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1 ◆Vwu55VjHc4Yj
魔王「真に美しい世界を望む為だ」

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魔王「真に美しい世界を望む為だ」
736 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 15:59:45.49 ID:zvBn60dLP
后「ね」
癒し手「……繋がって、いる、のですか」
使用人「作者も何もわからないのです。だけど……」
后「普通に考えれば、同一人物が書いた、んでしょうね」
后「使用人が言ってたじゃ無い。もし、この『回り続ける運命の輪』から」
后「何時か、どこかで離れた者がいるのなら、居たのなら……って」
癒し手「……え?」
使用人「そう言う者が居たのなら。これを書いたのかな……いいえ」
使用人「もし、この本と。この世界が繋がっているのなら……」
使用人「違いますね。そうで無ければ、繋がっている、説明にならない」
癒し手「……全てが推測の域、なんでしょうし」
癒し手「全ての真実は……手には入らないんでしょう、けれど」
后「あの、『魔詩』だけれど」
癒し手「はい?」
后「……貴女は、優れた水の加護を持っているから」
后「効き目が無かった……でも、あの時癒し手以外の……私達が見た、あの『夢』」
癒し手「……ええ。知らない筈なのに、随分懐かしい気がしたと」
癒し手「側近さんも……言っていました」
后「使用人の、その話……一つだけ、納得出来ないのがさ」
癒し手「……ああ。そうか」
使用人「言いたいことは……解ります。この本の作者だと仮定して、ですが」
使用人「……『傍観者』が、途中で作られてしまった場合」
癒し手「はい……それは……ッ」ハッ
后「癒し手?」
癒し手「…… ……」
使用人「后様は、弾かれ者が出た時点で、『繰り返しでは無い』と言いたいのですよね?」
后「……まあ、厳密には、ね。厳密にする必要があるのかどうかはわかんないし」
后「『何か』が繰り返されてるとして、少しずつは違ってくる、って事だって……」
癒し手「……それが、本来の意味の『特異点』ですか?」
后「!」
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
737 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 16:19:15.64 ID:zvBn60dLP
癒し手「……そもそも、特異点、って」
癒し手「『基準が適用出来ない』と……そう言う意味ですよね?」
使用人「……基準」
癒し手「まあ、確かに……以前と今回……私達を比べてみれば」
癒し手「私は『特異点』かもしれません」
后「……癒し手はエルフの血を引いているから、魔には変じられない、からね」
使用人「癒し手様も、お読みになれば何か『感じられる』かもしれませんが」
使用人「……この、本も……徐々に仲間が減っていくのです」
后「『三』ね」
癒し手「さん……?」
使用人「魔王様が仰って居た、キーワード、です」
癒し手「ああ……『古詩』『小説』『童話』」
后「それに、『三世代』の物語、ね」
使用人「……金の髪の勇者様を1とするならば、確かに、次で終わるんですけど」
癒し手「今回が最初だとすると……ですね」
使用人「そうです。私が『受け継ぐ者』であるのならば」
使用人「……何故、私は生きているのか。まだ」
后「……魔に変じさせた『魔王』が……消えて、しまえば、って言う疑問もね」
使用人「何を『基準』として何を『特異点』と定めるのか」
使用人「……そんな事言ってしまえば、何だってこじつけられてしまいます」
癒し手「…… ……」ペラ
后「癒し手?」
癒し手「母様も……読まれた、んですか」
使用人「姫様、ですか? ……ああ、そう言えば」
使用人「でも……小説の途中まで、だった気が、します」
癒し手「……綺麗な、旋律でした」
后「え?」
癒し手「人魚の魔詩、です。歌詞……と言うのか。言葉までは覚えていませんが」
癒し手「……ですが、途中から随分禍々しいものに変わった、様な気がします」
使用人「美しい旋律で注意を奪い、魅了し……支配する、んでしょうか」
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
738 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 16:28:16.02 ID:zvBn60dLP
癒し手「当たらずとも遠からず、なんでしょうね」
癒し手「……気がついたときには……否。そもそも、気なんて着けないんでしょうけど」
后「もう、遅い……幻覚を見せて、奪い去るのね。『命』を」
使用人「……あれ?でも、あれって」
使用人「その人が本当に望む者の姿を見せる……のでは無いのですか」
后「……私達の本当に望む姿が、あの……『夢』?」
癒し手「……うーん。話に聞く限り、なんか違います、ね?」
后「そうね……本当に『夢』みたいだったわ。感覚的に」
使用人「寝ている時に見る、あれですか」
后「……ああ。そうか。どっちも『夢』なのね」
癒し手「寝てみる『夢』、現実に描く『夢』……」
使用人「……共に、必ず『願い』が含まれています、ね」
癒し手「……複雑、ですね。何が何だか」

バタバタバタ……バタン!

青年「おかあさん、みてみて! ばった!」
側近「……こら、青年! 持って行くなって!」
癒し手「え? バッ…… ……きゃあああああああああああ!?」
后「……でっかいのよね……この庭の虫、って」
使用人「流石に見慣れましたね……触れませんけど」
青年「かわいいね!」
癒し手「こ、拳ぐらいありますよ!?」
后「魔王は?」
側近「……いや、その……もう、来ると思うが」
青年「まおうさまがくれたー!かあさんにみせてやれって!」
青年「かあさん、はい!」スッ

イヤアアアアアアアアアアアアア!
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
739 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 16:51:32.09 ID:zvBn60dLP
魔王(後で行くよ、とか言っちゃった物の、よく考えたら)
魔王(俺、入れないじゃん……癒し手の部屋……ん、悲鳴?)
魔王「…… ……まさか、本当に持って言った?」
魔王「…… ……」
魔王「……逃げよう」

スタスタ

……
………
…………

シスター「何だ、じゃあ……僧侶の子供は見てないのね」
剣士「……俺は旅に出た、からな。すぐに」
息子「魔導国……いえ、書の街は、どうでしたから」
剣士「人も多く行き来していたし……そうだな」
剣士「普通の街の様に……見えた、な」
シスター「……変わった?」
剣士「あの頃の……あの街に比べれば」
シスター「……そう」
息子「ほっとしました、か?」
シスター「……複雑だわ」
息子「え?」
シスター「戻れる訳でも無いもの。今更」
剣士「何故だ? 行こうと思えば行けるだろう」
シスター「……戻りたくなんか無い」
シスター「いくら、変わったと言ったって……」フゥ
息子「……そう、ですか」ホッ
剣士「?」
息子「あ、いや……ッ そ、その、剣士さん!」
剣士「あ、ああ……?」
息子「き、北の街には何時行きますか!?」
剣士「……俺が一人で行くのが一番早いだろう?」
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
740 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:10:29.50 ID:zvBn60dLP
剣士「それに、お前はもう村長なんだろう。村を開けない方が良い」
剣士「……魔物だって強くなっているんだ」
シスター「そうよ、息子さん」
シスター「……兄や魔導師だって、決して一人前だなんて言えないんだから」
息子「で、ですが……」
剣士「……そもそも、仕事を探しに来たんだ。無償で宿まで提供して貰ってる」
剣士「遠慮無く使えば良い」
息子「……すみません」
剣士「……兄や魔導師まで、実戦要員、なのか」
シスター「大人が居ないの。最初から、若い人達で一杯の村でも無かったわ」
息子「兄君はともかく……魔導師は」ハァ
剣士「まだ……子供だな」
シスター「……強い魔力を秘めている様だけどね」
剣士「故に……怖い部分はあるな」
シスター「丁度難しい年頃、って言うのもあるのよ」
剣士「…… ……」
息子「……ああ、酒が無くなりましたね。取ってきましょう」

スタスタ、パタン

シスター「……ねえ、ずっとこの村に居るの」
剣士「長くて……2.3年だな」
シスター「誰も……何も言わないわよ」
剣士「……ああ、そうか。お前は……」
シスター「知ってるわ。貴方の見た目が、ずっと変わらない事」
シスター「……命の恩人だって思ってるのは、私だけじゃ無い」
剣士「…… ……」
シスター「あの時も、今も。この村の人達は……」
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
741 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:17:31.60 ID:zvBn60dLP
剣士「……一所には留まれん」
シスター「……無理矢理引き留めはしないけど」
シスター「暫くは、居てくれるんでしょう」
剣士「…… ……」
シスター「…… ……あ」
剣士「?」
シスター「いやね……雨だわ」

ザアアアアアアアアアアアアアアアア……

剣士「……火が消えるとまずいな」

バタバタ……バタン!

息子「すみません、剣士さん!」
剣士「……ああ」

スタスタ、バタン!

シスター「…… ……」フゥ
シスター(書の街、か……今更)
シスター(子供達を放ってなんて、行けない)
シスター(……帰りたい?)
シスター(帰る場所なんて…… ……)
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
742 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:18:20.01 ID:zvBn60dLP
……
………
…………

ザアアアアアアアアアアアアア……

后(ん……雨……?)

金の髪の男『……か、あ ……さん』ナデ

后(あれ……あの男の子……誰かに似てる)
后(金の髪に……蒼い瞳……誰、だっけ……)

金の髪の男『…… ……』
金の髪の男『ご丁寧に、自分で棺桶まで用意しちゃってさ』
金の髪の男『……死期まで、悟れるんだったら、さ』
金の髪の男『雨が降りそうな日に、わざわざ……花の手入れなんて……』

后(雨の中に倒れているのは……癒し手!? まさか!)

金の髪の男『全く……間抜けだよ、母さんは……』

后(母さん……じゃあ、あれは……青年!?)

青年?『今日は、久しぶりに……一緒に寝て、良いよね?』
青年?『昔みたいにさ、子守歌、歌ってよ……夢の中で……良い、から』ギュ
青年?『……ふ、小さいな、母さんの身体』

后(!! あの顔は……癒し手! 癒し手……そんな!?)

青年?『明日……雨が上がったらあの丘へ行こう。母さんと、神父様の為に……両手一杯の花を抱えて、さ』

后(青年!せいね……ッ 癒し手!!)

青年?『母さん……おやすみ』
青年?『もう、明日から……朝ご飯を作って、中々起きない僕を起こさなくて良い』
青年?『気にしないで、ゆっくり眠ってくれて良いんだ。母さん………』
青年?『………おやすみ、母さん』ポロポロポロ

后(厭よ、いや……ッ 癒し手……ッ!!)
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
743 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:24:52.04 ID:zvBn60dLP
……
………
…………

后「いや……ッ」ガバ!
后「…… ……」ハァ……
后(ゆ、め……?)
魔王「んー……?」
魔王(すぅすぅ)
后「…… ……」
后(夢……か…… ……なんて、厭な夢……)ハァ
后(……ああ、でも。夢で良かった……まだ、心臓がどきどきと……)
后「……癒し手…… ……ッ」ズキン
后「ん……? あ、いたた……あら、やだ、これって……」
后(まさか……もしかして、これ……じん、つ……ッ !!)
后「……お、う ……魔王……ッ!」トントン
魔王「なんだよ、后……もうちょっと……」ムニャ
后「あ……ッ い、た……ッ ……ちょ、魔王!起きてよ!」バシッ
魔王「いってぇ!なに……」ムク
后「陣痛よ……癒し手、呼んで…… ……ッ」ウゥ
魔王「あ、え!?うそ、産まれるの!?」ガバ!
后「早く! ……痛いのよ!」バシバシッ
魔王「いてぇ! ……ちょ、使用人ー!」

パタパタパタ……コンコン、バタン!

使用人「魔王様? 如何…… ……!!」
使用人「后様!?」
魔王「癒し手! 産まれる! 早く、早く!」
后「煩い!」バシッ
魔王「ええええええええ」

……
………
…………
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
744 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:27:35.68 ID:zvBn60dLP
使用人「8分間隔……ですね、もう少し、いきむのは我慢して下さいね、后様」
后「……う、ぅ……ッ ちょっと、痛いのよもっとちゃんと腰さすって!」バシッバシッ
魔王「いてぇ! ……やってるんだってば……」サスサス
后「うぅうう……」

ガチャ

側近「癒し手連れてきたぞ。魔王、出ろ」
魔王「お、おう……癒し手、すまん頼むな」
癒し手「はい!お任せ下さい!」

タタタタ!

側近「……妊婦の怒りは理不尽だぞ。癒し手の時も大変だった」
魔王「おう……大丈夫だ、気にしてない」
癒し手「大丈夫です、魔王様……8分ですか……明け方頃には産まれますよ」
魔王「そんなかかるの!?」
側近「任せておけば大丈夫だ……とにかく、お前は外に出ろ」
魔王「……もうちょっと労って?」

スタスタ、パタン

側近「………」
魔王「………」ウロウロ
側近「………」
魔王「………」ウロウロ
側近「……落ち着け!鬱陶しい」
魔王「落ち着けるかああああ!」
側近「気持ちは分かるがな……実際、男に出来る事は何も無い」
側近「傍に居てやりたいだろうが……」
魔王「いや、それはな。癒し手の事を考えると仕方ないだろう」
魔王「俺より癒し手の方が、今は必要な筈だし」
魔王「……遠慮無しの后のパンチは痛い」
側近「……」プッ
側近「心配するな。俺も……癒し手に相当どつかれた」
魔王「妊婦ってのは……そんなもんか」
側近「そんなもんだ」
魔王「……明け方って言ってたな」ウロウロ
側近「ああ」
魔王「今、何時だ?」
側近「雨だからはっきりは解らんが……もうすぐ日が暮れる位だろう」
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
745 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:30:13.84 ID:zvBn60dLP
魔王「……さっきから、どれぐらい経った?」
側近「まだ30分も経ってない」
魔王「……」ウロウロ ウロウロ
側近「……お前やっぱり鬱陶しい!」
魔王「お前だって似たようなモンだったんだろ!?」

カチャ

魔王「産まれた!?」
側近「そんな訳無いだろう! ……落ち着け」
使用人「側近様の仰るとおりです、魔王様……落ち着いて下さい」
使用人「順調に陣痛も強くなってますし、このままの調子でいけば」
使用人「日が変わる頃、には」
魔王「……それでもまだまだだな」
使用人「大丈夫です。癒し手様がついていらっしゃいます」
使用人「……僭越ながら、私も」
側近「ああ……青年は?」
使用人「さっきまで興奮していらっしゃった様ですけど」
使用人「今は、后様のベッドの傍で……眠っていらっしゃいます」
側近「……この、大騒ぎの中?」

イヤーオナカイタイーモウヤダー!
キッテー!オナカキッテー!
ダイジョウブデスカラ、キサキサン、オチツイテ!
アアアア、マダイキンジャダメ!

使用人「……はい」
魔王「……大物になるよ、お前の息子は」
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
746 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:33:59.85 ID:zvBn60dLP
……
………
…………

魔王「ウロウロするの疲れた」グッタリ
側近「……そんなお前を見るのにも疲れた」グッタリ
魔王「日、落ちたな……完全に」
側近「あれから……3時間程か」
魔王「もうすぐ日が変わるか?」
側近「……お前は時間の計算もできんのか」
魔王「…… ……酷い」
側近「ん……?」

キサキサマ、モウチョットデス!
アタマガミエテマスヨ!
イヤアアア、モウデル、モウデル!

魔王「!」
側近「……随分早いな」

ハイ、イキンデ!
ダイジョウブデス、ダシテイイデス!

魔王「……無茶言うな、癒し手」
側近「使用人もついてるし……大丈夫だろう」

ウゥウウ、アアアァ……ッ
フ……  フエエエエエ……ッ
オギャアアアアッ!

魔王「産まれた!? 産まれたよな!? 側近!!」ガシ!ユサユサ!
側近「……い、痛い痛い……離せ、バカタレ!」

カチャ

使用人「魔王様、側近様、産まれましたよ」ニコ
使用人「可愛い、女の子です」
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
747 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:43:59.58 ID:zvBn60dLP
魔王「女の子! ……え、女の子!?」
使用人「はい……どうぞ、と言いたいですが」
使用人「先に、癒し手様をお部屋にお連れしますので、魔王様はあちら」スッ
魔王「……ハイ。部屋に戻ります……」
使用人「側近様も、あちら」
側近「……ああ。すまん、青年は?」
使用人「まだ寝てらっしゃいます……一緒にお連れしますから」
側近「……すまん」

パタン

使用人「……もう、良いですよ、癒し手様」
癒し手「ええ……最後まで、寝てましたね、青年……」フゥ
后「……つ、疲れた……ッ」
使用人「お疲れ様でした……后様」
后「うん……でも……可愛い……」
癒し手「……本当に、魔王様にそっくりですね」
使用人「でも……女の子、ですか」
后「え?」
使用人「……いえ。前例、だなんて言う程、見ていません。ですが」
使用人「まさか……男の子以外が産まれると……その」
使用人「思っていませんでした、から」
癒し手「……そう、ですね」
癒し手「私も少し……吃驚しました」
癒し手「でも、おめでたい事に変わりは無いんです」
癒し手「……新たな、命が産まれた、のですから」
后「……そう。そうよね。私達は……喜ばないと……いけないんですもの」
使用人「癒し手様も……もう、お戻り下さい」
使用人「魔王様、きっとまだ部屋の中ウロウロしてますよ」
癒し手「……そうですね」クス
使用人「青年様は私が抱っこしましょう……では、后様」
使用人「すぐに、魔王様を呼んで参りますから」
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
748 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:48:32.95 ID:zvBn60dLP
スタスタ……パタン

后「……勇者」ツン
勇者(すぅ)
后「…… ……ふふ」
后(勇者……光の、子)
后(……この子は、人間。私は……これで、きっと……)
后(前后様……魔王の、お母様の様に……!)

カチャ、パタン

魔王「后……あの、うん」
后「魔王……」
魔王「お、おぅ……ええと、お疲れさん」
后「女の子、だって……ほら、見て?」
魔王「うん……あぇ、俺そっくりじゃん……」
后「うん、吃驚するぐらい似てる」
魔王「……お前に似たら美人だっただろうになぁ」
后「ふふ……手、見て」
魔王「ああ……あるな、勇者の印」
后「うん……」
魔王「……勇者」
后「……ええ」
魔王「色々、話したい事はあるけど……今日は……ゆっくり休んでくれよ」
后「魔王は?」
魔王「俺も今日は休む……と、横で寝る訳にいかないか、勇者いるしな」
魔王「……明日にでも、ベッドを運ぶ」
后「うん……じゃあ、おやすみなさい」
魔王「ああ……寝ぼけて踏むなよ?」
后「は!?赤ちゃん踏むわけ無いでしょ!?」
魔王「違うわ!俺だ!」
后「……なんで」
魔王「……床で寝るから」
后「……馬鹿?」
魔王「何とでも言え。もう決めた。此処で寝る」ゴロン
后「全く……」フゥ
魔王「……時間が無いんだよ、后。産まれちまった」
后「…… ……」
魔王「死ぬほど嬉しいんだぜ? ……お前と、俺の子供だ」
后「……ええ」
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
749 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:53:41.21 ID:zvBn60dLP
魔王「それが『勇者』だったってだけだ」
魔王「……ちょっと、金の瞳で」
魔王「魔王と……魔族の、妻の間に産まれた、ってだけだ」
后「…… ……」
魔王「なのに、人間に産まれて来て……」
魔王「……世界を救う為に」
魔王「魔王を……俺を。父親を……倒す、って。そんな運命に……」
后「魔王……」
魔王「…… ……」
后「…… ……」
魔王「誰なんだろうな。こんな……腐った世界作った奴ってさ」
后「え?」
魔王「良くわかんねぇよ。何で、大人しく……否、仕方無いとは言え、さ」
魔王「……こうやって、大人しく……俺達が、従ってるのか」
魔王「……何で……なんだろう、な」
后「……魔王」
魔王「これすらも決められてる、とか。思いたくネェよな」
魔王「ましてや、ずっとずっと……こんな事繰り返してきてる、とかさ」
后「…… ……決まった訳じゃ無いわ」
后「私達が、勝手に立てた……仮説に過ぎないのよ」
后「真実なんて、誰にも解らないの」
魔王「…… ……」
后「……魔王?」
魔王(すぅ……)
后(寝ちゃった、のか)
勇者(すぅ)
后「……ふふ」チュ
后(ごめんね……勇者)
魔王「真に美しい世界を望む為だ」
750 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2014/01/17(金) 17:55:16.37 ID:zvBn60dLP
お風呂とご飯ー
明日からまた仕事!


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