「あ、佐野君と栗野さんが映ってる。」 俺はテレビに目を向けた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
91 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:42:58.55 ID:xUVuXnuA0 - 『学校で爆発事件が起きたことについて、どう思いますか?』
『大したことが無かったみたいで、良かったです。』 「へっ?あ...」の部分はカットされていた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
92 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:43:35.40 ID:xUVuXnuA0 - 『犯行予告もあったようですが、犯人をどう思いますか?』
『怖い、です。』 テレビに映っていたのは数時間前の俺と栗野だった。俺はテレビを眺めながらすこし笑った。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
93 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:44:38.46 ID:xUVuXnuA0 - 完全に他人事だと思っていた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
94 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:45:12.47 ID:xUVuXnuA0 - 「いただきます。」
「いただきまーす。」 「いただきます。」 「いただきます!」 賑やかな食卓だった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
95 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:45:54.15 ID:xUVuXnuA0 - 「やっぱり妹ちゃん料理上手だなー。」
と栗野が言った。 「栗野は料理とかしないの?」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
96 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:46:44.63 ID:xUVuXnuA0 - 「栗野は料理とかしないの?」
栗野は少し肩をすくめてから答えた。 「ウチには無理無理。何回か試したけど全然うまく作れないんだもん。笠原さんは?」 「私はよくするよ。レパートリーはあんまり多くないけど。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
97 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:50:56.06 ID:xUVuXnuA0 - 夕飯を食べ終えると、栗野と笠原さんは帰って行った。また明日も来るらしい。明日からは平日だが爆発のせいで引き続き休校だ。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
98 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:52:22.86 ID:xUVuXnuA0 - 俺は妹に言った。
「悪いな、たくさん料理するの大変だろ?」 妹は微笑みながら答えた。 「ううん。大勢で食べた方がおいしいし、栗野さんとか笠原さんといると、楽しいよ。」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
99 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:52:58.18 ID:xUVuXnuA0 - 妹がそういうのなら、まあいいかと思った。俺も笠原さんや栗野といると楽しい。もちろん妹と2人で過ごすのも好きだが。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
100 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:57:17.58 ID:xUVuXnuA0 - また昔の夢を見た。
昨日見たのとは別な日の夢だ。季節は春らしい。俺は公園で少し腹が痛くなり、ベンチで妹に膝枕してもらっていた。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
101 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:58:06.21 ID:xUVuXnuA0 - ベンチの後ろから声がした。
「おーい、起きろ佐野。」 体を起こすと、いたのは俺の「1人目の友達」の女の子だった。昨日と同じで、顔ははっきりとは見えなかった。
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
102 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:58:32.73 ID:xUVuXnuA0 - 「ああ...よう。」
妹が聞いてきた。 「お兄ちゃんのお友達?」
|
- パソオタ「コンピュータ以外にも友達いるから。」
103 : ◆GoKuglY1Jo @転載禁止[]:2014/05/09(金) 23:59:35.72 ID:xUVuXnuA0 - 「そうだよ。」
「由美ちゃん遊んでていいよ。ウチが代わりに佐野の膝枕するから。」 「は?」 妹は素直にとことこと遊びに行ってしまった。
|