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名も無き被検体774号+
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」

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紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
20 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:05:27.00 ID:tp/tugLY0
ダル「じゃあオカリン、まずは何をすればおk?」

岡部「とりあえず俺は東都大学病院に向かう、ダルはラボに待機、鈴羽はこの宅配便の送り主である橘未来に連絡」

るか子「ぼくらは…?」

岡部「るか子とまゆりは慶応四年の出来事を調べてくれ」

フェイリス「フェイリスも何かするのニャ!」

萌郁「…」カチカチ(私も何かできる事あるかな?)

岡部「ではフェイリスは慶応四年にアンドーナツを売ってた店、萌郁は慶応四年の地図を調べてくれ」

フェイリス「がってんニャ!」

萌郁「…頑張る」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
21 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:08:40.55 ID:tp/tugLY0
東都大学病院

岡部(さて…東都大学病院に来てみたが)

ガヤガヤ ガヤガヤ

岡部(なんだか騒がしいな…)

医師「そこの君!」

岡部「ふむ、俺の事か!?」

医師「見たこと無い顔だが、インターンかね?」

岡部「ふふふ、俺は医者ではない、世の中の支配構造を変革するムァッドサイエンティスト…」

医師「…精神病棟から逃げ出してきたのかね…」

岡部「あ、いえ単なる理系大学生です…」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
22 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:12:50.63 ID:tp/tugLY0
岡部「実はわたくし牧瀬紅莉栖氏の友人でして…」

医師「牧瀬さんの友人かね?昨日から連絡が取れずに探し回っているのだ」

岡部「ええ、こちらも探し回っているんですよ。ところでこの病院に川の見える非常階段はありますか?」

医師「?ああ、南のほうにあるが?」

岡部「有難うございます、ではまたいずこ!」

医師「行ってしまった…」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
23 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:15:57.30 ID:tp/tugLY0
非常階段

岡部「ここがクリスティーナが足を滑らしたという階段か」

岡部「…なんだかホルマリンくさいな」

岡部「しかしdメールも偶然できたものだからな、時空の歪みでもあるのかもしれん」

南方「君、ここで何をしている」

スチャ

岡部「ああ、俺だ。機関の妨害を受けている。何?そうか解った、では家族に伝えておいてくれ」

岡部「『愛していた』と、エル・プサイ・コングルゥ」

岡部「ふっふっふ、残念だったなドォクタァー、俺はこれで失礼する」スタコラサッサ

南方「なんだったんだあの若者は…白衣を着てるが医者じゃないようだったが」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
24 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:19:20.81 ID:tp/tugLY0
ラボ

岡部「オペレーション・エイム、状況報告を頼む」

鈴羽「まずはあたしから、橘医院は明治初期から続く医院で初代は橘咲、牧瀬紅莉栖の会った女医とはこの人だと思われる」

鈴羽「坂本竜馬とも親交があったみたいだね、写真見せてもらっちゃった。橘咲の兄は近代保険制度の父橘恭太郎」

岡部「ヘァンパない名門みたいだな、次るか子とまゆり頼む」

るか子「ハイ!慶応四年とは明治元年と同じ年で旧暦七月十七日に江戸が東京と変わりました」

まゆり「この年の旧暦十月十三日に明治天皇が江戸城に入城したのです」

るか子「幕府軍と新政府軍はこの時期東北で戦っているから戦争での身の危険はないと思います」

岡部「ご苦労、フェイリスはどうだ?」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
26 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:21:58.76 ID:tp/tugLY0
フェイリス「江戸時代にアンドーナツを売ってた店は調べたところ『あかね屋』の一つしかなかったニャ!」

フェイリス「これから『あかね屋』の社長と掛け合って記録を調べてみるのニャ!」

岡部「すまない、ではラスト!萌郁はどうだ?」

萌郁「…江戸時代と明治時代の地図アプリをダウンロードした…これで位置はわかるはず…」

岡部「うむ、みんなありがとう。これで紅莉栖救出に一歩近づいたな」

ダル「じゃあ次はどんなdメールを送るべき?」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
27 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:24:52.87 ID:tp/tugLY0
岡部「そうだな…橘咲がクリスティーナが未来人であることを不思議に思わなかったって所が気になるな」

鈴羽「普通信じられないよねー」

ダル「鈴羽のことも最初はみんな半信半疑だった件」

まゆり「うーん、ひょっとして…」

るか子「??」

まゆり「既に橘咲さんのところには未来から人が来ていたとか?かなぁ?…」

鈴羽「!ひょっとしてあたしがいた時代よりさらに未来から?」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
28 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:29:28.73 ID:tp/tugLY0
フェイリス「でもそれなら橘咲はなんでその事をクーニャンに説明しなかったのニャ?」

岡部「ううむ…橘咲について調べるようdメールを送るか…」

To:牧瀬紅莉栖
1868/08/29 12:00

橘咲について
情報を集め
報告せよ

岡部「ではいくぞダル」

ダル「おk!」バチバチ

岡部「送信!」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
29 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:33:39.29 ID:tp/tugLY0
岡部「!!リーディングシュタイナー発動…」

岡部「桐箱の中の手紙は三通に増えている」

『慶応四年七月十二日』

『橘咲さんに直接お話を伺ってみたところ、彼女は"仁友堂"という医療施設で女医をしている方だったわ
 江戸時代なのに凄く進んだ医療知識を持っていて脳科学者として感激しちゃった
 研究所を見学させてもらったけどなんとペニシリンまで作ってたのよ、信じられる?』

岡部「ペニシリンというと抗生物質か?」
 
ダル「それおかしくね?だって抗生物質が作られたのは20世紀のはずじゃん」 

岡部「となると…やはり未来からの来訪者がいて知識を教えたと考えるのが妥当か」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
30 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:37:27.14 ID:tp/tugLY0
『それで橘咲さんに尋ねてみたの、"あなたはどこでこんな進んだ知識を習得したんですか?"って
 そしたら、"わかりませぬ、でも思い出そうとすると胸が苦しくなるのでございます"って答えてくれたわ
 岡部、これってあなたのリーディングシュタイナーの能力の逆バージョンじゃないの?』

岡部「リーディングシュタイナーの逆だと…?」

鈴羽「医療知識が伝わってるの?じゃあ2036年以降じゃないよ。そんな事は厳しく禁じられている」

まゆり「誰かが既に江戸時代に来てたけど、その人は帰って皆忘れちゃったって事?」

萌郁「…」メルメル(つまりタイムマシンが無くても現代に帰れる可能性はあるってことだね!)
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
31 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:41:50.33 ID:tp/tugLY0
『それでね、もう一つ面白いものを見せてもらったの。なんと抗生物質ホスミシンの小瓶!
 製造年月日を見てみたら2009年のものだったから案外近い時代の人が来てたのかも知れないわ
 でもその人の名前は思い出せないっていうの。もしその人が見つかったらその人にどうやって戻ったか聞いてみて』

岡部「…また一歩前進だな、ダル、"仁友堂"とやらを調べてくれ」

ダル「オーキードーキー」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
32 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:44:37.75 ID:tp/tugLY0
岡部「どうだった」

ダル「目ぼしい収穫は無かったお、でも…」

岡部「でも、何だ?」

ダル「なんか聞いたことあるんだお、"仁友堂"って名前、どこだったかなぁ」

岡部「思い出すのだ、ダルよ!」

ダル「確かネット小説で…思い出したお!牧瀬氏とシチュエーションがそっくりなSF小説があるんだお!」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
33 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:48:09.24 ID:tp/tugLY0
岡部「関係あるのか?」

ダル「うん、オカリンは僕がタイムマシンオフ会に参加していること知ってるだろ?」

ダル「それでこんな話を聞いたことあるんだ。『脳外科医が幕末タイムトラベル小説を書いてる』って」

ダル「それで調べて見たらネットにこんな小説がアップされていたお…」カチャカチャッターン

鈴羽「うーんなになに?脳外科医が階段で転んでタイムスリップ、幕末へ…!?」

フェイリス「ニャニャ!?これって!?」

るか子「紅莉栖さんとそっくりですね…」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
34 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:53:35.15 ID:tp/tugLY0
岡部「あとはこの作者の身元を割れば良い訳か…頼りにしてるぞ、ダルよ」

ダル「おk、30分で割り出すお」


ダル「発信元をハッキングしてみたんだけど…十中八九この医師のものだお」

鈴羽「南方…仁?"仁友堂"の仁ってこの人の名前からとったんじゃ?」

岡部「フーハハハ!さすがスーパーハカー!」

ダル「ハッカーだろjk」

まゆり「トゥットゥルー♪つまりこの南方さんもタイムトラベルしたかもしれないってことだね」

鈴羽「で、南方医師の顔とかはわかるの?父さん」

ダル「FBに顔写真が公開されてるお」

萌郁 (…ピクッ)

岡部「FaceBookの事だ指圧師よ」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
35 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 00:58:51.89 ID:tp/tugLY0
フェイリス「南方仁先生ニャ、どことなく凶真に似てるニャ」

岡部「こやつとはさっき東都大学病院で会ったぞ」

ダル「えーと、橘未来さんと婚約中ですだと!うっは!リア充爆発!」

鈴羽「…やっぱり、これで繋がったね」

岡部「うむ、もう一度南方医師に会ってみる必要があるな」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
36 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 01:01:41.57 ID:tp/tugLY0
東都大学病院

南方「そうですか…牧瀬さんが幕末に行って咲さんに…。それにタイムマシンを作っている人達がいるなんて…」

岡部「南方先生、あなたも幕末にタイムトラベルを?」

南方「…はい、三年前にこの病院の非常階段から文久二年に…」

南方「そこで私は多くの大事な友と仲間と…愛しい人ができ、そして別れました…」

岡部「お願いです、教えてください!紅莉栖がどうやったら戻れるかを!」ドゲザッ

南方「そんなことしなくても教えますよ、今の錦糸町公園あたりのホスミシンのあった崖から飛び降りれば戻れます」

岡部「…そんな簡単に!?」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
38 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 01:04:29.09 ID:tp/tugLY0
南方「ええ、ですから最後は牧瀬さんの帰還を促すdメールで良いと思いますよ」

岡部「ううむ、だがこのままでは鳳凰院凶真の沽券にかかわる!江戸の誰かに何か伝えたい事はないのか?」

南方「…いえいいんですよ、遠い過去の話はもう…」

岡部「…感謝します」シュタッ
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
40 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 01:07:37.25 ID:tp/tugLY0
錦糸町公園

まゆり「ここでいいの?」

萌郁「…地図で確認した…ここのはず…」

岡部「ファ-ハハハ!ではこれよりオペレーション・エイルを完遂する!クリスティーナに帰還命令を出すのだ!」

To:牧瀬紅莉栖
1868/08/31 12:00

小瓶のあった
錦糸掘崖より
飛び降りろ

ダル『オカリン、放電始まったお』

岡部「送信!」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
41 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 01:11:45.07 ID:tp/tugLY0
ぐにゃり

岡部「!!リーディングシュタイナーが発動した!」

ドサッ

紅莉栖「いてて…」

岡部「紅莉栖ぅ!良かった!本当に良かった!」ダキッ

紅莉栖「お、岡部、こらやめろ、恥ずかしいだろ///」

まゆり「えへへ、紅莉栖ちゃん和服可愛いのです」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
42 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 01:17:08.64 ID:tp/tugLY0
東都大学病院

南方「牧瀬さん、良かった。帰ってこられたんですね」

紅莉栖「はい、南方先生のおかげです。…橘さんや仁友堂の方も元気そうでしたよ」

南方「…そうですか、それは良かった」

岡部「ファーハハハ!南方ドゥオクター!何か言いたい事があったのではないか?」

紅莉栖「ちょっと岡部!時と場合をわきまえなさい!」

南方「…咲さんには一言だけ伝えたい言葉がありましたがそれは叶わぬ夢です」

岡部「それを叶えようというのだ、この鳳凰院凶真の未来ガジェットでな!」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
43 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 01:20:15.17 ID:tp/tugLY0
To:牧瀬紅莉栖
1868/08/30 12:00

橘咲に伝言
幸せを願うと
南方仁より

紅莉栖「送ったわよ」

岡部「……」

紅莉栖「ねえ、リーディングシュタイナーは発動したの?これで咲さんの人生は変わったの?」

岡部「ふっそれは秘密だ」
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
44 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 01:23:20.39 ID:tp/tugLY0
慶応四年七月十五日

咲「先生…」

恭太郎「咲、具合でも悪いのか?」

咲「いえ、咲は今とても嬉しゅうございます」
 
END
紅莉栖「脳外科医の南方仁先生…ですか」
46 :名も無き被検体774号+[]:2013/11/13(水) 01:26:14.96 ID:tp/tugLY0
それではこの辺で落ちさせてもらいます
読んでくれた人、書き込んでくれた人
有難うございました。


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