- モブ「主人公機強すぎ」
92 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 00:39:01.13 ID:xZ/qtwiti - ホテルに入った准尉はひさしぶりに、くつろいだ。
テレビをみて、風呂に入って、両親や妹に電話した 年老いた両親や妹は、月のコロニーで暮らしている。 太陽系内は地球統合政府の管轄なので、銀河連邦内の紛争であり、他星系の勢力からの 軍事的圧力である今回の戦争では、守るべき対象だ。 父「あい。モブ。元気ねー? ぱいろっとは大変してないかねぇ?」 おう、モブ。元気か? パイロットの仕事はちゃんとやってるか? 母「あんたよー。彼女と別れたって? はっさよー。大変さぁ。お母さん心配であるよー」 ※モブ、彼女と別れたらしいね。ああ、なんてことでしょう。お母さんは心配だよ 妹「にーにー、地球に行ってるから ちんすこうショコラ買ってきたらいさー」 お兄ちゃん、地球にいってんでしょ? お土産にちんすこうショコラかってきてね 沖縄エリア出身なだけあって、方言が抜けていない。すこし笑ってしまう。 妹「にーにー。なんで笑ってるばー?」 お兄ちゃん、どうして笑うの? 准尉「お前、方言ひどすぎだろ。月にすんで何年だよ」 母「いいさー別に」
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93 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 00:40:03.52 ID:xZ/qtwiti - 母「いいさー別に」
准尉「はいはい。どうよ。月の生活は?」 父「ジョートーさー」 不満はないよ 准尉「そりゃよかったね。元気そうで何より。じゃ、俺、風呂はいるから」 母「はっさ、あんたよー。ひさしぶりなのになんでねー?」 あらまぁ、モブ。久しぶりに話すのにどうしてそんなにすぐ通話を切るの? 元気そうで何より、というのは本心だ。あの平和な家族は平和でいて欲しい。 准尉はつけっぱなしのテレビに目線をやってみた。 相棒の好きだったアイドルが、歌っている。 准尉「…へー。結構いいんじゃないの。ま、俺は○○の方が好きだけどな」 ○○もまた、地球圏内の女優だ。 ふと、携帯にメールが入っていることに気づいた。 オペ子(こんばんは! しばらくオフですね! すこし気晴らしがしたいです。 今度ゴハンとか行きませんか?) そう書いてある。やっぱりちょっと、 いやかなり嬉しい。
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94 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 00:46:22.61 ID:xZ/qtwiti - モブは返信を打った後ベッドに入って考えた
この戦争は、要するに、中央集権に対する地方からの不満の表れだ。 銀河の果ての人々が、その高い軍事技術を持って、中央集権制を変えようとしている。 それは悪いことなのか。 それは一介のパイロットであるモブの考えることではないけど、それでも 全人類が地球にいたときから見られる構図だ。士官学校でならった戦史講座にはよくあった。 多分、この戦争の勝敗に係わらず、銀河連邦の地球中央集権は瓦解していくはずだ。反乱があった時点で、それは確実なのだ。 戦後の情勢で、どれだけ現在の敵勢力が権限をもつのか。これはそういう戦争だ。そういう戦争のはずなのだ。地球を滅ぼせるはずがない。それは、軍事力の問題ではなく、利益の問題だ。 しかし、最近の敵軍の攻撃はあまりにも激しい。まるで、地球を滅ぼそうとしているようだ。 それが実現すれば、デメリットのほうが多いのはわかりきったことなのに、それでもとまらない。 おかしい。これではまるで、敵軍の司令部に、破滅主義者がいるようにも見える。 考えれば考えるほど、そういう結論になる。 准尉「…はーっ…」
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95 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 00:50:32.83 ID:xZ/qtwiti - 准尉は戦ってきた。公に責任のある士官として、だが、その意味は?
この戦いが終われば、その勝敗に係わらず現在の政治体制はかわり、基盤が変る。 そうしたら公務員の果たすべきとされた勤めの意味は。価値は? 准尉「わかんねぇよ…相棒…ヒゲさん…」 准尉はそう1人ごちて、眠りについた。 〜後日、街中〜 オペ子「すいません。今日は付き合ってもらっちゃって」 准尉「いや、俺も暇だしね。メシはどこ行く?」 オペ子「ふっふっふ! じゃーん! リサーチ済みなのです! この近くに美味しい金星料理のお店が!」 おもむろに芝居がかった調子でフードマップを広げるオペ子。 准尉「…」 オペ「あ、あれ? すいません。はずしちゃいましたか?」 准尉「いや。ありがとう。好きだよ。金星料理。なんだっけあれだよね。旧世紀のイタリアエリアみたいな 感じでしょ。行こう」
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96 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 00:52:55.40 ID:xZ/qtwiti - 〜ダイニング〜
オペ子「モグモグ…へー。モブさんは沖縄エリア出身なんですかー。私はですね。カリフォルニアです」 准尉「ほー。なんかイメージ違うね」 オペ子「?そうですか?」 准尉「なんかこう。バーン! みたいな感じじゃないの? カリフォルニアガールって」 オペ子「なっ…!」 会食は楽しかった。久しぶりに食う金星料理のパスタやピザは旨かった。 その後は散歩しつつ、公園についた。星が奇麗だった。 てくてくと歩く二人 不意にオペ子が口を開いた。 オペ子「…あの、モブさんって、最初に話たとき、すごくつらそうでした、よね」 准尉「…んー…」 オペ子「なにが、あったんですか?」 准尉「いやぁ…」 オペ子「…話したくなったら、いつでも話してくださいね」 准尉「…うん」 なんだか、すこし気が緩んだのかもしれない。モブは自分のことをいくつか話した 軍を辞めようかと思っていることも含めて
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97 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 01:01:09.14 ID:xZ/qtwiti - オペ子「…モブさんは、もっと自分の心の声を聞いたほうがいいと思います」
准尉「?」 オペ子「一生懸命だから。大事な、すごく大事な自分の気持ちに気づいてなくて、だから無理してる…んじゃ、ないかな。なんて…。だって、いつも、つらそうです…。がんばりすぎなんじゃないですか?」 准尉「そりゃ、まあ。そこそこの腕前なのに、トップガンレベルの作戦に参加してたし、 天才じゃないしね。そりゃ無理もするよ」 オペ子「違います。そういうんじゃないんです。モブさんはきっとがんばれる人なんです。 今、つらいのは、きっと…」 准尉「…ヒゲさんにもよく意味のわからないこと言われたな。そういえば」 オペ子「きっと、その答えは、知ってると思いますよ。聞いてみるといいです」 准尉「誰に?」 そのとき、爆音が響き、警報のアラームが鳴り響いた! 思わず、通信端末を表示し、状況を確認する二人 オペ子「敵襲…ですね…」 准尉「くそっ。主人公もいないってのに!」
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98 :誰もおらん?さびしかよ[]:2013/11/25(月) 01:13:33.10 ID:xZ/qtwiti - オペ子「本部が落とされたら…!」
統合本部には戦略兵器がある。 太陽系内のどこでも、攻撃できる手段が。 それが奪われたら。 沖縄も、料理の旨い金星も、そして家族のいる月も。 危険に迫られる。 准尉「待機してないときに! オペ子さん! 早く避難を!ここならすぐにシェルターが…!」 オペ子「! モブさんは!?」 准尉「俺は艦に戻って出撃する! 非番だろうが見過ごせない!!」 非番であり、かつスクランブルも出ていない。出撃義務はない。だからオペ子には非難を命じた。 しかし自分は違う。パイロットとして、できることをやらないといけない 走り出そうとする准尉、その手をオペ子が掴む。 オペ子「…ダメ…です!」 必死な顔だった。 准尉「なんで!?」 オペ子「このまま、行ったら、きっとモブさんは、もっとつらい思いをします…!死んじゃうかもしれない…!」 准尉「俺は軍人だぞ!」 オペ子「モブさんは、モブさんだから…きっと今、行かなくちゃいけない、って思ってますよね… 准尉「ああ」
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99 :とりあえず続き ◆0C01EP2p7U []:2013/11/25(月) 01:21:32.44 ID:xZ/qtwiti - オペ子「それじゃダメです。そんなモブさんが好きです。けど…」
さらりと告白された。だが今はそれどころじゃない。上空には迎撃部隊が閃光と消える姿が見える。 准尉「けど…?」 オペ子は爆風で乱れる髪を押さえ続ける オペ子「モブさんは、なんのために…ううん。『どうして』と飛ぶんですか…?」 どうして? なんのために、と聞かれれば答えられる。義務のために、民間人をまもるために、 義理を果たすために。それが答えだ。 でも問いかけは違う。『どうして』 答えに、つまる。 オペ子はにっこり笑って見せた。月明かりに照らされた瞳が、印象的だった。 准尉「だから、聞いてみてください」 准尉「誰に?」 オペ子「ここに」 オペ子は准尉の胸を人差し指でつつく。くすぐったいような。熱いような、何かが、胸にともった。
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101 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 01:26:16.57 ID:xZ/qtwiti - 目をつぶって考える色々なことが頭をよぎる
ヒゲ(飛んだあとの酒と女が格別だからな!)(俺は飛行機乗りだからな!) 相棒(そらちょっとちゃうなー。俺はな…) 赤パイ(それでもキサマは武人か!) 主人公(僕は戦いたくない!) 敵隊長(私の生きざまを!) 准尉「………俺は…」 准尉は閉じていた目をひらいた。戦場とかした空を背景に その瞳には、これまでとは違う。炎があった。 オペ子「うん?」 准尉「わかった。俺が、飛ぶ理由が」 准尉は胸を触っていたオペ子の手を握り、離す オペ子「…そう、ですか…。じゃ、仕方ないですね。今度、聞かせてくれますか?」 准尉「ああ。あの赤いヤツと君には、ぜひとも」 そういって、准尉は駆け出した オペ娘「死んじゃ…いやですよ!」 オペ娘はその背中に、想いをのせた言葉をかけ、 自信もまた、避難民の誘導にあたった
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102 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 01:28:45.29 ID:xZ/qtwiti - 艦に戻り、出撃許可を得て、カタパルトデッキに入る
となりのドッグですでに出撃準備にはいっていたヒゲがコックピットごしに こちらを見て、眉をくいっとあげ、親指を立てる 「ようこそ、こっち側へ」 そういっているように見えた。 カタパルトデッキから戦況を見る。例の敵の赤いヤツもいる。 准尉「システムオールグリーン。出力安定」 何人もの兵が戦っている。 准尉は最新鋭機には乗っていない。超人的な操縦技術もない。 准尉「装備弾数クリア、航路確認」 この戦況を一人でどうにかできたりなんてしない。 モブはモブでしかない。 准尉「戦術スクリプトOK、スタンバイ」 それでも モブ准尉「モブ! イレブン1!出撃!!」 モブはただの量産機を駆り、激戦の空へ挑みかかった! その翼にはこれまでと違う想いを乗せて!! 中編 完
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103 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 01:30:33.51 ID:xZ/qtwiti - 残ってたらまた今度完結編書くです
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115 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 10:02:58.51 ID:xZ/qtwiti - >>114
おお。せっかくだから宣伝するぞ。 求人広告「奇声あげて威嚇するだけの簡単なお仕事です」 ショッカーの話 勇者「仲間に女入れるのはおかしい」 ゲス野郎の話 ジャイアン「ホグワーツ魔法魔術学校?」 マルフォイの話 出木杉「カプセルコーポレーション?」 出木杉の話 暇なときに読んでみてくれい
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123 :おもむろに再開[]:2013/11/25(月) 19:22:07.47 ID:xZ/qtwiti - 出撃した准尉の視界には一面の戦場が広がっていた
准尉「うわぁ…」 ホントはここで、面白じゃねぇか(ニヤリ)とか出来たらかっこいいのはわかってるけど 無理。やれることを、やるだけだ。 准尉「レイブン1、これより迎撃に入る!」 准尉は艦の指示通り、戦闘エリア東へと回り込み、敵航空部隊への迎撃を開始した。 准尉「…」 本部へ接近してくる部隊へむけて、けん制の射撃を繰り返し、押し戻す。 あたらなくたっていい。 相手が避けようとしてくれれば、それだけで守りの意味がある。 ときおり、弾幕を突破した敵の弾が准尉の量産機を襲う 准尉「…」
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125 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 19:24:21.55 ID:xZ/qtwiti - その都度、准尉は操縦桿を引き絞り、体を襲うGに耐え、安全稼動域ギリギリの繊細なコントロールを行う。
ロール、ピッチ、 准尉「…!」 変形、チャフ、 准尉「…ふっ!」 急加速、逆噴射 准尉「…らっ!!」 持ちうる技術を総動員して、敵弾をかわし、けん制の攻撃を放ち続ける! 意味のある言葉を発する余裕などない。たえず機体周りの状況に目をやり、 神経を研ぎ澄ます。切れるような殺気をそらし続ける。 ときおり、隙をみつけては反撃。
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126 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 19:31:34.60 ID:xZ/qtwiti - 准尉「……!(あたるといいな)」
ハイスピードでめまぐるしく動く視界のなか、なんとかかんとか、一瞬だけロックオンレティクルが敵機に重なったタイミングで、トリガーを絞り、ミサイルを発射。 元々、攻撃はそんなに得意じゃない。 士官学校でも、入隊後も、評価では「丁寧な機体コントロールと繊細な動きが良。攻撃に難あり」 との評価を受け続けただけのことはある。 思わず笑ってしまいそうになる。ウソだ。そんな余裕はない。 顔芸もかくや、と思わせる必死の形相で、それでも丁寧に丁寧に。命をかけて、飛ぶ
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127 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 19:39:39.05 ID:xZ/qtwiti - ヒゲ「オラアアアアアッ!!!」
ヒゲはヒゲで、命などいらぬと思っているかのような強引な突撃と攻撃を繰り返し すでにかなりの数を撃墜している。 准尉「…すげ」 実際には20分にもみたない交戦だったが、准尉にはまるで2日間は戦っているような錯覚にとらわれる。 意識が遠くなりそうになる。 戦況は、ほぼ互角。硬直状態に陥ったか、そう思われたそのとき。 赤パイロット「ダラダラと粘りおって! 俺みずからが引導を渡してやる!!」 弾幕をかいくぐり、敵軍のエース級のひとり、赤いワンオフ機を駆るあの男が戦場に姿を見せた! 真紅の流星が、戦場を貫き、その軌道上の味方機は次々とスクラップへと変わっていく。 准尉「…あいつは…!」
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129 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 19:56:08.84 ID:xZ/qtwiti - ヒゲ「!ヤツはやべぇぞ!! モブ! お前のエリアから突破しようとしてやがる!気をつけろ!!」
准尉(…まーじでー…?…) 赤パイ「ふはは!!もろい!柔いぞ! 統合軍!!」 すさまじいスピードで戦場に飛来する熱源が、レーダーに反応を見せた 赤機は准尉の完全に迫った! 准尉「…」 無言のまま、ミサイルを発射する准尉 赤パイ「甘い!」 ミサイルのすべてを、手にしたビームサーベルで切り落とす赤パイ
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131 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 20:12:33.21 ID:xZ/qtwiti - 赤パイ「統合軍には武人は一人もいないのか? 大志なき者が!職業軍人の努めとして戦うだけのものが! たかが公僕ふぜいが!この俺を止められと思うかあああああ!!」
相変わらずよく喋るヤツだな。つーか公務員バカにすんな。お前役所の世話になってねぇのか。 准尉「…」 准尉はつづけてガンポットを発射 軽く避けられる。 そして、攻撃後の准尉機の硬直、そこを狙って、こちらにライフルを向ける赤機 運がなかったな。やっと、飛ぶ理由がわかったのに。 そう思わずにはいられない、ただ、悔しい。凡人であることが、自分が、ただの、その他大勢の凡人であることが。 死ぬのか、俺は死ぬのか。 勿論死ぬのは、嫌だ。でもそれ以上に、なにもできないままでいることが、嫌だった。 意地を、見せたかった。かなわないのか。ひとかけらの意地を、見せることもできないのか。 悔しい。悔しくて、たまらない。嫌だ。 死ぬのは嫌だ。そして、なにも出来ないのは、死ぬほど嫌だ。 赤パイ「さらばだ!」 赤機の放った弾が眼前に迫る!! ―そのとき!
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132 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 20:27:33.76 ID:xZ/qtwiti - 一筋の疾風がはるか上空から吹いた。
なにが起こったのかわからない准尉。だが、生きている。 眼前には純白に輝く機体がある。その機体が、自分を守ってくれたようだ。 一瞬遅れて理解する。 ああ、英雄は、主人公ってのは、 やっぱり、違うな。 主人公「僕は…、もう逃げない! 世界中の、涙を、止めるために!!」 主人公機は人型形態を取り、翼に似た形状のバーニアを展開し、空に立ちふさがっていた。 ビームサーベルを抜き、凛と構えてみせる。 威風堂々たるその勇姿は、まぶしかった。 なにがあったのかは知らない。多分なにかまた劇的な出来事があって、それで決意を決めたんだろう。 かっこいい。 世界中の涙を止めるだって? すげぇ、パネェ。 訓練をうけたわけでもない少年が。
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133 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 20:35:51.53 ID:xZ/qtwiti - 赤パイ「出てきたな、主人公!! 今日こそは貴様をーーー!!!」
主人公「そこぉーーーーーっ!!」 剣光一閃! 赤パイ「な、なに!? バカな!?」 一瞬にして脚部と頭部を切り離された赤機 主人公「これであなたはもう戦えない! 撤退してください!!」 赤パイ「ふざけるな!」 そこにあらたに通信が入る。貫禄のある、それでいてどこか壊れた印象を与える声だった。 ??「赤パイ。ここは引け」 赤パイ「しかし!ボス様!!」 ボス「私のいうことが聞けないのか。統合政府を滅ぼす機会は再びある。ここは引け 我らの大義のために」 赤パイ「…はっ!!」 赤パイは撤退していった。 結局、統合軍本部の戦いは、主人公の出現により、戦況がいっぺんし、 地球統合軍が、本部の防衛に成功した。 ドッグに戻った准尉は…
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134 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 20:38:29.77 ID:xZ/qtwiti - 准尉「…」
オペ子「あ、おかえりなさい! モブさん、無事で良かった…!」 オペ子は戦闘の途中から艦に戻っていたが、モブの帰艦を確認し、ドッグまで駆け寄ってきてくれていた。 准尉「…ああ、ありがとう」 准尉は笑顔は見せなかった。 オペ子「…モブ…さん」 オペ子もモブの戦闘をみていたのだから、赤機にやられそうになって、主人公に助けられたことも知っている。 あのときのように、ふがいなさに涙を流すのかな、と心配されたのかもしれない。 が 違う
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135 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 20:42:06.40 ID:xZ/qtwiti - 准尉「…」
オペ子「モブさん、大丈夫…ですか?」 准尉「うん。大丈夫だよ。俺は」 もう、涙は流さない。ふがいないのはわかってる。凡人なのもわかってる。 でも、このまま終わるわけにはいかない。 飛ぶ意味がわかった。これからは迷いなく飛べる。 主人公は世界中の涙を止めると言った。赤いパイロットは、信じる理念と大義のため、腐敗した統合政府を討つと言った。 俺の、飛ぶ理由は、それにくらべたらちっぽけだ。身の丈にあった、ちっぽけなものだ。 でも、自分で決めたことで、たとえちっぽけでも、そのために覚悟を決めて翼を持った。 なら。 准尉「このままじゃ、終わらせない。意地を、見せてやる。」 悔しさに心が乱れているのは同じ、今も悔しくてたまらないでもあのときとは違う。 俺は弱い、でも弱さを認めた。それでも進む
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136 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 20:48:20.55 ID:xZ/qtwiti - モブの瞳には、迷いはなかった。
オペ子「…もう…男の子だなぁ…」 負けて悔しがり、新たに決意を固めるモブの顔に、頼もしさを覚えた。 それは、英雄を見る民衆のそれではなく、もっと身近な。たとえば、頼れる隣人に対する。 ちっぽけで、でも大事な信頼だった。
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137 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 20:50:04.08 ID:xZ/qtwiti - 統合本部防衛線から二週間後、戦争は最終局面を迎えていた。
辺境軍は地球圏内、月の裏側に母艦及び艦隊のワープを敢行、全面攻撃の構えだ。 それをうけ、地球統合政府も戦力の過半数を投入、月の周辺の宇宙では、最終決戦のときが、近づいていた。 准尉は整備ドッグにいた。 准尉「うん、この調整でいいです。ありがとう」 整備士「し、しかし准尉さん、いいんですか? こんな…」 准尉「いいんです。俺は、これで。許可もとってあるし。いやー承認もらうの大変だったんですよ」 つづいてシュにレーションルームで、飛行シュミレーターをみっちり。 これは、ここしばらく、准尉の週間だった。まいにち整備と調整をし、クタクタになるまで、 あることのシュミレーションをする。 たった数日の修練で腕前があがったりはしない ただ、今までとは違う飛びかたを覚えるために
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138 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 20:54:19.90 ID:xZ/qtwiti - 准尉「ふーっ…」
シュミレーションルームを出る准尉。そこに後輩がやってきた。 後輩「あ、准尉さん」 准尉「よう、どうした」 後輩「いえ…俺、今日で正式に軍属を辞めたから、挨拶にきたっす」 准尉「そっか」 激化する戦い、後輩に限らず、除隊希望者は多かった。もちろん受理されないケースが多いが、 後輩は主人公機護衛任務で功績があり、免除されている。 後輩「…すいません」 准尉「いいさ。なんであやまるんだよ」 後輩「でも、…こんなときに…俺…」 今度の戦いは危険すぎる。死ぬ可能性のほうが高い。だから、それはまあ、わかる。もちろん責める気持ちなどない。 准尉「ばーか。飛びたいやつが飛べばいいんだ。こんなのは。…元気でな」 後輩「…はい…」 涙ぐむ後輩。そのとき、艦内放送が入る。 〈敵艦隊に動きあり、総員、第一種戦闘配置!! パイロットは待機! 繰り返す…」
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139 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 21:02:26.57 ID:xZ/qtwiti - パイロットは待機! 繰り返す…」
准尉「お、来たか。じゃあ、ちょっくら、行ってくるわ」 准尉はきびすをかえし、後輩に背を向ける。空へ、宇宙へ、飛び立つ覚悟は出来ている。 後輩「准尉さんは…どうして、飛ぶんすか…?」 准尉はにかっと笑い、答えてみせる。 准尉「決まってんだろ? 俺が…」 最後の戦いが、始まる。
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142 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 21:12:05.74 ID:xZ/qtwiti - >>141
すまぬ
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144 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 21:28:25.69 ID:xZ/qtwiti - >>143
W面白いよな クウガもいいぞ。
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145 :続いあいいの?[]:2013/11/25(月) 22:01:54.00 ID:xZ/qtwiti - 准尉が飛び出した戦場は、一言でいうと、華やかだった。
飛び交うレーザー・ビーム、花火のように炸裂する機体。 そこには人の命が散りゆく壮絶さが、あるのに、それでも。 その景色は、奇麗だった。星々の淡い輝きのみがる暗い宇宙を、幾多の命が飾っていた。 全方位通信が入る。これは聞き覚えのある声、赤パイロットがボスと呼んでいた。あの男。 准尉はボスについて調べていた。 ボス、過激派の政治家であり、かつトップガンのナンバー1と呼ばれたパイロット。 最新鋭機を乗りこなし、前線に出ては士気をあげる男、 議会においては地球統合政府の征伐を急進的に進め、戦場においては誰よりも多くの撃墜数を誇る、あの男。 ボス「諸君! 時は来た!! 銀河連邦のなかにおいて、中央であるが故に 腐敗しきった地球、その歪みを正すときが!! 痛みを伴う革命が必要なのだ!!」 兵士たち「わー!!!わー!!!わー!!!」
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147 :続いあいいの?[]:2013/11/25(月) 22:19:55.74 ID:xZ/qtwiti - ボス「我ら母艦が有する戦略兵器は、母なる星、地球を死の星に変え、太陽系の惑星に
壊滅的な打撃を与えるだろう!…これは苦渋の選択であるが! あえて我らは この責を負おう!! すべては銀河に住むすべての同胞の未来のために!! 殺戮者と呼ばれよう! 簒奪者といわれよう! それでも我らは進む!! 銀河の未来のために!! 人類に一度、修正を与えるために!! それが我らの大義なのだ!!!」 兵士たち「うおーーーーっ!!!」 たいした弁舌だ。人類の未来のため、地球を滅ぼす男。 准尉にはまるで現実感がないが、彼もまた、思いを抱えて戦っているのだろう。 憎悪か、希望か、諦念か、妄執か。それはわからないけど。 人類全体からして、あるいは宇宙的な視点をもつ神のような存在が判断するとして。 ボスの考えが正しいか間違いかなんて、准尉にはわからない。 主人公「やらせやしない…。あなたは、間違っている!!」 主人公はそう発し、勢い良く出撃した。敵陣中枢に向け、一直線に
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148 :誰もいない?[]:2013/11/25(月) 23:01:27.50 ID:xZ/qtwiti - 今回の作戦は、突出した性能をもつ主人公機が敵母艦に接近、戦略兵器を
破壊する、他全機はそれを援護という、いたってシンプルなものだ。 准尉「…」 准尉はやっぱり無言で、敵機の航宙小隊に飛び込む 准尉「…!」 敵陣を切裂き、すかさず離脱。敵の攻撃は激しい、だが、避けることのみに集中すれば、かわせないことはない。 雨粒のように降り注ぐミサイルを、すりぬけるようにかわす。何発かは被弾する。 だがかまってはいられない。 戦場を飛びまわり、敵機をかく乱し、味方がうけているロックオンを外す。 准尉「…どう、だ…!」 全神経を緊張させる。たえず周囲に目をやり、危険地域を外して飛ぶ。 なんてことはない働きだ。とても一騎当千の活躍ではない。ほんのわずかだけ 味方の被弾率がおち、敵の動きを乱す。 オペ子「主人公機! 敵陣中枢部に接近!…ですが!」 准尉(…どうした…?)
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149 :誰もいない?[]:2013/11/25(月) 23:02:05.56 ID:xZ/qtwiti - オペ子「ボスが登場したボス機が敵母艦から出撃!! 主人公機と交戦しています!!」
味方の心は大きく動揺した。 主人公は今や、地球統合政府の守護神といっていい存在だ。 それゆれ、この作戦は主人公が敵陣を突破し、戦略兵器を破壊するという一点なのだ。 が、 敵のボスもまた同じ、政治家であり、超一流のパイロット、乗っている機体もまた、 主人公機と同世代の新型超高性能機! そのカリスマ性、実力、 いずれにしても武神と言っても差し支えない。 主人公、ボス。勝つのはどちらなのか。 オペ子「主人公、ボスの戦況は…互角です!!」 敵も味方も、戦線を維持しつつも、突如発生した戦の勝敗を決める自体に戸惑い、 戦況を維持しつつも、動きが鈍くなった。
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- モブ「主人公機強すぎ」
150 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 23:03:09.63 ID:xZ/qtwiti - 准尉「…きたか…!」
だが、准尉は違う。知っていた。最初から知っていた。地球を救う者がいるなら、それは間違いなく主人公だ。 見てきた。主人公の強さを、その勇姿を。悩みながらも立ち上がり、 少年の身でありながら、戦い続けてきた、その存在を、ずっと、見てきた。 羨望もあった、嫉妬もあった。でも何よりも、信頼があった。 准尉は主人公とは、会話をしたこともない。それでも! ヒゲ「おいモブ!!」 突如、ヒゲが准尉の戦闘エリアに入ってきて、援護してくれる。 准尉「!? ヒゲさん?」 ヒゲ「…行くんだろ? ここは俺に任せておきな!!」 准尉「…はい…! ありがとうございます!!」 准尉は機首を返し、加速した。主人公とボスの戦う、戦場の中枢へ。
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153 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 23:06:01.38 ID:xZ/qtwiti - ありがとう
続けてもいい?
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154 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 23:06:40.29 ID:xZ/qtwiti - 飛び交うミサイルの中を、駆け抜ける准尉!
スロットルを全開にし、補助AIが指し示す安全空域を無視し、 混迷の戦場に翼を広げ、進む。 ときおり被弾する。だが、気にしない。すべてを避ける技量がないことなんて、知っている!! 赤い機体が立ちふさがる。 赤パイ「ほう!? この戦域を突破しようというのか! 面白い!! 統合軍にもいたようだな!! 戦うに値する武人が!!」 どうやら彼は、過去に戦ったことのある准尉を覚えていないようだ。 そりゃそうだ。ほとんど会話したこともないし、准尉は赤パイや主人公とは違って 普通の量産機に乗っているのだから。 准尉「…よう。また会ったな。口数の多いエース」 赤パイ「む? …見覚えがあるな、その動き」 准尉「へー」 赤パイ「! 思い出したぞ! あのときのお前だな! 綺麗な飛び方をする。しかし! それだけの男! 大義なき公僕ふぜいが!! 殺気をもたぬキサマが! 俺を倒せるか!!??」 准尉「…無理なんじゃないの」
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159 :おっしゃ最後まで書いた[]:2013/11/25(月) 23:56:38.01 ID:xZ/qtwiti - 赤パイ「む? なんだと」
准尉「でもま、やるだけやってみるさ」 准尉は航空機形態から人型形態へと変形してみせ、その手にビームサーベルを 構える。 准尉「…こい」 赤パイ「…失礼したな。命をかけての一騎打ちか。いいだろう! 来い!」 赤機体もまた、ビームサーベルを抜き、構える。おそらく負けるつもりなど、 さらさら無いのだろう。 赤パイ「その首、もらったーーーー!!」 准尉「…」 猛速で接近する両機!! 音速を超える相対速度で二人がぶつかりあう直前 准尉「うりゃあああああああああ!!!!」 准尉は雄たけびをあげる。コックピットで初めてあげる、咆哮だった。 だが、その気合は、赤機体と切り結ぶためではない!!
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160 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/25(月) 23:59:48.64 ID:xZ/qtwiti - 赤パイ「なに!?」
准尉は激突の直前、飛行形態に変形し、ブーストを全開にし、操縦桿を壊れるほど に引き、赤機体の目前から、頭上へ! 急上昇!赤機体を頭上からすれ違うように 飛び去る!! 突撃した赤パイは一瞬視界から消えた准尉機に戸惑い、また、機体の急制動が追いつかず、反応が出来ない。 准尉は間髪いれず、そのまま目くらましのチャフを放ち、全力で突破を図る!! 准尉「俺は、お前には勝てねぇよ!! でも、だからなんだってんだ!!!!!」 正々堂々たる一騎打ちを望んだ赤パイは、面食らったが、すかさず後を追う!! が、簡単に追いつけはしない。全力で逆方向に 突っ込んでいた分のロスがあるから当然だ
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